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因果応報
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またいつでも遊びに来てくれと言われたが、2度と行きたくない。
お客様のお帰りにノーロープバンジージャンプをさせるとか異世界怖いよ。
帰り際に城壁のお礼を伝えても何故か頬を思い切り引っ張られるし、レイニート様はなんとなく悪い人ではないような気はするが、もう1度会いたいと思う人ではなかった……のに。
「どうしてここに居るんですか……」
当たり前の様に食堂の椅子に座っているレイニート様。
元騎士団と言っていたので知り合いなのか、ベルムントさんとベルンさんが青い顔をして固まっていて、レフさんの顔が俺にもわかるほど嫌そうに顰められていた。
「失礼だな。街を守ってくれている警備隊の詰所をわざわざ修復しに出向いた心優しい領主様に、夕食ぐらい振る舞っても罰は当たらないよ?」
有無を言わせぬその笑顔に誰からも反対の声は上がらなかった。
街の復興を優先させて大穴が開いたままだった倉庫の壁を魔法で修復してくれたのは本当だし借りを作る方が怖いし夕飯食べて満足して帰ってくれるならその方が良いか。
「レイニート様がお喜びになる様なご馳走は用意できませんけど」
「普段通りの食事で構わない。隊員達の顔を見ればシーナ君の食事が素晴らしい事はわかる。楽しみだ」
皆の顔を見回したけど俺にはさっぱり……レイニート様には何がどう見えているんだろう?
「飯食ったらさっさと帰れよ。お前がいると皆落ち着かねぇ。ここ毎日力仕事の連続で疲れてんだ。気ぐらい使え」
さすが隊長は動じない。
「団長……ガイトドフ殿は相変わらず手厳しい。見た顔もありますし……楽しかった昔を懐かしみたいという僕の想いもくんではいただけませんか?」
「何が懐かしみたいだ。お前がそんな感傷に浸るたまか。素直にシーナの飯が食いたいと言ったほうが可愛げがあるんじゃねぇか」
お?
照れた?今ちょっとレイニート様の顔が一瞬だけど変わったぞ?なんだよ俺のご飯が食べたいだけなら素直にそう言えば良いのに素直じゃない。
「シーナの飯旨いっすよ!!ずっといい匂いしてて領主様もお腹を鳴らしてたっすもんね!!」
ディ……ディックさん……若さとは時になんて無謀なんだ。
「……君はディック君と言ったか?……うん、なかなか素直な子だね。君みたいな素直な子は好感が持てるな。今度是非屋敷に遊びに来てくれたまえ。歓迎しよう」
ジッとディックさんの顔を見詰めた後、レイニート様はにっこりと微笑まれた。
「いいんすか!?俺貴族様の屋敷なんて初めてっす!!」
ディックさんはユノス生まれユノス育ちだからな……礼儀はともかく、キラキラした瞳で……知らないって怖い。
レイニート様の背後でディックさんに合図を送るようにハイケンさんが必死に首を横に振っていたがディックさんには伝わってないようだった。
ごめんね、ディックさん。
俺も自分が可愛いから……。
涙を送りながら俺は厨房へと逃げた。
レイニート様を中心に賑やかな食堂の風景を、他人事の様に眺めながら既に用意していた料理を収納鞄から調理台に並べていると、ルノさんとアシルさんが運ぶのを手伝いに来てくれた。
ルノさんは全くレイニート様の事を気にしていないみたいで普段どおりだけど、アシルさんは明らかに逃げてきたな。ディックさんと違って危機管理能力は高い。
「新領主様なんか怖い人だな。ディックはすげぇよ……俺なんかゴゴンサに睨まれた時みたいに体が固まった」
見習わなくて良いと思うが、自分が弱いのかと少しへこんで見えたアシルさんに、俺も同じだと同意して頷いおいた。
今日は新作だけど味見はちゃんとしたし、レイニート様に出しても大丈夫……だと思う。
『ニックリッツァブニャ、パリィーピーの蜜煮』と『卵スープ』と『蒸しパン』なのだが、ニックリッツァブニャはカロラブニャの上位種でお肉も高級らしいからちょうど良かったかも……トロトロに煮込まれた肉をふかふかの蒸しパンで挟んで食べると角煮まんみたい。
両手に大皿を持ったアシルさんの後ろ姿、右手もちゃんと動いている……良かった。
「みんなと一緒に食べよう。あんなに機嫌の良いレイニート様は珍しい。シーナがいないと機嫌を損ねそうだ」
人数分のスープを乗せた盆を軽々片手で持って、俺の手を握ってくるルノさん。
……あれ機嫌良いの?
俺、魔力見えない筈だけど黒いオーラが見えるよ?
厨房で忙しいふりして後で食べるつもりだったのに、そんな笑顔で一緒に食べようなんて言われたら断れないよね。
いつも通りかと思ったけど、なんとなくルノさんもいつもより機嫌が良さそうで、あんなでもルノさんにとっては良い上司だったのかもしれない。
昔の上司に会って喜んでるルノさんを見てるとなんだか胸がほっこりとした気持ちになり、道を間違えてしまった。
「シーナ君どうかな?僕の屋敷で働かないか?警備隊の詰所にいるよりは安全だし給料もはずもう」
……どうしてわざわざ俺の隣に座るんだ。昔を懐かしみたかったんなら隊長の横行けよ。
「俺……ここが好きなんで……」
手掴みで食べる角煮まんはジャンクフードだと罵られるかと思ったけど、大層気に入って頂けたようで延々と同じ問答を繰り返している。
「レイニート様シーナはちゃんとお断りしているので、そろそろ諦めていただけますか?」
「ルノルトス、君の執着でこの子の才能をこんな場所に埋もれさせてしまうのか?それは横暴と言うものだろう」
横暴なのは貴方です。
俺の頭上でバチバチと音が聞こえてくるんですが……。
この場を収められるであろう人物はゲラゲラ笑いながら角煮まんを頬張っていて、役に立たないとじっとり睨んでいると……ようやく助け舟を出してくれた。
「シーナ!!スープおかわりだ!!卵多めでな」
助けてくれるの遅いよと思いながら、この機を逃すなと急いで立ち上がり厨房へ駆け込んだ。
「隊長……なんとかして下さいよ。何度断っても聞いてくれないんですけど……」
スープのおかわりを渡しながら隊長に助けを求めた。フザけた人だけど仲間を守ろうとする気持ちだけは本物の人だから、なんだかんだ言いながら最後はきっと助けてくれる。
「あいつは欲しいと思ったものには一切妥協しねぇからな……だが一応多少の分別はあるし、行きたくないの一言じゃなくて理由を説明して納得すれば黙るんじゃねぇか?」
成人してて多少の分別じゃ困るんですけど……本人前にして如何に苦手かは説明しづらいし、俺が行かないと言った時点で引いて欲しい……人の機微に聡いんだろ?
隊長は袖を引っ張ると顔に俺の耳を近づけた。
「一言ルノと別れたくねぇって素直に言えば良いじゃねぇか」
「別れるって……同じ街の中で職場が変わるだけだし……」
レイニート様から住込みとは言われてないが、詰所になんの貢献もしてないから……詰所からは出て行かないといけなくなるかもしれないけど……。
「離れたくないのは嘘じゃねぇんだから平気だろ?」
「え~……でもなんかルノさんを利用してるみたい……」
何度もルノさんが止めてくれてるのに聞いてないし。
「何なら俺と離れたくないって甘えてくれて良いぞ。まあ、もしもの時はちゃんと止めるさ」
既にもしもの時だと思うんですけど……これ以上があるのかよ……。
「シーナ君!!話はまだ終わっていないよ。早く戻ってきたまえ」
俺の中ではとうに終わってるんですけど?
テーブルを一周ぐるりと見回したが、ディックさんを覗く全員に視線を逸らされた。
「俺はここで働きたいんだと説明してるじゃないですか」
仕方なくある溜め息混じりに席に戻る。
「ここより給料も出す。屋敷の厨房はここより設備が整っているし、食材だって揃えてあげよう」
「そういう問題ではありません」
じっとりとしたレイニート様の視線が刺さる……。
「……なるほど。よし、寂しいなら僕が添い寝をしてやろ「あ、俺ルノさんと離れたくないんで」
うん。ルノさんごめん。
「シーナ……わかった。とりあえずレイニート様を殺れば良いんだね」
感極まった笑顔で双剣を回さないで!!
何がわかった!?一言も言ってないし、思ってもない!!
「僕を殺す?良いだろう……部下に『無意味に人は殺したくない』と手合わせを拒否され続けたあの日々の屈辱を今晴らしてやろうじゃないか」
何故レイニート様までそんなにやる気!?
時折感じてた元部下を案じる優しさは気の所為だったか!?
腰から細身の剣が抜かれ、剣先がルノさんを捉える。
バチバチと火花が散って見える……実際既にルノさんの剣から炎が出てるんだけど……これはもしもの時だろうと隊長に視線を投げると、実に楽しそうに笑っていた。
あの笑顔はこうなる事まで想定済みだったに違いない。
無理だ……もう俺には手に負えない。
勝手にしてくれと投了した。
「レイニート!!シーナの飯が食いたければお前がここに通ったら良いじゃねぇか」
隊長の突然の提案に隊員達が同時に吹き出した。
良いぞ、隊長。みんな俺を見捨てた報いを受けろ。
「……そうか。それも楽しそうですね」
隊長の言葉にどんな思考を巡らせているやら、暫し固まっていたレイニート様だけど、ルノさんとやれないのは残念だと言いながらも剣を収めてくれた。
「ルノさんも……そういう事みたいですから……」
恐る恐る伺うようにルノさんを止める。前に仲裁に入って瀕死になったからな、ルノさんを止めるには細心の注意が必要。
「ああ、シーナが良いなら俺もそれで良いと思う…………いいからお前は黙ってろ」
ん?最後の一文は誰に対してかな?
鞘に収めた剣がカタカタ鳴っているのは気の所為に違いない。
お客様のお帰りにノーロープバンジージャンプをさせるとか異世界怖いよ。
帰り際に城壁のお礼を伝えても何故か頬を思い切り引っ張られるし、レイニート様はなんとなく悪い人ではないような気はするが、もう1度会いたいと思う人ではなかった……のに。
「どうしてここに居るんですか……」
当たり前の様に食堂の椅子に座っているレイニート様。
元騎士団と言っていたので知り合いなのか、ベルムントさんとベルンさんが青い顔をして固まっていて、レフさんの顔が俺にもわかるほど嫌そうに顰められていた。
「失礼だな。街を守ってくれている警備隊の詰所をわざわざ修復しに出向いた心優しい領主様に、夕食ぐらい振る舞っても罰は当たらないよ?」
有無を言わせぬその笑顔に誰からも反対の声は上がらなかった。
街の復興を優先させて大穴が開いたままだった倉庫の壁を魔法で修復してくれたのは本当だし借りを作る方が怖いし夕飯食べて満足して帰ってくれるならその方が良いか。
「レイニート様がお喜びになる様なご馳走は用意できませんけど」
「普段通りの食事で構わない。隊員達の顔を見ればシーナ君の食事が素晴らしい事はわかる。楽しみだ」
皆の顔を見回したけど俺にはさっぱり……レイニート様には何がどう見えているんだろう?
「飯食ったらさっさと帰れよ。お前がいると皆落ち着かねぇ。ここ毎日力仕事の連続で疲れてんだ。気ぐらい使え」
さすが隊長は動じない。
「団長……ガイトドフ殿は相変わらず手厳しい。見た顔もありますし……楽しかった昔を懐かしみたいという僕の想いもくんではいただけませんか?」
「何が懐かしみたいだ。お前がそんな感傷に浸るたまか。素直にシーナの飯が食いたいと言ったほうが可愛げがあるんじゃねぇか」
お?
照れた?今ちょっとレイニート様の顔が一瞬だけど変わったぞ?なんだよ俺のご飯が食べたいだけなら素直にそう言えば良いのに素直じゃない。
「シーナの飯旨いっすよ!!ずっといい匂いしてて領主様もお腹を鳴らしてたっすもんね!!」
ディ……ディックさん……若さとは時になんて無謀なんだ。
「……君はディック君と言ったか?……うん、なかなか素直な子だね。君みたいな素直な子は好感が持てるな。今度是非屋敷に遊びに来てくれたまえ。歓迎しよう」
ジッとディックさんの顔を見詰めた後、レイニート様はにっこりと微笑まれた。
「いいんすか!?俺貴族様の屋敷なんて初めてっす!!」
ディックさんはユノス生まれユノス育ちだからな……礼儀はともかく、キラキラした瞳で……知らないって怖い。
レイニート様の背後でディックさんに合図を送るようにハイケンさんが必死に首を横に振っていたがディックさんには伝わってないようだった。
ごめんね、ディックさん。
俺も自分が可愛いから……。
涙を送りながら俺は厨房へと逃げた。
レイニート様を中心に賑やかな食堂の風景を、他人事の様に眺めながら既に用意していた料理を収納鞄から調理台に並べていると、ルノさんとアシルさんが運ぶのを手伝いに来てくれた。
ルノさんは全くレイニート様の事を気にしていないみたいで普段どおりだけど、アシルさんは明らかに逃げてきたな。ディックさんと違って危機管理能力は高い。
「新領主様なんか怖い人だな。ディックはすげぇよ……俺なんかゴゴンサに睨まれた時みたいに体が固まった」
見習わなくて良いと思うが、自分が弱いのかと少しへこんで見えたアシルさんに、俺も同じだと同意して頷いおいた。
今日は新作だけど味見はちゃんとしたし、レイニート様に出しても大丈夫……だと思う。
『ニックリッツァブニャ、パリィーピーの蜜煮』と『卵スープ』と『蒸しパン』なのだが、ニックリッツァブニャはカロラブニャの上位種でお肉も高級らしいからちょうど良かったかも……トロトロに煮込まれた肉をふかふかの蒸しパンで挟んで食べると角煮まんみたい。
両手に大皿を持ったアシルさんの後ろ姿、右手もちゃんと動いている……良かった。
「みんなと一緒に食べよう。あんなに機嫌の良いレイニート様は珍しい。シーナがいないと機嫌を損ねそうだ」
人数分のスープを乗せた盆を軽々片手で持って、俺の手を握ってくるルノさん。
……あれ機嫌良いの?
俺、魔力見えない筈だけど黒いオーラが見えるよ?
厨房で忙しいふりして後で食べるつもりだったのに、そんな笑顔で一緒に食べようなんて言われたら断れないよね。
いつも通りかと思ったけど、なんとなくルノさんもいつもより機嫌が良さそうで、あんなでもルノさんにとっては良い上司だったのかもしれない。
昔の上司に会って喜んでるルノさんを見てるとなんだか胸がほっこりとした気持ちになり、道を間違えてしまった。
「シーナ君どうかな?僕の屋敷で働かないか?警備隊の詰所にいるよりは安全だし給料もはずもう」
……どうしてわざわざ俺の隣に座るんだ。昔を懐かしみたかったんなら隊長の横行けよ。
「俺……ここが好きなんで……」
手掴みで食べる角煮まんはジャンクフードだと罵られるかと思ったけど、大層気に入って頂けたようで延々と同じ問答を繰り返している。
「レイニート様シーナはちゃんとお断りしているので、そろそろ諦めていただけますか?」
「ルノルトス、君の執着でこの子の才能をこんな場所に埋もれさせてしまうのか?それは横暴と言うものだろう」
横暴なのは貴方です。
俺の頭上でバチバチと音が聞こえてくるんですが……。
この場を収められるであろう人物はゲラゲラ笑いながら角煮まんを頬張っていて、役に立たないとじっとり睨んでいると……ようやく助け舟を出してくれた。
「シーナ!!スープおかわりだ!!卵多めでな」
助けてくれるの遅いよと思いながら、この機を逃すなと急いで立ち上がり厨房へ駆け込んだ。
「隊長……なんとかして下さいよ。何度断っても聞いてくれないんですけど……」
スープのおかわりを渡しながら隊長に助けを求めた。フザけた人だけど仲間を守ろうとする気持ちだけは本物の人だから、なんだかんだ言いながら最後はきっと助けてくれる。
「あいつは欲しいと思ったものには一切妥協しねぇからな……だが一応多少の分別はあるし、行きたくないの一言じゃなくて理由を説明して納得すれば黙るんじゃねぇか?」
成人してて多少の分別じゃ困るんですけど……本人前にして如何に苦手かは説明しづらいし、俺が行かないと言った時点で引いて欲しい……人の機微に聡いんだろ?
隊長は袖を引っ張ると顔に俺の耳を近づけた。
「一言ルノと別れたくねぇって素直に言えば良いじゃねぇか」
「別れるって……同じ街の中で職場が変わるだけだし……」
レイニート様から住込みとは言われてないが、詰所になんの貢献もしてないから……詰所からは出て行かないといけなくなるかもしれないけど……。
「離れたくないのは嘘じゃねぇんだから平気だろ?」
「え~……でもなんかルノさんを利用してるみたい……」
何度もルノさんが止めてくれてるのに聞いてないし。
「何なら俺と離れたくないって甘えてくれて良いぞ。まあ、もしもの時はちゃんと止めるさ」
既にもしもの時だと思うんですけど……これ以上があるのかよ……。
「シーナ君!!話はまだ終わっていないよ。早く戻ってきたまえ」
俺の中ではとうに終わってるんですけど?
テーブルを一周ぐるりと見回したが、ディックさんを覗く全員に視線を逸らされた。
「俺はここで働きたいんだと説明してるじゃないですか」
仕方なくある溜め息混じりに席に戻る。
「ここより給料も出す。屋敷の厨房はここより設備が整っているし、食材だって揃えてあげよう」
「そういう問題ではありません」
じっとりとしたレイニート様の視線が刺さる……。
「……なるほど。よし、寂しいなら僕が添い寝をしてやろ「あ、俺ルノさんと離れたくないんで」
うん。ルノさんごめん。
「シーナ……わかった。とりあえずレイニート様を殺れば良いんだね」
感極まった笑顔で双剣を回さないで!!
何がわかった!?一言も言ってないし、思ってもない!!
「僕を殺す?良いだろう……部下に『無意味に人は殺したくない』と手合わせを拒否され続けたあの日々の屈辱を今晴らしてやろうじゃないか」
何故レイニート様までそんなにやる気!?
時折感じてた元部下を案じる優しさは気の所為だったか!?
腰から細身の剣が抜かれ、剣先がルノさんを捉える。
バチバチと火花が散って見える……実際既にルノさんの剣から炎が出てるんだけど……これはもしもの時だろうと隊長に視線を投げると、実に楽しそうに笑っていた。
あの笑顔はこうなる事まで想定済みだったに違いない。
無理だ……もう俺には手に負えない。
勝手にしてくれと投了した。
「レイニート!!シーナの飯が食いたければお前がここに通ったら良いじゃねぇか」
隊長の突然の提案に隊員達が同時に吹き出した。
良いぞ、隊長。みんな俺を見捨てた報いを受けろ。
「……そうか。それも楽しそうですね」
隊長の言葉にどんな思考を巡らせているやら、暫し固まっていたレイニート様だけど、ルノさんとやれないのは残念だと言いながらも剣を収めてくれた。
「ルノさんも……そういう事みたいですから……」
恐る恐る伺うようにルノさんを止める。前に仲裁に入って瀕死になったからな、ルノさんを止めるには細心の注意が必要。
「ああ、シーナが良いなら俺もそれで良いと思う…………いいからお前は黙ってろ」
ん?最後の一文は誰に対してかな?
鞘に収めた剣がカタカタ鳴っているのは気の所為に違いない。
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