47 / 87
異世界ハーレム
しおりを挟む
「自重しろっつっただろう」
「俺頑張ったのに……どうして怒られてるんですか?」
ベッドに寝かせられた俺の横で隊長はイライラを隠す事なく貧乏ゆすりをしている。
ベッドが揺れるから止めて欲しいんだけど。
怒られている理由は合成した下級ヒール薬が『合成超級ヒール薬』と大層な名前になり、アシルさんの傷痕も腕の機能も全てを回復させた事。治ったから良いじゃないかと思うのだが。
「マルトリノさんの秘薬って事にしておけば良いんじゃないですか?」
「お前はあの親父にどこまで背負わせる気だ……まぁ……お陰で仲間は守れた……感謝する」
男らしく頭を下げる隊長。
仲間は……か。俺は街の被害は教えて貰っていないけど……良い想像なんて出来ない。
赤丸全部消えただろと見せられた地図が、リアルタイムに変化するらしく、殆どの建物が倒壊していた。
「さてと……俺はめんどくせぇ後処理に戻るわ。あんだけ暴れ回ったんだ……ゆっくり休むように伝えといてくれ」
「はい」
隊長にしては静かに扉を締めて出て行った。
痺れて感覚が無くなる程しっかりと握りしめられた右手。
ベッドの端で倒れ込む様に投げ出された青い髪を左手で掬い上げた。
「神様はちょっと頼りなくて……やっぱり俺を助けてくれたのはルノさんでしたよ」
傷は下級ヒール薬ですぐに治ったけど、すり減った精神は癒してくれず、眠り続けていた俺の側でずっと目が覚めるのを待ってくれたらしい。
俺が目を覚まして、おはようの挨拶をした途端に糸が切れた様に今度はルノさんが眠ってしまった。
隊長がベッドに運ぼうとしたけど、隊長でも動かせないぐらい拒否されたので、椅子に座ったそのままの姿勢で眠っている。
よほど疲れているのか触れても起きる気配はない。
隊長曰く、魔物化した男達が全てエレーナの偽物に変わるという地獄の様な状況で、半狂乱になりながら本物のエレーナを探して街中を駆け回っていたらしいけど……街の倒壊の半分はルノさんが原因だったりして……。
「俺が神竜かっこいいって言ったからですか?」
俺を探して詰所に駆け込んできたルノさんの姿を思い出して、つい笑いが漏れた……どんだけだよ。
「早く……みんなで食卓を囲みたいですね」
遠くに、隊長の賑やかな声を聞きながら俺ももう少し休もうと目を閉じた。
ーーーーーー
国と街と教会と領主と警備隊と……まぁその他諸々の権力だとかそういった事こそ、俺には全く出る幕はない。
イライラしてストレスからか突然雄叫びをあげる隊長をルノさんが窘める……というか実力行使で黙らせているのも見慣れた光景になってきた。
領主までもエレーナの『魅了』に掛かっていて魔物化してたので倒しちゃったらしく、貴族の云云など特に苦手そうな隊長にとっては過度なストレスだろう。俺だって想像しただけで胃が痛くなる。
……何の責任もない『迷子の異世界人』で良かった。
「夕飯できましたよ~!!」
街の復興手伝いから帰って、風呂上りに中庭で軽く酒盛りをしていた面々に声をかけた。
隊長が出かけていたり、ハイケンさんとレフさんが数日詰所を留守にしていたりで、なんだかんだ今日がみんなで食事をする久しぶりの夕食だ。
「おお!!何だ、何だ!?えらく豪勢だな!!」
「すっげぇ!!貴族の晩餐会みたいだな!!見た事ねぇけど」
「これ全部食べて良いのか!?」
長テーブルを埋め尽くす料理の数々を見てみんなの目の色が変わる。コース料理はわからないので貴族の晩餐会と言うより焼肉食べ放題の色が強いが俺達にはこの方が似合っているだろう。
俺は飲めないのが残念だけど、マルトリノさんにお願いして集めてもらったお酒も十分ある。
「隊長、乾杯しましょ、乾杯ってあります?」
俺の提案にみんなでジョッキを持って隊長に視線を向けた。乾杯は伝わった。
柄にもなく照れた隊長は咳払いをすると軽くジョッキを掲げる。
「あ、あ……今回の件は神の消失以降だな、不名誉だが歴史に残る大事件になってしまった。だが皆の協力で乗り越えられ、まだ街は「あ~隊長、なげぇっ!!」「そうそう。こんな料理前にしてお預けは辛いっすよ!!かんぱ~い!!」
大演説をしようと決め顔だった隊長にゴルカーさんとナタスンさんが乱入して自分のジョッキを隊長のジョッキにぶつけた。
「くそ!!お前ら、人がせっかく……!!」
ゴルカーさんとナタスンさん……食事前から結構飲んでたからもう酔っ払ってるのかな。調子に乗るゴルカーさんに隊長がネックロックを掛け、アシルさんが慌てて隊長を宥めてる。
「やっぱり……いいですね」
賑やかな食事風景に、こんな毎日を失う事にならなくて良かったと心が和み、隣に立っていたルノさんと微笑みあった。
「おいおい、食事中に二人の世界に入るなよ。シーナ、よく頑張ったな。乾杯」
ハイケンさんが隣に来て、キオレカンジュースの入った俺のジョッキに自分のジョッキをぶつけて去っていく。
「シーナ偉いぞ」
ベルムントさんが俺の頭を撫でながらジョッキをぶつけ……。
「シーナ、俺も負けないっす!!」
ディックさん。
「……」
レフさんまで……行列だ。
「くぉらっ!!お前ら俺より先にシーナに向かうとはどう言う了見だ!!」
我が家の家長が吠えた。
「ははっ!!今日の主役はシーナだしな。なぁ?乾杯」
ベルンさんが肩を組んで来て、ジョッキを軽くぶつけてきた。
「いやみんなが主役でしょう。みんなで街を守ったんですから……」
ベルンさんの目が一瞬だけど見開かれた。こんな大きく開けられるんだ。
「……遅くなったけど……ただいま」
ちゅっという音と共にベルンさんの唇が頬に触れた。
「お、そうだな。じゃあ俺も……」
隊長の唇が逆頬に。
「ちょっと、隊長もベルンさんももう酔って……「あ~!!ずるいっす!!俺も!!」
デイックさんに腕を引っ張られ頬に唇を押しつけられた。
「じゃあ儂も乗っておくか」
「……」
「俺も、俺も!!」
「ちょっまっ!!やめろって!!」
酒臭いキスが次々に頬に押しつけられる。
「ルノさ~ん、助け……ぎゃあっ!!舐めんな!!誰だよ!?」
もみくちゃにされながら助けの手を伸ばした俺の手をルノさんはギュッと握って微笑んだ。
綺麗な笑顔ですけど、そうじゃなくて助けてください。
「皆、シーナが大好きで仕方ないんだよ。やっぱりシーナは皆のペットだね」
「ちっが~うっ!!」
引っ張ってくる腕から逃げ出そうともがく俺の両頬を包み込んでくる手。
「俺もまだ言ってなかったね……ただいま、シーナ」
ゆっくり近づいてくる仄かに赤みを帯びているルノさんの顔が……。
「んんんっ!!」
「「おお~っ!!」」
酔っぱらい共の歓声の上がる中、重ねられた唇が離れて……アルコール臭い……。
「ルノさん!!飲めないくせにお酒飲んだでしょう!!」
「はははは……」
笑うルノさんのジュースを入れたはずのジョッキに横から酒を注ぐゴルカーさんの姿。
「ゴルカーさん!!あんた何やってんだよ!!」
ゴルカーさんを止めようとした手をルノさんに握られ、その手に頬を擦り寄せられた。
「シーナ……俺はシーナのペットになれる?俺をペットにして?」
「んなっ!!あ……明日からうちの夕飯は酒類禁止です!!」
ああ、確かに俺が祈り願ったよ。
『いつもと同じ賑やかな食卓を今日も囲めます様に』って……だけどここまで賑やかなのは求めてない!!
賑やかな食堂とは逆に静まり返る厨房。
食器棚の上の、願いを伝えた神竜の像はあの日以来、姿を消していた……逃げんな!!神様でてこいや!!
「俺頑張ったのに……どうして怒られてるんですか?」
ベッドに寝かせられた俺の横で隊長はイライラを隠す事なく貧乏ゆすりをしている。
ベッドが揺れるから止めて欲しいんだけど。
怒られている理由は合成した下級ヒール薬が『合成超級ヒール薬』と大層な名前になり、アシルさんの傷痕も腕の機能も全てを回復させた事。治ったから良いじゃないかと思うのだが。
「マルトリノさんの秘薬って事にしておけば良いんじゃないですか?」
「お前はあの親父にどこまで背負わせる気だ……まぁ……お陰で仲間は守れた……感謝する」
男らしく頭を下げる隊長。
仲間は……か。俺は街の被害は教えて貰っていないけど……良い想像なんて出来ない。
赤丸全部消えただろと見せられた地図が、リアルタイムに変化するらしく、殆どの建物が倒壊していた。
「さてと……俺はめんどくせぇ後処理に戻るわ。あんだけ暴れ回ったんだ……ゆっくり休むように伝えといてくれ」
「はい」
隊長にしては静かに扉を締めて出て行った。
痺れて感覚が無くなる程しっかりと握りしめられた右手。
ベッドの端で倒れ込む様に投げ出された青い髪を左手で掬い上げた。
「神様はちょっと頼りなくて……やっぱり俺を助けてくれたのはルノさんでしたよ」
傷は下級ヒール薬ですぐに治ったけど、すり減った精神は癒してくれず、眠り続けていた俺の側でずっと目が覚めるのを待ってくれたらしい。
俺が目を覚まして、おはようの挨拶をした途端に糸が切れた様に今度はルノさんが眠ってしまった。
隊長がベッドに運ぼうとしたけど、隊長でも動かせないぐらい拒否されたので、椅子に座ったそのままの姿勢で眠っている。
よほど疲れているのか触れても起きる気配はない。
隊長曰く、魔物化した男達が全てエレーナの偽物に変わるという地獄の様な状況で、半狂乱になりながら本物のエレーナを探して街中を駆け回っていたらしいけど……街の倒壊の半分はルノさんが原因だったりして……。
「俺が神竜かっこいいって言ったからですか?」
俺を探して詰所に駆け込んできたルノさんの姿を思い出して、つい笑いが漏れた……どんだけだよ。
「早く……みんなで食卓を囲みたいですね」
遠くに、隊長の賑やかな声を聞きながら俺ももう少し休もうと目を閉じた。
ーーーーーー
国と街と教会と領主と警備隊と……まぁその他諸々の権力だとかそういった事こそ、俺には全く出る幕はない。
イライラしてストレスからか突然雄叫びをあげる隊長をルノさんが窘める……というか実力行使で黙らせているのも見慣れた光景になってきた。
領主までもエレーナの『魅了』に掛かっていて魔物化してたので倒しちゃったらしく、貴族の云云など特に苦手そうな隊長にとっては過度なストレスだろう。俺だって想像しただけで胃が痛くなる。
……何の責任もない『迷子の異世界人』で良かった。
「夕飯できましたよ~!!」
街の復興手伝いから帰って、風呂上りに中庭で軽く酒盛りをしていた面々に声をかけた。
隊長が出かけていたり、ハイケンさんとレフさんが数日詰所を留守にしていたりで、なんだかんだ今日がみんなで食事をする久しぶりの夕食だ。
「おお!!何だ、何だ!?えらく豪勢だな!!」
「すっげぇ!!貴族の晩餐会みたいだな!!見た事ねぇけど」
「これ全部食べて良いのか!?」
長テーブルを埋め尽くす料理の数々を見てみんなの目の色が変わる。コース料理はわからないので貴族の晩餐会と言うより焼肉食べ放題の色が強いが俺達にはこの方が似合っているだろう。
俺は飲めないのが残念だけど、マルトリノさんにお願いして集めてもらったお酒も十分ある。
「隊長、乾杯しましょ、乾杯ってあります?」
俺の提案にみんなでジョッキを持って隊長に視線を向けた。乾杯は伝わった。
柄にもなく照れた隊長は咳払いをすると軽くジョッキを掲げる。
「あ、あ……今回の件は神の消失以降だな、不名誉だが歴史に残る大事件になってしまった。だが皆の協力で乗り越えられ、まだ街は「あ~隊長、なげぇっ!!」「そうそう。こんな料理前にしてお預けは辛いっすよ!!かんぱ~い!!」
大演説をしようと決め顔だった隊長にゴルカーさんとナタスンさんが乱入して自分のジョッキを隊長のジョッキにぶつけた。
「くそ!!お前ら、人がせっかく……!!」
ゴルカーさんとナタスンさん……食事前から結構飲んでたからもう酔っ払ってるのかな。調子に乗るゴルカーさんに隊長がネックロックを掛け、アシルさんが慌てて隊長を宥めてる。
「やっぱり……いいですね」
賑やかな食事風景に、こんな毎日を失う事にならなくて良かったと心が和み、隣に立っていたルノさんと微笑みあった。
「おいおい、食事中に二人の世界に入るなよ。シーナ、よく頑張ったな。乾杯」
ハイケンさんが隣に来て、キオレカンジュースの入った俺のジョッキに自分のジョッキをぶつけて去っていく。
「シーナ偉いぞ」
ベルムントさんが俺の頭を撫でながらジョッキをぶつけ……。
「シーナ、俺も負けないっす!!」
ディックさん。
「……」
レフさんまで……行列だ。
「くぉらっ!!お前ら俺より先にシーナに向かうとはどう言う了見だ!!」
我が家の家長が吠えた。
「ははっ!!今日の主役はシーナだしな。なぁ?乾杯」
ベルンさんが肩を組んで来て、ジョッキを軽くぶつけてきた。
「いやみんなが主役でしょう。みんなで街を守ったんですから……」
ベルンさんの目が一瞬だけど見開かれた。こんな大きく開けられるんだ。
「……遅くなったけど……ただいま」
ちゅっという音と共にベルンさんの唇が頬に触れた。
「お、そうだな。じゃあ俺も……」
隊長の唇が逆頬に。
「ちょっと、隊長もベルンさんももう酔って……「あ~!!ずるいっす!!俺も!!」
デイックさんに腕を引っ張られ頬に唇を押しつけられた。
「じゃあ儂も乗っておくか」
「……」
「俺も、俺も!!」
「ちょっまっ!!やめろって!!」
酒臭いキスが次々に頬に押しつけられる。
「ルノさ~ん、助け……ぎゃあっ!!舐めんな!!誰だよ!?」
もみくちゃにされながら助けの手を伸ばした俺の手をルノさんはギュッと握って微笑んだ。
綺麗な笑顔ですけど、そうじゃなくて助けてください。
「皆、シーナが大好きで仕方ないんだよ。やっぱりシーナは皆のペットだね」
「ちっが~うっ!!」
引っ張ってくる腕から逃げ出そうともがく俺の両頬を包み込んでくる手。
「俺もまだ言ってなかったね……ただいま、シーナ」
ゆっくり近づいてくる仄かに赤みを帯びているルノさんの顔が……。
「んんんっ!!」
「「おお~っ!!」」
酔っぱらい共の歓声の上がる中、重ねられた唇が離れて……アルコール臭い……。
「ルノさん!!飲めないくせにお酒飲んだでしょう!!」
「はははは……」
笑うルノさんのジュースを入れたはずのジョッキに横から酒を注ぐゴルカーさんの姿。
「ゴルカーさん!!あんた何やってんだよ!!」
ゴルカーさんを止めようとした手をルノさんに握られ、その手に頬を擦り寄せられた。
「シーナ……俺はシーナのペットになれる?俺をペットにして?」
「んなっ!!あ……明日からうちの夕飯は酒類禁止です!!」
ああ、確かに俺が祈り願ったよ。
『いつもと同じ賑やかな食卓を今日も囲めます様に』って……だけどここまで賑やかなのは求めてない!!
賑やかな食堂とは逆に静まり返る厨房。
食器棚の上の、願いを伝えた神竜の像はあの日以来、姿を消していた……逃げんな!!神様でてこいや!!
280
お気に入りに追加
2,827
あなたにおすすめの小説

悪役令嬢と同じ名前だけど、僕は男です。
みあき
BL
名前はティータイムがテーマ。主人公と婚約者の王子がいちゃいちゃする話。
男女共に子どもを産める世界です。容姿についての描写は敢えてしていません。
メインカプが男性同士のためBLジャンルに設定していますが、周辺は異性のカプも多いです。
奇数話が主人公視点、偶数話が婚約者の王子視点です。
pixivでは既に最終回まで投稿しています。

ブレスレットが運んできたもの
mahiro
BL
第一王子が15歳を迎える日、お祝いとは別に未来の妃を探すことを目的としたパーティーが開催することが発表された。
そのパーティーには身分関係なく未婚である女性や歳の近い女性全員に招待状が配られたのだという。
血の繋がりはないが訳あって一緒に住むことになった妹ーーーミシェルも例外ではなく招待されていた。
これまた俺ーーーアレットとは血の繋がりのない兄ーーーベルナールは妹大好きなだけあって大いに喜んでいたのだと思う。
俺はといえば会場のウェイターが足りないため人材募集が貼り出されていたので応募してみたらたまたま通った。
そして迎えた当日、グラスを片付けるため会場から出た所、廊下のすみに光輝く何かを発見し………?

転生貧乏貴族は王子様のお気に入り!実はフリだったってわかったのでもう放してください!
音無野ウサギ
BL
ある日僕は前世を思い出した。下級貴族とはいえ王子様のお気に入りとして毎日楽しく過ごしてたのに。前世の記憶が僕のことを駄目だしする。わがまま駄目貴族だなんて気づきたくなかった。王子様が優しくしてくれてたのも実は裏があったなんて気づきたくなかった。品行方正になるぞって思ったのに!
え?王子様なんでそんなに優しくしてくるんですか?ちょっとパーソナルスペース!!
調子に乗ってた貧乏貴族の主人公が慎ましくても確実な幸せを手に入れようとジタバタするお話です。

新しい道を歩み始めた貴方へ
mahiro
BL
今から14年前、関係を秘密にしていた恋人が俺の存在を忘れた。
そのことにショックを受けたが、彼の家族や友人たちが集まりかけている中で、いつまでもその場に居座り続けるわけにはいかず去ることにした。
その後、恋人は訳あってその地を離れることとなり、俺のことを忘れたまま去って行った。
あれから恋人とは一度も会っておらず、月日が経っていた。
あるとき、いつものように仕事場に向かっているといきなり真上に明るい光が降ってきて……?
※沢山のお気に入り登録ありがとうございます。深く感謝申し上げます。

運悪く放課後に屯してる不良たちと一緒に転移に巻き込まれた俺、到底馴染めそうにないのでソロで無双する事に決めました。~なのに何故かついて来る…
こまの ととと
BL
『申し訳ございませんが、皆様には今からこちらへと来て頂きます。強制となってしまった事、改めて非礼申し上げます』
ある日、教室中に響いた声だ。
……この言い方には語弊があった。
正確には、頭の中に響いた声だ。何故なら、耳から聞こえて来た感覚は無く、直接頭を揺らされたという感覚に襲われたからだ。
テレパシーというものが実際にあったなら、確かにこういうものなのかも知れない。
問題はいくつかあるが、最大の問題は……俺はただその教室近くの廊下を歩いていただけという事だ。
*当作品はカクヨム様でも掲載しております。

魔法学園の悪役令息ー替え玉を務めさせていただきます
オカメ颯記
BL
田舎の王国出身のランドルフ・コンラートは、小さいころに自分を養子に出した実家に呼び戻される。行方不明になった兄弟の身代わりとなって、魔道学園に通ってほしいというのだ。
魔法なんて全く使えない抗議したものの、丸め込まれたランドルフはデリン大公家の公子ローレンスとして学園に復学することになる。無口でおとなしいという触れ込みの兄弟は、学園では悪役令息としてわがままにふるまっていた。顔も名前も知らない知人たちに囲まれて、因縁をつけられたり、王族を殴り倒したり。同室の相棒には偽物であることをすぐに看破されてしまうし、どうやって学園生活をおくればいいのか。混乱の中で、何の情報もないまま、王子たちの勢力争いに巻き込まれていく。

ざまぁされたチョロ可愛い王子様は、俺が貰ってあげますね
ヒラヲ
BL
「オーレリア・キャクストン侯爵令嬢! この時をもって、そなたとの婚約を破棄する!」
オーレリアに嫌がらせを受けたというエイミーの言葉を真に受けた僕は、王立学園の卒業パーティーで婚約破棄を突き付ける。
しかし、突如現れた隣国の第一王子がオーレリアに婚約を申し込み、嫌がらせはエイミーの自作自演であることが発覚する。
その結果、僕は冤罪による断罪劇の責任を取らされることになってしまった。
「どうして僕がこんな目に遭わなければならないんだ!?」
卒業パーティーから一ヶ月後、王位継承権を剥奪された僕は王都を追放され、オールディス辺境伯領へと送られる。
見習い騎士として一からやり直すことになった僕に、指導係の辺境伯子息アイザックがやたら絡んでくるようになって……?
追放先の辺境伯子息×ざまぁされたナルシスト王子様
悪役令嬢を断罪しようとしてざまぁされた王子の、その後を書いたBL作品です。
すべてを奪われた英雄は、
さいはて旅行社
BL
アスア王国の英雄ザット・ノーレンは仲間たちにすべてを奪われた。
隣国の神聖国グルシアの魔物大量発生でダンジョンに潜りラスボスの魔物も討伐できたが、そこで仲間に裏切られ黒い短剣で刺されてしまう。
それでも生き延びてダンジョンから生還したザット・ノーレンは神聖国グルシアで、王子と呼ばれる少年とその世話役のヴィンセントに出会う。
すべてを奪われた英雄が、自分や仲間だった者、これから出会う人々に向き合っていく物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる