44 / 87
辞書さえあれば
しおりを挟む
まだ雨は降り続いていた。
ルノさんと話をしながらいつの間にか眠っていたみたいだ……夜と雨の感傷にやられて、こっ恥ずかしい事を口走った気がするので、隣にあった筈の温もりが消えていた事は寂しいけれど安堵感もあった。
ルノさんにキスしちゃったよ……。
散々応えられないって突っぱねてたのに我慢が出来なかった。
う~……目覚めてすぐに顔を合わすのも恥ずかしいけど、下に降りていって顔を合わせに行くのも恥ずかしいな。
いやいや、俺だって子供じゃないし?挨拶の延長みたいなキスでいつまでも恥ずかしがっていてどうするよ。
暫くベッドの上で寝返りをうちまくっていたけれど、埒が明かないので勇気を出して部屋の扉を開けた。
静まった廊下を進み階段を降りて手摺の陰から中庭を確認すると……雨の中に立つ一人の影。よく知っている後ろ姿な気がするけど何かがおかしい。
「起きたのか、そんなとこに突っ立って何をやってんだ?お前は」
「隊長……痩せた?」
雨の中、傘もささずに近づいてきたのは間違いなく隊長なんだけど……小さい。
「ん?ああ……ちと本気でやって魔力使い果たしたからな、強化魔法が解けた」
丸太の様だったと思っていた腕も、首も胸も太腿も……全体的にほっそりしている。まあ……それでもマッチョに変わりはないが。
「え?じゃあいつも魔法掛けっぱなしで過ごしてたんですか?」
「使い続けてりゃ魔力が溢れる事は無いからな」
考えてみれば隊長も魔力が高いのに、魔力に敏感な双子があれだけ抱きついていた事は不思議な事だった。
じゃあルノさんもそうしていれば良かったのではと思ったけどルノさんの属性は隊長みたいな肉体強化では無く、火と水で……常に発動させていたら火炎放射器とウォータージェットが同時に歩いてくる様なもんだ。
火災と水害が同時に引き起こされる。
「魔力を使い果たしたって……何かあったんですか?」
「日も上がらねぇうちからルノが部屋に来てな……付き合ってくれって言うから付き合ってたらこれだ」
隊長の指差した中庭は所々地面が抉れている。
激しい戦闘の名残り……俺は全く気付かずに寝てたってスゴいな。
急に隊長に肩を組まれ……濡れた体の隊長のせいで俺の体も濡れた。
「……ルノに聞いたが……」
俺がこの世界の人間じゃない事か。
ルノさんに話す=隊長に話すだろうと思っていたし、話が脱線しがちな隊長に話す手間が省けて楽である。
「昨夜はえらく可愛かったそうじゃねぇか。ルノに理由を聞いてもシーナが可愛いしか言わねぇからさ……お前らついに……」
「はあ!?」
やるから取っとけと下級ヒール薬を押し付けられた。
「良いって、お前が未成年な事は結婚を前提に考えてるなら上も目を瞑ってくれる……てか、上が未成年の売買を斡旋してるクソみてぇなご時世だが……で?どうだったよ?ルノはちゃんとやれたか?あいつはああ見えてまともに人と付き合った事がねぇからな、お前の体を心配してたんだ」
「あんたが想像してるような事は何もねぇよ!!変な心配は必要ないっ!!」
高い音を立てて隊長の頬に平手打ちをお見舞いした。グーパンは俺の骨が折れる可能性が高い。
その時、風呂場の扉が開いてルノさんが姿を見せ、俺を見た瞬間。
「シーナ!!」
「う……」
何ですかその全快に花を撒き散らす笑顔は……。
「な?あれみりゃ誰だって勘ぐるだろ?」
何が違う?イケメンは相変わらずのイケメンなんだけど……そこはかとなく……色気が……キスしかしてないよな?しかも頬のが唇に移っただけの軽いキス。
「シーナ、顔が赤い。目も潤んでいるし……熱か?」
おでこに触れられて……心配そうに覗き込まれた。お風呂上がりで濡れた髪がまた……。
顔が赤いのは下世話な隊長とルノさんのせいだ。
「隊長、傘も出さずに濡れた体でシーナに触れないでください。シーナが病気なったらどうするんですか」
「傘を出す魔力も残ってねぇっての。これぐらいで風邪引くかっての、甘過ぎだ」
それは大いに同意する。
「朝からドンパチやってたからもう皆も食堂にいるぞ、俺も運動して腹減った」
「そうなんですね、すぐに準備します」
「俺も着替えたらすぐ行くよ」
ルノさんが2階に上がっていくのを確認して、移動しようとしていた隊長の服を掴んだ。
「隊長、ルノさん……他に何か言ってましたか?」
ルノさん……異世界から来たって俺の嘘だと思ったのかな?隊長に言わないって事は信じてもらえてないのか?
「だから何を聞いてもかわ……あ~……強くなるっつてたか?」
隊長はからかう時のニヤケ顔を止め、微笑みながら俺の頭をかき混ぜてきた。
「お前について行けるぐらい強くなるんだとよ……そうなったらお前はもうあいつから逃げらんねぇな……諦めろ」
ルノさん……信じてくれたのかな?俺が元の世界に戻るかもしれない可能性も……。
俺がルノさんを残していく事を不安に思わないぐらい強くなるのかと思ったら……自力で世界を渡る気だ。神になる気か、あの人。
俺だってよくわからないのにルノさん達なんて異世界って言われてもピンと来ないだろうに。わからないからこそかもしれないけど……追いかけて来てくれるんだ。
「みんなお前の飯を待ってんだ、行くぞ」
「はい!!」
いつか……もしも……もしかしたら……そんな未来に怯えるよりもいま俺を必要としてくれる人達の為にやれる事をやろう!!そう気持ちも新たに、勇んで厨房の扉を開けた俺を待っていたのは生暖かい目の隊員達だった。
ーーーーーー
傘を俺にもくれとお願いしたけれど、ルノさん達の言っていた『傘』は俺の知っている『傘』ではなく、頭の上に浮かぶ薄い円盤。魔法で作り出す物で俺には使用不可だったので、仕方なく頭からお手製にした撥水効果抜群の服を頭から被って、中庭の片隅でノウモか雑草かわからない小さな芽を見下ろしていた。
オットーさんに貰った灰になったドュリュスという謎の粉のおかげか、暫く何の変化も見せなかったのに緑色の小さな顔を覗かせてくれた。
男所帯なせいか中庭には花どころか植木すらないので新鮮だなぁ。
あとは放っておけば大丈夫と言われたけど何か手を出したくなる。
「ペットとかいたらもっと癒されるのになぁ」
特に何もしてないのに疲れてるとは言いづらいが、癒しが欲しい。
特にベルンさんが疲れた。
地球で定番は犬や猫だけどこの世界では?この前街に出た時に動物の姿は見てない……自分の生活で精一杯で動物を飼う様な余裕はないか。
俺が見た人間以外の生き物といえばレッドヘッドベアとスライム……癒されない。
世のスライムは強い敵を飲み込んで最強スライムになったり、分裂して家事を手伝ってくれたり、回復してくれたりと有能なのにこの世界のスライムは俺をヌルヌル地獄にするしか脳がない。せめて見た目で癒すぐらいしてくれれば良い物を……。
カイとリーナまた遊びにきてくれないだろうか、ぷにぷにの感触を思い出し手をわきわきさせている自分は、我ながら変態っぽい。
「ペットって何かな?俺に用意できる物なら探してくるけど」
見上げるとルノさんが腰を屈めて俺を見下ろしていた。
『傘』は通じても『ペット』は通じないのか。
「ペットは……可愛くて、大切な……心を癒してくれる存在?」
俺は辞書じゃないから良い説明がわからんな。これで伝わったかな?
「なるほど、ペットとはシーナの事か」
俺がペット!?ちょっと傷つくんですけど……。
「心を癒してくれる大切な存在なんだろう?シーナが来てこの詰所の雰囲気は変わった。俺だけじゃない、シーナは俺たちにとって大切なペットだ」
「ルノさん……気持ちは汲み取りましたが、二度と言わないで欲しいです」
みんなのペットとか、もし親に聞かれたら泣かれそうだよ。
意味のわかっていないルノさんは何が悪いのか分からず首を傾げた。はい、俺が悪いんです。
「でも……シーナにとっては災難だったかもしれないけど、シーナが側にいてくれて本当に俺は幸せだよ」
背後から抱きしめられ……気づかないうちに体は冷えていたらしく頬に触れたルノさんの唇をいつもより熱く感じた。
「……いってくる。愛してるよ、シーナ」
「ルノさん?」
離れていくルノさんの笑顔、いつもと同じ。いつもと変わらない出勤前の挨拶なのに……何かが……。
去って行く背中を呼び止めようとしたけれど、胸のモヤモヤの理由を見つけられず、ただ立ち尽くした。
ルノさんと話をしながらいつの間にか眠っていたみたいだ……夜と雨の感傷にやられて、こっ恥ずかしい事を口走った気がするので、隣にあった筈の温もりが消えていた事は寂しいけれど安堵感もあった。
ルノさんにキスしちゃったよ……。
散々応えられないって突っぱねてたのに我慢が出来なかった。
う~……目覚めてすぐに顔を合わすのも恥ずかしいけど、下に降りていって顔を合わせに行くのも恥ずかしいな。
いやいや、俺だって子供じゃないし?挨拶の延長みたいなキスでいつまでも恥ずかしがっていてどうするよ。
暫くベッドの上で寝返りをうちまくっていたけれど、埒が明かないので勇気を出して部屋の扉を開けた。
静まった廊下を進み階段を降りて手摺の陰から中庭を確認すると……雨の中に立つ一人の影。よく知っている後ろ姿な気がするけど何かがおかしい。
「起きたのか、そんなとこに突っ立って何をやってんだ?お前は」
「隊長……痩せた?」
雨の中、傘もささずに近づいてきたのは間違いなく隊長なんだけど……小さい。
「ん?ああ……ちと本気でやって魔力使い果たしたからな、強化魔法が解けた」
丸太の様だったと思っていた腕も、首も胸も太腿も……全体的にほっそりしている。まあ……それでもマッチョに変わりはないが。
「え?じゃあいつも魔法掛けっぱなしで過ごしてたんですか?」
「使い続けてりゃ魔力が溢れる事は無いからな」
考えてみれば隊長も魔力が高いのに、魔力に敏感な双子があれだけ抱きついていた事は不思議な事だった。
じゃあルノさんもそうしていれば良かったのではと思ったけどルノさんの属性は隊長みたいな肉体強化では無く、火と水で……常に発動させていたら火炎放射器とウォータージェットが同時に歩いてくる様なもんだ。
火災と水害が同時に引き起こされる。
「魔力を使い果たしたって……何かあったんですか?」
「日も上がらねぇうちからルノが部屋に来てな……付き合ってくれって言うから付き合ってたらこれだ」
隊長の指差した中庭は所々地面が抉れている。
激しい戦闘の名残り……俺は全く気付かずに寝てたってスゴいな。
急に隊長に肩を組まれ……濡れた体の隊長のせいで俺の体も濡れた。
「……ルノに聞いたが……」
俺がこの世界の人間じゃない事か。
ルノさんに話す=隊長に話すだろうと思っていたし、話が脱線しがちな隊長に話す手間が省けて楽である。
「昨夜はえらく可愛かったそうじゃねぇか。ルノに理由を聞いてもシーナが可愛いしか言わねぇからさ……お前らついに……」
「はあ!?」
やるから取っとけと下級ヒール薬を押し付けられた。
「良いって、お前が未成年な事は結婚を前提に考えてるなら上も目を瞑ってくれる……てか、上が未成年の売買を斡旋してるクソみてぇなご時世だが……で?どうだったよ?ルノはちゃんとやれたか?あいつはああ見えてまともに人と付き合った事がねぇからな、お前の体を心配してたんだ」
「あんたが想像してるような事は何もねぇよ!!変な心配は必要ないっ!!」
高い音を立てて隊長の頬に平手打ちをお見舞いした。グーパンは俺の骨が折れる可能性が高い。
その時、風呂場の扉が開いてルノさんが姿を見せ、俺を見た瞬間。
「シーナ!!」
「う……」
何ですかその全快に花を撒き散らす笑顔は……。
「な?あれみりゃ誰だって勘ぐるだろ?」
何が違う?イケメンは相変わらずのイケメンなんだけど……そこはかとなく……色気が……キスしかしてないよな?しかも頬のが唇に移っただけの軽いキス。
「シーナ、顔が赤い。目も潤んでいるし……熱か?」
おでこに触れられて……心配そうに覗き込まれた。お風呂上がりで濡れた髪がまた……。
顔が赤いのは下世話な隊長とルノさんのせいだ。
「隊長、傘も出さずに濡れた体でシーナに触れないでください。シーナが病気なったらどうするんですか」
「傘を出す魔力も残ってねぇっての。これぐらいで風邪引くかっての、甘過ぎだ」
それは大いに同意する。
「朝からドンパチやってたからもう皆も食堂にいるぞ、俺も運動して腹減った」
「そうなんですね、すぐに準備します」
「俺も着替えたらすぐ行くよ」
ルノさんが2階に上がっていくのを確認して、移動しようとしていた隊長の服を掴んだ。
「隊長、ルノさん……他に何か言ってましたか?」
ルノさん……異世界から来たって俺の嘘だと思ったのかな?隊長に言わないって事は信じてもらえてないのか?
「だから何を聞いてもかわ……あ~……強くなるっつてたか?」
隊長はからかう時のニヤケ顔を止め、微笑みながら俺の頭をかき混ぜてきた。
「お前について行けるぐらい強くなるんだとよ……そうなったらお前はもうあいつから逃げらんねぇな……諦めろ」
ルノさん……信じてくれたのかな?俺が元の世界に戻るかもしれない可能性も……。
俺がルノさんを残していく事を不安に思わないぐらい強くなるのかと思ったら……自力で世界を渡る気だ。神になる気か、あの人。
俺だってよくわからないのにルノさん達なんて異世界って言われてもピンと来ないだろうに。わからないからこそかもしれないけど……追いかけて来てくれるんだ。
「みんなお前の飯を待ってんだ、行くぞ」
「はい!!」
いつか……もしも……もしかしたら……そんな未来に怯えるよりもいま俺を必要としてくれる人達の為にやれる事をやろう!!そう気持ちも新たに、勇んで厨房の扉を開けた俺を待っていたのは生暖かい目の隊員達だった。
ーーーーーー
傘を俺にもくれとお願いしたけれど、ルノさん達の言っていた『傘』は俺の知っている『傘』ではなく、頭の上に浮かぶ薄い円盤。魔法で作り出す物で俺には使用不可だったので、仕方なく頭からお手製にした撥水効果抜群の服を頭から被って、中庭の片隅でノウモか雑草かわからない小さな芽を見下ろしていた。
オットーさんに貰った灰になったドュリュスという謎の粉のおかげか、暫く何の変化も見せなかったのに緑色の小さな顔を覗かせてくれた。
男所帯なせいか中庭には花どころか植木すらないので新鮮だなぁ。
あとは放っておけば大丈夫と言われたけど何か手を出したくなる。
「ペットとかいたらもっと癒されるのになぁ」
特に何もしてないのに疲れてるとは言いづらいが、癒しが欲しい。
特にベルンさんが疲れた。
地球で定番は犬や猫だけどこの世界では?この前街に出た時に動物の姿は見てない……自分の生活で精一杯で動物を飼う様な余裕はないか。
俺が見た人間以外の生き物といえばレッドヘッドベアとスライム……癒されない。
世のスライムは強い敵を飲み込んで最強スライムになったり、分裂して家事を手伝ってくれたり、回復してくれたりと有能なのにこの世界のスライムは俺をヌルヌル地獄にするしか脳がない。せめて見た目で癒すぐらいしてくれれば良い物を……。
カイとリーナまた遊びにきてくれないだろうか、ぷにぷにの感触を思い出し手をわきわきさせている自分は、我ながら変態っぽい。
「ペットって何かな?俺に用意できる物なら探してくるけど」
見上げるとルノさんが腰を屈めて俺を見下ろしていた。
『傘』は通じても『ペット』は通じないのか。
「ペットは……可愛くて、大切な……心を癒してくれる存在?」
俺は辞書じゃないから良い説明がわからんな。これで伝わったかな?
「なるほど、ペットとはシーナの事か」
俺がペット!?ちょっと傷つくんですけど……。
「心を癒してくれる大切な存在なんだろう?シーナが来てこの詰所の雰囲気は変わった。俺だけじゃない、シーナは俺たちにとって大切なペットだ」
「ルノさん……気持ちは汲み取りましたが、二度と言わないで欲しいです」
みんなのペットとか、もし親に聞かれたら泣かれそうだよ。
意味のわかっていないルノさんは何が悪いのか分からず首を傾げた。はい、俺が悪いんです。
「でも……シーナにとっては災難だったかもしれないけど、シーナが側にいてくれて本当に俺は幸せだよ」
背後から抱きしめられ……気づかないうちに体は冷えていたらしく頬に触れたルノさんの唇をいつもより熱く感じた。
「……いってくる。愛してるよ、シーナ」
「ルノさん?」
離れていくルノさんの笑顔、いつもと同じ。いつもと変わらない出勤前の挨拶なのに……何かが……。
去って行く背中を呼び止めようとしたけれど、胸のモヤモヤの理由を見つけられず、ただ立ち尽くした。
241
お気に入りに追加
2,827
あなたにおすすめの小説

悪役令嬢と同じ名前だけど、僕は男です。
みあき
BL
名前はティータイムがテーマ。主人公と婚約者の王子がいちゃいちゃする話。
男女共に子どもを産める世界です。容姿についての描写は敢えてしていません。
メインカプが男性同士のためBLジャンルに設定していますが、周辺は異性のカプも多いです。
奇数話が主人公視点、偶数話が婚約者の王子視点です。
pixivでは既に最終回まで投稿しています。

魔法学園の悪役令息ー替え玉を務めさせていただきます
オカメ颯記
BL
田舎の王国出身のランドルフ・コンラートは、小さいころに自分を養子に出した実家に呼び戻される。行方不明になった兄弟の身代わりとなって、魔道学園に通ってほしいというのだ。
魔法なんて全く使えない抗議したものの、丸め込まれたランドルフはデリン大公家の公子ローレンスとして学園に復学することになる。無口でおとなしいという触れ込みの兄弟は、学園では悪役令息としてわがままにふるまっていた。顔も名前も知らない知人たちに囲まれて、因縁をつけられたり、王族を殴り倒したり。同室の相棒には偽物であることをすぐに看破されてしまうし、どうやって学園生活をおくればいいのか。混乱の中で、何の情報もないまま、王子たちの勢力争いに巻き込まれていく。

ブレスレットが運んできたもの
mahiro
BL
第一王子が15歳を迎える日、お祝いとは別に未来の妃を探すことを目的としたパーティーが開催することが発表された。
そのパーティーには身分関係なく未婚である女性や歳の近い女性全員に招待状が配られたのだという。
血の繋がりはないが訳あって一緒に住むことになった妹ーーーミシェルも例外ではなく招待されていた。
これまた俺ーーーアレットとは血の繋がりのない兄ーーーベルナールは妹大好きなだけあって大いに喜んでいたのだと思う。
俺はといえば会場のウェイターが足りないため人材募集が貼り出されていたので応募してみたらたまたま通った。
そして迎えた当日、グラスを片付けるため会場から出た所、廊下のすみに光輝く何かを発見し………?

新しい道を歩み始めた貴方へ
mahiro
BL
今から14年前、関係を秘密にしていた恋人が俺の存在を忘れた。
そのことにショックを受けたが、彼の家族や友人たちが集まりかけている中で、いつまでもその場に居座り続けるわけにはいかず去ることにした。
その後、恋人は訳あってその地を離れることとなり、俺のことを忘れたまま去って行った。
あれから恋人とは一度も会っておらず、月日が経っていた。
あるとき、いつものように仕事場に向かっているといきなり真上に明るい光が降ってきて……?
※沢山のお気に入り登録ありがとうございます。深く感謝申し上げます。

あと一度だけでもいいから君に会いたい
藤雪たすく
BL
異世界に転生し、冒険者ギルドの雑用係として働き始めてかれこれ10年ほど経つけれど……この世界のご飯は素材を生かしすぎている。
いまだ食事に馴染めず米が恋しすぎてしまった為、とある冒険者さんの事が気になって仕方がなくなってしまった。
もう一度あの人に会いたい。あと一度でもあの人と会いたい。
※他サイト投稿済み作品を改題、修正したものになります
すべてを奪われた英雄は、
さいはて旅行社
BL
アスア王国の英雄ザット・ノーレンは仲間たちにすべてを奪われた。
隣国の神聖国グルシアの魔物大量発生でダンジョンに潜りラスボスの魔物も討伐できたが、そこで仲間に裏切られ黒い短剣で刺されてしまう。
それでも生き延びてダンジョンから生還したザット・ノーレンは神聖国グルシアで、王子と呼ばれる少年とその世話役のヴィンセントに出会う。
すべてを奪われた英雄が、自分や仲間だった者、これから出会う人々に向き合っていく物語。

転生貧乏貴族は王子様のお気に入り!実はフリだったってわかったのでもう放してください!
音無野ウサギ
BL
ある日僕は前世を思い出した。下級貴族とはいえ王子様のお気に入りとして毎日楽しく過ごしてたのに。前世の記憶が僕のことを駄目だしする。わがまま駄目貴族だなんて気づきたくなかった。王子様が優しくしてくれてたのも実は裏があったなんて気づきたくなかった。品行方正になるぞって思ったのに!
え?王子様なんでそんなに優しくしてくるんですか?ちょっとパーソナルスペース!!
調子に乗ってた貧乏貴族の主人公が慎ましくても確実な幸せを手に入れようとジタバタするお話です。

ざまぁされたチョロ可愛い王子様は、俺が貰ってあげますね
ヒラヲ
BL
「オーレリア・キャクストン侯爵令嬢! この時をもって、そなたとの婚約を破棄する!」
オーレリアに嫌がらせを受けたというエイミーの言葉を真に受けた僕は、王立学園の卒業パーティーで婚約破棄を突き付ける。
しかし、突如現れた隣国の第一王子がオーレリアに婚約を申し込み、嫌がらせはエイミーの自作自演であることが発覚する。
その結果、僕は冤罪による断罪劇の責任を取らされることになってしまった。
「どうして僕がこんな目に遭わなければならないんだ!?」
卒業パーティーから一ヶ月後、王位継承権を剥奪された僕は王都を追放され、オールディス辺境伯領へと送られる。
見習い騎士として一からやり直すことになった僕に、指導係の辺境伯子息アイザックがやたら絡んでくるようになって……?
追放先の辺境伯子息×ざまぁされたナルシスト王子様
悪役令嬢を断罪しようとしてざまぁされた王子の、その後を書いたBL作品です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる