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present is zokin
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「俺の嫁を泣かすなよ」
ノシノシと食堂へ入ってきた隊長の腕の中で双子はスヤスヤと眠っていた。これは……癒やされますな。
「いや待って!!俺が泣かせたんですか!?」
いきなり勝手に泣き出したんですけど!?
隊長は双子を食堂のベンチへ寝かせるとナタリアさんの隣に座り、収納箱から小さな袋を取り出すとナタリアさんの前に置いた。
「渡しそこねてた、この間の討伐料だ」
「ガイトドフさん!!こんなに受け取れません!!私、何の役にもたってないのに!!」
「お前がなんと言おうとチームリーダーの決定は絶対だろ」
隊長は小袋の中から銅貨を1枚取り出すとピンっと指で弾いて俺に投げてきた。
「それで何か食わせてやってくれ、カイとリーナの分もな」
「は……はい」
いまいち流れは掴めないが、隊長が作っていいと言うなら誰も文句は言わないだろう。
ーーーーーー
料理しながら二人の会話を盗み聞いていると、どうやらこの世界は地面だけではなく、食物も魔力を帯びているらしい。カイとリーナは同じ年頃の子供と比べ魔力が弱いため拒絶反応で食べ物すらまともに食べられないらしい。
俺の作る料理は魔力が全て抜かれているとは……新情報だ。
最近南区の瘴気量が増えてきていて、二人は食べさせても吐いてしまい……藁にもすがる思いで、普段は家に籠もっている二人を連れて魔力の立ち込める街の中をやって来てくれたみたい……。
これは……責任重大じゃないか?
腕によりを掛けて料理させてもらわないと。
育ち盛りの子供には野菜もしっかり食べさせて上げたいからふんだんに使った。銅貨1枚で足りはしないだろうけど、それは俺の小遣いから補填しておけば大丈夫だろう。
隊長の気持ちが分かるよ、何度ふられようと自分が守ってやりたくなる……俺はまだお小遣い貰う居候の身だけれど。
プレッシャーを感じながら揚げ物をしていると、匂いに気付いたのか、カイとリーナが目を擦りながら起きてきた。
「いい匂い……」
「ナタリア、ご飯?」
匂いにつられたのか、小さなお腹から催促する音が聞こえてきた。
「えっと……」
「そうだよ、お兄ちゃんが心を込めて作ったからいっぱい食べてね。隊長、運ぶの手伝って貰っても良いですか?」
「おう、お前たちは席について待ってな」
出来た物から隊長に運んで貰い、出来たてを食べてもらった。
「ナタリア!!紫の出てない!!」
「うん……」
「美味しいよ!!ナタリアも食べよ?」
「うん……」
吐き戻して食べられないと聞かされていたのが嘘の様に双子は美味しそうに食べてくれて……ナタリアさんの嬉しそうに、涙を浮かべて微笑む姿が見れただけで金貨1枚以上のお代を貰えた。
ナタリアさんの背中を擦る隊長の微笑みを厨房から眺め、心地の良い達成感を感じながら厨房から中庭に出た。
ーーーーーー
「「お兄ちゃんご飯ありがとう」」
揃ってお辞儀してくれる姿にキュンと胸が締め付けられる。
「また来てね。リーナちゃんとは名前も似てるし他人とは思えないよ」
魔力が低いところもね。
「俺も初めシーナの名前を聞いた時は二人の弟かと思ったぜ」
「黙っててください、隊長。せめてそこは兄でしょう」
「レベル見て言えよ」
う……。
双子ちゃん可愛いのに、5歳なのに、レベルがもう3なんだよね……先輩でした。
かっこよく決めようとしてるのに邪魔をしてくる隊長は無視して収納鞄から簡易にラッピングをした紙袋を2つ取り出して二人に渡した。
「これ、今日出会えたお祝い。秘密の道具だから誰にも内緒で使ってね。二人でお姉ちゃんを助けてあげて?」
「「ナタリアを助けられる?」」
二人は顔を見合わせて首を傾げたが、揃って大きく頷いてくれた。小さいながらにも頑張ってるお姉ちゃんを助けたいと思う気持ちはあるよな。
プレゼントとしてどうかと思うけど……中身はベルンさんの古着を使って、急いで作った『お手製手作り雑巾』だ。
かなり派手な柄だが、せめてあの二人が家の中だけでも魔力に怯えず過ごしてくれたら良いんだけど……。
もしナタリアさんに雑巾の事を聞かれたらマルトリノさんから買ったと言う事で……あの人なら上手く誤魔化してくれそうな気がする。
「俺は3人を送ってくっから、良い子で留守番してるんだぞ、シーナちゃん」
「さっさと行ってください」
手を振って送り出す俺にナタリアさんが近づいてきて、耳元に顔を寄せられ……まさか『サヨナラのキス』かとドキッとしたけれど。
「シーナちゃん、ルノルトスさん浮気してないよ。毎日ジュース飲みながらエレーナの話を遠い目して聞いてるだけだから……ルノルトスさん疲れてるみたいだから癒やしてあげてね」
「え……?」
「私からのお礼だよ」
少し離れて、ニッとナタリアさんは笑った。そのしてやったりの顔は……少し隊長の笑い方と似ていた。
「『寂しい』って顔に出過ぎなんだよ、ばぁか。行くぞ、ナタリア!!」
「は~い」
仲良く並んで歩く四人の後ろ姿が遠ざかって行く。
いや……ルノさんの浮気なんて疑って無いし!!そもそも付き合ってないし!!癒やすって!?顔に寂しいって……。
熱くなった顔を隠しながら膝から力が抜けてしゃがみ込んだ。
「どうした?大丈夫かシーナ」
「……大丈夫です」
……いま俺、どんな顔してんだろう。
今日の門番が真面目なアシルさんと寡黙なレフさんで良かった……ベルンさんなら面倒な事になってた。
ーーーーーー
「シーナ……まだ残ってたのか」
夕食も終えて、お風呂も入って……今日のルノさんの帰りはいつも以上に遅かった。
「おかえりなさいルノさん。ご飯どうしますか?」
「残ってるならいただけるかな?お腹空いてるんだ」
流石に月猫亭で食べて来るかなと思ったけど……こんな時間までジュース飲み続けてた?
急いでルノさん用に取っておいた夕食を収納袋から取り出してテーブルの上に並べ、俺も席についた。
向かい合ってルノさんが食べるのを眺めている。
「今日はナタリアさんが双子ちゃんを連れて来てたんですよ。寝顔が天使みたいに可愛くて癒やされました」
「ああ、ナタリアに会ってお礼を言われたよ。エレーナを怖がっているのに、わざわざ店を出たあとこっそり抜け出して来てくれた」
見られてると食べづらいかな?と思わなくもないけれど、なんとなく一人にさせられなかった。
ナタリアさん、ルノさん疲れてるって言ってた。魔力の相性が悪いとどうなるんだろう?どんな影響があるんだろう?目を凝らしても俺にはルノさんの魔力は見えない。
皆が見えない物が見えるのと、皆が見える物が見えないの……どっちがマシなんだろう。
見えてなくて、気付かなくて、大切な人がいつの間にか壊れていってしまうのは嫌だな。
ルノさんが、体から溢れてしまうほど吸ってしまう悪いものを、全て消してあげられたら良いのに……。
「ごちそうさま。今日もシーナのご飯を食べて1日を終えられて幸せだよ」
立ち上がり、お皿を重ねるルノさんの手を……握る。
「シーナ?どうした?」
ルノさんの体から香る香水の匂い……嫌な匂い。
チュッと軽いリップ音に我に返る。
俺……何した!?俺、俺からルノさんに……唇で感じたルノさんの頬の感触に顔に頭に血が昇ってくる。
「いやっ!!あの、今日、双子と隊長がやってるの見てですね!!ほのぼのして良いなっていうか!!ほんわか心が温まるというかですね!!」
自分の行動に言い訳を探していると、頬に優しいキスが落とされる。
「分かるよ。今日もシーナの元に帰って来られたって安心感で胸が温かくなるから」
そ……そんな顔で微笑まないでよ。
「俺!!もう寝ますから食器はシンクに置いておいて下さい!!」
「もう遅いからね。おやすみ、シーナの寝顔も天使みたいで癒やされるよ」
走り逃げた。
くそっ!!くそっ!!何で素の顔でそんな歯の浮くような台詞、サラッと言ってくれてんだよ!!
とりあえず、窓からニヤニヤ覗いてたベルンさんは明日肉抜き決定だ!!
ノシノシと食堂へ入ってきた隊長の腕の中で双子はスヤスヤと眠っていた。これは……癒やされますな。
「いや待って!!俺が泣かせたんですか!?」
いきなり勝手に泣き出したんですけど!?
隊長は双子を食堂のベンチへ寝かせるとナタリアさんの隣に座り、収納箱から小さな袋を取り出すとナタリアさんの前に置いた。
「渡しそこねてた、この間の討伐料だ」
「ガイトドフさん!!こんなに受け取れません!!私、何の役にもたってないのに!!」
「お前がなんと言おうとチームリーダーの決定は絶対だろ」
隊長は小袋の中から銅貨を1枚取り出すとピンっと指で弾いて俺に投げてきた。
「それで何か食わせてやってくれ、カイとリーナの分もな」
「は……はい」
いまいち流れは掴めないが、隊長が作っていいと言うなら誰も文句は言わないだろう。
ーーーーーー
料理しながら二人の会話を盗み聞いていると、どうやらこの世界は地面だけではなく、食物も魔力を帯びているらしい。カイとリーナは同じ年頃の子供と比べ魔力が弱いため拒絶反応で食べ物すらまともに食べられないらしい。
俺の作る料理は魔力が全て抜かれているとは……新情報だ。
最近南区の瘴気量が増えてきていて、二人は食べさせても吐いてしまい……藁にもすがる思いで、普段は家に籠もっている二人を連れて魔力の立ち込める街の中をやって来てくれたみたい……。
これは……責任重大じゃないか?
腕によりを掛けて料理させてもらわないと。
育ち盛りの子供には野菜もしっかり食べさせて上げたいからふんだんに使った。銅貨1枚で足りはしないだろうけど、それは俺の小遣いから補填しておけば大丈夫だろう。
隊長の気持ちが分かるよ、何度ふられようと自分が守ってやりたくなる……俺はまだお小遣い貰う居候の身だけれど。
プレッシャーを感じながら揚げ物をしていると、匂いに気付いたのか、カイとリーナが目を擦りながら起きてきた。
「いい匂い……」
「ナタリア、ご飯?」
匂いにつられたのか、小さなお腹から催促する音が聞こえてきた。
「えっと……」
「そうだよ、お兄ちゃんが心を込めて作ったからいっぱい食べてね。隊長、運ぶの手伝って貰っても良いですか?」
「おう、お前たちは席について待ってな」
出来た物から隊長に運んで貰い、出来たてを食べてもらった。
「ナタリア!!紫の出てない!!」
「うん……」
「美味しいよ!!ナタリアも食べよ?」
「うん……」
吐き戻して食べられないと聞かされていたのが嘘の様に双子は美味しそうに食べてくれて……ナタリアさんの嬉しそうに、涙を浮かべて微笑む姿が見れただけで金貨1枚以上のお代を貰えた。
ナタリアさんの背中を擦る隊長の微笑みを厨房から眺め、心地の良い達成感を感じながら厨房から中庭に出た。
ーーーーーー
「「お兄ちゃんご飯ありがとう」」
揃ってお辞儀してくれる姿にキュンと胸が締め付けられる。
「また来てね。リーナちゃんとは名前も似てるし他人とは思えないよ」
魔力が低いところもね。
「俺も初めシーナの名前を聞いた時は二人の弟かと思ったぜ」
「黙っててください、隊長。せめてそこは兄でしょう」
「レベル見て言えよ」
う……。
双子ちゃん可愛いのに、5歳なのに、レベルがもう3なんだよね……先輩でした。
かっこよく決めようとしてるのに邪魔をしてくる隊長は無視して収納鞄から簡易にラッピングをした紙袋を2つ取り出して二人に渡した。
「これ、今日出会えたお祝い。秘密の道具だから誰にも内緒で使ってね。二人でお姉ちゃんを助けてあげて?」
「「ナタリアを助けられる?」」
二人は顔を見合わせて首を傾げたが、揃って大きく頷いてくれた。小さいながらにも頑張ってるお姉ちゃんを助けたいと思う気持ちはあるよな。
プレゼントとしてどうかと思うけど……中身はベルンさんの古着を使って、急いで作った『お手製手作り雑巾』だ。
かなり派手な柄だが、せめてあの二人が家の中だけでも魔力に怯えず過ごしてくれたら良いんだけど……。
もしナタリアさんに雑巾の事を聞かれたらマルトリノさんから買ったと言う事で……あの人なら上手く誤魔化してくれそうな気がする。
「俺は3人を送ってくっから、良い子で留守番してるんだぞ、シーナちゃん」
「さっさと行ってください」
手を振って送り出す俺にナタリアさんが近づいてきて、耳元に顔を寄せられ……まさか『サヨナラのキス』かとドキッとしたけれど。
「シーナちゃん、ルノルトスさん浮気してないよ。毎日ジュース飲みながらエレーナの話を遠い目して聞いてるだけだから……ルノルトスさん疲れてるみたいだから癒やしてあげてね」
「え……?」
「私からのお礼だよ」
少し離れて、ニッとナタリアさんは笑った。そのしてやったりの顔は……少し隊長の笑い方と似ていた。
「『寂しい』って顔に出過ぎなんだよ、ばぁか。行くぞ、ナタリア!!」
「は~い」
仲良く並んで歩く四人の後ろ姿が遠ざかって行く。
いや……ルノさんの浮気なんて疑って無いし!!そもそも付き合ってないし!!癒やすって!?顔に寂しいって……。
熱くなった顔を隠しながら膝から力が抜けてしゃがみ込んだ。
「どうした?大丈夫かシーナ」
「……大丈夫です」
……いま俺、どんな顔してんだろう。
今日の門番が真面目なアシルさんと寡黙なレフさんで良かった……ベルンさんなら面倒な事になってた。
ーーーーーー
「シーナ……まだ残ってたのか」
夕食も終えて、お風呂も入って……今日のルノさんの帰りはいつも以上に遅かった。
「おかえりなさいルノさん。ご飯どうしますか?」
「残ってるならいただけるかな?お腹空いてるんだ」
流石に月猫亭で食べて来るかなと思ったけど……こんな時間までジュース飲み続けてた?
急いでルノさん用に取っておいた夕食を収納袋から取り出してテーブルの上に並べ、俺も席についた。
向かい合ってルノさんが食べるのを眺めている。
「今日はナタリアさんが双子ちゃんを連れて来てたんですよ。寝顔が天使みたいに可愛くて癒やされました」
「ああ、ナタリアに会ってお礼を言われたよ。エレーナを怖がっているのに、わざわざ店を出たあとこっそり抜け出して来てくれた」
見られてると食べづらいかな?と思わなくもないけれど、なんとなく一人にさせられなかった。
ナタリアさん、ルノさん疲れてるって言ってた。魔力の相性が悪いとどうなるんだろう?どんな影響があるんだろう?目を凝らしても俺にはルノさんの魔力は見えない。
皆が見えない物が見えるのと、皆が見える物が見えないの……どっちがマシなんだろう。
見えてなくて、気付かなくて、大切な人がいつの間にか壊れていってしまうのは嫌だな。
ルノさんが、体から溢れてしまうほど吸ってしまう悪いものを、全て消してあげられたら良いのに……。
「ごちそうさま。今日もシーナのご飯を食べて1日を終えられて幸せだよ」
立ち上がり、お皿を重ねるルノさんの手を……握る。
「シーナ?どうした?」
ルノさんの体から香る香水の匂い……嫌な匂い。
チュッと軽いリップ音に我に返る。
俺……何した!?俺、俺からルノさんに……唇で感じたルノさんの頬の感触に顔に頭に血が昇ってくる。
「いやっ!!あの、今日、双子と隊長がやってるの見てですね!!ほのぼのして良いなっていうか!!ほんわか心が温まるというかですね!!」
自分の行動に言い訳を探していると、頬に優しいキスが落とされる。
「分かるよ。今日もシーナの元に帰って来られたって安心感で胸が温かくなるから」
そ……そんな顔で微笑まないでよ。
「俺!!もう寝ますから食器はシンクに置いておいて下さい!!」
「もう遅いからね。おやすみ、シーナの寝顔も天使みたいで癒やされるよ」
走り逃げた。
くそっ!!くそっ!!何で素の顔でそんな歯の浮くような台詞、サラッと言ってくれてんだよ!!
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