28 / 87
魔力はよめないが空気はよめる
しおりを挟む
マルトリノさんの店で買った物はルノさんの収納箱に入っているので、地下室に残っている物達を使って料理していると、何やら外がざわざわと騒がしい。
何かあったのかと、料理する手を止め中庭に向かおうとしたらディックさんが飛び込んできた。
「副隊長が帰ってきたっす!!」
やっと家出青年のご帰宅か、心配させられた文句の一つでも言ってやろうとディックさんの後を追って中庭へ飛び出した。
「うぎゃぁぁぁぁっ!!」
「……シーナ?まだ起きていたのか」
山と積まれた魔物の死体の山の前に立つルノさんは、頭から血を被り、青い髪も赤く染まっていた。
顔も手も血まみれの中、お手製にした服だけが強力な撥水加工でもされたかのように、新品同様の異様な美しさを保っていた。
失敗だ、このお手製は!!
汚れない事はいい事だと思ったけど異様な事になってる。
ルノさんは俺に気付いて近づいてこようとしたその足を止めた。
当然だ、その姿でいつもの様に抱きつかれでもしたら流石に引くわ。
「恥ずかしい姿を見せてしまってごめん……」
恥ずかしい姿?そんな恥じらうポーズしても今のルノさんの姿は恥ずかしいの一言で片付けられるもんじゃないからな!!
「いいから!!怪我してないなら早くお風呂行ってください!!着替えはすぐに持っていきますから!!」
戸惑うルノさんの背中を押してお風呂へ押し込んだ。
「そのまま湯船に浸からないで、ちゃんと洗ってからにしてくださいよ!!」
締めた扉に背中を預けて大きく息を吐き出した。
ビックリし過ぎていろいろ言ってやりたかったのに何もかも吹っ飛んじゃったよ……。
「ルノはちゃんと帰ってくるって言っただろ?」
そう言いながらも隊長だってホッとした顔してんじゃん。
近付いてきた隊長の表情に、いろんな事がどうでも良くなった。無事に帰ってきてくれた……それだけで良いか。
「この量……徹夜仕事だよなぁ」
「うわ、ユノレックスまでいる。これ一人で狩るとかあり得ねぇな」
どれがユノレックスか分からないが、魔物の死体を見分しながらぶつぶつと思いも思いに不満を吐き出すが、どこか嬉しそうで、みんな『大丈夫』って言いながら心の中ですごく心配してたんだ。
ここにいても役には立たないだろうから、ルノさんの着替えを取りに部屋へ行って戻ってくると隊長に呼び止められた。
基準は分からないが一つの山だった魔物の死体は幾つかの山に分けられている。
「シーナ、この魔物の山を見て……どうだ?」
お?いつの間にか小僧から名前を呼んでもらえるまでに格上げされてるな。
少しづつ隊長の中で俺への信頼度が上がっていく事にご機嫌だが最悪の気分で魔物の山を見上げた。
「これを一人で倒すなんてルノさんはやっぱり凄いなぁって思います」
これがもし異世界譚ならもうルノさんが勇者で決定だよね。闇堕ちフラグも持ってるみたいだけど。
「それだけか?」
「それだけって……死体気持ち悪い」
これ以上の感想を求められても魔物専門家じゃないから何も出てこない。この死体を見て『美味しそう』と感想を言えるほどの料理マスターにはなってないからな。
「ああ、もういいわ。ルノに魔物の処理は気にしなくていいからのんびり夜食でも食ってろと言っといてくれや」
どうやら隊長の求める答えを言い当てる事はできなかった様で、後ろ手に手を振りながら隊長は魔物の山へ向かって行った。
「何が言いたかったんだろう……」
考えてみようと魔物の山を見上げたが、その目と目が合った気がして身震いしながらお風呂場へ飛び込んだ。
ルノさんはまだ上がってないみたいで、脱衣所に姿は無かった。
床に残る血の後を雑巾で拭き取って、ルノさんの脱いだ服を畳もうと持ち上げて確認するが、破れた箇所はなさそうだ。
あれだけの魔物を相手にして無傷だったと言うわけか……魔物にならなくても化け物じゃん。
本当にルノさんが魔物にならなくて良かった。ただでさえ化け物じみた人が魔物になんてなったらこの世界全滅しちゃうんじゃないか?
「シーナ?」
うん、タイミング悪くルノさん出てきたね。俺の間の悪さは『鑑定様』の折り紙付きだ。
ルノさんの目に映ったのは、きっと脱いだ服を漁る変態だね。
「汚れては無さそうだけど洗濯しちゃいますね。今日は遅いからまた明日ですね!!」
はぐらかす様な言い訳をしながらルノさんの脱いだ物を収納鞄に詰め込んだ。
「着替えはその籠、隊長が魔物の処理は良いから夜食でも食べてろって言ってました。俺は先に行って用意してるから食堂へ来てくださいね!!」
ルノさんに喋らせる隙を与える前に伝える事を伝えて脱衣所を飛び出した。
ーーーーーー
「いただきます」
あれだけ魔物と戦って、流石に疲れたのか覇気のない声で『いただきます』を言うと、ルノさんは静かにスープを飲み始めた。
沈黙が辛いがここでじゃあさよならと言って部屋に戻ったところで、同室だしまた気まずくなると思い、ルノさんの向かいの席に腰を下ろした。
「シーナ……あの「いっぱい心配したんですからね」
「ごめん」
「隊長も、ベルンさんも……みんな心配してたんですよ。俺は……魔力高い人には起こる事だって言われてもそんなの全然わからないし、いきなりルノさんと隊長が喧嘩始めて、止めに入ったら瀕死にされて、意識戻ったらルノさん居なくなってるし……もう!!全然話について行けない!!」
テーブルにダンッと両拳を叩きつけた。
僅かにお皿が浮いたが……俺の手が重傷だ。虚弱すぎる。
「君は……俺と居て平気なのか?」
伏せた目は苦しそうに見える。
もしかして俺がトリガー?俺が側にいるとまずいのかな?
「俺、居ない方がいいですか?」
また再発されても困るし、側にいない方がいいなら部屋も移動する事を考えないと……隊員達の部屋は……却下。安眠は約束されないが隊長にお願いしようか?
「違う。シーナは……俺と居て平気なのか?」
「?何でですか?今までずっと同室で過ごしてたじゃないですか」
嫌なら早々に隊員達の部屋を最優先で掃除するなり自分の居場所確保に動くよね?
「シーナが大丈夫って言ってくれるなら、それだけで大丈夫な気がするよ」
顔は伏せられたままだけど、その口元は僅かに微笑んでいた。
「隊長にルノさんが魔物になるかもって言われて怖かったんですからね……どうしてそんな事になるのかも教えて下さいよ。俺には知る権利があると思います」
これから先もご厄介になる予定だ。その為にも魔力が高いとどうなるのか、どうしたらいいのか詳しく教えていただこうと思ったら隊長が入ってきた。
「ちゃんと食ってるか?」
俺の隣に座った隊長からは血生臭い匂いがする。隊長の体はところどころ血で汚れていた。
「隊長……ルノさんは食事中なんだからそんな格好で来ないでくださいよ」
「硬いこと言うなって」
「隊長、ご迷惑をお掛けしました」
隊長から距離を取ろうと体をずらしていると、ルノさんは立ち上がり頭を下げた。綺麗な90度だ。
「ああ、あの量の解体は流石に骨が折れるな……人に被害が出なくて良かった」
隊長は下げられたルノさんの背中を叩いた。その表情は慈愛に満ちている。
人に被害なしって……あなた殺されかけて、勝手に飛び込んで不可抗力とはいえ俺も瀕死でしたけど?
まあ俺も「冷たい」と感じた後、眠くなっただけであの瀕死状態音がなければ自分が瀕死って気づかなかったし、赤毛モヒカンの熊野郎に齧られた時に比べて死への恐怖がなかったから殺されかけたって騒ぐ程の意識は感じないんだけどさ。
「俺はシーナを……俺はいつか人間を殺め、魔物となってしまうかもしれません。そうなる前に……」
「そうなる前になんだ?人を殺したい衝動に駆られたらまず俺を倒してからだと約束しただろう。お前が人を殺す未来は永遠にこねぇよ。その為に俺がいるんだろ?」
「隊長……」
穏やかな微笑みでルノさんを見上げる隊長と、涙に潤んだ瞳で隊長を見下ろすルノさん。
んん?……これは……これはもしかしてそう言うことですか!?
目の前に流れる空気を読んで思い当たった答えに顔が赤くなる。
いくら月猫亭があると言っても、ルノさん綺麗だし、男所帯だし……戦闘すると気が昂るって設定あるよな。
ルノさんも隊長に対してだけは接し方が違うなぁとは思っていたけど……なるほど、なるほど……なるほどな!!
これはすごく、俺お邪魔じゃないか。
居心地悪く、体がモジモジと動いてしまう。あとは大人な二人に任せて……と、こそこそ食堂を出て行こうとしたら後ろから首根っこを掴まれた。
俺の首を掴むごつい手、その気になれば簡単に折られてしまうだろう。
「どこへいく気だ?なんかすっげぇムカつく想像をされた気がするんだが、気のせいかなぁ~?」
今の隊長に効果音をつけるならゴゴゴゴゴッ……だろうか?
今の方が死の恐怖を感じる。
「いや、なんかすごい良い雰囲気?て言うのか……いい感じだったからお邪魔かなぁ~って……」
「気持ち悪ぃ気を遣うなマセガキが!!そうだ!!俺はお前に用があったんだ、ついて来い!!ルノ、お前はゆっくり頭を休めてろ」
首を掴まれたまま、俺は中庭へ引きずり出された。
何かあったのかと、料理する手を止め中庭に向かおうとしたらディックさんが飛び込んできた。
「副隊長が帰ってきたっす!!」
やっと家出青年のご帰宅か、心配させられた文句の一つでも言ってやろうとディックさんの後を追って中庭へ飛び出した。
「うぎゃぁぁぁぁっ!!」
「……シーナ?まだ起きていたのか」
山と積まれた魔物の死体の山の前に立つルノさんは、頭から血を被り、青い髪も赤く染まっていた。
顔も手も血まみれの中、お手製にした服だけが強力な撥水加工でもされたかのように、新品同様の異様な美しさを保っていた。
失敗だ、このお手製は!!
汚れない事はいい事だと思ったけど異様な事になってる。
ルノさんは俺に気付いて近づいてこようとしたその足を止めた。
当然だ、その姿でいつもの様に抱きつかれでもしたら流石に引くわ。
「恥ずかしい姿を見せてしまってごめん……」
恥ずかしい姿?そんな恥じらうポーズしても今のルノさんの姿は恥ずかしいの一言で片付けられるもんじゃないからな!!
「いいから!!怪我してないなら早くお風呂行ってください!!着替えはすぐに持っていきますから!!」
戸惑うルノさんの背中を押してお風呂へ押し込んだ。
「そのまま湯船に浸からないで、ちゃんと洗ってからにしてくださいよ!!」
締めた扉に背中を預けて大きく息を吐き出した。
ビックリし過ぎていろいろ言ってやりたかったのに何もかも吹っ飛んじゃったよ……。
「ルノはちゃんと帰ってくるって言っただろ?」
そう言いながらも隊長だってホッとした顔してんじゃん。
近付いてきた隊長の表情に、いろんな事がどうでも良くなった。無事に帰ってきてくれた……それだけで良いか。
「この量……徹夜仕事だよなぁ」
「うわ、ユノレックスまでいる。これ一人で狩るとかあり得ねぇな」
どれがユノレックスか分からないが、魔物の死体を見分しながらぶつぶつと思いも思いに不満を吐き出すが、どこか嬉しそうで、みんな『大丈夫』って言いながら心の中ですごく心配してたんだ。
ここにいても役には立たないだろうから、ルノさんの着替えを取りに部屋へ行って戻ってくると隊長に呼び止められた。
基準は分からないが一つの山だった魔物の死体は幾つかの山に分けられている。
「シーナ、この魔物の山を見て……どうだ?」
お?いつの間にか小僧から名前を呼んでもらえるまでに格上げされてるな。
少しづつ隊長の中で俺への信頼度が上がっていく事にご機嫌だが最悪の気分で魔物の山を見上げた。
「これを一人で倒すなんてルノさんはやっぱり凄いなぁって思います」
これがもし異世界譚ならもうルノさんが勇者で決定だよね。闇堕ちフラグも持ってるみたいだけど。
「それだけか?」
「それだけって……死体気持ち悪い」
これ以上の感想を求められても魔物専門家じゃないから何も出てこない。この死体を見て『美味しそう』と感想を言えるほどの料理マスターにはなってないからな。
「ああ、もういいわ。ルノに魔物の処理は気にしなくていいからのんびり夜食でも食ってろと言っといてくれや」
どうやら隊長の求める答えを言い当てる事はできなかった様で、後ろ手に手を振りながら隊長は魔物の山へ向かって行った。
「何が言いたかったんだろう……」
考えてみようと魔物の山を見上げたが、その目と目が合った気がして身震いしながらお風呂場へ飛び込んだ。
ルノさんはまだ上がってないみたいで、脱衣所に姿は無かった。
床に残る血の後を雑巾で拭き取って、ルノさんの脱いだ服を畳もうと持ち上げて確認するが、破れた箇所はなさそうだ。
あれだけの魔物を相手にして無傷だったと言うわけか……魔物にならなくても化け物じゃん。
本当にルノさんが魔物にならなくて良かった。ただでさえ化け物じみた人が魔物になんてなったらこの世界全滅しちゃうんじゃないか?
「シーナ?」
うん、タイミング悪くルノさん出てきたね。俺の間の悪さは『鑑定様』の折り紙付きだ。
ルノさんの目に映ったのは、きっと脱いだ服を漁る変態だね。
「汚れては無さそうだけど洗濯しちゃいますね。今日は遅いからまた明日ですね!!」
はぐらかす様な言い訳をしながらルノさんの脱いだ物を収納鞄に詰め込んだ。
「着替えはその籠、隊長が魔物の処理は良いから夜食でも食べてろって言ってました。俺は先に行って用意してるから食堂へ来てくださいね!!」
ルノさんに喋らせる隙を与える前に伝える事を伝えて脱衣所を飛び出した。
ーーーーーー
「いただきます」
あれだけ魔物と戦って、流石に疲れたのか覇気のない声で『いただきます』を言うと、ルノさんは静かにスープを飲み始めた。
沈黙が辛いがここでじゃあさよならと言って部屋に戻ったところで、同室だしまた気まずくなると思い、ルノさんの向かいの席に腰を下ろした。
「シーナ……あの「いっぱい心配したんですからね」
「ごめん」
「隊長も、ベルンさんも……みんな心配してたんですよ。俺は……魔力高い人には起こる事だって言われてもそんなの全然わからないし、いきなりルノさんと隊長が喧嘩始めて、止めに入ったら瀕死にされて、意識戻ったらルノさん居なくなってるし……もう!!全然話について行けない!!」
テーブルにダンッと両拳を叩きつけた。
僅かにお皿が浮いたが……俺の手が重傷だ。虚弱すぎる。
「君は……俺と居て平気なのか?」
伏せた目は苦しそうに見える。
もしかして俺がトリガー?俺が側にいるとまずいのかな?
「俺、居ない方がいいですか?」
また再発されても困るし、側にいない方がいいなら部屋も移動する事を考えないと……隊員達の部屋は……却下。安眠は約束されないが隊長にお願いしようか?
「違う。シーナは……俺と居て平気なのか?」
「?何でですか?今までずっと同室で過ごしてたじゃないですか」
嫌なら早々に隊員達の部屋を最優先で掃除するなり自分の居場所確保に動くよね?
「シーナが大丈夫って言ってくれるなら、それだけで大丈夫な気がするよ」
顔は伏せられたままだけど、その口元は僅かに微笑んでいた。
「隊長にルノさんが魔物になるかもって言われて怖かったんですからね……どうしてそんな事になるのかも教えて下さいよ。俺には知る権利があると思います」
これから先もご厄介になる予定だ。その為にも魔力が高いとどうなるのか、どうしたらいいのか詳しく教えていただこうと思ったら隊長が入ってきた。
「ちゃんと食ってるか?」
俺の隣に座った隊長からは血生臭い匂いがする。隊長の体はところどころ血で汚れていた。
「隊長……ルノさんは食事中なんだからそんな格好で来ないでくださいよ」
「硬いこと言うなって」
「隊長、ご迷惑をお掛けしました」
隊長から距離を取ろうと体をずらしていると、ルノさんは立ち上がり頭を下げた。綺麗な90度だ。
「ああ、あの量の解体は流石に骨が折れるな……人に被害が出なくて良かった」
隊長は下げられたルノさんの背中を叩いた。その表情は慈愛に満ちている。
人に被害なしって……あなた殺されかけて、勝手に飛び込んで不可抗力とはいえ俺も瀕死でしたけど?
まあ俺も「冷たい」と感じた後、眠くなっただけであの瀕死状態音がなければ自分が瀕死って気づかなかったし、赤毛モヒカンの熊野郎に齧られた時に比べて死への恐怖がなかったから殺されかけたって騒ぐ程の意識は感じないんだけどさ。
「俺はシーナを……俺はいつか人間を殺め、魔物となってしまうかもしれません。そうなる前に……」
「そうなる前になんだ?人を殺したい衝動に駆られたらまず俺を倒してからだと約束しただろう。お前が人を殺す未来は永遠にこねぇよ。その為に俺がいるんだろ?」
「隊長……」
穏やかな微笑みでルノさんを見上げる隊長と、涙に潤んだ瞳で隊長を見下ろすルノさん。
んん?……これは……これはもしかしてそう言うことですか!?
目の前に流れる空気を読んで思い当たった答えに顔が赤くなる。
いくら月猫亭があると言っても、ルノさん綺麗だし、男所帯だし……戦闘すると気が昂るって設定あるよな。
ルノさんも隊長に対してだけは接し方が違うなぁとは思っていたけど……なるほど、なるほど……なるほどな!!
これはすごく、俺お邪魔じゃないか。
居心地悪く、体がモジモジと動いてしまう。あとは大人な二人に任せて……と、こそこそ食堂を出て行こうとしたら後ろから首根っこを掴まれた。
俺の首を掴むごつい手、その気になれば簡単に折られてしまうだろう。
「どこへいく気だ?なんかすっげぇムカつく想像をされた気がするんだが、気のせいかなぁ~?」
今の隊長に効果音をつけるならゴゴゴゴゴッ……だろうか?
今の方が死の恐怖を感じる。
「いや、なんかすごい良い雰囲気?て言うのか……いい感じだったからお邪魔かなぁ~って……」
「気持ち悪ぃ気を遣うなマセガキが!!そうだ!!俺はお前に用があったんだ、ついて来い!!ルノ、お前はゆっくり頭を休めてろ」
首を掴まれたまま、俺は中庭へ引きずり出された。
242
お気に入りに追加
2,825
あなたにおすすめの小説

悪役令嬢と同じ名前だけど、僕は男です。
みあき
BL
名前はティータイムがテーマ。主人公と婚約者の王子がいちゃいちゃする話。
男女共に子どもを産める世界です。容姿についての描写は敢えてしていません。
メインカプが男性同士のためBLジャンルに設定していますが、周辺は異性のカプも多いです。
奇数話が主人公視点、偶数話が婚約者の王子視点です。
pixivでは既に最終回まで投稿しています。

光る穴に落ちたら、そこは異世界でした。
みぃ
BL
自宅マンションへ帰る途中の道に淡い光を見つけ、なに? と確かめるために近づいてみると気付けば落ちていて、ぽん、と異世界に放り出された大学生が、年下の騎士に拾われる話。
生活脳力のある主人公が、生活能力のない年下騎士の抜けてるとこや、美しく格好いいのにかわいいってなんだ!? とギャップにもだえながら、ゆるく仲良く暮らしていきます。
何もかも、ふわふわゆるゆる。ですが、描写はなくても主人公は受け、騎士は攻めです。

【完結】テルの異世界転換紀?!転がり落ちたら世界が変わっていた。
カヨワイさつき
BL
小学生の頃両親が蒸発、その後親戚中をたらいまわしにされ住むところも失った田辺輝(たなべ てる)は毎日切り詰めた生活をしていた。複数のバイトしていたある日、コスプレ?した男と出会った。
異世界ファンタジー、そしてちょっぴりすれ違いの恋愛。
ドワーフ族に助けられ家族として過ごす"テル"。本当の両親は……。
そして、コスプレと思っていた男性は……。

普段「はい」しか言わない僕は、そばに人がいると怖いのに、元マスターが迫ってきて弄ばれている
迷路を跳ぶ狐
BL
全105話*六月十一日に完結する予定です。
読んでいただき、エールやお気に入り、しおりなど、ありがとうございました(*≧∀≦*)
魔法の名手が生み出した失敗作と言われていた僕の処分は、ある日突然決まった。これから捨てられる城に置き去りにされるらしい。
ずっと前から廃棄処分は決まっていたし、殺されるかと思っていたのに、そうならなかったのはよかったんだけど、なぜか僕を嫌っていたはずのマスターまでその城に残っている。
それだけならよかったんだけど、ずっとついてくる。たまにちょっと怖い。
それだけならよかったんだけど、なんだか距離が近い気がする。
勘弁してほしい。
僕は、この人と話すのが、ものすごく怖いんだ。

運悪く放課後に屯してる不良たちと一緒に転移に巻き込まれた俺、到底馴染めそうにないのでソロで無双する事に決めました。~なのに何故かついて来る…
こまの ととと
BL
『申し訳ございませんが、皆様には今からこちらへと来て頂きます。強制となってしまった事、改めて非礼申し上げます』
ある日、教室中に響いた声だ。
……この言い方には語弊があった。
正確には、頭の中に響いた声だ。何故なら、耳から聞こえて来た感覚は無く、直接頭を揺らされたという感覚に襲われたからだ。
テレパシーというものが実際にあったなら、確かにこういうものなのかも知れない。
問題はいくつかあるが、最大の問題は……俺はただその教室近くの廊下を歩いていただけという事だ。
*当作品はカクヨム様でも掲載しております。

学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語
紅林
BL
『桜田門学院高等学校』
日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する野球ドーム五個分の土地が学院としてなる巨大学園だ
しかし生徒数は300人程の少人数の学院だ
そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語である

田舎育ちの天然令息、姉様の嫌がった婚約を押し付けられるも同性との婚約に困惑。その上性別は絶対バレちゃいけないのに、即行でバレた!?
下菊みこと
BL
髪色が呪われた黒であったことから両親から疎まれ、隠居した父方の祖父母のいる田舎で育ったアリスティア・ベレニス・カサンドル。カサンドル侯爵家のご令息として恥ずかしくない教養を祖父母の教えの元身につけた…のだが、農作業の手伝いの方が貴族として過ごすより好き。
そんなアリスティア十八歳に急な婚約が持ち上がった。アリスティアの双子の姉、アナイス・セレスト・カサンドル。アリスティアとは違い金の御髪の彼女は侯爵家で大変かわいがられていた。そんなアナイスに、とある同盟国の公爵家の当主との婚約が持ちかけられたのだが、アナイスは婿を取ってカサンドル家を継ぎたいからと男であるアリスティアに婚約を押し付けてしまう。アリスティアとアナイスは髪色以外は見た目がそっくりで、アリスティアは田舎に引っ込んでいたためいけてしまった。
アリスは自分の性別がバレたらどうなるか、また自分の呪われた黒を見て相手はどう思うかと心配になった。そして顔合わせすることになったが、なんと公爵家の執事長に性別が即行でバレた。
公爵家には公爵と歳の離れた腹違いの弟がいる。前公爵の正妻との唯一の子である。公爵は、正当な継承権を持つ正妻の息子があまりにも幼く家を継げないため、妾腹でありながら爵位を継承したのだ。なので公爵の後を継ぐのはこの弟と決まっている。そのため公爵に必要なのは同盟国の有力貴族との縁のみ。嫁が子供を産む必要はない。
アリスティアが男であることがバレたら捨てられると思いきや、公爵の弟に懐かれたアリスティアは公爵に「家同士の婚姻という事実だけがあれば良い」と言われてそのまま公爵家で暮らすことになる。
一方婚約者、二十五歳のクロヴィス・シリル・ドナシアンは嫁に来たのが男で困惑。しかし可愛い弟と仲良くなるのが早かったのと弟について黙って結婚しようとしていた負い目でアリスティアを追い出す気になれず婚約を結ぶことに。
これはそんなクロヴィスとアリスティアが少しずつ近づいていき、本物の夫婦になるまでの記録である。
小説家になろう様でも2023年 03月07日 15時11分から投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる