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銀貨2枚
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どうせこの後お風呂に入るし、寒くはないのでルノさんには裸になって椅子に座ってもらっている。
背筋を伸ばして椅子に座るルノさんはまるで彫刻の様な理想的な筋肉を俺に見せびらかしてきている。
俺が勝手に僻んでいるだけなんだけど、本当に羨ましい。
ブラシとハサミとナイフと切った髪を入れる袋を用意しているとルノさんはいきなり一本に結っていた髪の束を根元から切り落としてしまった。
「ルノさん!?」
「先に大まかに切っておいた方がやりやすいだろ?」
切り離された毛の束をゴミ袋に何の感慨もなく捨てようとしたのを何となく遮った。
「その髪、捨てちゃうんですか?綺麗なのに勿体無い……何かに使えそうなのに」
綺麗に束になったままの青い髪。
ウィッグとかにしたら絶対綺麗だよ。青い髪とかファンタジー感満載。
「この髪を?……まあ……シーナなら平気かな?」
自分の髪が他人の手に渡るなんて、俺も気持ち悪いと思うよ?適当に言ってしまって後悔する。
「いやいや、どうしてもってわけじゃ無いので、やっぱり気持ち悪いですよね」
「いや、気持ち悪いというか、髪の毛一本でも呪術に使われたり碌な事にならないから、切った髪の毛の処理というのは信頼のおける人間じゃ無いと任せられないだけだ」
それで隊長の髪を片付けようとした時それとなく追い出されたのか……つまり隊長にはまだ完全に信用はされてないと。
ルノさんは戸惑いながらも俺を信用してくれてるって感じかな。
何に使うのかわからないけど、持っておくなら大事に保管してくれと渡されたので、要らないとは言えず収納鞄にしまった。
収納鞄の中に使い道のわからない物が増えていくけど、時間経過無いし無制限だしまぁ良いか。
「ルノさんはどんな髪型が良いですか?」
「そうだね……シーナの好きな髪型が良いかな」
おまかせ来たよ。
もう!! ルノさんはどれだけ俺を信頼してくれているんだ!!
任せてくれるのは嬉しいけど、ん~どうしよう。
ルノさんならどんな髪型でも似合うと思うからこそ難しいなぁ……隊長みたいにわかりやすい顔をしてくれてたら良いのに。
少し長めの前髪と非対称にサイドを垂らしてアンニュイな魅力も良いけどバッサリと切ってこの顔を全面に押し出すのも捨てがたい。凛々しくオールバックだって似合うだろうし……なんならモヒカンだって自分の物にしちゃいそうだよね。
ただでさえカッコいいルノさんが益々イケメンに磨きがかかって、俺の腕の評判が伝わり、尚且つ警備隊のお抱えとなればきっと信頼感は十分。警備隊以外からの注文も来てお洒落な貴族のお嬢様方から引っ張りだこに……。
「シーナ?」
「すみません、幸せな未来を夢見てました」
ルノさんは歩く広告塔になるだろうから失敗は許されない。気合を入れ直してその髪に鋏を入れた。
なんらかのスキルの作用か、仕上がりを想像するとどう切ればいいのかが残像の様なぼやけた映像と鋏のマークがここを切れと重なって見えてくる。
俺はその二重映像に三半規管を鍛えられながら美容師の真似をして細かく軽快に鋏を入れていった。
水で湿らせた髪は青が深くなり艶やかで、床に散らばる髪すら綺麗だと思う。
これを、例えば『エレーナ』さんとやらに渡したら『私を好きになります様に』とか恋のおまじないとかを掛けられちゃったりするのかな?
魔法が使える世界の『おまじない』の威力は凄そうだ。それこそ『呪い』のレベルになりそう。処理には気をつけないとな。
「そういえばさっきの隊長の話ですけど、ルノさんの剣って魔法剣なんですね。しかも炎と氷の双剣!!カッコ良さそうだなぁ……いつか俺にも見せてくださいね」
今まで微動だにしなかったルノさんの体がわずかに揺れた。もしかして地雷だった? 黒歴史に触れちゃった?
「あの話を聞いてシーナは俺が怖くないのか?」
『焔凍の死神』とかいう厨二臭い二つ名の事を言っているのかな? 確かにそんな名前で呼ばれたら恥ずかしくて震えるよね。ルノさんの恥ずかしそうな少し拗ねた様なしかめっ面を思い出したら笑いが漏れた。
「何でですか?ルノさんは俺の命の恩人だし優しいじゃないですか」
「俺が……優しい?」
なぜ疑問形? ここまで親身になって俺の面倒を見てくれている人が優しい人間でなければ誰を優しいというのだろうか。
「そうか……俺が……優しい……」
そう呟くルノさんの顔は、何だか嬉しそうだった。
その様子をわずかに疑問に思いながらも俺は鋏を見えるままに動かしていった。
ーーーーーー
「……どうですか?」
鏡の中のルノさんへ向けて投げかけるとその顔が綻んだ。
「ああ、さっぱりしたよ。ありがとう」
我ながら良い仕上がりだと自画自賛。
正直お洒落に興味なんてなかったので何という髪型なのか言葉では言い表せないが街で見かけていたお洒落男子っぽいのを真似てみた。
朝起きてセットしなさそうな隊長にはいかにもなスポーツ刈りにしたけど、ルノさんはちゃんと身嗜みを整えるので多少長めでも大丈夫……でも髭の手入れで顔を燃やしちゃう大雑把な面もあるのを思い出した。まぁルノさんがやらなくても俺がやれば良いだけだし、OK、OK。
「あまり動かずに大剣を振るう隊長と違って、俺の戦闘は機動力を元にした戦い方だからね、髪を掴まれるのは命取りだから助かるよ」
お洒落や衛生面では無く、何でも戦闘1番で考えるんだな。警備隊とは戦闘狂の集まりだろうか。
肩を竦めながら後片付けをする俺の手にルノさんが何かを握らせてきた。
銀色のコインが2枚。
「散髪代?ルノさんからは貰えませんよ」
それ以上の事を無償でいっぱい助けて貰っているのにお金まで取れないと、返そうとしたけれどルノさん受け取ってくれない。
「隊長のは受け取れて、俺のは受け取れない?」
笑顔……笑顔だけど何だか怖い。定番の目が笑ってないという事もなく、満面の笑顔なのに……これが『オーラ』というやつか? ブルっと体が震え、ひんやりとした空気が風呂場に広がった。
「あ……ありがとうございます!!いただきます!!冷えてきたんでお風呂入っちゃいましょう!!」
何とか誤魔化して脱衣所へ飛び出した。
う~ん、貨幣の価値の感覚はまだわかんないけど、隊長は『小遣い』と言ってたし、色も銀色だし100円とか50円ぐらいかな? しばし銀色のコインを眺めてから鞄の中へしまった。
『所持金:銀貨3枚』
銀貨2枚だったのは隊長に対抗したのかも……ルノさん可愛いなぁなどと思いながら俺も服を脱いで風呂場へ戻った。
背筋を伸ばして椅子に座るルノさんはまるで彫刻の様な理想的な筋肉を俺に見せびらかしてきている。
俺が勝手に僻んでいるだけなんだけど、本当に羨ましい。
ブラシとハサミとナイフと切った髪を入れる袋を用意しているとルノさんはいきなり一本に結っていた髪の束を根元から切り落としてしまった。
「ルノさん!?」
「先に大まかに切っておいた方がやりやすいだろ?」
切り離された毛の束をゴミ袋に何の感慨もなく捨てようとしたのを何となく遮った。
「その髪、捨てちゃうんですか?綺麗なのに勿体無い……何かに使えそうなのに」
綺麗に束になったままの青い髪。
ウィッグとかにしたら絶対綺麗だよ。青い髪とかファンタジー感満載。
「この髪を?……まあ……シーナなら平気かな?」
自分の髪が他人の手に渡るなんて、俺も気持ち悪いと思うよ?適当に言ってしまって後悔する。
「いやいや、どうしてもってわけじゃ無いので、やっぱり気持ち悪いですよね」
「いや、気持ち悪いというか、髪の毛一本でも呪術に使われたり碌な事にならないから、切った髪の毛の処理というのは信頼のおける人間じゃ無いと任せられないだけだ」
それで隊長の髪を片付けようとした時それとなく追い出されたのか……つまり隊長にはまだ完全に信用はされてないと。
ルノさんは戸惑いながらも俺を信用してくれてるって感じかな。
何に使うのかわからないけど、持っておくなら大事に保管してくれと渡されたので、要らないとは言えず収納鞄にしまった。
収納鞄の中に使い道のわからない物が増えていくけど、時間経過無いし無制限だしまぁ良いか。
「ルノさんはどんな髪型が良いですか?」
「そうだね……シーナの好きな髪型が良いかな」
おまかせ来たよ。
もう!! ルノさんはどれだけ俺を信頼してくれているんだ!!
任せてくれるのは嬉しいけど、ん~どうしよう。
ルノさんならどんな髪型でも似合うと思うからこそ難しいなぁ……隊長みたいにわかりやすい顔をしてくれてたら良いのに。
少し長めの前髪と非対称にサイドを垂らしてアンニュイな魅力も良いけどバッサリと切ってこの顔を全面に押し出すのも捨てがたい。凛々しくオールバックだって似合うだろうし……なんならモヒカンだって自分の物にしちゃいそうだよね。
ただでさえカッコいいルノさんが益々イケメンに磨きがかかって、俺の腕の評判が伝わり、尚且つ警備隊のお抱えとなればきっと信頼感は十分。警備隊以外からの注文も来てお洒落な貴族のお嬢様方から引っ張りだこに……。
「シーナ?」
「すみません、幸せな未来を夢見てました」
ルノさんは歩く広告塔になるだろうから失敗は許されない。気合を入れ直してその髪に鋏を入れた。
なんらかのスキルの作用か、仕上がりを想像するとどう切ればいいのかが残像の様なぼやけた映像と鋏のマークがここを切れと重なって見えてくる。
俺はその二重映像に三半規管を鍛えられながら美容師の真似をして細かく軽快に鋏を入れていった。
水で湿らせた髪は青が深くなり艶やかで、床に散らばる髪すら綺麗だと思う。
これを、例えば『エレーナ』さんとやらに渡したら『私を好きになります様に』とか恋のおまじないとかを掛けられちゃったりするのかな?
魔法が使える世界の『おまじない』の威力は凄そうだ。それこそ『呪い』のレベルになりそう。処理には気をつけないとな。
「そういえばさっきの隊長の話ですけど、ルノさんの剣って魔法剣なんですね。しかも炎と氷の双剣!!カッコ良さそうだなぁ……いつか俺にも見せてくださいね」
今まで微動だにしなかったルノさんの体がわずかに揺れた。もしかして地雷だった? 黒歴史に触れちゃった?
「あの話を聞いてシーナは俺が怖くないのか?」
『焔凍の死神』とかいう厨二臭い二つ名の事を言っているのかな? 確かにそんな名前で呼ばれたら恥ずかしくて震えるよね。ルノさんの恥ずかしそうな少し拗ねた様なしかめっ面を思い出したら笑いが漏れた。
「何でですか?ルノさんは俺の命の恩人だし優しいじゃないですか」
「俺が……優しい?」
なぜ疑問形? ここまで親身になって俺の面倒を見てくれている人が優しい人間でなければ誰を優しいというのだろうか。
「そうか……俺が……優しい……」
そう呟くルノさんの顔は、何だか嬉しそうだった。
その様子をわずかに疑問に思いながらも俺は鋏を見えるままに動かしていった。
ーーーーーー
「……どうですか?」
鏡の中のルノさんへ向けて投げかけるとその顔が綻んだ。
「ああ、さっぱりしたよ。ありがとう」
我ながら良い仕上がりだと自画自賛。
正直お洒落に興味なんてなかったので何という髪型なのか言葉では言い表せないが街で見かけていたお洒落男子っぽいのを真似てみた。
朝起きてセットしなさそうな隊長にはいかにもなスポーツ刈りにしたけど、ルノさんはちゃんと身嗜みを整えるので多少長めでも大丈夫……でも髭の手入れで顔を燃やしちゃう大雑把な面もあるのを思い出した。まぁルノさんがやらなくても俺がやれば良いだけだし、OK、OK。
「あまり動かずに大剣を振るう隊長と違って、俺の戦闘は機動力を元にした戦い方だからね、髪を掴まれるのは命取りだから助かるよ」
お洒落や衛生面では無く、何でも戦闘1番で考えるんだな。警備隊とは戦闘狂の集まりだろうか。
肩を竦めながら後片付けをする俺の手にルノさんが何かを握らせてきた。
銀色のコインが2枚。
「散髪代?ルノさんからは貰えませんよ」
それ以上の事を無償でいっぱい助けて貰っているのにお金まで取れないと、返そうとしたけれどルノさん受け取ってくれない。
「隊長のは受け取れて、俺のは受け取れない?」
笑顔……笑顔だけど何だか怖い。定番の目が笑ってないという事もなく、満面の笑顔なのに……これが『オーラ』というやつか? ブルっと体が震え、ひんやりとした空気が風呂場に広がった。
「あ……ありがとうございます!!いただきます!!冷えてきたんでお風呂入っちゃいましょう!!」
何とか誤魔化して脱衣所へ飛び出した。
う~ん、貨幣の価値の感覚はまだわかんないけど、隊長は『小遣い』と言ってたし、色も銀色だし100円とか50円ぐらいかな? しばし銀色のコインを眺めてから鞄の中へしまった。
『所持金:銀貨3枚』
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