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俺の強い女剣士は?
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想像していた異世界転生は、目が覚めると赤ちゃんだったり、王様や偉そうな人達に囲まれた魔法陣の上だったり、大草原のど真ん中だったのだが……そのどれでも無かった。
シトシトと小雨が降る中、俺は道端に座り込んでいた。薄暗い景色は綺麗なヨーロッパ風の街中ではなく倒壊した石造りの家と何かが焼け焦げた様な匂いの漂う場所だった。黒く焦げた扉やら柱やらは、まだブスブスと燻っている。
どう見ても攻められて滅ぼされた直後の街並み。
夢ならもっと明るい景色を想像しろよと自分自身に突っ込みながら体を起こした。雨でビショビショだわ、土が剥き出しの地面に座り込んでいた為に泥でドロドロの服が重い。
あまり陽気な方では無いが、せめてもうちょっと明るい夢を見ろよな。
持ち物は何も無い。
服も着ていた物のまま。
「さてと……女神様の祝福ってのはどんなチート能力なんだろうな?ステータスオープン」
想像とは違ったが、女神様の祝福を頂いたのには間違いはないので、うきうきしながら定番の呪文を唱えてみたが何も起きない。
うわぁ~!!一人きりで良かった!!
恥ずかしさに蹲りながら自分の体をペタペタと触って確認してみた。特に筋肉量は増えていないので武道系のチートでは無さそうだ。かと言って鑑定とかのスキルがあるわけでも無さそうだし?
ピチャンと水が跳ねる音がした。
そうだ……女神様は俺に『死ぬな』と言った。
つまり……それは……死ぬ可能性が高いと言う事?
恐る恐る振り返ると倒壊した家の影から、デカい熊が牙を見せてこちらを睨んでいた。
「あ……これって……もしかしなくても……」
一歩後退ると熊は体制を低く落とす。
不遇系の転生だ!! 凄いチートスキルはあるけど戦闘向きじゃないやつ!!
「うわぁぁぁっ!!」
普通の熊なら背中を見せて逃げるのは御法度だろうが、奴はやる気だ。あの熊から感じたのは、俺が背中を向けようが向けまいが関係無く俺を殺すというあからさまなまでの殺意。それなら少しでも助かる方法に賭けようと俺は背中を見せて全力で走った。
実は凄い逃げ足が速いとか、どんな攻撃も効かないバリアを張れるとか!! そんな答えを期待しながら走る俺の耳にはバチャバチャと近付いてくる水を跳ね上げる足音が届くだけ。
「……かはっ!!」
こういう時って悲鳴出ないんだ……。
宙に舞った俺の体はすぐにドチャッと水溜りの中に落下した。背中をやられたらしくドクドクと熱い。雨の冷たさとは違う生温い物が服に滲んで行くのが分かる。
「痛え……夢じゃ……無いのかな……」
ズリズリと泥まみれになりながら這って進む俺の背中にズシリと重みが伸し掛かった。口の中まで泥に侵される。
「グルルル……」
逃げようと必死に藻掻くが、熊の前足に踏み付けられて逃げる事も出来ない。
「炎!!ファイアー!!フレイム!!」
思いつく魔法名を唱えてみても当然の様に何も起きない。熊の手に弾かれて仰向けに体を転がされ、熊と向き合うと……熊が俺を見て笑っているような気がした。
……転生物の主人公のピンチには凄い強い女性の冒険者が現れて颯爽と熊の首を切り落としてくれるんだよな。
目の前で大きく開かれた熊の口が降りてくるのがスローモーションの様にゆっくり見える。これは駄目なシーン演出じゃん。
何だよ……俺は死んで、また死ぬ為に転生したのかよ……。
腹部に激痛が走り……目の前は真っ暗になった。
そうか……女神様、言ってたもんな。勇者はもう自分の世界に送って、絡んできた男に神罰を与える為に送ろうとしてたって……それに巻き込まれた俺は主人公じゃねぇもん……他人の代わりに罰を受けているんだから……ハーレムで夢いっぱいの世界が待っている訳が無かった。
人の為になんて……なけなしの勇気は奮い立たせるもんじゃ……無かったな……。
ーーーーーー
……ん?
俺は死んでない?
暖かいものが胃から全身に巡るような感覚を覚えた。目も開けられないし、体もまだ動かせないけれど意識は戻って来た。唇に柔らかい物が触れたかと思うと口の中に勢い良く液体が吹き込まれて来る。
これは……『口移し』!?
テンプレ来たぁ!! と驚いて目を開けた。焦点の合わない目の前には現実離れした青い髪。唇から温かく柔らかな感触が離れて行き……綺麗な顔立ちをした……男。
「良かった。気が付いたか」
「くち……お……に…………ちゃ……た」
口移し、男にされちゃったよ……男……男に……。
綺麗なお姉さん相手でも多少の抵抗のある口移しを男に……。
俺はショックの余りもう一度深く暗い闇へと落ちて行った。
ーーーーーー
「うぅ~ん……男……俺の初めてのキスが……男……」
自分の唸り声が煩くて俺は目を覚ました。
見慣れぬ天井と……少し汗臭い布団は俺の物ではない。体を起こすと背中とお腹両方にズキッと痛みが走った。体を確認すると素っ裸に包帯だけを身に着けている。
「夢じゃ……無いのか……」
夢だと思った。
夢だと思いたかった。
ズキズキと痛む背中とお腹に、ジワリと涙が滲み出てきた。
漫画とかでよく読んでいたけれど、これは漫画の世界じゃない。ご都合主義に万能な力で何でも解決出来る訳じゃない。痛みだってあるし……死だって目の前にあるんだ。
この世界に来るともう女神様は何も出来ないって言っていた。元の世界に戻して貰えるなんて期待は出来ない。こんな世界……あんな怖い獣が身近にいる世界でどうやって生きて行けって言うんだよ。
涙を拭うのに枕に顔を埋めようとしたが……ちょっと黄ばんでいたので手で拭った。
ガチャッと扉が開かれて男が入ってきた。
「起きていたのか。ここはもう安全だ、安心して休んで良いんだよ」
良かった。
言葉は分かる。
青い髪と瞳……長い手足……軍人の様な服。明らかに日本人とはかけ離れた容姿のこの男は、俺の記憶違いで無ければ……俺の初キスを奪った男。
「下級のヒール薬しかなくて応急処置しか出来なくて済まないが、傷が癒えるまではゆっくりして行ってくれ」
うん。初キスを奪われたけどきっと助けて貰ったんだよな。人命救助は数に入れないって事で大丈夫だよな。
自分を納得させてゆっくり体を起こした。
「危ない所を助けていただいた様でありがとうございました」
笑ってお礼を伝えようと思ったが痛みで顔が引き攣る。
「無理をせずに寝ていてくれて良いんだよ」
ゆっくりと体を横たえさせられて、額に滲んでいた脂汗を布で拭ってくれたが……茶色い染みが斑に付いた布に思わず顔が引きつった。
「ああ……血とかいっぱい付いてるけど、洗ってはいるから綺麗だ……多分」
優しそうな顔立ち、長い髪を一本に結って微笑む姿は王子様のよう。凄いイケメンで日本でもアイドルになれそうなのに性格は結構大雑把というか……ワイルドな方らしい。
寝かせて貰っている布団もこまめに洗濯をしているようには見えなかった。
「熱は出てないみたいだね。食事が取れそうなら持ってくるけどどうかな?」
食事という言葉に反応したのか、お腹が鳴る。
「ふふ……元気そうだね。すぐに用意するから待っててくれ」
そう言って男は部屋を出て行った。
これが綺麗なお姉さんだったら願ってもない状況だったんだけどなぁ……。
残念ではあるが、優しそうな人に助けて貰って良かった。この世界の事をいろいろ教えて貰えたら助かる。
ついでに魔法とか生きる為の術も教えて貰いたい。あの熊から俺を助けてくれたって事はきっと強い人なんだよな。凄い背もデカかったもんな。
俺は背が高い方では無かったけれどけして低かった訳ではない。目線とか支えてくれた手の感じとか、かなり大きな男に感じた。もしかしたらこの世界の人間はみんなデカイのかもしれないな。
再び扉が開き、男が手に皿を持って戻って来た。
「この時間は店がもうやって無くて、簡単な物ですまない」
簡易のテーブルをガタガタ取り出して男は皿を上に置いた。
助けて貰っておいて文句をつけるのはどうかと思うが、置かれたのはカピカピの硬そうなパンと大きな具がどんっと入った透明なスープ?
「ありがとうございます……」
どれぐらい寝ていたのか解らないが、バイト帰りでそのままだったからお腹が空いてるは空いてるので、ゆっくり体を起こすと有り難くパンを手に取った。
……硬い。
見た目通り硬く、噛み千切るというよりも前歯で削る様にしてパンを食べた。スープと言っていいのかわからない物はほぼお湯で、具の野菜らしき物もほぼ生でガリガリと噛み砕いた。
イケメンだから料理までイケてる物が出てくるなんて事は無く、俺は逆に安心した。
この世界の人間の基準がもしこの男だとしたら俺は一生独り身だと諦めかけていたが、一人暮らしをしていたのでこの男より生活力は上だ。
そこを武器に戦える余地がある事に安堵した。
俺が弱い事が判明したいま、目指すは強い女剣士や女戦士に護られて生きる道だ。
シトシトと小雨が降る中、俺は道端に座り込んでいた。薄暗い景色は綺麗なヨーロッパ風の街中ではなく倒壊した石造りの家と何かが焼け焦げた様な匂いの漂う場所だった。黒く焦げた扉やら柱やらは、まだブスブスと燻っている。
どう見ても攻められて滅ぼされた直後の街並み。
夢ならもっと明るい景色を想像しろよと自分自身に突っ込みながら体を起こした。雨でビショビショだわ、土が剥き出しの地面に座り込んでいた為に泥でドロドロの服が重い。
あまり陽気な方では無いが、せめてもうちょっと明るい夢を見ろよな。
持ち物は何も無い。
服も着ていた物のまま。
「さてと……女神様の祝福ってのはどんなチート能力なんだろうな?ステータスオープン」
想像とは違ったが、女神様の祝福を頂いたのには間違いはないので、うきうきしながら定番の呪文を唱えてみたが何も起きない。
うわぁ~!!一人きりで良かった!!
恥ずかしさに蹲りながら自分の体をペタペタと触って確認してみた。特に筋肉量は増えていないので武道系のチートでは無さそうだ。かと言って鑑定とかのスキルがあるわけでも無さそうだし?
ピチャンと水が跳ねる音がした。
そうだ……女神様は俺に『死ぬな』と言った。
つまり……それは……死ぬ可能性が高いと言う事?
恐る恐る振り返ると倒壊した家の影から、デカい熊が牙を見せてこちらを睨んでいた。
「あ……これって……もしかしなくても……」
一歩後退ると熊は体制を低く落とす。
不遇系の転生だ!! 凄いチートスキルはあるけど戦闘向きじゃないやつ!!
「うわぁぁぁっ!!」
普通の熊なら背中を見せて逃げるのは御法度だろうが、奴はやる気だ。あの熊から感じたのは、俺が背中を向けようが向けまいが関係無く俺を殺すというあからさまなまでの殺意。それなら少しでも助かる方法に賭けようと俺は背中を見せて全力で走った。
実は凄い逃げ足が速いとか、どんな攻撃も効かないバリアを張れるとか!! そんな答えを期待しながら走る俺の耳にはバチャバチャと近付いてくる水を跳ね上げる足音が届くだけ。
「……かはっ!!」
こういう時って悲鳴出ないんだ……。
宙に舞った俺の体はすぐにドチャッと水溜りの中に落下した。背中をやられたらしくドクドクと熱い。雨の冷たさとは違う生温い物が服に滲んで行くのが分かる。
「痛え……夢じゃ……無いのかな……」
ズリズリと泥まみれになりながら這って進む俺の背中にズシリと重みが伸し掛かった。口の中まで泥に侵される。
「グルルル……」
逃げようと必死に藻掻くが、熊の前足に踏み付けられて逃げる事も出来ない。
「炎!!ファイアー!!フレイム!!」
思いつく魔法名を唱えてみても当然の様に何も起きない。熊の手に弾かれて仰向けに体を転がされ、熊と向き合うと……熊が俺を見て笑っているような気がした。
……転生物の主人公のピンチには凄い強い女性の冒険者が現れて颯爽と熊の首を切り落としてくれるんだよな。
目の前で大きく開かれた熊の口が降りてくるのがスローモーションの様にゆっくり見える。これは駄目なシーン演出じゃん。
何だよ……俺は死んで、また死ぬ為に転生したのかよ……。
腹部に激痛が走り……目の前は真っ暗になった。
そうか……女神様、言ってたもんな。勇者はもう自分の世界に送って、絡んできた男に神罰を与える為に送ろうとしてたって……それに巻き込まれた俺は主人公じゃねぇもん……他人の代わりに罰を受けているんだから……ハーレムで夢いっぱいの世界が待っている訳が無かった。
人の為になんて……なけなしの勇気は奮い立たせるもんじゃ……無かったな……。
ーーーーーー
……ん?
俺は死んでない?
暖かいものが胃から全身に巡るような感覚を覚えた。目も開けられないし、体もまだ動かせないけれど意識は戻って来た。唇に柔らかい物が触れたかと思うと口の中に勢い良く液体が吹き込まれて来る。
これは……『口移し』!?
テンプレ来たぁ!! と驚いて目を開けた。焦点の合わない目の前には現実離れした青い髪。唇から温かく柔らかな感触が離れて行き……綺麗な顔立ちをした……男。
「良かった。気が付いたか」
「くち……お……に…………ちゃ……た」
口移し、男にされちゃったよ……男……男に……。
綺麗なお姉さん相手でも多少の抵抗のある口移しを男に……。
俺はショックの余りもう一度深く暗い闇へと落ちて行った。
ーーーーーー
「うぅ~ん……男……俺の初めてのキスが……男……」
自分の唸り声が煩くて俺は目を覚ました。
見慣れぬ天井と……少し汗臭い布団は俺の物ではない。体を起こすと背中とお腹両方にズキッと痛みが走った。体を確認すると素っ裸に包帯だけを身に着けている。
「夢じゃ……無いのか……」
夢だと思った。
夢だと思いたかった。
ズキズキと痛む背中とお腹に、ジワリと涙が滲み出てきた。
漫画とかでよく読んでいたけれど、これは漫画の世界じゃない。ご都合主義に万能な力で何でも解決出来る訳じゃない。痛みだってあるし……死だって目の前にあるんだ。
この世界に来るともう女神様は何も出来ないって言っていた。元の世界に戻して貰えるなんて期待は出来ない。こんな世界……あんな怖い獣が身近にいる世界でどうやって生きて行けって言うんだよ。
涙を拭うのに枕に顔を埋めようとしたが……ちょっと黄ばんでいたので手で拭った。
ガチャッと扉が開かれて男が入ってきた。
「起きていたのか。ここはもう安全だ、安心して休んで良いんだよ」
良かった。
言葉は分かる。
青い髪と瞳……長い手足……軍人の様な服。明らかに日本人とはかけ離れた容姿のこの男は、俺の記憶違いで無ければ……俺の初キスを奪った男。
「下級のヒール薬しかなくて応急処置しか出来なくて済まないが、傷が癒えるまではゆっくりして行ってくれ」
うん。初キスを奪われたけどきっと助けて貰ったんだよな。人命救助は数に入れないって事で大丈夫だよな。
自分を納得させてゆっくり体を起こした。
「危ない所を助けていただいた様でありがとうございました」
笑ってお礼を伝えようと思ったが痛みで顔が引き攣る。
「無理をせずに寝ていてくれて良いんだよ」
ゆっくりと体を横たえさせられて、額に滲んでいた脂汗を布で拭ってくれたが……茶色い染みが斑に付いた布に思わず顔が引きつった。
「ああ……血とかいっぱい付いてるけど、洗ってはいるから綺麗だ……多分」
優しそうな顔立ち、長い髪を一本に結って微笑む姿は王子様のよう。凄いイケメンで日本でもアイドルになれそうなのに性格は結構大雑把というか……ワイルドな方らしい。
寝かせて貰っている布団もこまめに洗濯をしているようには見えなかった。
「熱は出てないみたいだね。食事が取れそうなら持ってくるけどどうかな?」
食事という言葉に反応したのか、お腹が鳴る。
「ふふ……元気そうだね。すぐに用意するから待っててくれ」
そう言って男は部屋を出て行った。
これが綺麗なお姉さんだったら願ってもない状況だったんだけどなぁ……。
残念ではあるが、優しそうな人に助けて貰って良かった。この世界の事をいろいろ教えて貰えたら助かる。
ついでに魔法とか生きる為の術も教えて貰いたい。あの熊から俺を助けてくれたって事はきっと強い人なんだよな。凄い背もデカかったもんな。
俺は背が高い方では無かったけれどけして低かった訳ではない。目線とか支えてくれた手の感じとか、かなり大きな男に感じた。もしかしたらこの世界の人間はみんなデカイのかもしれないな。
再び扉が開き、男が手に皿を持って戻って来た。
「この時間は店がもうやって無くて、簡単な物ですまない」
簡易のテーブルをガタガタ取り出して男は皿を上に置いた。
助けて貰っておいて文句をつけるのはどうかと思うが、置かれたのはカピカピの硬そうなパンと大きな具がどんっと入った透明なスープ?
「ありがとうございます……」
どれぐらい寝ていたのか解らないが、バイト帰りでそのままだったからお腹が空いてるは空いてるので、ゆっくり体を起こすと有り難くパンを手に取った。
……硬い。
見た目通り硬く、噛み千切るというよりも前歯で削る様にしてパンを食べた。スープと言っていいのかわからない物はほぼお湯で、具の野菜らしき物もほぼ生でガリガリと噛み砕いた。
イケメンだから料理までイケてる物が出てくるなんて事は無く、俺は逆に安心した。
この世界の人間の基準がもしこの男だとしたら俺は一生独り身だと諦めかけていたが、一人暮らしをしていたのでこの男より生活力は上だ。
そこを武器に戦える余地がある事に安堵した。
俺が弱い事が判明したいま、目指すは強い女剣士や女戦士に護られて生きる道だ。
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