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愛されたいと願う
最高のご主人様
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明るい音楽が流れていて、賑やかな店内、コーヒーの香り……物珍しくてキョロキョロしていると秀哉さんに笑われた。
「海里君はアイスティーで良かったかな?」
「あ、はい……ありがとうございます」
トレーを持って歩く秀哉さんの後ろをついて歩く。
一人でいる時はチラチラ見られながら、ヒソヒソと話のネタにされるけれど、秀哉さんが一緒だからか誰も見ていない……むしろ意識して見ない様にしている様な違和感。
どちらがマシかと問われるとどちらも微妙。
お婆ちゃんアルファの言っていた『疎まれているのはアルファの方』という言葉が少しだけだけど、わかった気がする。
畏怖され、優れた力の為に妬まれ……敬遠される様な遠巻きの、視線を感じない視線。アルファもこういう居心地の悪い視線に晒されているのか。
アルファは……ベータにとっても『アルファ様』なんだと感じた。
でも秀哉さんは全く気にした様子も無く、店の奥の空いている席に腰を下ろした。
「えっと……緒方との話を聞いていたならもうわかってると思うんだけど、原因は俺にも詳しく分からないけど……オメガのフェロモンを嗅ぐとアレルギー症状が出てオメガに全く近付けれなかったんだ」
オメガのフェロモンすらまだ謎とされている部分が多い。
「ずっと避けていた『縁の顔合わせ会』だけど『オメガ支援会』から通達が来てね……さすがに自分は不能ですなんて公言する気にはなれなくて形だけでもと参加した。適当に顔を出して途中で抜け出そうと思っていたんだけど……海里君、君を見つけて血が沸き起こり……目が離せなくなった」
僕が感じていたものを秀哉さんも感じてくれていたんだ……独りよがりの出会いじゃ無かったんだ。
「諦めて断っていた治療を受けた。初めてこの体質を改善したいと思った。治療している間、君を誰かに取られてしまうのが嫌で、君を苦しめる結果になるとわかっていながら君を縛りつけ……治ると信じていたんだ。それだけの運命を君に感じたから……でも……」
「……ごめんなさい」
「君が謝る必要は全くないよね」
「……ごめんなさい……」
謝るなと言われても申し訳ない気持ちでいっぱいだった。
愛を疑っていてごめんなさい?
何も気付かず触れ合いたいなんて言ってごめんなさい?
……自分でもわからない。
「あの日……君がヒートを起こしかけていたのに気付いて……離れなければと思いながら引き寄せられ、触れてしまった。案の定あんな情けない事になり……君は全てを置いて俺の前から去って行った」
「あの時は、ああするしか無いと思ったので」
緒方さんの事は嫌いではないけれど、番になりたいかと言われると、少し違う。
あのままあの場所にいると、他の誰かを紹介されそうで怖かった。
「残されていたチョーカーを見て感じたのは……1番心を占めていたのは、罪悪感でも後悔でも心配でも……謝罪の気持ちでも無く……激しい嫉妬だった。自分で緒方に君を頼むなんていいながら、君が俺から離れて他の人間の所へ行くことに、俺以外の誰かが君に触れることに、抑えきれない怒りが湧いた……本当に嫌になる位……」
頭を抱えた秀哉さんから……怒気の様な緊張感のある気配が発せられ空気を震わせてた……店内にいる人も何かを感じ取ったのか周辺のテーブルから人がいなくなった。
「家を飛び出し君の匂いを辿って追いかけた。君を俺から解放してあげなければと思いつつ真逆の行動だと自分でも思いながら、ただ走っていた……どうして君は山の中に?」
「実家に戻ろうと考えたんですけど、僕の居場所はもう無いんだと思って……ぼんやり歩いてたら、昔助けてくれた人の言葉を思い出して、あの薬草なら秀哉さんの病気も治してくれて、また側に置いて貰えるかもしれないって……」
冷静になって考えると浅い考えだと恥ずかしい。
「そうか。俺は山で君を見つけて……君は俺が死ぬ瞬間まで俺のものでなければならない、なんて身勝手な事を思ってたのにね。君のフェロモンで死ねるならなんて素敵なことだろうと、自己陶酔すらしていたのに……君を背中に抱えているのに発作は出なかったんだ」
「僕は……僕のせいで秀哉さんが死ぬなんて嫌です」
「ごめんね……雨のせいなのか、君の持っていたドクダミのせいか、君が意識を無くしていたせいか……神の力によるものかはわからないが……君の言葉で、最後の切り札を切る覚悟を決めた」
「僕の言葉ですか?」
ドクダミ……あの薬草はドクダミだったのか……お茶なら普通にお店で見た。
それに命をかけるとか……馬鹿丸出し。
「俺と……番になりたかったと言ってくれて、俺は最後のカケに出たんだ。『君と番契約』を結ぶこと……番契約を終えたオメガはフェロモンを発しなくなる。しかしその為には君と触れ合わなければいけない……契約に成功するか、俺の体が限界を迎えるかどちらが先か……例え俺がそれで死んでしまっても君の意識の無いうちなら……君に罪の意識を感じさせずに処理してもらえると浅慮だけれど、契約を結ぼうとした」
僕の言葉のせいで、知らないうちに僕が秀哉さんを殺しかけていたという状況を知らされ、血の気が引く。
心地よく感じていた店内の気温が急にそら寒く感じてくる。
「……でも……いざ君のうなじに牙をたてようとして……契約に失敗して死んだ時は良い。だが契約に成功して死んだ時は?君を契約で縛り付けたまま俺は君の側にいてあげられないなんて……そう思うと急に恐ろしくなって、牙を立てる事が出来なかった」
「僕は契約に失敗していたとしても、秀哉さんが居なくなるなんて耐えられません」
想像しただけで震えそうな手を握りしめるのを見て、秀哉さんは微かに笑った。
「体を離しかけた時、意識のなかったはずの海里君の目が開き……俺となら地獄でも天国だと笑ってくれた。おかしいけど俺は死なない……俺がこの子を残して死ぬはずがないって……そんな自信に満ちてきて君の首に牙をたてた」
頬を大きな手のひらに包み込まれた。
冷えていた体を溶かされる様に秀哉さんの熱が頬から体中に巡る。
「……俺を連れ戻してくれてありがとう」
僕が秀哉さんを連れ戻した?
僕を呼んでくれたのも僕の手を取ってくれたのも秀哉さんなのに……。
でも……僕も秀哉さんもこうして生きているのだという事が……当たり前の様な事がこんなに幸せなのだと涙が溢れる。
「じゃあ……僕はもう秀哉さんのものになれたんですか?」
頬を包む秀哉さんの手に手を重ねると冷えた指先にも温もりが戻る。
「ごめんね。押しかけ番だけど……愛してくれる?」
秀哉さんの指が唇に触れて……バクバクと心臓が口から飛び出しそうなほど脈打ってる。
「秀哉さん……ここ……外……なのに」
他人の目があると理解しているのに、理性では抑えきれないくらい、もっと触れて貰いたいと感情が暴走する。バレないぐらいに……指の先をちろりと舐めた。
「海里君……店、出ようか……」
「へ……?」
いきなりトレーを持って立ち上がった秀哉さんに腕を引かれながら店を出た。
「……嫉妬深くてごめん。でもあんな海里君の顔を他の人に見せたくなくて……」
真っ赤になって恥ずかしそうに秀哉さんは頭をかいた。
あんな顔って僕どんな顔してた?
何だか恥ずかしくなってお互い顔を逸らした……様子を伺う様に盗み見た視線がぶつかって、2人で顔を見合わせてぎこち無く笑った。
ーーーーーー
手を繋いでまた家へと歩き出す。
気付かないうちに僕はもう秀哉さんの番になっていた。
『ありがとう』と『おめでとう』の意味がようやくわかった。
秀哉さんと番……なんだ。
横を歩く秀哉さんの横顔をずっと見つめているとその顔が赤く染まってきた。
「海里君……そんなに見つめられると照れる……」
「あ……ごめんなさい」
慌てて視線を外したけれど……やっぱり……また秀哉さんの顔を盗み見る。
こんなに近くで、こんなに長い時間、秀哉さんと一緒にいられるなんて本当に夢みたい。1秒だって2秒だって長く秀哉さんの姿を頭に焼き付けたい。これまで寂しかった分を隙間なく埋めていきたい。
もっともっとくっつきたくて握った手に力をこめると秀哉さんからも握り返してくれる。
「……これからいっぱい時間はあるからこれまでの分、取り戻していこうね」
同じ様に考えてくれている事が嬉しくて秀哉さんの胸に飛び込んだ。
2人の間でスマホが震えた。
秀哉さんがポケットから取り出したのはあの日、置いて出た僕の宝物。
手渡されて確認すると陸人からのメッセージが届いていた。
メッセージを開くと手を繋ぎ笑顔で見つめ合う僕と秀哉さん。
陸人!?どこから……慌てて周囲を見回しても人が多く見つけられない。
また陸人から通知が届き……『幸せそうだね』の文字に顔が緩んだ。
『幸せだよ』
短い一言に秀哉さんがプレゼントしてくれた例のイラストの犬が大喜びしているスタンプを添えた。
初めて……強がりでも諦めでもない、心から『幸せ』だと言葉にできた。
そしてその『幸せ』はずっと先の未来まで続いていく。
貴方と一緒なら死んだって、地獄だって構わないと思ったけれど……こうして貴方の温もりを感じながら共に未来を夢みて歩いていけるほうがいい。
いつか僕の飼い主になるであろう、ご主人様の姿をいろいろ想像して怖い人だったらどうしよう、愛してもらえなかったらどうしようと陸人にいつも泣き言を言っては呆れられていたけど……。
僕のご主人様は完璧じゃなくて僕と同じ様に悩んで苦しんで不器用で……アルファらしくはないけれど……それでも真っ直ぐに愛をくれて一緒に笑ってくれる最高のご主人様でした。
「海里君はアイスティーで良かったかな?」
「あ、はい……ありがとうございます」
トレーを持って歩く秀哉さんの後ろをついて歩く。
一人でいる時はチラチラ見られながら、ヒソヒソと話のネタにされるけれど、秀哉さんが一緒だからか誰も見ていない……むしろ意識して見ない様にしている様な違和感。
どちらがマシかと問われるとどちらも微妙。
お婆ちゃんアルファの言っていた『疎まれているのはアルファの方』という言葉が少しだけだけど、わかった気がする。
畏怖され、優れた力の為に妬まれ……敬遠される様な遠巻きの、視線を感じない視線。アルファもこういう居心地の悪い視線に晒されているのか。
アルファは……ベータにとっても『アルファ様』なんだと感じた。
でも秀哉さんは全く気にした様子も無く、店の奥の空いている席に腰を下ろした。
「えっと……緒方との話を聞いていたならもうわかってると思うんだけど、原因は俺にも詳しく分からないけど……オメガのフェロモンを嗅ぐとアレルギー症状が出てオメガに全く近付けれなかったんだ」
オメガのフェロモンすらまだ謎とされている部分が多い。
「ずっと避けていた『縁の顔合わせ会』だけど『オメガ支援会』から通達が来てね……さすがに自分は不能ですなんて公言する気にはなれなくて形だけでもと参加した。適当に顔を出して途中で抜け出そうと思っていたんだけど……海里君、君を見つけて血が沸き起こり……目が離せなくなった」
僕が感じていたものを秀哉さんも感じてくれていたんだ……独りよがりの出会いじゃ無かったんだ。
「諦めて断っていた治療を受けた。初めてこの体質を改善したいと思った。治療している間、君を誰かに取られてしまうのが嫌で、君を苦しめる結果になるとわかっていながら君を縛りつけ……治ると信じていたんだ。それだけの運命を君に感じたから……でも……」
「……ごめんなさい」
「君が謝る必要は全くないよね」
「……ごめんなさい……」
謝るなと言われても申し訳ない気持ちでいっぱいだった。
愛を疑っていてごめんなさい?
何も気付かず触れ合いたいなんて言ってごめんなさい?
……自分でもわからない。
「あの日……君がヒートを起こしかけていたのに気付いて……離れなければと思いながら引き寄せられ、触れてしまった。案の定あんな情けない事になり……君は全てを置いて俺の前から去って行った」
「あの時は、ああするしか無いと思ったので」
緒方さんの事は嫌いではないけれど、番になりたいかと言われると、少し違う。
あのままあの場所にいると、他の誰かを紹介されそうで怖かった。
「残されていたチョーカーを見て感じたのは……1番心を占めていたのは、罪悪感でも後悔でも心配でも……謝罪の気持ちでも無く……激しい嫉妬だった。自分で緒方に君を頼むなんていいながら、君が俺から離れて他の人間の所へ行くことに、俺以外の誰かが君に触れることに、抑えきれない怒りが湧いた……本当に嫌になる位……」
頭を抱えた秀哉さんから……怒気の様な緊張感のある気配が発せられ空気を震わせてた……店内にいる人も何かを感じ取ったのか周辺のテーブルから人がいなくなった。
「家を飛び出し君の匂いを辿って追いかけた。君を俺から解放してあげなければと思いつつ真逆の行動だと自分でも思いながら、ただ走っていた……どうして君は山の中に?」
「実家に戻ろうと考えたんですけど、僕の居場所はもう無いんだと思って……ぼんやり歩いてたら、昔助けてくれた人の言葉を思い出して、あの薬草なら秀哉さんの病気も治してくれて、また側に置いて貰えるかもしれないって……」
冷静になって考えると浅い考えだと恥ずかしい。
「そうか。俺は山で君を見つけて……君は俺が死ぬ瞬間まで俺のものでなければならない、なんて身勝手な事を思ってたのにね。君のフェロモンで死ねるならなんて素敵なことだろうと、自己陶酔すらしていたのに……君を背中に抱えているのに発作は出なかったんだ」
「僕は……僕のせいで秀哉さんが死ぬなんて嫌です」
「ごめんね……雨のせいなのか、君の持っていたドクダミのせいか、君が意識を無くしていたせいか……神の力によるものかはわからないが……君の言葉で、最後の切り札を切る覚悟を決めた」
「僕の言葉ですか?」
ドクダミ……あの薬草はドクダミだったのか……お茶なら普通にお店で見た。
それに命をかけるとか……馬鹿丸出し。
「俺と……番になりたかったと言ってくれて、俺は最後のカケに出たんだ。『君と番契約』を結ぶこと……番契約を終えたオメガはフェロモンを発しなくなる。しかしその為には君と触れ合わなければいけない……契約に成功するか、俺の体が限界を迎えるかどちらが先か……例え俺がそれで死んでしまっても君の意識の無いうちなら……君に罪の意識を感じさせずに処理してもらえると浅慮だけれど、契約を結ぼうとした」
僕の言葉のせいで、知らないうちに僕が秀哉さんを殺しかけていたという状況を知らされ、血の気が引く。
心地よく感じていた店内の気温が急にそら寒く感じてくる。
「……でも……いざ君のうなじに牙をたてようとして……契約に失敗して死んだ時は良い。だが契約に成功して死んだ時は?君を契約で縛り付けたまま俺は君の側にいてあげられないなんて……そう思うと急に恐ろしくなって、牙を立てる事が出来なかった」
「僕は契約に失敗していたとしても、秀哉さんが居なくなるなんて耐えられません」
想像しただけで震えそうな手を握りしめるのを見て、秀哉さんは微かに笑った。
「体を離しかけた時、意識のなかったはずの海里君の目が開き……俺となら地獄でも天国だと笑ってくれた。おかしいけど俺は死なない……俺がこの子を残して死ぬはずがないって……そんな自信に満ちてきて君の首に牙をたてた」
頬を大きな手のひらに包み込まれた。
冷えていた体を溶かされる様に秀哉さんの熱が頬から体中に巡る。
「……俺を連れ戻してくれてありがとう」
僕が秀哉さんを連れ戻した?
僕を呼んでくれたのも僕の手を取ってくれたのも秀哉さんなのに……。
でも……僕も秀哉さんもこうして生きているのだという事が……当たり前の様な事がこんなに幸せなのだと涙が溢れる。
「じゃあ……僕はもう秀哉さんのものになれたんですか?」
頬を包む秀哉さんの手に手を重ねると冷えた指先にも温もりが戻る。
「ごめんね。押しかけ番だけど……愛してくれる?」
秀哉さんの指が唇に触れて……バクバクと心臓が口から飛び出しそうなほど脈打ってる。
「秀哉さん……ここ……外……なのに」
他人の目があると理解しているのに、理性では抑えきれないくらい、もっと触れて貰いたいと感情が暴走する。バレないぐらいに……指の先をちろりと舐めた。
「海里君……店、出ようか……」
「へ……?」
いきなりトレーを持って立ち上がった秀哉さんに腕を引かれながら店を出た。
「……嫉妬深くてごめん。でもあんな海里君の顔を他の人に見せたくなくて……」
真っ赤になって恥ずかしそうに秀哉さんは頭をかいた。
あんな顔って僕どんな顔してた?
何だか恥ずかしくなってお互い顔を逸らした……様子を伺う様に盗み見た視線がぶつかって、2人で顔を見合わせてぎこち無く笑った。
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手を繋いでまた家へと歩き出す。
気付かないうちに僕はもう秀哉さんの番になっていた。
『ありがとう』と『おめでとう』の意味がようやくわかった。
秀哉さんと番……なんだ。
横を歩く秀哉さんの横顔をずっと見つめているとその顔が赤く染まってきた。
「海里君……そんなに見つめられると照れる……」
「あ……ごめんなさい」
慌てて視線を外したけれど……やっぱり……また秀哉さんの顔を盗み見る。
こんなに近くで、こんなに長い時間、秀哉さんと一緒にいられるなんて本当に夢みたい。1秒だって2秒だって長く秀哉さんの姿を頭に焼き付けたい。これまで寂しかった分を隙間なく埋めていきたい。
もっともっとくっつきたくて握った手に力をこめると秀哉さんからも握り返してくれる。
「……これからいっぱい時間はあるからこれまでの分、取り戻していこうね」
同じ様に考えてくれている事が嬉しくて秀哉さんの胸に飛び込んだ。
2人の間でスマホが震えた。
秀哉さんがポケットから取り出したのはあの日、置いて出た僕の宝物。
手渡されて確認すると陸人からのメッセージが届いていた。
メッセージを開くと手を繋ぎ笑顔で見つめ合う僕と秀哉さん。
陸人!?どこから……慌てて周囲を見回しても人が多く見つけられない。
また陸人から通知が届き……『幸せそうだね』の文字に顔が緩んだ。
『幸せだよ』
短い一言に秀哉さんがプレゼントしてくれた例のイラストの犬が大喜びしているスタンプを添えた。
初めて……強がりでも諦めでもない、心から『幸せ』だと言葉にできた。
そしてその『幸せ』はずっと先の未来まで続いていく。
貴方と一緒なら死んだって、地獄だって構わないと思ったけれど……こうして貴方の温もりを感じながら共に未来を夢みて歩いていけるほうがいい。
いつか僕の飼い主になるであろう、ご主人様の姿をいろいろ想像して怖い人だったらどうしよう、愛してもらえなかったらどうしようと陸人にいつも泣き言を言っては呆れられていたけど……。
僕のご主人様は完璧じゃなくて僕と同じ様に悩んで苦しんで不器用で……アルファらしくはないけれど……それでも真っ直ぐに愛をくれて一緒に笑ってくれる最高のご主人様でした。
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