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好きが溢れてくる話

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指が震えてボタンを上手く外せない。

「僕、お兄様から迫られてみたいなぁ」

そう言ったリンフィの要望を叶えようとしているのだが、いつだって相手に流されるだけだったので、自分から服を脱ぐのがこんなに勇気がいるとは思わなかった。

これが元々俺の役目、俺の仕事、仕事、仕事……自分はそういう商売なのだと言い聞かせて心を落ち着かせようと試みた。

触手はアスに見られている様で落ち着かないので食堂で待機。

いっそのこと媚薬でも使ってくれて良いのに……。

しかし客室のベッドの上。
服を脱ぐのに手間どう俺をリンフィは楽しそうに眺めている。

以前感じていた嫌悪感は不思議と無い。

「僕さぁ~薬で体を動かせなくなった相手に媚薬を使って絶望と屈辱に満ちた相手をやるのが好きだったんだよね~」

いきなりコアな性癖を暴露されても反応に困るし、今はそれどころじゃない。

やっとシャツのボタンをはずし終わった……ズボン……ズボンかぁ……挿れてもらうために自ら下を脱ぐってなかなか……。
恥辱と戦いながらズボンと下着を震える手で下ろしていく。

とっくに全裸で待機していたリンフィの首に腕を回してベッドへ引き倒して、唇を重ねた。

アスやヒュウガはどうしてたっけ?

リンフィのモノに手を伸ばすともう準備万端だった。
握ったモノを自分の穴に誘導する。

あれ……上手く出来ない……ブルンと滑って上手く入らない、どうにも不器用だ。

クスクス笑い声が聞こえてくる。

「お兄様のせいで性癖変えられそぉ~。必死なお兄様可愛い……俺にどうして欲しい?ちゃんとおねだりできる?」

むぅ……お姉様達に助けを求めてみたけど、無反応。
自分で何とかしろと言うことか……。
大きく息を吸い込み、息を止めて決意を固める。
息を吐くのと同時に声を絞り出す。

「リンフィの……入れて……くだ……さぃ……」

がんばって声に出したけど……語尾はすぼむ。

「まぁ……ギリ及第点かなぁ~」
「うぁ……」

リンフィの指がグッと差し込まれた。

「はぁ……あ……ぁあ……」

グリグリと中をかき混ぜられる。

「お兄様の中……やっぱり気持ちいいねぇ~すぐに入れて大丈夫そう」

指が抜かれて、指よりも太いモノがあてがわれる……。

「お兄様いくよ?力抜いて……」

「んんんっ!!」

下から突き入れられて一気に奥まで入り込まれる。

「気持ちいぃ~やっぱサイコォ~」

緩い律動をしながらリンフィはうっとりと満足そう。

「あ……あぁ……リンフィ……気持ちいい?」

「気持ちいいよぉ~だからお兄様も気持ちよくなってねぇ?」

気持ち良いのか。なら御礼になってるのかな?こんな御礼って……と、思うけど。

御礼は俺を食べたいと言うから……これでは俺が精気を貰う事になるんだけど……。


「あぁ……あ……あ、あ、あぁ!!」

リンフィの腰の動きに合わせて声が漏れる。速まる動きにゾワゾワした快感に体が支配されていく。

同時に込み上げてくる感情……。
アスやヒュウガに感じる好きとか愛とは違うけど……LIKEとLOVE?

何だろう……とても暖かい気持ち……好き?

友達?とはこんなことしないよな……。

でもこの気持ちを言葉に表すのならやっぱり好き?

「好きだよ……リンフィ……」

言葉にしてみると意外にしっくり来たな。

見下ろすリンフィの顔は真っ赤に染まっていて……俺の中がリンフィの暖かい気で満たされた。

ーーーーーー

事後の微睡み……。

「あんな顔であんな台詞ずるいなぁ~」

「ん……何?」

リンフィが顔中にキスをしてくる。

「こんな恋人同士の甘いのって好きじゃなかったんだけど、お兄様とならこういうのも良いかなぁ~」

俺からも一つキスをすると、気だるい体を起こした。

帰んないと……アスがそろそろ戻ってくる。

のろのろした俺の動きをみかねたのかリンフィが服を着せてくれた。
その時、ノックの音が響いた。

リンフィが扉を開けた瞬間に固まる。

ヒュウガかな?と、思ったけれど固まるリンフィを押しどけて部屋に入ってきたのはアスだった。
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