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始まりの世界

第七話

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童貞の余裕の無さを遺憾無く発揮して、喰らいつくように藤川の体をベンチへ押し倒した。
ムードも甘さもなくかり立てられる様に藤川のシャツを全開にしてズボンを寛がせた。

「すげ……真っ白……綺麗……」

妄想でなら何度も触れてきた藤川の透き通るような白い肌を撫でると、滑らかな肌が手のひらに吸い付いてくる。
色素の薄い乳首に触れると体がびくりと揺れる。
身体中を撫でながら唇を乳首にあて舌で舐めると……徐々に固くなっていく。

「んぁ………あぁ……」

熱に浮かされたように、真っ赤な顔で濡れた瞳が俺を見てくる。
その艶のある声がもっと聞きたくて、乳首を舌で弄りながら手で体を撫で回していると固く熱いモノに触れた。

俺の愛撫でこんなになっていると思うと嬉しくて、その熱いモノを握りこんだ。
俺と気持ち良いポイントが同じかはわからないが自分のモノをしごく時のように、手を動かしていくと、打てば鳴る鐘のように藤川の口からは甘い声が奏でられる。

「ぁん……千鳥君、千鳥く……んもう頂戴……千鳥君の僕の中に……」

欲しいと言われても、その穴は入念な下準備が要ると聞いている。
無茶は出来ないだろうと思いながら、AVで見たようにほぐしてみようと穴を指で触れると……とろっとろに蕩けている。

これが吸血鬼の体なのかと、指を差し入れるとすんなりと飲み込んで行く。
それがこの行為に慣れている事を示唆しているような気がして心がざわりと波立つが何百、何千と生きる吸血鬼に処女性を求めるのも酷な話か……。

「……?千鳥君……?」

動きを止めた俺に藤川が不安げに見てくる。
目の前の艶姿に張りつめんばかりに滾っていた自身のモノを寛がせたズボンから取り出すと、藤川のソコへ添えた。

「藤川、すげぇ可愛い……好きだ……大好き……」

藤川の口を唇で塞ぐと、膝裏を持ち上げ腰を進めた。
柔らかく開いて受け入れてくれるのに、中はキツく締め上げてくる。
グッと一気に奥へと押し込んだ。

「んんんんんっ!!!」

藤川の体は弓なりにのけぞり、肉壁が俺のモノをピクピクと刺激してくる。

「藤川の中……気持ちいい……」

夢見心地で藤川の顔を撫でて、キスして、愛おしさが込み上げる。
藤川の匂いが俺の神経を甘く撫でていく。

「僕の中…千鳥君が入ってる……嬉しぃ……幸せ」

蕩けた淫靡な笑顔に、気持ちよくさせようとか、優しくしようとか、藤川への気遣いを忘れ余裕なく、がむしゃらに突き入れ打ち付けた。

俺が突くたびに揺れる体と漏れる声。
だんだん速くなるピッチに高まる射精感。

「ごめん、藤川……俺もう達きそう……」

「あっ……出して……僕の中に千鳥君の…っ……いっぱい出してっ!!」

藤川の台詞に促される様に藤川の中に自分の欲を吐き出した。
俺の精液を搾り取る様に締め付けてくる……いや……実際に吸われている感覚を覚える。
ビュルビュルとした感覚がしばらく続き徐々に体の力が抜けていく。
これが吸血鬼とのセックスなのか、こちらの『精』も『生』も『性』も全て吸い取られてしまいそうな感覚だ。

ようやくその感覚もおさまると、急激に体が怠くなり藤川の上に覆い被さる。が、下腹部にあたる藤川のモノはまだ固さを保っていた。
俺だけイッてイカせてやってはないもんな……当然だ……怠い体をゆるゆると動かすと藤川のモノをくわえた。

「ふわぁっ!!千鳥君!?そんなのしなくて良い!!」

そういう訳にいかないだろう。
俺だけ気持ち良くなって終わりなんて男としてどうなんだ?
俺だって好きな子には気持ち良くなって欲しい。
藤川の言葉を無視して口淫を続けると藤川の手が俺の頭を自身のモノから離そうと押してくる。

「もう駄目……出ちゃう……出ちゃうから離して……」

切ない声に、出してしまえば良いと口と舌の動きを速めた。

「あ、や、あ、あ、あぁぁん!!」

藤川のモノが俺の中で弾けた。
今まで口にした事など無いが、こういうものだっけか?想像していた生臭さはなく、むしろ甘く感じてしまう。
これも吸血鬼特有のものだろうか?

「ダメ……吐いて……」

吐き出すなんてもったいない。
嚥下すると藤川の顔がクシャリと歪んだ。

「……ダメって言ったのに……何で……」

「ごめん、藤川。そんな泣かないで……」

涙を流す藤川をなだめていると、遠くで18時を報せる音楽がなっている。
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