【本編・改稿版】来世でも一緒に

霜月

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第31話【Side アレクサンドル】

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 その日はいつもと変わらない休日だった。
 午前中はマリーとダンスの練習を行い、昼食を共にして、午後からは書斎にもって仕事をしていた。


「ハァ……」

 それは、書類に目を通していた途中のこと。
 なんだか集中力が途切れた感覚がして、私は持っていた書類から目を離すと一つ大きなタメ息を吐いた。

 正直なところ、最近ますますマリーとの時間が減っていて、少々気が滅入っているところだ。

 マリーと出会う前は、仕事が忙しくなってもただ淡々とこなせていた筈なのだが……。などと考えてしまえば、またもや口から大きなタメ息が零れてしまう。だが、そんなことを思ったところで仕事が減る訳でもなく。私は眉間みけんを指で揉むと、再度目の前の書類へ目を向けた。

「やはり、ここは過去の資料も見ないといけないか……」

 書類の文字を目で追いつつ、そうひとりごちる。
 以前にシュヴァリエ侯から手紙をもらった内容の通り、最近アナトールからの流民るみんが増えていた。そして、ぞくによるものと思われる事件もまた、以前より増え始めているのである。

 もちろん、私たちはそれに対して策をとらなければならなくて。
 それらが流れて来るルートや、事件が起きやすい地域などを調べて警備の人員を増やしたりはしているのだが、向こうも考えているのだろう、イタチごっこのような状況だった。

 できれば、もっと情報がほしい。

(……図書室に行くか)

 ずっと机に向かっていて、少々肩もってきている。
 私は書類を机に置くと、気分転換も兼ねて、図書室に行くことにしたのだった。



 *



 窓から差し込む日の光と、それにより明るく照らされた図書室。

 その奥にある本棚でアナトールに関する資料を見ていると、マリーがゆっくりとこちらへ歩いてくる事に気が付いた。

 私と目が合うと、彼女がふわり微笑む。

 その笑顔が可愛くて、じわりと温かいものが広がると同時、先ほどまで感じていたモヤモヤが吹き飛んでいくのを胸に感じた。

「やあ、マリー。本を探しに来たの?」

 私が声をかけると、マリーは少し笑みを深めて頷いた。

「はい。これから寒くなりますので編み物をしようと思いまして、その本を探しに。……アレク様はお仕事用の?」

「ああ。アナトールの事を少しね……。それにしても、編み物か。いいね。余裕があったら私にも何か編んでくれる?」

 マリーが私の事を考えながら時を過ごしてくれたら嬉しい。そう思いお願いをしてみると、こころよく受けてくれた。

 無意識に口元が緩む。

(マリーは私のために何を作ってくれるだろうか。……本当に楽しみだ)

 なんて思っていると、彼女が遠慮がちに口を開いた。

「えっと、それでは、お邪魔してはいけませんから私は失礼します」

 マリーを邪魔に思うことなど有り得ないのに。だが、彼女が私のことを思ってそう言ってくれてるのだと思い直せば、無理に引き留めることは出来なくて。

 でも、それでもまだ名残惜しかった私は、マリーに向けて手を伸ばし、ほんのり色付いた可愛らしい耳を撫ぜる。

「私もしばらく居るから、何かあったらすぐに呼ぶんだよ」

 そして、言い聞かせるようにそう伝えたところ、マリーが口元に手を当て、楽しそうに「はい。ありがとうございます」と答えるものだから。
 その様子がまた可愛くて、私はマリーの額に優しく口付けたのだった。



 *



「ふぅ……、こんなものか……」

 色々と読んで回り、資料として使えそうなものを何冊かピックアップした。

(後は部屋で目を通そう……)

 そう思い、それらの本を脇に抱える。

(マリーはもう部屋に帰っただろうか?)

 そして次に考えたのは愛しい女性の事で。
 まだここに居るなら声を掛けてから部屋に戻ろうと、その姿を探した。


 ……カタリ。

 少し歩いた先。近くで、物音と人の気配がした。

 一番窓際の列、その窓側の方を覗く。すると、マリーが踏み台に乗り、本棚の上のほうにある本へと手を伸ばしている姿が見えた。

(あーもう、本を抱えたままあんな風に背伸びするなんて、危ないじゃないか)

 私が代わりに取ってやらなくては。そう思い、その側へと近寄った瞬間。

「ひゃあぁ!」

 突然、マリーがバランスを崩した。
 咄嗟とっさに自分が持っている本を投げ捨て、その体を抱きとめる。

(イテッ)

 そのまま護るように抱え込めば、マリーが取ろうとしていた本が落ちてきて、私の腕に当たって床に落ちた。

 危なかったとホッと息を吐く。
 
 すると、マリーがゆっくりと私のほうをあおぎ、驚いたように目を見開いた。

「……コラ。何かあったら直ぐに呼んでって言ったハズだろ?」

(まったく、私が近くにいるのに自分で何とかしようとするなんて……。もう少しで怪我をするところだったじゃないか)

 そう思いながらも、とりあえずは無事な様子に安堵しそうになった、その時。不意に、「痛っ」とマリーが小さく叫び、急に頭を抱えて苦しみだした。

 どこか怪我をさせてしまったのだろうかと、慌てる。

「マリー? マリー?!」

 名前を呼ぶが、頭を抱えてうずくまるばかりで返事がなくて。

「マリー!! ……ッ、サラ!! サラはいるか?!!」

 サラの名を呼ぶと、直ぐにサラが慌てた様子で駆け寄って来た。

「マリアンヌ様っ?!!」

「サラ! マリーの様子がおかしい! 直ぐにジルと医師を呼んでくれ!!」

「は、はい!!!」

 サラが急いで図書室から出て行く。

「マリー! 頭が痛むのか?! ……マリー!!!」

 ――そしてそれは、私が一際大きく彼女の名前を呼んだ時のことだった。

 マリーがはじかれたかのように顔を上げた。
 そして、私の顔を見るなりそのダークブラウンの瞳を大きく見開いて。

「……トモヤ、センパイ……?」

 そう小さく呟くと、再びその瞳を閉じて気を失ったのだった。



 *



「……ハァァ……」

 いつもの騎士団の執務室。
 私は書類にサインする手を止め、大きなタメ息を吐いた。

「何だよ、大きなタメ息ついて。……お姫さんのことか?」

 オスカーが声をかけてくる。
 応接用のソファで、資料を読んでもらっていたのだ。

「……ああ」

「まだ目が覚めないって、……心配だな」

「……」

 マリーが倒れてから二日が経った。
 彼女はあれから高い熱を出し、目を覚ます事なく眠り続けている。

 医師にも診てもらったが、どこかを怪我している様子もなく、これと言った病気の症状もないらしい。ただ熱が出ているだけのようだ、というのが見解であった。

「環境が変わった疲れが出たのかもしれませんな。お薬も飲ませましたし、しばらくすれば熱も下がり、目を覚まされるでしょう」

 医師はそこまで言うと、「何かありましたら、またご連絡下さい」と告げて帰っていった。

 彼女の事が心配で一昨日おとといはあれからずっと側に居たが、正直なところ私に出来ることはほとんどなく。「熱が下がって目を覚まされましたら、必ずお知らせしますから!」とジルに説得されて、渋々、昨日と今日は仕事に出て来たところだ。

(ああ、心配だ……)

 仕事の合間に、ふと、彼女の苦しそうな様子を思い出しては心配で胸が苦しくなる。

 もちろん熱があるのも心配だが、何より気掛かりなのは倒れる直前の彼女の様子。
 急に頭を抱えて痛がりだしたかと思ったら、私の顔を見て驚いたように目を見開いたのだ。目が合っている筈なのに、その瞳は私を映していないような、私の奥に"誰か"を見ているような、そんな錯覚に陥った。

 そして、彼女が気を失う直前に呟いた言葉……。

("トモヤセンパイ"……?)

 確かに彼女はそう言った。

 聞き慣れない言葉だが、彼女の声で紡がれたその言葉を思い出す度に頭がズキリと痛み、何かを急かすように心がザワめく。
 何かを思い出しそうなのに思い出せない、そんなモヤモヤが胸に広がって、……この感覚には覚えがあるなと思った。

 そう。それはマリーと出会う前に感じていた、焦燥感。

 脳裏に一瞬だけ浮かぶ"誰か"。

 その"誰か"を、私の心はずっと求めていた筈だ。

 やはり私は、"何か"を忘れているのだろうか。
 やはり私は、"誰か"を忘れているのだろうか。

 頭の中で思い出そうとする度、壮絶な無力感が、再び私の心を襲った。

(……やはり、私とマリーは過去に何かあったのか……?)

 そんな事を考えていると、『コンコン』と、執務室の扉をノックする音がしてハッとする。

「……はい」

 私が応えると、扉が開き騎士団の隊員の一人が入ってきた。
 一通の手紙を手に持ち、背筋を伸ばして口を開く。

「失礼します。団長、今しがたお屋敷の方から手紙が届いたようです。お急ぎとの事でしたので、私がお持ち致しました」

 隊員のその言葉を聞いた瞬間、私は弾かれたように立ち上がった。

「っ、すまない、助かるよ。ありがとう」

 そう言ってまだ扉の側にいた隊員に駆け寄り手紙を受け取ると、急いで手紙の内容を読み、……私は安堵の息を吐いた。

「団長、大丈夫ですか?」

 心配そうに尋ねられるが、声が出なかった。

「あー、ああ。たぶん大丈夫だよ。心配すんな。ありがとうな。戻っていいぞ」

「は、はあ」

 何も答えられないでいた私に代わってオスカーが答えると、隊員は一礼し、部屋から出て行った。

「……で? 姫さん、熱下がったって?」

「あ、ああ。……熱も下がって、先ほど目も覚ましたそうだ。……良かった……」

「ハハハ。本当に姫さんを溺愛してるんだな。……涙目だぞ?」

 オスカーにそう言われて慌てて目を擦った。

「今日は早く仕事終わらせて、早く帰らないとな」

「ああ! ……早くマリーの顔が見たい!」

 その為にも今日は何としてでも早く帰らなければ。私はそう思うと、手紙を握りしめ、すぐに仕事モードへと頭を切り替えた。

 そして、私が一心に机に向かい仕事を片付け始めた一方。

「…………はぁーぁ。俺もマジで彼女作ろ。てか、姫さんみたいな良い女どっかにいねーかなぁ……」

 私の意思の外、カリカリと書類にペンを走らせる音だけが響く空間で。オスカーの顔を覆った手の隙間すきまからは、タメ息と共にあわれななげきがポツリと零れた。



 *



 報告書の最後の一枚を手に取る。
 これを読んでサインをすれば、とりあえず今日の仕事は終わりだ。

 時計をポケットから取り出して時間を確認する。
 外は既に真っ暗だが、集中して作業していた為かいつもよりかなり早い時間だった。

(マリーが気になって仕事がなかなか手に付かなかったかと思えば、マリーに会いたくていつもより集中して仕事したり、……私も相当だな)

 フッと一息吐いて、そんな事を思う。

(まぁ、とりあえずあと少しだ。早く終わらせてしまおう)

 そしてそう思い、書類に向き直ったその時。

 ドンドンドンドン!!!

 扉を激しく叩く音がしたかと思ったら、オスカーが急いだ様子で入ってきた。

「第二から助力要請だ。数が多いらしい。恐らく例のヤツらだろう。……今度こそ頭を捕まえるぞ」

(チッ、こんな時に……っ!)

 連絡の内容に顔をしかめたが、かといって、到底捨て置ける内容でもなく。

「分かった。行こう」

 私はそう言うと、傍に立て掛けていた愛剣を掴み、オスカーと共に部屋から駆け出したのだった。
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