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そして僕はなんとかムゲンを先に行かせることに成功した。

何を隠そう入学生代表挨拶でムゲンは生徒会長、副生徒会長のダニエル、アルバと面識を持つ。僕としては最重要イベントなのだ。

それに僕にはもう一つ確認したいことがあるのだ。4年前武道館で話しかけてくれたフィヨンセルド・ルミアータについてである。

メモストには悪役令嬢がほとんどいないため、女性の彼女がゲームに関わってくることはないはずなのだ。前世でも見たことなかったし。

それにここはblゲームの世界。僕自身も男友達が圧倒的大多数だし、女性と関わることが少なかった。僕がただ単にモテてなかったということなのかもしれないが。

しかし彼女はあの時僕に話しかけてきた。後に考えればこれは異常なことだったのである。

もしかしたら僕は彼女と結婚するのかもしれない。リョウは悪役令息なわけでもないし学園を卒業したらごく一般的な家庭を築いていたのかもしれないから。、

もしそうなのであれば僕はルミアータとも仲良くしたほうがいいよな。今後の将来のためにも。

そう思って彼女を探す。彼女も伯爵家の人だから席は近いと思うんだけど。

いた!!一つ後ろの列に彼女は座っていた。こちに気がつくと小さく手を振ってくる。か、かわいい…かも。

僕は凡人顔だし登場人物でなくてもご縁がある兄様とは違ってblにはならなさそうだし。

そんなことを考えていると式が始まる。
校長、教頭の話は手短に終わり、コツコツと足音がホールに響く。

茶髪に金色が混ざった綺麗な髪。アメジストの色の瞳にすらっと伸びた手先。
その人は真ん中まで歩いてくるとこう言う。

「入学生の皆さん。この度はご入学おめでとうございます。」

聞こえやすい声。彼こそが現生徒会長マッククラウン・ダニエルである。
カリスマ性を持ち、見る人全てを虜にさせる完璧美少年。彼が話をしている間にもホールでは黄色い歓声が飛び交っている。

そしてダニエルの挨拶が終わると入れ替わりでもう1人入ってくる。

真紅の髪に吸い込まれるような紺青の瞳。きっちりと制服を着こなし彼も真ん中まで歩いてくるとこう言った。

「皆様この度はご入学おめでとうございます。」

1/fゆらぎを含む穏やかな声。僕の2推しであるサルニーニョ・アルバである。
彼が話している間にも黄色い歓声飛ぶ。僕の隣の人なんか泣き出してしまった。

今はまだムゲンが一年生だからダニエルは生徒会長だしアルバは副生徒会長なのか!なんで贅沢!
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