blゲームのお助け友人キャラに転生しました!?

ラーム

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「そこにいるのはだれた」

親の声より聞きなれた声。優しくて繊細ででも芯の通った人を惹きつける素敵な声。


思わず声の主を見ると綺麗な青色の目に引き込まれそうになる。サラッとした綺麗な茶髪に青色の目、所作も洋服の着こなしも完璧な10歳の我が最推しフランシス・ムゲンが不思議そうな顔をして立っていた。

イイっっっ!尊いその顔!!!

恐らく数秒間何も話さずその場で突っ立っていたのだろう。ムゲンがこちらを気にしてテラスの柵に腕を乗せながら話しかけてくる。

「急に話しかけちゃってごめんね?こんばんは、俺はフランシス・ムゲン。君は?」

あぁ声変わりのしていない声もイイっっ!
その柵に肘をかける動作もう一回やってください!!

「あっ、あこんばんは…。エルダー家の次男、エルダー・リョウと申します…。」

最推しを目の前に何を話せばいいのか分からなくなる。なんなら今ここでもう死んでもいい。

「リョウ、ね。素敵な名前だね。もしかして今夜のパーティー疲れちゃった?」

父上母上、そして前世のお母さんお父さんにら今より感謝した時はないだろう。
素敵な名前だね……だって!?
もうその言葉を糧にして僕はこれから生きていきます。まだ僕は死ねません。

「はっはい、実はこういう場に来るのが初めてでして…」

「そうだったのか、気づかなくて申し訳ない。それならここで休んだ方がいいね」

あぁ、最推しが僕の体調を気遣ってくださっている。君は本当に何も悪くないんだよ!謝らないで!

年齢的には同い年だが、僕の精神年齢は前世(17年位とする)+今世の10年で最低でも27歳以上はある。
ウソ?!僕もう少して三十路!?

「ありがとうございます。ムゲン様はご気分等大丈夫ですか?」

何となく年上になった気持ちで話す。
思えば彼は勉学も魔術も天才的でありその上容姿端麗、性格の良い人間なのだ。

最初は主人公補正ダー、チートダーだの思っていたが、僕の知らないうちで彼なりの苦労があるはずだ。
そんなことを考えると更にに目の前の最推しが愛しくなった。

「俺は大丈夫だ。同い年だろう?嫌ならいいが敬語などつけず話してくれると嬉しいな」

はい!全力でそうさせていただきます!!

「ありがとうございます。ではお言葉に甘えまして…最低限度はお許しくださいね」

彼ならこの年で「最低限度」がどれくらいか分かっているのだろう。

「ムゲン様は本当に素晴らしいです!勉学も魔術も極めたにも関わらず、常に謙虚なご姿勢で……」

そう話すとムゲンの顔が少し強ばった。
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