4 / 32
3
しおりを挟む
思い立ったが吉日。
早速探しに行こうと思ったが、よく考えてみるとムゲンは公爵家の一人っ子坊ちゃんなのだ。そこら辺の商店や公園になどいるはずもない。
さてどうするか。
思い切って公爵家に突撃するか...?でも伯爵家の次男である僕なんかが行っても追い返されるだけだろう。
ストーリー上のリョウはどうやってムゲンと出会い、仲を深めて言ったのだろうか。友人どころか知り合いにすらなれそうにないぞ...!
...いっその事公爵家の執事として雇ってもらうのもありなのかもしれない。僕は地位や名誉などは興味無いのだ。何せゲームの中の世界だしね。
それに公爵家に仕えられたら、伯爵家の次男としても上出来だろう。
そんなものよりも僕はblを摂取したい。
I want bl.I need bl.
しかも執事になれたらムゲンと攻略対象者とのエッッッな事象だって合法的に聞けるかもしれないのだ。
やっばい僕は天才なのかもしれない!早速父上に話に行こう!
前世では見たことのないような大きな扉をノックすると数秒後に中から父上の声がする。
「誰だ」
「リョウです。父上にご相談があり、まいりました。お時間よろしいでしょうか?」
「リョウか、入ってこい」
軋む音ひとつしない扉を開けると中には父上と兄上であるリュウトがいた。
エルダー・リョウには兄がいたというのもこの世界に来て初めて知ったことの一つだ。リョウと同じくよく言えば人当たりがよく、悪く言えば印象に残らない顔なのだが、頭が良く、魔術も一通りできる出来のいい兄なのだ。
「兄様もいらっしゃったのですか!お話中に邪魔してしまい、申し訳ございません」
「大丈夫だよ、気にしないで。たわいのない世間話だったしね」
兄がにこやかに言う。
気分を害してはいなさそうだ。
「どうしたリョウ、珍しいな私の書斎に来るなんて」
あはは、、と愛想笑いをする。
小さい頃は何かこの世界や異世界転生に関する本やらがあるかとたむろっていたのだが、今は勉強やら魔術やらで読む時間もなかったのだ。
兄がおいでと言って隣を空けてくれる。
こんなに真剣な空気になるとは思わなくて急に緊張してきた。
「ありがとうございます。実は相談がありまして...」
「ほう、どうしたのだ」
「昨今貴族同士の関係が薄れており、それは当家も同じであると考えております。」
単刀直入に公爵家の執事になりたいです!なんては言うべきでは無い。敢えてざっくりとした指針や希望を伝え、提案してもらうのだ。
「そのため公爵家や他の家との繋がりを作るためにも、交流が必要だと思うのです」
「確かにね、パーティとかも特に参加していないし」
パーティ!そんなものもあった!すっかり忘れていた...もしかしたら本物のリョウはパーティでムゲンと知り合ったのかもしれない!
「なるほど。リョウの言うことも一理ある。伯爵家の我々では力不足ではあるが...上に進言してみよう」
「やったぁ!ありがとうございます!」
早速探しに行こうと思ったが、よく考えてみるとムゲンは公爵家の一人っ子坊ちゃんなのだ。そこら辺の商店や公園になどいるはずもない。
さてどうするか。
思い切って公爵家に突撃するか...?でも伯爵家の次男である僕なんかが行っても追い返されるだけだろう。
ストーリー上のリョウはどうやってムゲンと出会い、仲を深めて言ったのだろうか。友人どころか知り合いにすらなれそうにないぞ...!
...いっその事公爵家の執事として雇ってもらうのもありなのかもしれない。僕は地位や名誉などは興味無いのだ。何せゲームの中の世界だしね。
それに公爵家に仕えられたら、伯爵家の次男としても上出来だろう。
そんなものよりも僕はblを摂取したい。
I want bl.I need bl.
しかも執事になれたらムゲンと攻略対象者とのエッッッな事象だって合法的に聞けるかもしれないのだ。
やっばい僕は天才なのかもしれない!早速父上に話に行こう!
前世では見たことのないような大きな扉をノックすると数秒後に中から父上の声がする。
「誰だ」
「リョウです。父上にご相談があり、まいりました。お時間よろしいでしょうか?」
「リョウか、入ってこい」
軋む音ひとつしない扉を開けると中には父上と兄上であるリュウトがいた。
エルダー・リョウには兄がいたというのもこの世界に来て初めて知ったことの一つだ。リョウと同じくよく言えば人当たりがよく、悪く言えば印象に残らない顔なのだが、頭が良く、魔術も一通りできる出来のいい兄なのだ。
「兄様もいらっしゃったのですか!お話中に邪魔してしまい、申し訳ございません」
「大丈夫だよ、気にしないで。たわいのない世間話だったしね」
兄がにこやかに言う。
気分を害してはいなさそうだ。
「どうしたリョウ、珍しいな私の書斎に来るなんて」
あはは、、と愛想笑いをする。
小さい頃は何かこの世界や異世界転生に関する本やらがあるかとたむろっていたのだが、今は勉強やら魔術やらで読む時間もなかったのだ。
兄がおいでと言って隣を空けてくれる。
こんなに真剣な空気になるとは思わなくて急に緊張してきた。
「ありがとうございます。実は相談がありまして...」
「ほう、どうしたのだ」
「昨今貴族同士の関係が薄れており、それは当家も同じであると考えております。」
単刀直入に公爵家の執事になりたいです!なんては言うべきでは無い。敢えてざっくりとした指針や希望を伝え、提案してもらうのだ。
「そのため公爵家や他の家との繋がりを作るためにも、交流が必要だと思うのです」
「確かにね、パーティとかも特に参加していないし」
パーティ!そんなものもあった!すっかり忘れていた...もしかしたら本物のリョウはパーティでムゲンと知り合ったのかもしれない!
「なるほど。リョウの言うことも一理ある。伯爵家の我々では力不足ではあるが...上に進言してみよう」
「やったぁ!ありがとうございます!」
42
お気に入りに追加
69
あなたにおすすめの小説
主人公は俺狙い?!
suzu
BL
生まれた時から前世の記憶が朧げにある公爵令息、アイオライト=オブシディアン。
容姿は美麗、頭脳も完璧、気遣いもできる、ただ人への態度が冷たい冷血なイメージだったため彼は「細雪な貴公子」そう呼ばれた。氷のように硬いイメージはないが水のように優しいイメージもない。
だが、アイオライトはそんなイメージとは反対に単純で鈍かったり焦ってきつい言葉を言ってしまう。
朧げであるがために時間が経つと記憶はほとんど無くなっていた。
15歳になると学園に通うのがこの世界の義務。
学園で「インカローズ」を見た時、主人公(?!)と直感で感じた。
彼は、白銀の髪に淡いピンク色の瞳を持つ愛らしい容姿をしており、BLゲームとかの主人公みたいだと、そう考える他なかった。
そして自分も攻略対象や悪役なのではないかと考えた。地位も高いし、色々凄いところがあるし、見た目も黒髪と青紫の瞳を持っていて整っているし、
面倒事、それもBL(多分)とか無理!!
そう考え近づかないようにしていた。
そんなアイオライトだったがインカローズや絶対攻略対象だろっ、という人と嫌でも鉢合わせしてしまう。
ハプニングだらけの学園生活!
BL作品中の可愛い主人公×ハチャメチャ悪役令息
※文章うるさいです
※背後注意
総受けルート確定のBLゲーの主人公に転生してしまったんだけど、ここからソロエンドを迎えるにはどうすればいい?
寺一(テライチ)
BL
──妹よ。にいちゃんは、これから五人の男に抱かれるかもしれません。
ユズイはシスコン気味なことを除けばごくふつうの男子高校生。
ある日、熱をだした妹にかわって彼女が予約したゲームを店まで取りにいくことに。
その帰り道、ユズイは階段から足を踏みはずして命を落としてしまう。
そこに現れた女神さまは「あなたはこんなにはやく死ぬはずではなかった、お詫びに好きな条件で転生させてあげます」と言う。
それに「チート転生がしてみたい」と答えるユズイ。
女神さまは喜んで願いを叶えてくれた……ただしBLゲーの世界で。
BLゲーでのチート。それはとにかく攻略対象の好感度がバグレベルで上がっていくということ。
このままではなにもしなくても総受けルートが確定してしまう!
男にモテても仕方ないとユズイはソロエンドを目指すが、チートを望んだ代償は大きくて……!?
溺愛&執着されまくりの学園ラブコメです。
学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語
紅林
BL
『桜田門学院高等学校』
日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する野球ドーム五個分の土地が学院としてなる巨大学園だ
しかし生徒数は300人程の少人数の学院だ
そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語である
君のことなんてもう知らない
ぽぽ
BL
早乙女琥珀は幼馴染の佐伯慶也に毎日のように告白しては振られてしまう。
告白をOKする素振りも見せず、軽く琥珀をあしらう慶也に憤りを覚えていた。
だがある日、琥珀は記憶喪失になってしまい、慶也の記憶を失ってしまう。
今まで自分のことをあしらってきた慶也のことを忘れて、他の人と恋を始めようとするが…
「お前なんて知らないから」
腐男子(攻め)主人公の息子に転生した様なので夢の推しカプをサポートしたいと思います
たむたむみったむ
BL
前世腐男子だった記憶を持つライル(5歳)前世でハマっていた漫画の(攻め)主人公の息子に転生したのをいい事に、自分の推しカプ (攻め)主人公レイナード×悪役令息リュシアンを実現させるべく奔走する毎日。リュシアンの美しさに自分を見失ない(受け)主人公リヒトの優しさに胸を痛めながらもポンコツライルの脳筋レイナード誘導作戦は成功するのだろうか?
そしてライルの知らないところでばかり起こる熱い展開を、いつか目にする事が……できればいいな。
ほのぼのまったり進行です。
他サイトにも投稿しておりますが、こちら改めて書き直した物になります。
総長の彼氏が俺にだけ優しい
桜子あんこ
BL
ビビりな俺が付き合っている彼氏は、
関東で最強の暴走族の総長。
みんなからは恐れられ冷酷で悪魔と噂されるそんな俺の彼氏は何故か俺にだけ甘々で優しい。
そんな日常を描いた話である。
王道学園のモブ
四季織
BL
王道学園に転生した俺が出会ったのは、寡黙書記の先輩だった。
私立白鳳学園。山の上のこの学園は、政財界、文化界を担う子息達が通う超名門校で、特に、有名なのは生徒会だった。
そう、俺、小坂威(おさかたける)は王道学園BLゲームの世界に転生してしまったんだ。もちろんゲームに登場しない、名前も見た目も平凡なモブとして。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる