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95話
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雑に両腕を縛り上げられた旬介が、畳の上で無造作に転がっていた。着物には血が滲んでいるし、舌か唇でも噛んだのか、口から血も流れている。
何より、肉の焼ける嫌な匂いが部屋の中に充満していた。
「なんなのだ、これは」
新月が咄嗟に叫び駆け寄ろうとした刹那、旬介が叫んだ。
「寄るな!」
乱れた髪の隙間から、僅かに覗く右眼が夜行性の獣よろしくギラギラ光っている。怒鳴った口からは、鋭い牙が見えた。
「そこから動くな!」
尚も旬介は叫ぶ。
新月は部屋に入ってすぐの場所で、そのままストンと力無く腰を落とした。
「私は、どうすればいい? どうしたら、お前の苦しみを少しでも楽にしてやれる?」
少し収まったのか、旬介はゴロンと天井を見上げた。
「見られたくなかったんだ、こんな姿」
「旬介」
新月の中で何かが決まった。
新月はゆっくり立ち上がると、まるで亡霊のようにゆらゆらと旬介の傍に寄った。
それに気付いた旬介が、再び怒鳴った。
「だから動くな! 近寄るんじゃない」
そして縛られた手で顔を覆いながら、泣き事のように続けた。
「頼む、頼むから。抑えられないから」
だが、新月は旬介の傍によると彼の頭を抱き上げて膝に上げた。
「もう、我慢するな」
「何を言い出すんだ。本当に、無理だから」
新月が旬介を縛った紐を解くと同時に、ふっと、彼の意識も落ちてしまった。
何故か、旬介は夢を見た。
それは、幼い頃の夢だった。
本当に体験したのか、していないのかは定かでは無い程、何気無くて夢現な夢だった。
傍で、幼い頃の新月が笑っていた。
その幼い新月が、懐から柿を取り出して旬介に差し出した。
「覚えてる?」
(ああ、覚えてるよ。初めて新月にあげたものだ)
夢の中では、彼は声が出せなかった。
(美味しくなかったよな、あれは)
少女の新月は柿をグイッと持ち上げるように差し出した。
(何故、俺だけ大人なのだ?)
夢の中の自分に苦笑しながら、新月の柿を手に取った。
「とても美味しいの。旬介にもあげるね」
(ありがとう)
ぱくりと、ひとくち食べた。とても甘くて、美味しくて、涙が溢れた。ずっと味気なかった食べ物の味を、久しぶりに味わった。そして、久しぶりに満たされた。止まらなくなって、ぱくぱく食べていると、少女の新月が満面の笑みで笑って見せた。
「よかった! 今までありがとうね」
その一言で目が覚めた。
全て満たされた。満たされて、皮肉にも自我が戻ったのだ。
旬介は、血の海の中で佇んでいた。新月が差し出した柿は、柿ではなく新月自身だった。
腕の中の彼女は首筋から鎖骨にかけて、骨が剥き出しになっていて、とうに息絶えていた。
「ああああああああ!!」
思わず叫んだ。
「新月! 新月!!」
泣き叫びながら声を掛けるが、聞こえるはずもない。
その声に、麒麟と黄龍が駆け付けてきた。同時に、その光景を見て絶句した。
「……俺を直ぐに拘束しろ。そして地下牢に繋げ。あとは、兄上に任せろ」
旬介はそう言うと、廃人のように黙ってしまった。血塗れの新月を抱いたまま、肩を落としてピクリとも動かなかった。ただ、ギラギラと反射する右目だけは延々と涙を流し続けていた。
※※※※※※※
蜃が麒麟邸に到着したのは、翌日の事だった。
地下牢で拘束された旬介を見せられたのは蜃だけ。葛葉はまだ知らない。遺体や血痕は麒麟と黄龍で早々に片付け、それでも拭いきれない分は部屋を閉ざす事で一時的に隠した。
二人とも泣きながら掃除をした。
「よいか、黄龍。絶対に、絶対に蜃様がよいと言うまで、葛葉様には知られてはならん。これ以上泣くのは、泣くのは全てが終わってからにしよう」
「……麒麟の方が泣いてる」
「かもしれんけど」
牢に繋がれた旬介には、もはや人だった頃の面影はなかった。
両手両足を拘束具で拘束されてはいるが、鉄のそれですら引きちぎらんばかりに獣のように暴れ吠え続けた。
グルグルと唸る口からは牙が覗き、新月を喰った後が痛々しく残る。そして、右目は人のそれにあらず、闇夜でもギラギラと光っていた。
「旬介、聞こえるか? 俺だ。わかるか?」
旬介は、知らんとばかりに吠えた。
その度に、ガシャガシャと拘束具の鳴る音が地下牢に響いた。
「少し話をしよう」
蜃は、麒麟に二人にしてくれと頼むと、構わず話し続けた。
「お前と出会った時の話だ。俺がこの里に拉致されて、不貞腐されていた時、父上に連れられてお前達と出会った。俺には共に育った弟がいたのだが、それとはまた別の気持ちだったな。悔しい思いもあったけど、正直可哀想だという思いが専攻したのかもしれん。その時思ったのは、この二人も守ってやらないと。そう思ったんだ」
旬介であったそれは、蜃を見つめたままずっと吠えていた。時おり涎を垂らすので、俺を食べたいのか。と蜃は察した。
「数日前、お前を殺せていれば新月は助かったのかな。でも後悔はしてないんだ。だって、俺にお前は殺せんかった。殺せるはずないだろ」
蜃の中でも何かが決まった。
蜃は旬介に手をかざすと、一言呟いた。
「お前に、俺の犠牲をもって、生克五霊獣の法を遣う」
もはや、嗚咽に近い呟きだった。
「すまんな、やっぱり。どんなになっても、俺にお前は殺せんよ」
蜃はずっと決めていた。最悪の自体がおこる前に、こうしようと。けれど、遅かった。最悪の事態は起きてしまった。完全なる自分の失態だと酷く自分を責めた。
「最後に、お前の名前を聞かせてくれるか? お前は誰なのだ? それとも、物言えんか?」
最後に、一言だけ旬介であったものは声を発した。
「……ザ……ン……キ……」
「ほう、ザンキか。その忌まわしき名前、地獄の果まで覚えておこう」
蜃の発動させた法は、しゅるしゅるとザンキを呑み込むと、一つの鏡だけをその場に残して消えてしまった。
次第に蜃の身体が崩壊を始めた。皮膚が砕け、筋肉が砕け、骨が砕け。徐々に徐々に形を失っていく。
その中で、最後の意識の中で、蜃は面影を見た。
『お久しゅうございますね』
(お前は)
『あら、お忘れですか? ずっと想っていてくれてると思っておりましたのに』
くすくす笑う面影は、蜃の身体が朽ち果てる事に、はっきりとしてきた。
(すまんな、目がよく見えなかったのだ。お蝶だね。来てくれたのか)
『ずっと、お傍にいたんですよ。ずっと待っておりましたから。それにしても、早かったです』
(そうか、俺はもっと長生きする予定だったのか)
『ええ、私の分まで長生きしてもらう予定でした』
(本当に、すまないな)
『いいえ。これでよかったのですよ。私も弟を殺して欲しくありませんでしたし、何よりお陰でまたこうしてお会い出来た』
蜃は、お蝶を抱きしめた。ずっと願ってきた想いが通じたと思った。
(ずっと、寂しかったぞ)
『後妻を迎えておられたら、私は離れるおつもりでしたのに』
(俺にはお前しかいないよ。これまでも、これからも)
『ありがとうございます』
蜃の身体は、着ていた衣服を残して全て消えてしまった。
何より、肉の焼ける嫌な匂いが部屋の中に充満していた。
「なんなのだ、これは」
新月が咄嗟に叫び駆け寄ろうとした刹那、旬介が叫んだ。
「寄るな!」
乱れた髪の隙間から、僅かに覗く右眼が夜行性の獣よろしくギラギラ光っている。怒鳴った口からは、鋭い牙が見えた。
「そこから動くな!」
尚も旬介は叫ぶ。
新月は部屋に入ってすぐの場所で、そのままストンと力無く腰を落とした。
「私は、どうすればいい? どうしたら、お前の苦しみを少しでも楽にしてやれる?」
少し収まったのか、旬介はゴロンと天井を見上げた。
「見られたくなかったんだ、こんな姿」
「旬介」
新月の中で何かが決まった。
新月はゆっくり立ち上がると、まるで亡霊のようにゆらゆらと旬介の傍に寄った。
それに気付いた旬介が、再び怒鳴った。
「だから動くな! 近寄るんじゃない」
そして縛られた手で顔を覆いながら、泣き事のように続けた。
「頼む、頼むから。抑えられないから」
だが、新月は旬介の傍によると彼の頭を抱き上げて膝に上げた。
「もう、我慢するな」
「何を言い出すんだ。本当に、無理だから」
新月が旬介を縛った紐を解くと同時に、ふっと、彼の意識も落ちてしまった。
何故か、旬介は夢を見た。
それは、幼い頃の夢だった。
本当に体験したのか、していないのかは定かでは無い程、何気無くて夢現な夢だった。
傍で、幼い頃の新月が笑っていた。
その幼い新月が、懐から柿を取り出して旬介に差し出した。
「覚えてる?」
(ああ、覚えてるよ。初めて新月にあげたものだ)
夢の中では、彼は声が出せなかった。
(美味しくなかったよな、あれは)
少女の新月は柿をグイッと持ち上げるように差し出した。
(何故、俺だけ大人なのだ?)
夢の中の自分に苦笑しながら、新月の柿を手に取った。
「とても美味しいの。旬介にもあげるね」
(ありがとう)
ぱくりと、ひとくち食べた。とても甘くて、美味しくて、涙が溢れた。ずっと味気なかった食べ物の味を、久しぶりに味わった。そして、久しぶりに満たされた。止まらなくなって、ぱくぱく食べていると、少女の新月が満面の笑みで笑って見せた。
「よかった! 今までありがとうね」
その一言で目が覚めた。
全て満たされた。満たされて、皮肉にも自我が戻ったのだ。
旬介は、血の海の中で佇んでいた。新月が差し出した柿は、柿ではなく新月自身だった。
腕の中の彼女は首筋から鎖骨にかけて、骨が剥き出しになっていて、とうに息絶えていた。
「ああああああああ!!」
思わず叫んだ。
「新月! 新月!!」
泣き叫びながら声を掛けるが、聞こえるはずもない。
その声に、麒麟と黄龍が駆け付けてきた。同時に、その光景を見て絶句した。
「……俺を直ぐに拘束しろ。そして地下牢に繋げ。あとは、兄上に任せろ」
旬介はそう言うと、廃人のように黙ってしまった。血塗れの新月を抱いたまま、肩を落としてピクリとも動かなかった。ただ、ギラギラと反射する右目だけは延々と涙を流し続けていた。
※※※※※※※
蜃が麒麟邸に到着したのは、翌日の事だった。
地下牢で拘束された旬介を見せられたのは蜃だけ。葛葉はまだ知らない。遺体や血痕は麒麟と黄龍で早々に片付け、それでも拭いきれない分は部屋を閉ざす事で一時的に隠した。
二人とも泣きながら掃除をした。
「よいか、黄龍。絶対に、絶対に蜃様がよいと言うまで、葛葉様には知られてはならん。これ以上泣くのは、泣くのは全てが終わってからにしよう」
「……麒麟の方が泣いてる」
「かもしれんけど」
牢に繋がれた旬介には、もはや人だった頃の面影はなかった。
両手両足を拘束具で拘束されてはいるが、鉄のそれですら引きちぎらんばかりに獣のように暴れ吠え続けた。
グルグルと唸る口からは牙が覗き、新月を喰った後が痛々しく残る。そして、右目は人のそれにあらず、闇夜でもギラギラと光っていた。
「旬介、聞こえるか? 俺だ。わかるか?」
旬介は、知らんとばかりに吠えた。
その度に、ガシャガシャと拘束具の鳴る音が地下牢に響いた。
「少し話をしよう」
蜃は、麒麟に二人にしてくれと頼むと、構わず話し続けた。
「お前と出会った時の話だ。俺がこの里に拉致されて、不貞腐されていた時、父上に連れられてお前達と出会った。俺には共に育った弟がいたのだが、それとはまた別の気持ちだったな。悔しい思いもあったけど、正直可哀想だという思いが専攻したのかもしれん。その時思ったのは、この二人も守ってやらないと。そう思ったんだ」
旬介であったそれは、蜃を見つめたままずっと吠えていた。時おり涎を垂らすので、俺を食べたいのか。と蜃は察した。
「数日前、お前を殺せていれば新月は助かったのかな。でも後悔はしてないんだ。だって、俺にお前は殺せんかった。殺せるはずないだろ」
蜃の中でも何かが決まった。
蜃は旬介に手をかざすと、一言呟いた。
「お前に、俺の犠牲をもって、生克五霊獣の法を遣う」
もはや、嗚咽に近い呟きだった。
「すまんな、やっぱり。どんなになっても、俺にお前は殺せんよ」
蜃はずっと決めていた。最悪の自体がおこる前に、こうしようと。けれど、遅かった。最悪の事態は起きてしまった。完全なる自分の失態だと酷く自分を責めた。
「最後に、お前の名前を聞かせてくれるか? お前は誰なのだ? それとも、物言えんか?」
最後に、一言だけ旬介であったものは声を発した。
「……ザ……ン……キ……」
「ほう、ザンキか。その忌まわしき名前、地獄の果まで覚えておこう」
蜃の発動させた法は、しゅるしゅるとザンキを呑み込むと、一つの鏡だけをその場に残して消えてしまった。
次第に蜃の身体が崩壊を始めた。皮膚が砕け、筋肉が砕け、骨が砕け。徐々に徐々に形を失っていく。
その中で、最後の意識の中で、蜃は面影を見た。
『お久しゅうございますね』
(お前は)
『あら、お忘れですか? ずっと想っていてくれてると思っておりましたのに』
くすくす笑う面影は、蜃の身体が朽ち果てる事に、はっきりとしてきた。
(すまんな、目がよく見えなかったのだ。お蝶だね。来てくれたのか)
『ずっと、お傍にいたんですよ。ずっと待っておりましたから。それにしても、早かったです』
(そうか、俺はもっと長生きする予定だったのか)
『ええ、私の分まで長生きしてもらう予定でした』
(本当に、すまないな)
『いいえ。これでよかったのですよ。私も弟を殺して欲しくありませんでしたし、何よりお陰でまたこうしてお会い出来た』
蜃は、お蝶を抱きしめた。ずっと願ってきた想いが通じたと思った。
(ずっと、寂しかったぞ)
『後妻を迎えておられたら、私は離れるおつもりでしたのに』
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