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38話
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「そうだな。お前達の方が先に出て行ってしまうことになるんだよな」
寂しいのか、と理解したが、そうではないと新月は主張するように言った。
「誤魔化さないでください。私は、新月は蜃様のお嫁さんになりたいとずっと思っていました」
思わず、蜃の呼吸が止まった。可愛い妹としか見ていなかった少女が、この瞬間少しだけ大人に見えた。考えれば、体型にしろ顔にしろ、もう既に可愛い妹の少女な面影など消えようとしているのだ。
「いつから、そう見ていた?」
「わかりません。でも、葛葉様に言われて最初に浮かんだのは蜃様でした」
「俺は、旬介とお前が夫婦になると思っていたよ」
「……私も、そう思っていました。それに、今もそう思っているのかもしれません」
「旬介は、嫌か?」
新月は、首を左右に振った。
「蜃様の気持ちを教えてください」
2人の間に、暫く無の空気が流れた。
そして暫くの後、蜃は新月の頭を優しく撫でた。
「お前の気持ちは嬉しいが、やっぱり俺は旬介からお前を取れないよ」
新月の目から涙が零れ落ちた。
「ごめんな。それに、俺は一生嫁を娶る気は無いのだ。俺の中には少なからず、鬼の血も流れる。もし子宝に恵まれ、その子も、そのまた子へと鬼の血が続いたとして、何れ恵慈家の血が鬼の血に呑まれてしまうとも限らん。母上も父上も、恵慈家の血は呪われたモノとして考えておる故な、もう終わりでいいと思っているのだ。それに本来であれば何も知らず、幸せに生きる筈だったお蝶だけに荷を負わせるつもりはないのだ。俺も共に背負うと誓ったから、俺は誰も嫁には取らん」
「では、最後に聞かせてください。もし、蜃様が恵慈家の人間でもなく、鬼の血もない普通の人だったとして、お蝶姉様が病気とかそういうので亡くなってたとしたら、蜃様は私をお嫁にしてくれましたか?」
蜃は、苦笑いをした。
「それを答えたら、俺は旬介に殺されてしまうぞ」
新月は、笑った。
「そうだ。新月は笑った顔が1番可愛いからな。ヤキモチ妬きの旬介の側にいてやってくれ」
新月は、俯いた。
「大丈夫、死なせはしないよ。母上も旬介も。どうせ、兄上の嫁になればいいとか言われたんだろ。拗ねてるだけだよ。本当にそうなったら、泣き喚いて怒るくせにな」
安易に想像出来てしまうのが、お互いおかしくて仕方ない。
「さあ、泣くのは本当に終わりにしなさい。まるで俺が泣かしてるみたいじゃないか」
まあ、実際はそうなのだけれど。
「私、旬介のお嫁さんになります。だから、絶対助けてくださいね」
「ああ、約束するよ」
すっと差し出した新月の小指を、蜃は優しく絡めた。
「私ね、決めたよ。旬介のお嫁さんになる」
相変わらず猫のように丸くなりながら拗ねていた旬介が、新月の言葉にガバッと起きた。まだ尻の痛みが取れないので、動きがぎこちないが、その情けない動きに新月は笑ってしまった。
「本当に?」
「うん。お尻が治ったらね」
「でも俺、母上と……」
「蜃様が約束してくれたの。絶対に絶対に、母上と旬介を助けるからって。でも、そうなったら蜃様にあんまり会えなくなっちゃうね」
「寂しい?」
「うん。でも、旬介がいるから大丈夫だよ。ずっと約束してね。ずっと一緒に居るって。幸せにしてよね」
「絶対、俺死なないから」
「うん」
「俺、明日から今までより修行する。父上にも、嫌だけど兄上にも頼んでめっちゃ強くなって、鬼なんて倒して、絶対死なないから」
「うん」
*****
荒れた神社が、もう何十年も放置されていかのように侵食していた。虫や爬虫類が至る所に這う。どんよりと重い空気が立ち込めていた。
侵食は日毎急速に進み、異常な程である。誰も近付けないその場所で、うごうごと2つの影が動いていた。
2つの影は、貪るように蛇や蛙を食している。
『絶対に、許せぬ……今度こそ、消してくれる……』
枯れた低い音のような言葉が、唸り声のように響いた。
『この屈辱、晴らさずおくべきか』
旬介達に解き放たれた、鬼と化した富子と泰親であった。
2人は、あの時。好奇心で櫓の中を覗き込んだ旬介と紗々丸を見つけ、無けなしの力で幻を見せた。唯一出来たその影に、未熟な2人はまんまと掛かった。封印に使われた鏡の前で邪気を吹きかけ、鏡を割るように仕向け、何年か振りにようやく外の世界へと出れた。
封印されている間、鏡の世界に閉じ込められた。果てしない空間は、時をも奪われたようであった。お陰で、何百年もそうしていた気がした。時折チラチラと映る外の世界が恋しくて、声を上げても誰も助けてはくれなかった。鏡の世界は万華鏡のように目まぐるしく回り続けた。時の無い空間、そして外の世界。気が狂ったようだった。
解放された直後、逃げる為に遣わした式神で力を全て失ってしまったから、その場に邪気を巡らし、這うものを食べ、回復を待っていた。
『直ぐにでも復讐してやりたいぞ……』
爬虫類の血と肉で口元と手をベタベタにしながら、富子が唸り声を上げた。
『焦っては、折角のチャンスが失われてしまいます。回復を待つのです』
『狂いそうじゃ』
もはや、今の姿に人の面影はなかった。
*****
「父上、兄上! 明日から、めっちゃ修行付けてください」
「は?」
と、晴明と蜃の疑問符が重なったのは夕餉の時だった。久しぶりに皆での食事の席で、声を荒らげた旬介に他の者達も思わず箸を止めた。
「なんの風の吹き回しじゃ」
「だって、俺等が鬼を解放しちゃっただろ。強くなって倒さないと」
「戦うつもりか」
驚いた葛葉。横で晴明が、頼もしいなと呟いた。
「そうか、お前ももうあの時の蜃と同じ年になるのだよな。十分戦えるか」
「晴明殿?」
「よし、旬介。明日から、俺と山篭りでもするか」
「晴明殿!」
「葛葉は蜃と、この里の次の形について進めておいてくれ。俺は旬介に、ありったけの事を教え込むよ。他の子等も、留守の間この家を頼むよ」
納得するかのように、晴明は旬介と勝手に決めてしまった。となると、明日から晴明と旬介は不在になる事になるらしい。
「葛葉、心配するな。子も大人になる」
「そうではあるがな」
「お主の計画は最終手段だ。それまでに出来る限りの力は尽くしたいのだ。それに、俺はその計画。最後まで納得せんからな」
「…………」
その計画、葛葉と旬介が人柱になるという意味である。ここは、何があっても揺るぎないと言わんばかり威圧感で、その声だけは静かにハッキリと告げられた。流石の葛葉にも、それは罪悪感のように、血の気が引くようだった。静かに、心底、晴明は怒っていると理解した。
「この前で、もうやめましょう」
葛葉の声が僅かに震えていることに、蜃は気付いた。
夕餉を終えてから、小さくなった背中の葛葉が心配になり、蜃は葛葉の後を追った。片付けは新月達が花嫁修行だと息巻いて代わってくれていたので、葛葉はあとは部屋で休むだけだった。
「ああ、蜃か」
それに気付いた葛葉が、蜃より先に声を掛けた。
「母上。大丈夫ですか? あんな父上、初めて見たから心配になって」
葛葉は、蜃に苦笑いを見せた。
「ああ、大丈夫。この度の事は、私が勝手に決めた事だから。晴明殿は、余計納得出来んのじゃろう。私はともかく、旬介を巻き込む事が特にな」
この際、と思い。蜃も思ったことを口にした。
「俺もそれは、賛成しかねますけどね。真相を知らない紗々丸はおいといて、旬介はまだ幼く、詳細は知らないにしろ危機だけは知っているべきだったと思います。同時にそれを教えなかった、俺達にも非はあるかと。それにあの年で、責任を背負わすのも、少々やりすぎではないかと」
寂しいのか、と理解したが、そうではないと新月は主張するように言った。
「誤魔化さないでください。私は、新月は蜃様のお嫁さんになりたいとずっと思っていました」
思わず、蜃の呼吸が止まった。可愛い妹としか見ていなかった少女が、この瞬間少しだけ大人に見えた。考えれば、体型にしろ顔にしろ、もう既に可愛い妹の少女な面影など消えようとしているのだ。
「いつから、そう見ていた?」
「わかりません。でも、葛葉様に言われて最初に浮かんだのは蜃様でした」
「俺は、旬介とお前が夫婦になると思っていたよ」
「……私も、そう思っていました。それに、今もそう思っているのかもしれません」
「旬介は、嫌か?」
新月は、首を左右に振った。
「蜃様の気持ちを教えてください」
2人の間に、暫く無の空気が流れた。
そして暫くの後、蜃は新月の頭を優しく撫でた。
「お前の気持ちは嬉しいが、やっぱり俺は旬介からお前を取れないよ」
新月の目から涙が零れ落ちた。
「ごめんな。それに、俺は一生嫁を娶る気は無いのだ。俺の中には少なからず、鬼の血も流れる。もし子宝に恵まれ、その子も、そのまた子へと鬼の血が続いたとして、何れ恵慈家の血が鬼の血に呑まれてしまうとも限らん。母上も父上も、恵慈家の血は呪われたモノとして考えておる故な、もう終わりでいいと思っているのだ。それに本来であれば何も知らず、幸せに生きる筈だったお蝶だけに荷を負わせるつもりはないのだ。俺も共に背負うと誓ったから、俺は誰も嫁には取らん」
「では、最後に聞かせてください。もし、蜃様が恵慈家の人間でもなく、鬼の血もない普通の人だったとして、お蝶姉様が病気とかそういうので亡くなってたとしたら、蜃様は私をお嫁にしてくれましたか?」
蜃は、苦笑いをした。
「それを答えたら、俺は旬介に殺されてしまうぞ」
新月は、笑った。
「そうだ。新月は笑った顔が1番可愛いからな。ヤキモチ妬きの旬介の側にいてやってくれ」
新月は、俯いた。
「大丈夫、死なせはしないよ。母上も旬介も。どうせ、兄上の嫁になればいいとか言われたんだろ。拗ねてるだけだよ。本当にそうなったら、泣き喚いて怒るくせにな」
安易に想像出来てしまうのが、お互いおかしくて仕方ない。
「さあ、泣くのは本当に終わりにしなさい。まるで俺が泣かしてるみたいじゃないか」
まあ、実際はそうなのだけれど。
「私、旬介のお嫁さんになります。だから、絶対助けてくださいね」
「ああ、約束するよ」
すっと差し出した新月の小指を、蜃は優しく絡めた。
「私ね、決めたよ。旬介のお嫁さんになる」
相変わらず猫のように丸くなりながら拗ねていた旬介が、新月の言葉にガバッと起きた。まだ尻の痛みが取れないので、動きがぎこちないが、その情けない動きに新月は笑ってしまった。
「本当に?」
「うん。お尻が治ったらね」
「でも俺、母上と……」
「蜃様が約束してくれたの。絶対に絶対に、母上と旬介を助けるからって。でも、そうなったら蜃様にあんまり会えなくなっちゃうね」
「寂しい?」
「うん。でも、旬介がいるから大丈夫だよ。ずっと約束してね。ずっと一緒に居るって。幸せにしてよね」
「絶対、俺死なないから」
「うん」
「俺、明日から今までより修行する。父上にも、嫌だけど兄上にも頼んでめっちゃ強くなって、鬼なんて倒して、絶対死なないから」
「うん」
*****
荒れた神社が、もう何十年も放置されていかのように侵食していた。虫や爬虫類が至る所に這う。どんよりと重い空気が立ち込めていた。
侵食は日毎急速に進み、異常な程である。誰も近付けないその場所で、うごうごと2つの影が動いていた。
2つの影は、貪るように蛇や蛙を食している。
『絶対に、許せぬ……今度こそ、消してくれる……』
枯れた低い音のような言葉が、唸り声のように響いた。
『この屈辱、晴らさずおくべきか』
旬介達に解き放たれた、鬼と化した富子と泰親であった。
2人は、あの時。好奇心で櫓の中を覗き込んだ旬介と紗々丸を見つけ、無けなしの力で幻を見せた。唯一出来たその影に、未熟な2人はまんまと掛かった。封印に使われた鏡の前で邪気を吹きかけ、鏡を割るように仕向け、何年か振りにようやく外の世界へと出れた。
封印されている間、鏡の世界に閉じ込められた。果てしない空間は、時をも奪われたようであった。お陰で、何百年もそうしていた気がした。時折チラチラと映る外の世界が恋しくて、声を上げても誰も助けてはくれなかった。鏡の世界は万華鏡のように目まぐるしく回り続けた。時の無い空間、そして外の世界。気が狂ったようだった。
解放された直後、逃げる為に遣わした式神で力を全て失ってしまったから、その場に邪気を巡らし、這うものを食べ、回復を待っていた。
『直ぐにでも復讐してやりたいぞ……』
爬虫類の血と肉で口元と手をベタベタにしながら、富子が唸り声を上げた。
『焦っては、折角のチャンスが失われてしまいます。回復を待つのです』
『狂いそうじゃ』
もはや、今の姿に人の面影はなかった。
*****
「父上、兄上! 明日から、めっちゃ修行付けてください」
「は?」
と、晴明と蜃の疑問符が重なったのは夕餉の時だった。久しぶりに皆での食事の席で、声を荒らげた旬介に他の者達も思わず箸を止めた。
「なんの風の吹き回しじゃ」
「だって、俺等が鬼を解放しちゃっただろ。強くなって倒さないと」
「戦うつもりか」
驚いた葛葉。横で晴明が、頼もしいなと呟いた。
「そうか、お前ももうあの時の蜃と同じ年になるのだよな。十分戦えるか」
「晴明殿?」
「よし、旬介。明日から、俺と山篭りでもするか」
「晴明殿!」
「葛葉は蜃と、この里の次の形について進めておいてくれ。俺は旬介に、ありったけの事を教え込むよ。他の子等も、留守の間この家を頼むよ」
納得するかのように、晴明は旬介と勝手に決めてしまった。となると、明日から晴明と旬介は不在になる事になるらしい。
「葛葉、心配するな。子も大人になる」
「そうではあるがな」
「お主の計画は最終手段だ。それまでに出来る限りの力は尽くしたいのだ。それに、俺はその計画。最後まで納得せんからな」
「…………」
その計画、葛葉と旬介が人柱になるという意味である。ここは、何があっても揺るぎないと言わんばかり威圧感で、その声だけは静かにハッキリと告げられた。流石の葛葉にも、それは罪悪感のように、血の気が引くようだった。静かに、心底、晴明は怒っていると理解した。
「この前で、もうやめましょう」
葛葉の声が僅かに震えていることに、蜃は気付いた。
夕餉を終えてから、小さくなった背中の葛葉が心配になり、蜃は葛葉の後を追った。片付けは新月達が花嫁修行だと息巻いて代わってくれていたので、葛葉はあとは部屋で休むだけだった。
「ああ、蜃か」
それに気付いた葛葉が、蜃より先に声を掛けた。
「母上。大丈夫ですか? あんな父上、初めて見たから心配になって」
葛葉は、蜃に苦笑いを見せた。
「ああ、大丈夫。この度の事は、私が勝手に決めた事だから。晴明殿は、余計納得出来んのじゃろう。私はともかく、旬介を巻き込む事が特にな」
この際、と思い。蜃も思ったことを口にした。
「俺もそれは、賛成しかねますけどね。真相を知らない紗々丸はおいといて、旬介はまだ幼く、詳細は知らないにしろ危機だけは知っているべきだったと思います。同時にそれを教えなかった、俺達にも非はあるかと。それにあの年で、責任を背負わすのも、少々やりすぎではないかと」
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そこで、本作では、天文16年(1547年)~永禄3年(1560年)までの13年間の織田信長の足跡を小説としてじっくりとなぞってみようと思いたった次第です。
毎週の月曜日00:00に次話公開を目指しています。
スローペースの拙稿ではありますが、お付き合いいただければ嬉しいです。
(2022.04.04)
※信長公記を下地としていますが諸出来事の年次比定を含め随所に著者の創作および定説ではない解釈等がありますのでご承知置きください。
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