3 / 96
3話
しおりを挟む
晴明は、急に怖くなった。怖くなったが、母の手から毒を握り取った。
当主となるには、恨みを晴らすには病む負えない犠牲だと、自分自身に強く言い聞かせた。
法眼と松兵衛は、元服の儀のあと部屋に篭った。とうとう、その時が来てしまったのかもしれないと。
「富子様に現れた闇の影は、日に日に大きくなっております。気を遣ったつもりが、逆に富子様の闇を大きくしてしまったのかもしれません」
「何故、晴明に力が現れなかったのだろうか?」
「わかりませぬが、僅かに宿った力が暴走するのも危険なので、今は儂の力で封じております」
「松兵衛の判断なら、それが正しいのだろう」
「葛葉殿に、医者のような行為をさせるべきではなかったと悔いておりませんか? それは、儂は少し違うように思います。もう少し、晴明殿に……同じようではなく、特別な扱いを考えてやるべきだったのかもしれません」
「松兵衛は、今回の富子の申し出、どう思うか?」
「何か裏があるようにも感じますが、夫婦の件もそうですし、葛葉殿の為にも受けざるおえねばならないかと」
「やはり、断ることは出来ないか」
「この程度の事が出来ぬのに……となっては、次期後継の件にも関わりますから」
「葛葉の力の事は心配しておらん。気になるのは、富子の企みと晴明と葛葉の仲じゃ。幼少の頃から、会わせてしまうべきだったのではないかと」
「向かわせる前に、一緒に生活させてみるのは如何でしょうか? 葛葉殿を本家に呼ぶのです」
「そうしてみるか……」
法眼と松兵衛の出した、苦し紛れの案だった。
富子の提案した鬼退治の件については、元服の儀から3日後と早すぎる出発が決まった。それらは全て、富子の計画だった。
その間、葛葉は本家の晴明の隣の部屋を与えられ、共に生活し、多少なりともお互いを知るように義務付けられた。
その日からの食事は、全ていつも通り侍女の手作りで、晴明と2人で食べた。2人だけというのも、法眼のはからいだった。少しでも、会話をする機会を増やすようにと。そうでもしなければ、晴明は外で剣を振り回し、葛葉は部屋で本を読み続けるだけだったから。
「少しは、仲良くなれたか?」
法眼が、葛葉に聞いてみた。
「晴明殿は、特に何も話しません。私がお嫌いなのかもしれません」
「そうではない、きっと照れてるんだ」
「私は、晴明殿と友達になりたいのです。私に友達はおりませんし……そうですね、お人形遊びなどどうでしょうか? 今度聞いてみようかしら。私のお人形を貸して差し上げたら、喜んでくれますか?」
法眼は、苦笑いをした。
「葛葉よ、残念ながら晴明に限らず男子と言うものは、人形遊びはせんのだ」
「! 殿方は、お人形遊びはしないのですかっ!! では、どんな遊びをなさるのです?」
葛葉の驚きっぷりが可笑しく、法眼は少し笑ってしまった。
「そうだなあ、晴明が好きなのは、武芸か……」
葛葉は、しゅんとした。
「葛葉は、武芸はからっきしです」
「そうだな、では共に歌など読んでみてはどうだろうか?」
「それなら私にも出来ますね」
しかし
「歌など読まん」
晴明はキッパリ断ると、葛葉とは目も合わせようとせずに、ひたすら剣を振り回していた。
藁で出来た人形は既にボロボロに成り果て、それでも晴明の剣は止まらず最後には芯の丸太すら折れてしまった。その度、晴明はその残骸を舌打ちと共に庭の隅に蹴りやった。庭の隅には、晴明のへし折った藁の木人が幾つも転がっている。
「惨い」
することもないので、それをぼんやり見ていた葛葉がぼそりと口にした。
「惨い? ただの人形じゃ。これでも手加減しておる。大体人形ならば、もう少し耐えてくれんと、稽古にもならんわ」
「稽古と言うより、ストレス発散にも見えるがの」
「うるさい! 邪魔だ、何処かへ消えてくれ」
怖い人だ、と葛葉は思う。葛葉の言い方もよろしくないとは思うのだが、それもまだ少女の葛葉にはよく分かっていなかった。
「明日、共に旅に出ねばならぬから、せめて少しくらい話をしたかったのですが……」
「なんだ? 聞いてやる」
言いながら、晴明は次の木人の用意を始めた。
「うむ。私は旅が初めてですし、体力にもあまり自信がありません。晴明殿は如何でしょうか?」
「俺も旅は初めてだ。だが、体力には自信がある。自信がないなら、一人でゆっくり行けば良い。俺の側を歩くな。俺は、葛葉殿の事を守るつもりはない。自分の身くらい自分で守れ」
「冷たい殿方ですね」
「冷たい?」
晴明が、手にしていた木刀を下ろした。冷たいとは心外である。冷たい世界を生きてきた晴明には、葛葉を嫌う理由が十分にあったから。
「お主は、常に守ってもらえると思っておいでか? 全ての人間が等しく優しく、お主を慕い、なんでもしてくれると。いいご身分であらせますな、姫君」
「……姫君」
きょとんとする葛葉を他所に、晴明は手にしていた木刀を投げ捨て、その場をあとにした。
葛葉は、離に住む藤緒の元に駆け、一部始終を話しながら泣いた。
「晴明殿と二人旅など、葛葉には無理でございます。ましてや、夫婦など」
藤緒は、葛葉を抱きしめた。
「葛葉、夫婦というものは、家のためにするもの。母もそうです。ですから、我儘は通らないのです。二人旅にしても、これは富子様がお決めになり、最終的に法眼様がお決めになったこと。若様がどんなに厳しい方であろうと、耐えなければならないのが、女に生まれた運命」
藤緒も、その生まれながらの運命に苦しんできた一人だった。
「母上は、逃げたいと思ったことはございませんか?」
いつも、思っている。そう言いたかった。
「それは叶わぬ事ですから。そう思ってしまったら、これからがずっと辛くなります」
葛葉の中に絶望が生まれた。何故、自分はこのような家に、生まれて来てしまったのだろうか。贅沢なんていらない、今までのように人を診て生きて行ければよかった。もし、この力のせいならば、それすらもいらないと思った。
父上に、相談など出来ない。家から逃れたいなどと。もし逃れたとして、一体何処へ行くと言うのか。
諦めるしかないのだ。
暗い表情の葛葉を気にして、藤緒が続けた。
「若様は、きっと何か大きな誤解をしていらっしゃるのかもしれませんよ。それは、葛葉も同じ事です。若様の良いところを、見つけて差し上げなさい。若様でないにしろ、友達を作るにはとても大切な事なのですから」
泣きながら、葛葉はこくりと頷いた。
夕餉の席に、葛葉は現れなかった。仕方ないので、晴明は独りで食事を済ませた。思えば、必ずその場には母か父か松兵衛か誰かがいたので、独りで食事をするのは始めてだった。
日も落ち、がらんと静かな座敷での食事は妙に心寂しく感じ、味気ないものだった。母が用意させた食事は、常に晴明が好きなものばかり。
昼間、少し言い過ぎたか。いつも文句一つ言わないが、葛葉の好きな物はなんだろうか等と考えた。
晴明は食事を終えると、葛葉のお膳をその場に放置するのも忍びなく、昼間の事も気に掛かり、お膳を彼女の部屋の前まで持って行った。
「食事が冷めてしまった。しかし、母上が折角作って下さったものだ。明日から旅も始まる。ちゃんと食べておけ」
と言うと、晴明はその場を立ち去った。
晴明も葛葉同様友達がいない。勿論、兄弟もいない。仲直りがわからなかった。ごめんなさい、という当たり前の言葉は、大人に自分を認めてもらうための一つの言葉でしかなかったから。
昼間、消えろと言われた葛葉が、夕餉の席を晴明と二人で共にする勇気などなかった。母に泣きつき、けど何の解決にもならず、部屋に閉じこもるのが精一杯だった。
当主となるには、恨みを晴らすには病む負えない犠牲だと、自分自身に強く言い聞かせた。
法眼と松兵衛は、元服の儀のあと部屋に篭った。とうとう、その時が来てしまったのかもしれないと。
「富子様に現れた闇の影は、日に日に大きくなっております。気を遣ったつもりが、逆に富子様の闇を大きくしてしまったのかもしれません」
「何故、晴明に力が現れなかったのだろうか?」
「わかりませぬが、僅かに宿った力が暴走するのも危険なので、今は儂の力で封じております」
「松兵衛の判断なら、それが正しいのだろう」
「葛葉殿に、医者のような行為をさせるべきではなかったと悔いておりませんか? それは、儂は少し違うように思います。もう少し、晴明殿に……同じようではなく、特別な扱いを考えてやるべきだったのかもしれません」
「松兵衛は、今回の富子の申し出、どう思うか?」
「何か裏があるようにも感じますが、夫婦の件もそうですし、葛葉殿の為にも受けざるおえねばならないかと」
「やはり、断ることは出来ないか」
「この程度の事が出来ぬのに……となっては、次期後継の件にも関わりますから」
「葛葉の力の事は心配しておらん。気になるのは、富子の企みと晴明と葛葉の仲じゃ。幼少の頃から、会わせてしまうべきだったのではないかと」
「向かわせる前に、一緒に生活させてみるのは如何でしょうか? 葛葉殿を本家に呼ぶのです」
「そうしてみるか……」
法眼と松兵衛の出した、苦し紛れの案だった。
富子の提案した鬼退治の件については、元服の儀から3日後と早すぎる出発が決まった。それらは全て、富子の計画だった。
その間、葛葉は本家の晴明の隣の部屋を与えられ、共に生活し、多少なりともお互いを知るように義務付けられた。
その日からの食事は、全ていつも通り侍女の手作りで、晴明と2人で食べた。2人だけというのも、法眼のはからいだった。少しでも、会話をする機会を増やすようにと。そうでもしなければ、晴明は外で剣を振り回し、葛葉は部屋で本を読み続けるだけだったから。
「少しは、仲良くなれたか?」
法眼が、葛葉に聞いてみた。
「晴明殿は、特に何も話しません。私がお嫌いなのかもしれません」
「そうではない、きっと照れてるんだ」
「私は、晴明殿と友達になりたいのです。私に友達はおりませんし……そうですね、お人形遊びなどどうでしょうか? 今度聞いてみようかしら。私のお人形を貸して差し上げたら、喜んでくれますか?」
法眼は、苦笑いをした。
「葛葉よ、残念ながら晴明に限らず男子と言うものは、人形遊びはせんのだ」
「! 殿方は、お人形遊びはしないのですかっ!! では、どんな遊びをなさるのです?」
葛葉の驚きっぷりが可笑しく、法眼は少し笑ってしまった。
「そうだなあ、晴明が好きなのは、武芸か……」
葛葉は、しゅんとした。
「葛葉は、武芸はからっきしです」
「そうだな、では共に歌など読んでみてはどうだろうか?」
「それなら私にも出来ますね」
しかし
「歌など読まん」
晴明はキッパリ断ると、葛葉とは目も合わせようとせずに、ひたすら剣を振り回していた。
藁で出来た人形は既にボロボロに成り果て、それでも晴明の剣は止まらず最後には芯の丸太すら折れてしまった。その度、晴明はその残骸を舌打ちと共に庭の隅に蹴りやった。庭の隅には、晴明のへし折った藁の木人が幾つも転がっている。
「惨い」
することもないので、それをぼんやり見ていた葛葉がぼそりと口にした。
「惨い? ただの人形じゃ。これでも手加減しておる。大体人形ならば、もう少し耐えてくれんと、稽古にもならんわ」
「稽古と言うより、ストレス発散にも見えるがの」
「うるさい! 邪魔だ、何処かへ消えてくれ」
怖い人だ、と葛葉は思う。葛葉の言い方もよろしくないとは思うのだが、それもまだ少女の葛葉にはよく分かっていなかった。
「明日、共に旅に出ねばならぬから、せめて少しくらい話をしたかったのですが……」
「なんだ? 聞いてやる」
言いながら、晴明は次の木人の用意を始めた。
「うむ。私は旅が初めてですし、体力にもあまり自信がありません。晴明殿は如何でしょうか?」
「俺も旅は初めてだ。だが、体力には自信がある。自信がないなら、一人でゆっくり行けば良い。俺の側を歩くな。俺は、葛葉殿の事を守るつもりはない。自分の身くらい自分で守れ」
「冷たい殿方ですね」
「冷たい?」
晴明が、手にしていた木刀を下ろした。冷たいとは心外である。冷たい世界を生きてきた晴明には、葛葉を嫌う理由が十分にあったから。
「お主は、常に守ってもらえると思っておいでか? 全ての人間が等しく優しく、お主を慕い、なんでもしてくれると。いいご身分であらせますな、姫君」
「……姫君」
きょとんとする葛葉を他所に、晴明は手にしていた木刀を投げ捨て、その場をあとにした。
葛葉は、離に住む藤緒の元に駆け、一部始終を話しながら泣いた。
「晴明殿と二人旅など、葛葉には無理でございます。ましてや、夫婦など」
藤緒は、葛葉を抱きしめた。
「葛葉、夫婦というものは、家のためにするもの。母もそうです。ですから、我儘は通らないのです。二人旅にしても、これは富子様がお決めになり、最終的に法眼様がお決めになったこと。若様がどんなに厳しい方であろうと、耐えなければならないのが、女に生まれた運命」
藤緒も、その生まれながらの運命に苦しんできた一人だった。
「母上は、逃げたいと思ったことはございませんか?」
いつも、思っている。そう言いたかった。
「それは叶わぬ事ですから。そう思ってしまったら、これからがずっと辛くなります」
葛葉の中に絶望が生まれた。何故、自分はこのような家に、生まれて来てしまったのだろうか。贅沢なんていらない、今までのように人を診て生きて行ければよかった。もし、この力のせいならば、それすらもいらないと思った。
父上に、相談など出来ない。家から逃れたいなどと。もし逃れたとして、一体何処へ行くと言うのか。
諦めるしかないのだ。
暗い表情の葛葉を気にして、藤緒が続けた。
「若様は、きっと何か大きな誤解をしていらっしゃるのかもしれませんよ。それは、葛葉も同じ事です。若様の良いところを、見つけて差し上げなさい。若様でないにしろ、友達を作るにはとても大切な事なのですから」
泣きながら、葛葉はこくりと頷いた。
夕餉の席に、葛葉は現れなかった。仕方ないので、晴明は独りで食事を済ませた。思えば、必ずその場には母か父か松兵衛か誰かがいたので、独りで食事をするのは始めてだった。
日も落ち、がらんと静かな座敷での食事は妙に心寂しく感じ、味気ないものだった。母が用意させた食事は、常に晴明が好きなものばかり。
昼間、少し言い過ぎたか。いつも文句一つ言わないが、葛葉の好きな物はなんだろうか等と考えた。
晴明は食事を終えると、葛葉のお膳をその場に放置するのも忍びなく、昼間の事も気に掛かり、お膳を彼女の部屋の前まで持って行った。
「食事が冷めてしまった。しかし、母上が折角作って下さったものだ。明日から旅も始まる。ちゃんと食べておけ」
と言うと、晴明はその場を立ち去った。
晴明も葛葉同様友達がいない。勿論、兄弟もいない。仲直りがわからなかった。ごめんなさい、という当たり前の言葉は、大人に自分を認めてもらうための一つの言葉でしかなかったから。
昼間、消えろと言われた葛葉が、夕餉の席を晴明と二人で共にする勇気などなかった。母に泣きつき、けど何の解決にもならず、部屋に閉じこもるのが精一杯だった。
0
お気に入りに追加
6
あなたにおすすめの小説
小童、宮本武蔵
雨川 海(旧 つくね)
歴史・時代
兵法家の子供として生まれた弁助は、野山を活発に走る小童だった。ある日、庄屋の家へ客人として旅の武芸者、有馬喜兵衛が逗留している事を知り、見学に行く。庄屋の娘のお通と共に神社へ出向いた弁助は、境内で村人に稽古をつける喜兵衛に反感を覚える。実は、弁助の父の新免無二も武芸者なのだが、人気はさっぱりだった。つまり、弁助は喜兵衛に無意識の内に嫉妬していた。弁助が初仕合する顚末。
備考 井上雄彦氏の「バガボンド」や司馬遼太郎氏の「真説 宮本武蔵」では、武蔵の父を無二斎としていますが、無二の説もあるため、本作では無二としています。また、通説では、武蔵の父は幼少時に他界している事になっていますが、関ヶ原の合戦の時、黒田如水の元で九州での戦に親子で参戦した。との説もあります。また、佐々木小次郎との決闘の時にも記述があるそうです。
その他、諸説あり、作品をフィクションとして楽しんでいただけたら幸いです。物語を鵜呑みにしてはいけません。
宮本武蔵が弁助と呼ばれ、野山を駆け回る小僧だった頃、有馬喜兵衛と言う旅の武芸者を見物する。新当流の達人である喜兵衛は、派手な格好で神社の境内に現れ、門弟や村人に稽古をつけていた。弁助の父、新免無二も武芸者だった為、その盛況ぶりを比較し、弁助は嫉妬していた。とは言え、まだ子供の身、大人の武芸者に太刀打ちできる筈もなく、お通との掛け合いで憂さを晴らす。
だが、運命は弁助を有馬喜兵衛との対決へ導く。とある事情から仕合を受ける事になり、弁助は有馬喜兵衛を観察する。当然だが、心技体、全てに於いて喜兵衛が優っている。圧倒的に不利な中、弁助は幼馴染みのお通や又八に励まされながら仕合の準備を進めていた。果たして、弁助は勝利する事ができるのか? 宮本武蔵の初死闘を描く!
備考
宮本武蔵(幼名 弁助、弁之助)
父 新免無二(斎)、武蔵が幼い頃に他界説、親子で関ヶ原に参戦した説、巌流島の決闘まで存命説、など、諸説あり。
本作は歴史の検証を目的としたものではなく、脚色されたフィクションです。
蒼穹(そら)に紅~天翔る無敵皇女の冒険~ 四の巻
初音幾生
歴史・時代
日本がイギリスの位置にある、そんな架空戦記的な小説です。
1940年10月、帝都空襲の報復に、連合艦隊はアイスランド攻略を目指す。
霧深き北海で戦艦や空母が激突する!
「寒いのは苦手だよ」
「小説家になろう」と同時公開。
第四巻全23話
西涼女侠伝
水城洋臣
歴史・時代
無敵の剣術を会得した男装の女剣士。立ち塞がるは三国志に名を刻む猛将馬超
舞台は三國志のハイライトとも言える時代、建安年間。曹操に敗れ関中を追われた馬超率いる反乱軍が涼州を襲う。正史に残る涼州動乱を、官位無き在野の侠客たちの視点で描く武侠譚。
役人の娘でありながら剣の道を選んだ男装の麗人・趙英。
家族の仇を追っている騎馬民族の少年・呼狐澹。
ふらりと現れた目的の分からぬ胡散臭い道士・緑風子。
荒野で出会った在野の流れ者たちの視点から描く、錦馬超の実態とは……。
主に正史を参考としていますが、随所で意図的に演義要素も残しており、また武侠小説としてのテイストも強く、一見重そうに見えて雰囲気は割とライトです。
三國志好きな人ならニヤニヤ出来る要素は散らしてますが、世界観説明のノリで注釈も多めなので、知らなくても楽しめるかと思います(多分)
涼州動乱と言えば馬超と王異ですが、ゲームやサブカル系でこの2人が好きな人はご注意。何せ基本正史ベースだもんで、2人とも現代人の感覚としちゃアレでして……。
霧衣物語
水戸けい
歴史・時代
竹井田晴信は、霧衣の国主であり父親の孝信の悪政を、民から訴えられた。家臣らからも勧められ、父を姉婿のいる茅野へと追放する。
父親が国内の里の郷士から人質を取っていたと知り、そこまでしなければ離反をされかねないほど、酷い事をしていたのかと胸を痛める。
人質は全て帰すと決めた晴信に、共に育った牟鍋克頼が、村杉の里の人質、栄は残せと進言する。村杉の里は、隣国の紀和と通じ、謀反を起こそうとしている気配があるからと。
国政に苦しむ民を助けるために逃がしているなら良いではないかと、晴信は思う、克頼が頑なに「帰してはならない」と言うので、晴信は栄と会う事にする。
鵺の哭く城
崎谷 和泉
歴史・時代
鵺に取り憑かれる竹田城主 赤松広秀は太刀 獅子王を継承し戦国の世に仁政を志していた。しかし時代は冷酷にその運命を翻弄していく。本作は竹田城下400年越しの悲願である赤松広秀公の名誉回復を目的に、その無二の友 儒学者 藤原惺窩の目を通して描く短編小説です。
16世紀のオデュッセイア
尾方佐羽
歴史・時代
【第12章を週1回程度更新します】世界の海が人と船で結ばれていく16世紀の遥かな旅の物語です。
12章では16世紀後半のヨーロッパが舞台になります。
※このお話は史実を参考にしたフィクションです。
本能のままに
揚羽
歴史・時代
1582年本能寺にて織田信長は明智光秀の謀反により亡くなる…はずだった
もし信長が生きていたらどうなっていたのだろうか…というifストーリーです!もしよかったら見ていってください!
※更新は不定期になると思います。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる