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母との出会い
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昨日から一日中ふさぎ込んでいる。
父→「いい加減部屋から出てきなさい。」
凛華→「……」
父→「はぁ…。今日、お母さんの命日だぞ」
凛華→「……」
父→「凛華に渡したいものがある。開けてくれないか?」
凛華→「……」
カチャ
凛華→「……」
父→「これ。お母さんからだ」
それは一通の手紙と木箱だった。
その少し色あせた封筒と木箱を見ているだけで、なぜか私を温かい気持ちにさせた。
父→「お母さんはお前を産んですぐに亡くなってしまったと言ったが凛華に残してくれた物がある。」
凛華→「え?」
父→「中身は見ていない。ただ、16歳になったら渡してと言われただけだ。」
お母さんが……私に…
父→「ここに朝ご飯置いておくから。」
凛華→「あっ…まって! …ありがとう」
父→「……あぁ」
いつもは無表情の父だが、
少しだけ口角が上がって見えた。
少し色あせた白い封筒のノリをゆっくりと丁寧に剥がす。
1枚の便箋が出てきた。
拝啓、私の天使ちゃん
本当はもっとかしこまって書こうと思ったんだけど、娘に書くのでやめにします。
まずは、16歳おめでとう。
大きくなった天使ちゃんはどんな子に育ったかな?
あ、天使ちゃんていうのは、まだ名前を決めてないからなの。
私はこれから毎日天使ちゃんへ向けて手紙を書いていこうと思います。
ヒノキで作った箱の中に手紙が入っているので一日一枚ずつ、上から読んでいってね。
母より
綺麗な字でつづられた手紙。
これがお母さんの字か……と、しみじみ思った。
お父さんが何も話してくれないから全然お母さんの事を知らない。
だから勝手にお母さんもお父さんみたいに無口なんだとばかり思ってたけど…
明日からがちょっと楽しみになった。
父→「いい加減部屋から出てきなさい。」
凛華→「……」
父→「はぁ…。今日、お母さんの命日だぞ」
凛華→「……」
父→「凛華に渡したいものがある。開けてくれないか?」
凛華→「……」
カチャ
凛華→「……」
父→「これ。お母さんからだ」
それは一通の手紙と木箱だった。
その少し色あせた封筒と木箱を見ているだけで、なぜか私を温かい気持ちにさせた。
父→「お母さんはお前を産んですぐに亡くなってしまったと言ったが凛華に残してくれた物がある。」
凛華→「え?」
父→「中身は見ていない。ただ、16歳になったら渡してと言われただけだ。」
お母さんが……私に…
父→「ここに朝ご飯置いておくから。」
凛華→「あっ…まって! …ありがとう」
父→「……あぁ」
いつもは無表情の父だが、
少しだけ口角が上がって見えた。
少し色あせた白い封筒のノリをゆっくりと丁寧に剥がす。
1枚の便箋が出てきた。
拝啓、私の天使ちゃん
本当はもっとかしこまって書こうと思ったんだけど、娘に書くのでやめにします。
まずは、16歳おめでとう。
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あ、天使ちゃんていうのは、まだ名前を決めてないからなの。
私はこれから毎日天使ちゃんへ向けて手紙を書いていこうと思います。
ヒノキで作った箱の中に手紙が入っているので一日一枚ずつ、上から読んでいってね。
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綺麗な字でつづられた手紙。
これがお母さんの字か……と、しみじみ思った。
お父さんが何も話してくれないから全然お母さんの事を知らない。
だから勝手にお母さんもお父さんみたいに無口なんだとばかり思ってたけど…
明日からがちょっと楽しみになった。
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