強制悪役令息と4人の聖騎士ー乙女ハーレムエンドー

チョコミント

文字の大きさ
39 / 61

君のために勝利を

しおりを挟む
フリードと一緒に控え室を出る。
フリードが向かう方向の反対方向をまっすぐ進めば観客席に到着するらしい。

控え室の前で別れて歩き出した。
某ドームのような観客席に真ん中は砂地になっていて、ここで戦うんだなと感心しながらいろいろ見る。
観客席に着くといっぱい人がいて椅子がいっぱいだった。
立つ事にして、その時を待つ。

やがて歓声が沸き上がった。

「これが最後の試験だ、学園のルーキーか…どんな奴かお手並み拝見だ」

身体が大きないかにも強そうな騎士がいた。
試験官だろうか、俺だったら見るだけで腰を抜かしそうだ…情けないけど…

フリードが現れたら、さっきよりも歓声が大きくなった。
これだけでも期待されている事が分かった。

応援する声を聞きながら俺は黙ってフリードを見つめていた。
俺も声を掛けたかったが万が一義母とかにバレたら大変だから出来なかった。
直接探して目が合ったら大変だから探してはいないがきっといるだろう。

フリードは全く怖じ気付く事なくまっすぐと騎士を見つめている。

「…芯の強い良い目だ」

「勝たなきゃいけないんで」

「ふっ、ルーキーには本気で挑まなきゃな!」

試験官はフリードの身体の半分くらいある大きな斧をフリードに向けた。
俺はこれが初めて試験を見るから驚いて固まった。
でも周りはもう何試合目かだから驚いていなくて俺との温度差を感じる。

試験だし、死ぬ事…ないよね?

誰かに聞くコミュ力もなく、ずっともやもやしながら見つめていた。

フリードは剣を抜いた、それを合図に大きな鐘の音が響いた。

試験官は大きく斧を振り回しそれを地面に向かって叩きつけた。
すると地面が大きく割れてフリード目掛けて地割れが襲う。

しかしフリードはそれを軽々しく飛んで避けたと思ったら剣に魔力を込めて炎がまとった。
それを振り上げるが試験官は大きな身体には想像出来ないほどの身軽さで避けた。
フリードは止まる事なく、足を踏み出し次の攻撃を仕掛ける。

大きな音を立てて炎の剣が試験官の斧にぶつかる。
見た目だけだと力業ではフリードはフリのように見えた。
でも試験官が見た目のわりに身軽だったようにフリードも見かけ通りではなかった。

ギリギリと試験官に負けず劣らず剣を押し合っていた。

聖騎士の力がなくたってフリードは強い、だから大丈夫だと拳を強く握りしめながら俺は信じて見つめていた。

「…負けるわけにはいかないんだ、弱い俺じゃ守れねぇだろ!!」

「む…!?」

炎がより火力を増し、試験官が危機感を覚え離れた。
そのままフリードは地面に突き刺すと炎が試験官の回りを囲み身動きが取れなくなる。

そしてそのまま走り出した剣を振り上げた。
とっさに試験官が斧でガードしようとするが斧が砕けた。
さっきの押し合いで限界がきていたのだろう、それほどフリードの力があの大男より圧していたという事だった。

炎を消した剣が試験官の首元に触れる。

「……これで、いいか?」

「ははっ、さすがルーキーだな……合格だ」

より会場は盛り上がり大歓声を浴びていた。
フリードはその歓声に応える事なく、合格という言葉を聞くと用がなくなったといいたげなくらい涼しげにその場を後にした。

早くフリードに会いたくてまだ熱が冷めやまない会場に背を向けて走り出した。
今になって転んだ足がさっきより痛く感じたが、そんな事よりまずフリードにおめでとうを言いたかった。

関係者以外立ち入り禁止のところは一人で入る勇気がなくて、会場の外に出てフリードが出てくるのを待った。
一応木陰に隠れて見ていると観客がぞろぞろと会場から出てきた。
中にはそわそわしながら会場の外で待つ人がいた。
誰かの出待ちだろうか、俺もそうだけど…

そう思っていたら心臓が飛び出るほど驚いた、悪い意味で…
会場から団体が出てきた。

「さすがフリード様ですね、一発合格なんてとても珍しい事です」

「…ホワイト家たるもの当然です」

そう口では言っているが義母の普段冷めた顔からは想像出来ないほど嬉しそうだった。
あの人達にバレないようにバレないように後ずさった。
その時パキッと枝を踏んづけて意外と大きな音が響いた。

義母は立ち上がりキョロキョロと周りを見渡して、目当ての人物を見つけて歩き出す。
その人物は義母の顔を見て顔を青ざめながら、逃げる事は許されない雰囲気で義母に近付いた。

それを俺はただ見ていて、後ろに引きずられた。
会場から少し離れた場所は人通りがなく俺を引きずった人物を見つめた。

「あんなところで何をしていたんだ?」

「フリード!」

「母様に内緒で来たからバレたらまずい?」

本当の事だから頷くともう大丈夫だと俺を安心させるように微笑んでくれた。
フリードは俺の後ろから来ていたからもしかして裏口から出てきたのだらうか。
だとしたら俺がフリードに見つけられなかったら行き違いになっていたな、良かった。

そしてフリードが視線を下に向けて驚いた顔をしていた。
ん?下?なにかあったっけと思い俺も下を向いた。

フリードと同じように驚いた顔をしていた。

「イリヤ!大丈夫なのか!?」

「あ、うん…見た目ほどは痛くないかな」

ズキズキと普通の擦り傷の痛みと熱を持っているだけだった。
しかし俺の膝からは血が流れていた。
ジョーカーに抱き抱えられた時は普通に膝が白くなっていただけだったのに時間差で傷口が開いたのだろう。

フリードは俺をジョーカーの時のように抱き抱えて何処かに連れてかれた。
会場を離れて学園の大きな城のような建物を過ぎ去り、その奥にある洋館に向かって歩いた。

確かあそこは学園の寮ではなかっただろうか。

初めて寮の中を生で見て少し感動していた。
ゲームではヒロインは寮ではなく寄宿舎に住んでいるからあまり寮は出てこないが、それでも知っている場所だと思うと感動した。
しおりを挟む
感想 13

あなたにおすすめの小説

メインキャラ達の様子がおかしい件について

白鳩 唯斗
BL
 前世で遊んでいた乙女ゲームの世界に転生した。  サポートキャラとして、攻略対象キャラたちと過ごしていたフィンレーだが・・・・・・。  どうも攻略対象キャラ達の様子がおかしい。  ヒロインが登場しても、興味を示されないのだ。  世界を救うためにも、僕としては皆さん仲良くされて欲しいのですが・・・。  どうして僕の周りにメインキャラ達が集まるんですかっ!!  主人公が老若男女問わず好かれる話です。  登場キャラは全員闇を抱えています。  精神的に重めの描写、残酷な描写などがあります。  BL作品ですが、舞台が乙女ゲームなので、女性キャラも登場します。  恋愛というよりも、執着や依存といった重めの感情を主人公が向けられる作品となっております。

寄るな。触るな。近付くな。

きっせつ
BL
ある日、ハースト伯爵家の次男、であるシュネーは前世の記憶を取り戻した。 頭を打って? 病気で生死を彷徨って? いいえ、でもそれはある意味衝撃な出来事。人の情事を目撃して、衝撃のあまり思い出したのだ。しかも、男と男の情事で…。 見たくもないものを見せられて。その上、シュネーだった筈の今世の自身は情事を見た衝撃で何処かへ行ってしまったのだ。 シュネーは何処かに行ってしまった今世の自身の代わりにシュネーを変態から守りつつ、貴族や騎士がいるフェルメルン王国で生きていく。 しかし問題は山積みで、情事を目撃した事でエリアスという侯爵家嫡男にも目を付けられてしまう。シュネーは今世の自身が帰ってくるまで自身を守りきれるのか。 ーーーーーーーーーーー 初めての投稿です。 結構ノリに任せて書いているのでかなり読み辛いし、分かり辛いかもしれませんがよろしくお願いします。主人公がボーイズでラブするのはかなり先になる予定です。 ※ストックが切れ次第緩やかに投稿していきます。

転生したけど赤ちゃんの頃から運命に囲われてて鬱陶しい

翡翠飾
BL
普通に高校生として学校に通っていたはずだが、気が付いたら雨の中道端で動けなくなっていた。寒くて死にかけていたら、通りかかった馬車から降りてきた12歳くらいの美少年に拾われ、何やら大きい屋敷に連れていかれる。 それから温かいご飯食べさせてもらったり、お風呂に入れてもらったり、柔らかいベッドで寝かせてもらったり、撫でてもらったり、ボールとかもらったり、それを投げてもらったり───ん? 「え、俺何か、犬になってない?」 豹獣人の番大好き大公子(12)×ポメラニアン獣人転生者(1)の話。

平凡なぼくが男子校でイケメンたちに囲まれています

七瀬
BL
あらすじ 春の空の下、名門私立蒼嶺(そうれい)学園に入学した柊凛音(ひいらぎ りおん)。全寮制男子校という新しい環境で、彼の無自覚な美しさと天然な魅力が、周囲の男たちを次々と虜にしていく——。 政治家や実業家の子息が通う格式高い学園で、凛音は完璧な兄・蒼真(そうま)への憧れを胸に、新たな青春を歩み始める。しかし、彼の純粋で愛らしい存在は、学園の秩序を静かに揺るがしていく。 **** 初投稿なので優しい目で見守ってくださると助かります‼️ご指摘などございましたら、気軽にコメントよろしくお願いしますm(_ _)m

少女漫画の当て馬に転生したら聖騎士がヤンデレ化しました

猫むぎ
BL
※イヴ視点26以降(ハルフィリア編)大幅修正いたします。 見てくださった皆様には申し訳ございません。 これからも見ていただけたら嬉しいです。 外の世界に憧れを抱いていた少年は、少女漫画の世界に転生しました。 当て馬キャラに転生したけど、モブとして普通に暮らしていたが突然悪役である魔騎士の刺青が腕に浮かび上がった。 それでも特に刺青があるだけでモブなのは変わらなかった。 漫画では優男であった聖騎士が魔騎士に豹変するまでは… 出会う筈がなかった二人が出会い、聖騎士はヤンデレと化す。 メインヒーローの筈の聖騎士に執着されています。 最上級魔導士ヤンデレ溺愛聖騎士×当て馬悪役だけどモブだと信じて疑わない最下層魔導士

BLゲームの脇役に転生したはずなのに

れい
BL
腐男子である牧野ひろは、ある日コンビニ帰りの事故で命を落としてしまう。 しかし次に目を覚ますと――そこは、生前夢中になっていた学園BLゲームの世界。 転生した先は、主人公の“最初の友達”として登場する脇役キャラ・アリエス。 恋愛の当事者ではなく安全圏のはず……だったのに、なぜか攻略対象たちの視線は主人公ではなく自分に向かっていて――。 脇役であるはずの彼が、気づけば物語の中心に巻き込まれていく。 これは、予定外の転生から始まる波乱万丈な学園生活の物語。 ⸻ 脇役くん総受け作品。 地雷の方はご注意ください。 随時更新中。

性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました

まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。 性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。 (ムーンライトノベルにも掲載しています)

公爵家の末っ子に転生しました〜出来損ないなので潔く退場しようとしたらうっかり溺愛されてしまった件について〜

上総啓
BL
公爵家の末っ子に転生したシルビオ。 体が弱く生まれて早々ぶっ倒れ、家族は見事に過保護ルートへと突き進んでしまった。 両親はめちゃくちゃ溺愛してくるし、超強い兄様はブラコンに育ち弟絶対守るマンに……。 せっかくファンタジーの世界に転生したんだから魔法も使えたり?と思ったら、我が家に代々伝わる上位氷魔法が俺にだけ使えない? しかも俺に使える魔法は氷魔法じゃなく『神聖魔法』?というか『神聖魔法』を操れるのは神に選ばれた愛し子だけ……? どうせ余命幾ばくもない出来損ないなら仕方ない、お荷物の僕はさっさと今世からも退場しよう……と思ってたのに? 偶然騎士たちを神聖魔法で救って、何故か天使と呼ばれて崇められたり。終いには帝国最強の狂血皇子に溺愛されて囲われちゃったり……いやいやちょっと待て。魔王様、主神様、まさかアンタらも? ……ってあれ、なんかめちゃくちゃ囲われてない?? ――― 病弱ならどうせすぐ死ぬかー。ならちょっとばかし遊んでもいいよね?と自由にやってたら無駄に最強な奴らに溺愛されちゃってた受けの話。 ※別名義で連載していた作品になります。 (名義を統合しこちらに移動することになりました)

処理中です...