上 下
33 / 37

33   王女シャルロッテの謎

しおりを挟む
  ロッテの境遇を想像してか
自分の置かれていた悪夢の時間をロッテに置き換えたのか
シェアラさん、顔が青ざめてしまっている、
自分の両肩を抱きしめブルっと震えていた、僕はシェアラさんを抱きしめて
背中をなでる、優しく優しく、
「なんてかわいそうに、でも、どうしてそんなところにいたのかしら?」
「うん、わからないな」「ねえ、娘にしてはダメかしら、血筋に間違いはないし
たとえ平民の子であったとしても 養子として・・・」
最後は消え入るようだったけど
「僕は門を入るときに門衛にこういった、養子として連れてきた」
シェアラさんパーッと笑顔になると僕の両手を握り
「ヤーロー、ありがとう」「僕の方こそありがとう」

「ただいま戻りました。」ドリスが帰ってきた、「お帰り、」
「ワンピースを三着と 下着類、靴はサイズがわかりませんでしたので
子供用の室内履きを買ってきました。
髪を結ぶリボンを色々、あと、これからこの子の食事をご用意いたしますが
よろしかったでしょうか?」「お願いね」とシェアラ
ドリスが厨房に下がっていった、その時二階から泣き声が聞こえた、
「!」 なんとまあシェアラ、僕の世界渡り顔負けの速度で
二階に飛んで行った。「大丈夫よ、大丈夫、ここには怖い人はいないのよ」
ベッドわきにいて優しい声でシェアラが慰めている、僕が部屋入ると
ロッテは起き上がって僕に所にやってきた、
「お兄ちゃんなぁの」僕はロッテを抱き上げるとシェアラの前に行き
「ロッテちゃん このお姉さんは僕のお嫁さんだよ」
「お嫁さん? お兄ちゃんの?とってもきれいなの、」
「シェアラっていうんだよ仲良くしてね」
「知らない人と仲良くしたらいけないって お母様がおっしゃったの」
「お母様~~  ゥェ~~ン どこにいるの~~」
母親を思い出したのだろう、おびえた様子もうかがえる
シェアラは泣いているロッテを抱き上げると、ポンポンと背中をはたく
「だいじょうぶ、だいじょうぶよ、もう怖いことはおこらないよ」
しばらく慰めていると泣き止んでシェアラの頭を抱きしめて
頬っぺたのあたりをクンカクンカする、
「ウゥ? お母様と似た匂いなの」抱きしめたまま、また泣き出すが
泣き疲れたのか又眠ってしまった。
シェアラさん、変わらず背中ポンポン
「シェアラ、ちょっと聞きたいんだけど」「はい、なんでしょう?」
「シズ王国ってわかります?」「詳しくは解りませんが
この大陸はマードック大陸というんだけど」「うん」

ここから遥か東の方にここより大きな大陸があるらしく
その大陸の少し西側に小さな島国があってそこがシズ王国というとか
小さな船で近隣諸国と貿易をしてるらしく50年ほど前難破した船が
いたらしく我が国に流れ着き、つい数年ほど前なんだけど
望郷の念にかられながらこの地で死んだそうで
帝都のどこかにお墓があったはず、  という説明

「そんな遠い国の王女が私と同じ言葉を?」
「そうね、きっと恩恵ね」「そんな恩恵もあるんだね」
「千人に一人くらいかしら、結構多いともいえるのよ」

「ふぅ、こうして抱いていると結構重いわね、でもかわいい」
「ベッドに座ったら?」「そうするわ」
「見つけたときは汚れていたからわからなかったけど
髪も最近整えられている感じがするね」「身に着けていたものは
全てとっておきましょう、きっと何かの・・・」

ちょっと長話をしてしまったがドリスが麦粥に紫鳥の卵を
放したのを持ってきてくれた、少し冷ましてくれたらしい
するとロッテが鼻をヒクヒクさせて起きてきて
「KYURURURURU」とかわいくおなかを鳴らした、
「ロッテちゃん起きたのね、お食事よ」
「ロッテ おなかすいたの」「最初はゆっくり食べなくちゃだめよ」
「とってもおいしいの」「良かったわね」「もうなくなったの」
「急にいっぱい食べるとおなかがびっくりするから」
「もっと食べたいの お母様はいっぱい食べないと大きくなれないっていうの」
「じゃあ ドリス悪いけど今の半分ほどを」「はい」
ドリスが持ってきたのは三毛牛の乳で薄めた卵粥だった」
「ああ、さすがねドリス、」「たまごかゆは、   おいし い   の」
食べながら寝てしまった。
「ヤーロー悪いんだけど今日はここに泊ってゆきます、」
「そうしてください、僕はまっすぐシェアラの屋敷に行って、ここに護衛をよこすよ」
「ドリス、ロッテはおしっこしてないからあとで連れて行ってね」
「あ 確かにそうだったわ、ドリス私からも頼む」
「もちろんですが、多分奥様をご指名なさると愚考いたしますが」
「シェアラさん、ロッテが安心できるように一緒に寝てあげて」
「はい、もちろんですわ、ドリス今日の仕事はここまでね」
「シェアラ、夕食は護衛に届けさせるよ、じゃあまた明日にでも」

それにしても16歳にならぬうちに5歳の娘を授かるとは
早急に皇宮に届を出しに行こう、貴族籍に書き入れてもらわないと
こういうのはなんでも早め早め良い、
そしてロッテの立場は 元王女にして
ヤーロー・ル・コント・フェルリンドが第一子、フェルリンド伯爵令嬢
シャルロッテ・フェルリンド
だが同時に
シェアラ・ラ・コンテス・サザランドが第一子サザランド伯爵令嬢
シャルロッテ・サザランド、でもあるわけだが
紋章院はどう判断するだろう?身分的には領地もある僕の方なのか?

僕は羅王にまたがり、帝都をゆく、やがてシェアラの屋敷の門前についた、
「当家、主の夫ヤーロー、通る」「御夫君、どうぞお通りください」
まあ、僕は当主じゃないのでこうなるわけ、
シェアラ付きのメイド長にざっと経緯を話し、ロッテの受け入れの準備を
してもらう、そして一夜護衛の派遣、夕食をミーシャの武器店本店に
届けてもらう件を依頼してシェアラの屋敷に併設された僕の私室に
いったん下がる、なんか屋敷中が緊張に包まれた気がするが
それも仕方がない、何せいきなり 令嬢が出来そうなんだから、

普通、貴族同士、貴族と平民の養子縁組は紋章院に届け出て養子に出す方、
受け入れる方の同意書のごとき書類を提出して終わるらしいが
ロッテを養女にする場合はシズ王国、第三王女というのが問題だ、
さらに、すでに王国が滅亡しているという点もだが
  鑑定で現れるのだから、【第三王女】と、
    元第三王女ではなく
     滅亡してるのに?
ここで予想できることは、王国が何らかの形で命脈を保っている
 根拠は  シャルロッテ・※※※※← あいまいだが表示されている
そして第一、第二王女は在命だということ、もし亡くなっていれば
ロッテは第一王女と鑑定されるはず、
やはりここは丞相閣下にお願いするしかない、僕はさっそく
面会を求め、ライメント侯爵閣下の元へ使者を遣わした、
養子縁組など丞相閣下にとっては細事だろうけれど
外交もかかわることであればそうもいかないのだから、
最大の謎はシャルロッテはどうやってあの 廃 砦 に 来 た ?
ロッテは僕のように世界渡りができるのか?
他の人物がやったのか? 僕にしかできない技と断定はできない、


そうそう、ロッテとシェアラ、ドリス達だけど結局全員屋敷に連れ戻されたそうです。
万全な警備ができませんという理由だって、僕も考えが足りなかったな、
優先順位、ロッテ↘シェアラww
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。 だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった 何故なら、彼は『転生者』だから… 今度は違う切り口からのアプローチ。 追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。 こうご期待。

転生ヒロインと人魔大戦物語 ~召喚された勇者は前世の夫と息子でした~

田尾風香
ファンタジー
***11話まで改稿した影響で、その後の番号がずれています。 小さな村に住むリィカは、大量の魔物に村が襲われた時、恐怖から魔力を暴走させた。だが、その瞬間に前世の記憶が戻り、奇跡的に暴走を制御することに成功する。 魔力をしっかり扱えるように、と国立アルカライズ学園に入学して、なぜか王子やら貴族の子息やらと遭遇しながらも、無事に一年が経過。だがその修了式の日に、魔王が誕生した。 召喚された勇者が前世の夫と息子である事に驚愕しながらも、魔王討伐への旅に同行することを決意したリィカ。 「魔国をその目で見て欲しい。魔王様が誕生する意味を知って欲しい」。そう遺言を遺す魔族の意図は何なのか。 様々な戦いを経験し、謎を抱えながら、リィカたちは魔国へ向けて進んでいく。 他サイト様にも投稿しています。

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった

なるとし
ファンタジー
 鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。  特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。  武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。  だけど、その母と娘二人は、    とおおおおんでもないヤンデレだった…… 第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。

辺境領主は大貴族に成り上がる! チート知識でのびのび領地経営します

潮ノ海月@書籍発売中
ファンタジー
旧題:転生貴族の領地経営~チート知識を活用して、辺境領主は成り上がる! トールデント帝国と国境を接していたフレンハイム子爵領の領主バルトハイドは、突如、侵攻を開始した帝国軍から領地を守るためにルッセン砦で迎撃に向かうが、守り切れず戦死してしまう。 領主バルトハイドが戦争で死亡した事で、唯一の後継者であったアクスが跡目を継ぐことになってしまう。 アクスの前世は日本人であり、争いごとが極端に苦手であったが、領民を守るために立ち上がることを決意する。 だが、兵士の証言からしてラッセル砦を陥落させた帝国軍の数は10倍以上であることが明らかになってしまう 完全に手詰まりの中で、アクスは日本人として暮らしてきた知識を活用し、さらには領都から避難してきた獣人や亜人を仲間に引き入れ秘策を練る。 果たしてアクスは帝国軍に勝利できるのか!? これは転生貴族アクスが領地経営に奮闘し、大貴族へ成りあがる物語。

転生したら脳筋魔法使い男爵の子供だった。見渡す限り荒野の領地でスローライフを目指します。

克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作。面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります! 辺境も辺境、水一滴手に入れるのも大変なマクネイア男爵家生まれた待望の男子には、誰にも言えない秘密があった。それは前世の記憶がある事だった。姉四人に続いてようやく生まれた嫡男フェルディナンドは、この世界の常識だった『魔法の才能は遺伝しない』を覆す存在だった。だが、五〇年戦争で大活躍したマクネイア男爵インマヌエルは、敵対していた旧教徒から怨敵扱いされ、味方だった新教徒達からも畏れられ、炎竜が砂漠にしてしまったと言う伝説がある地に押し込められたいた。そんな父親達を救うべく、前世の知識と魔法を駆使するのだった。

大工スキルを授かった貧乏貴族の養子の四男だけど、どうやら大工スキルは伝説の全能スキルだったようです

飼猫タマ
ファンタジー
田舎貴族の四男のヨナン・グラスホッパーは、貧乏貴族の養子。義理の兄弟達は、全員戦闘系のレアスキル持ちなのに、ヨナンだけ貴族では有り得ない生産スキルの大工スキル。まあ、養子だから仕方が無いんだけど。 だがしかし、タダの生産スキルだと思ってた大工スキルは、じつは超絶物凄いスキルだったのだ。その物凄スキルで、生産しまくって超絶金持ちに。そして、婚約者も出来て幸せ絶頂の時に嵌められて、人生ドン底に。だが、ヨナンは、有り得ない逆転の一手を持っていたのだ。しかも、その有り得ない一手を、本人が全く覚えてなかったのはお約束。 勿論、ヨナンを嵌めた奴らは、全員、ザマー百裂拳で100倍返し! そんなお話です。

アイテムボックス無双 ~何でも収納! 奥義・首狩りアイテムボックス!~

明治サブ🍆スニーカー大賞【金賞】受賞作家
ファンタジー
※大・大・大どんでん返し回まで投稿済です!! 『第1回 次世代ファンタジーカップ ~最強「進化系ざまぁ」決定戦!』投稿作品。  無限収納機能を持つ『マジックバッグ』が巷にあふれる街で、収納魔法【アイテムボックス】しか使えない主人公・クリスは冒険者たちから無能扱いされ続け、ついに100パーティー目から追放されてしまう。  破れかぶれになって単騎で魔物討伐に向かい、あわや死にかけたところに謎の美しき旅の魔女が現れ、クリスに告げる。 「【アイテムボックス】は最強の魔法なんだよ。儂が使い方を教えてやろう」 【アイテムボックス】で魔物の首を、家屋を、オークの集落を丸ごと収納!? 【アイテムボックス】で道を作り、川を作り、街を作る!? ただの収納魔法と侮るなかれ。知覚できるものなら疫病だろうが敵の軍勢だろうが何だって除去する超能力! 主人公・クリスの成り上がりと「進化系ざまぁ」展開、そして最後に待ち受ける極上のどんでん返しを、とくとご覧あれ! 随所に散りばめられた大小さまざまな伏線を、あなたは見抜けるか!?

処理中です...