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31   試射 神の礫 なんとなく他のより威力弱そうな気がしてこれにしてみる

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勇者夫婦が赤っ恥をかいて皇帝陛下の評価を数段下げてしまい
シェアラの故郷の公国を簒奪して就いた辺境伯の地位も危ぶまれる始めた頃、
ヤーローとシェアラはというと
親善特使の任務はもう終わったということで帰国の準備に忙殺されていた、
帰国するとなると、またレセプションとやらで時間をとられてしまったが
滞在10の日でようやく出立できることになった、
帰途は特使という立場上国境までは王国騎士団の護衛もいて
そうそう襲われるなどというイベントなど発生するわけもなく
無事父の領地に着きセシルと両親に別れを告げて
国境で王国騎士団に国王陛下への感謝の手紙と護衛を担当した者と
同行しなかった騎士団長、副騎士団長に対して
特使からの感謝状と記念メダルを言づけた、メダルは古い時代の大金貨を
変造して作り替えた、もう現用金貨ではないから問題なし、
どこの国でも通貨の変造は全く斟酌無しで死罪、それも公開で火刑だからね
そして無事国境を越えて【金鷲の止木亭】は寄らず使者だけ遣わし
王国でなんとか買ってきた土産を渡すだけにした、
やっと我が国の帝都に到着、長かった、いろいろありすぎたよ

すぐさまその足で帰国報告、隣国国王の親書を皇帝に渡して、
ねぎらいの言葉を掛けられ御前を下がった、
これでやっとシェアラとあんなことやこんなことが出来る
ず~~っと我慢してたんだよ、道中ず~っと妹のセシルが引っ付いてたしね
嫌じゃなかったけどね 
皇宮正面で特使隊の解団式を行いすべての護衛、メイド、付け人らに
例のメダルを授与した、むろん参加した帝国騎士団員と参加はしなかったが
直接の上司である騎士団長、副騎士団長の分も
後に特使や大使の護衛らにメダルを授与する行為が
我が国に広がることになっていくのだが別の話

今、シェアラと二人 シェアラに代官を任せている
ネスレ子爵邸に来ている、そう、例の地下室計画
第一段階として屋敷の人員を研修と称して我が伯爵邸に移した、
維持、保守と警備の関係で5人だけ残したけど、
そして屋敷から離れた場所を掘り下げて地下室を造成中だ、
屋敷からは見えない位置、木立に隠れて見えない場所
区域を定めて収納することで屋敷の一階の形そのままに大穴が開く
ここからは人力で工事をすることになる、穴が開いてしまえば
見られても問題ない、
雨が入らないように全体を覆い屋敷の基礎の形でレンガを積んで地下室を造形してもらう
期間は一ヵ月、別段秘密でも何でもない、一部は使用人に開放するつもり
倉庫とか、ワイン貯蔵庫とか、作業場とか、だが大部分は
 廃品おたからの倉庫というわけだ、出来上がったら次の作業、屋敷をいったん収納して
地下室に重ねるだけ、地下室に並行してやや離れたところにレンガ造りの
大倉庫を3棟並べて建ててもらう、ここは穀物倉庫にする
子爵領には麦畑が多い、食料の安定供給は領地経営の基本だから
領主として当然、というより最低限の義務だろう
廃品回収では食料は生み出せないのだから

屋敷の改造にはまだまだ時間がかかる、今僕は羅王に乗ったシェアラと一緒に
子爵領地のはずれの草原に来ている、
何をするかといえば試し撃ち、 神の礫というのを使ってみようと思って
ここに来た、 目覚めた鑑定スキルで自分自身を鑑定して
神の矢、を鑑定してみたけど
『対象の狙いを固定して【神の矢】と意識して発動する、
ただし対象の真上からの攻撃で瞬滅する 大地が広範囲焼けただれるので使用には注意するべし』
神の槍、『神の矢を大規模にしたもの、大地が蒸発する、衝撃波が大陸上の生物をせん滅する』
だめだこんなもの使うわけにはいかない、
ということで 神の礫です。
神の礫『対象の狙いを固定して【神の礫】と意識して発動する
術者と対象を直線で結んだ石礫攻撃 対象に与える被害は1個体のみ霧散、反動は無い』
なんとなく他のより威力弱そうな気がしてこれにしてみることにした。

そして今、羅王とシェアラさんが弓矢の距離ほど僕の後ろにいる、
一里ほど離れたところに立っている木を対象に選ぶ、
3本の木の真ん中を狙う、というより見る
神の礫!  
?  あ 消えてるわ、  ってゆうか 静かすぎる
ただ消えただけ? 僕はシェアラを手招きし、一緒に羅王に乗る
羅王にトロットで駆けてもらい木のあった場所に、
真ん中の木は根こそぎ消えていた、木が有った印はぽっかりと空いた穴、
対象、敵と言い換えてもいいそれが、ただ消える、
あまりにワンサイドすぎる、見えさえすれば攻撃が通る これは悪魔の所業ではなかろうか
逆に言えば対象が見えない天気、濃霧、夜間、あ 夜間も僕には見えるか
そして濃霧でも見ることが出来ることに気が付いた、
三本の木は互いに枝が触れ合っていたはずだが真ん中だけが消えた、
もう少し検証が必要かもしれない、
そこで弓矢の距離の所の樅ノ木、何かの蔓が巻き付いている
蔓を対象から外して樅ノ木を狙う・・
神の礫!!今度は心の中で

樅ノ木は残らなかった、  支えを失った蔓が上からわさわさと落ちてきた、
「ねえ、ヤーロー その 能力ちからって使い道あるのかしら」
「うん、何かのかたずけには良いかもね」
「そうね、ただ消えてしまうだけかしら、どこかに送られてるとか?」
「う~~ん、霧散とあるから小さな塵にでもなったかも」
後はどんな大きさまでが対象になるのか、そこも研究課題
次に試す能力は【世界渡り】にするつもり、ロマンあるよね
帰宅したら寝る前に鑑定してみよう
「シェアラ、みんな心配するから帰ろうか?」
「そうね羅王に 騎乗のるのも久しぶりだし、ゆっくり行きましょう」

僕らの中ではこの能力は無かったことになったが
後に起こる異変でヤーローはこの能力を使い倒すことになるが今はまだ知らない、
そして草原の ランドマークになっていた樅ノ木と三つ子杉がわからなくなって薬草採りが数名
遭難騒ぎを起こすのだがヤーロは最後まで知らなかった、


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