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29   ハイデルベルク・ゲルグダッシュローザンヌ3世国王陛下に謁見

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鏡に映った僕の両眼が緑色になっていた、よく見ると
虹彩に五芒星の形に小さな文字のようなのがあるような気がする
あまりに小さくてよくわからないが何らかの文字だろう、
「シェアラ、僕の目、なんか変な文字が見えない?」
シェアラ、の顔が近づいてくる、
「何にも見えないわよ、色が変わったけど」
「星形のようなのは?」「いいえ」   自分にしか見えないのか?
それなら 見た目上みためじょうそれほど変に思われないだろう
少し安心する、目の中に文字のある人間などあり得ないのだから

僕の思いは目の事を離れてあの時の声のようなものに戻っていった、
失われしベルリーグ大陸とは眉唾な伝説にしか残っていない、
はるかいにしえに文明が発達しすぎて、
おごり高ぶった民は神の怒りをかって
一夜にして海中深くに没した大陸、という神話?云い伝えが残っている、

発動条件がそろいました? 何か発動するのか? 
とりあえず【神の光の矢】とか
【神の槍】、【神の いかずち】、【神の鎖】、【神の つぶて】、
【世界渡り】、【天の軍団召喚】? 
これらが僕には使える様になるらしいがどうも強力すぎるような気がするのだが?
使い勝手が悪いので今は封印しておこう、これではまるで神の使徒だ、

頭痛の時の『恩恵の階段を一段上がりました、
美と富の女神ラクシュミーの恩恵により遺失物の場所が見えるようになります、
内容も事前に把握できます』  これなら理解できるが
女神ラクシュミー、全然わかりません・・・
5000個になったので発動条件がそろいました、
なんとなく超古代通貨の数の事らしいけど発動?
発動しますか?の問いには今はしないとしたはずが直後にあの地獄の苦しみ

そして、僕は浴室でシェアラに犬のように丸洗いされている、
そして洗われながらシェアラに質問をしている、
「馬車で倒れる前のことなんだけど、いつもの収集収納をしてたのよね、そうしたらね」
と言って一つずつ聞いてみたわけ その結果 
シェアラ曰く鑑定で結果は視界の中に文字表示されるのは普通のこと、
その中の一文に意識を向けると内容がさらに詳しくわかる しかしそれは鑑定中位かららしい
失われしベルリーグ大陸に関しては神話にはあるが現実にあったとは到底思えない、
が、しかし全く否定もでき難いとのこと
超古代通貨は神話にさえ登場しない、ミスリルは希少金属で剣、ナイフ、
ごくまれに甲冑などにも使われることがある非常に硬くて強靭な金属、非常に価格が高い、 
 go&waに関しては説明のしようがないので聞かなかった
$&#””の燃料も聞かなかった、
5000個になったので発動条件がそろいましたに関してもわからない
恩恵の階段は聞いたことはある、
世界に数人いるらしいが 多分勇者?とか大バンガード帝国初代国王かも?とのこと、
美と富の女神ラクシュミー様に関しては、これも神話世界の物語にある、
帝国皇宮図書館に文献があるかもしれないとのこと、
さすがは元公爵令嬢のシェアラと感心するばかり
シェアラが言うには恩恵を授けてくれた神には捧げものが気持ちだけでも必要らしい、

女神カーマイト様は神殿に行けば正面の祭壇にご神体が安置されてるから問題なく
お祈りも捧げものもできるけど富と美の女神ラクシュミー様に関しては神殿もなく
どんなお姿なのかもわからないし、まずは心の中で御名を唱えて捧げものか?
御姿は帝国皇宮図書館で確認できれば良いけれど、どうなるかな

現在、我々特使隊はソーンズベリー伯爵の領都の高級宿を貸し切って泊っている、
明日あたりには父上も追いついてくるので同じ宿ではなく脇本陣の宿にお泊りいただこうと思っている
後、8の日ほどたったら王都に向けて出発しよう、
行きの旅なので部下たちは買い物などはあまりできない、
僕は平気だけど・・・
この面倒ごとは帰国してから領地に行って処理出来たらそうするつもりで今はすべて封印しておこう、
この国の王の体調不良もどうも怪しいし、確信は無いけど、そこで
元気を取り戻していただくためにも宝剣を
ハイデルベルク・ゲルグダッシュローザンヌ3世国王陛下に早々と献上する件
書簡にして王宮に使者を遣わした、二日して宰相閣下から返書がきた、
大意は、気を遣わせて済まない、
余も宝剣を見て元気を取り戻したいので二日後王宮「鳳凰の間」で
特使殿を出迎える、時間等は事務官と協議の事、では楽しみに待つ
ということだ、「急だなおい!」 なんとも現金な王様だと思わないでもない、
だがなんとなく父上の取り潰しは何とかなりそうだ、
すぐ父上に使いを出し二日後の特使の拝謁?なのでその翌日あたりに王都手前の
カレンダー伯爵領で待機をお願いしておいた、

そして、今僕たちはたった二人で王宮の「鳳凰の間」その玉座の前に立っている
皇帝の名代としての正使、副使という立場らしくカーテシーなどは不要とのこと、

件の宝剣は次の間で私の騎士3名と陛下の近衛騎士3名に囲まれてテーブルに鞘に納められ
テーブルに置かれている、


「神聖カーマイト帝国特使フェルリンド伯爵
並びに副使サザランド伯爵お役目果たされるが良い」
変わったばかりで名は存じ上げないがこの国の丞相が促す。
まずはシェアラが捧げ持つ親書を丞相閣下にお渡しする、丞相閣下はそれを捧げ持ち陛下に渡す、
それを熟読した体で「返書をしたためる、しばし待たれよ」と玉座わきから姿を消すが
とても今書いたとは思えない時間で返書を持ってきた、 早いよ陛下!

「特使殿は我が国王陛下に剣を献ずるとのよし、」「はい直ちに」
次の間から剣が運ばれてくる、ドアのあちら側で我が騎士たちからローザンヌ王国近衛騎士
6人で陛下の玉座前に運ばれる、部屋の全員が剣から十歩離れると陛下が玉座から立ち上がり
剣を手にするや否や布をほどく、鞘に収まった宝剣をスラリと抜いた、
「おおお!なんと見事な、言葉もないわ」
「いえいえ、陛下には物足りないのではと、危惧いたしております。」
「いや、 なんとまあ、丞相、どんな返礼がよかろうか?」
「陛下、これほどの物とは思わず、用意のものでは我が国が恥をかきます」
小声だけど聞こえてるよ宰相殿・・・
「そうであろうな」「どうだろう特使殿は何かあろうか?」
「陛下、丞相閣下、厚かましい願いがございます、私はもともとはこの国の臣でしたが
父に試練を言い渡され身一つで隣国にわたりましたところ、運よく立身できましたが
これも試練を与えてくれた
父のおかげかと思いますがその父に何か満分の1でも恩を返したく存じます、
父の領地に立ち寄ったところ何やら燐領の男爵ともめごとが起こり大変困っているようです
父は何も言いませんが、何とか手助けをしたいと思うのは子として当然の事、出来ますなら
なにとぞ斟酌いただければこれに勝る幸いはございません」

「フェルリンド伯爵の父とは?丞相、存じおるか?」
「グリッド男爵かと もめごとはゲールド男爵との間では?」
「さようか、特使殿、安心されるが良い、悪いようにはしないと確約しよう」
「陛下、まことに恐れ多いことでございます。」「これで返礼になるならば」
「ありがたき幸せ」
「陛下、丞相様こののち10の日ほど王都滞在をお許しください」
「特使殿には遠慮など致すな、1年でも2年でも」「陛下!それでは特使殿がかえって
困ることになりましょう」「それもそうか、迎賓館にて過ごすがよかろう」
「陛下、共の者たちに土産などを買う自由を与えたいので父の屋敷ではいけませんか」
「うむ、」陛下はちょっと考えてから 「うむ、慣例に反するが」
「陛下、土産程度ならば特使殿の部下の一部だけ男爵の屋敷では?」
と宰相殿、「ならばたまにわが父の屋敷を訪問するというのは?」
「そうよなあ、そのくらいであれば構わないか、だが我が国を移動中は
我が国の王国騎士団の護衛が付くが・・」
やっぱりそうなるか、仕方ない土産買ったら即、帰国だな
帰国の途中も王国騎士団が護衛任務に就くんだろうなぁ 気が重い
途中で【神の いかずち】、【神の鎖】、【神の つぶて】、なんか試したかったんだけど

まあこれでグリッド男爵領取り潰しの目は消えたことだし、ほっとしたよ
隣のゲールド男爵の件はどうしようもないだろうな
元はといえば王国が境界線を明確にしてなかったのが悪いのだし、ふむ、この件は
父にボソッとつぶやいてもらうか、はっきりしないとこれからも安心できない



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