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第28話
しおりを挟む「バレッサ」
入れ替わるようにシャワー室に消えていった彼は戻ってくるなり開口一番そう言った。
振り返るとダレス様__いや、グアハルドはベッドに腰かけて手招きしていた。
彼がシャワーを浴びている間に部屋はできるだけ暗くしておいたが、カーテンの隙間から漏れる日差しに変な背徳感を感じてしまう。
その感覚を無視してゆっくり彼に近づく。
手の届く範囲まで近づくと彼は強引に私の腰を抱き寄せた。
「背中の傷は大丈夫か?」
「手当てしてもらったので大丈夫で……大丈夫だよ」
敬語を使いかけてから彼と付き合っていた時のことを思い出して言い直す。
するとそれに気づいたのかグアハルドの口元は緩み、抱き寄せる腕に更に力がこもった。
「あぁもう……本当に可愛いな」
そう言うと彼は私の髪の毛を優しく撫で始めた。
昔と比べると随分短くなってしまったが彼は全く気にしていないようだ。
しばらくそれを受け入れた後で彼の身体に体重を預けると彼は嬉しそうに首に軽くキスをしてきた。
「機嫌いいね」
「当たり前だ。お前が甘えてくれたからな」
そんな言葉と共に腰を撫で上げられてしまえば思わず身体から力が抜けてしまう。
その隙に彼は私をベッドに押し倒すと、逃がさないとばかりに両手を頭上でまとめてきた。
「久しぶりにお前を堪能できるな」
「言い方」
「別に間違っていないだろ?」
グアハルドは私の額に口づけを落とすとゆっくり顔を近づけてきた。
それに応えるように目を閉じると最初は軽く触れるだけ、その後はお互いの唇を味わうように舌を絡めていく。
久しぶりのキスに酔いしれていると、パーカーの裾から彼の左手が侵入してきた。
脇腹を優しく撫でられればくすぐったくて身をよじると彼は少しだけ笑って今度は舌で首をなぞってきた。
「相変わらず首が弱いんだな」
「っ……ぁ、ちょ、そこでしゃべらなっ……」
首筋を舐め上げられる感触と耳元で囁かれる言葉に背筋にゾワゾワとしたものが這い上がってくる。
しかしそれを悟られまいと声を抑えようとすればするほど彼の手は好き放題に這い回っていき、私はあっという間に追い詰められていった。
「脱がせるぞ」
「わざわざ言わないで」
「相変わらず肌が白いな。サラシはもう巻かないのか?」
「どうせ脱ぐのにわざわざ巻くのが面倒だったの」
そんな話をしながら衣服を全て剥ぎ取られる。
私の服を全て脱がし終えると彼も上半身の服を脱いでくれた。
程よく筋肉のついた上半身に見惚れていると彼はくすりと笑った。
「穴が開くほど見つめてくれるな。恥ずかしいだろ」
「嘘ばっかり」
「本当なんだがなぁ……なんなら触ってみるか?」
そう言うと彼は私の手を自分の腹筋に引いた。
触れた部分から伝わる彼の体温に心臓が大きく跳ね上がる。
そんな私の様子を楽しそうに見つめている彼に何とも言えない恥ずかしさを感じた私は思わず顔を逸らした。
「そうやって恥ずかしがる所も可愛いな」
「……もう、黙って」
そう言って顔を背ければ、彼は愉快そうに笑って私の身体をなぞり始めた。
彼の大きな手が身体の線をたどり、そのまま胸の突起を軽く弾かれる。
それだけで甘い声が漏れそうになり慌てて口を押さえた。
「声を抑えなくていいんだぞ」
「嫌だって……っぁ」
彼はもう一度深いキスをした後、胸を包み込むように揉んできた。
まるで愛おしむようなその動きに段々と甘い声が堪えられなくなる。
「ん……ぅ、あっ」
「やっぱりバレッサの声好きだな」
そう言って彼は私の胸の突起を口に含み、舌で転がすように愛撫し始めた。
同時に空いている手でもう片方の胸を揉みしだかれればあっという間に思考が快楽に塗りつぶされていく。
久しぶりの快感に身体は正直に反応してしまい彼に触れられる度に奥の奥から蜜が溢れ出す。
しかし彼は期待させるように太ももをゆっくりと撫でるだけだ。
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