8 / 16
入学式
しおりを挟む
「ただいまより、ベレキルンダ学園入学式を始めます」
司会の人の声が聞こえたため目を開けると、檀上から顔を顰めてこちらを凝視しているランハートと目が合った。
気まずくなって視線を逸らすと、ちょうどそのタイミングでランハートが呼ばれたのが聞こえた。
「国王陛下、よろしくお願いいたします」
「紹介に預かった、現国王のランハート・ロガディードだ。この学園は出生関係なく存分に学ぶことができる場所だ。これからは学生として学び、時には仲間と協力し合い、助け合いながら更なる成長を目指してほしいと思う」
ランハートの声は低く落ち着いていて聞きやすく、それでいて人を惹きつける話し方だった。
今まで聞いたことはなかったが、やはり彼は人の上に立つ者としてとても優秀なのだろう。
「そして今年度から国家医師のロナを国の代表視察員兼養護教諭として定期的に派遣することが決定した。学園内で見かけることがあっても不審がらないで欲しい。そして何かあった場合はすぐに報告するように」
「ただいま説明にありましたロナ・ロイルと申します。国家医師ではありますが、この学園では一教員として接していただければと思いますのでよろしくお願いいたします」
ロナはそう言うと綺麗なお辞儀をした。
なるほど、じゃあ私もロナと気軽に話すことは控えた方が良いようだ。
2人が壇上の席に戻ると再び司会の人が進行を進めた。
「では、次に理事長からのお言葉です」
その言葉と同時に壇上に上がったのは高身長の女性だった。
整えられた腰まである髪は毛先が緩くウェーブがかかっており、垂れ目がちの瞳の色はグレーだった。
彼女はスカートの端を持ち上げながら軽い挨拶をすると、柔らかく微笑んで口を開いた。
「理事長のソフィア・ダトノです。皆さま、ようこそベレキルンダ学園へ。これから学生生活の中で何かありましたらすぐに私に相談してくださいね」
彼女の声はまるで子守唄のように優しく響くためか、全体的に皆の肩の力が抜けた様に感じる。
心なしか会場全体の空気が暖かいものに変わった様に感じた。
「学生の本分は勉強ですが、それと同じくらい大切なことは友達を作ることです。皆さまの周りにいる人と仲良くしましょうね」
理事長は柔らかい笑みを浮かべながらそう話すと、会場が拍手で包まれた。
その様子をにこにこしながら見ていた理事長は再び口を開いた。
「皆様の今後の成長を楽しみにしております。どうか、皆様が世界の光となりますように」
司会の人の声が聞こえたため目を開けると、檀上から顔を顰めてこちらを凝視しているランハートと目が合った。
気まずくなって視線を逸らすと、ちょうどそのタイミングでランハートが呼ばれたのが聞こえた。
「国王陛下、よろしくお願いいたします」
「紹介に預かった、現国王のランハート・ロガディードだ。この学園は出生関係なく存分に学ぶことができる場所だ。これからは学生として学び、時には仲間と協力し合い、助け合いながら更なる成長を目指してほしいと思う」
ランハートの声は低く落ち着いていて聞きやすく、それでいて人を惹きつける話し方だった。
今まで聞いたことはなかったが、やはり彼は人の上に立つ者としてとても優秀なのだろう。
「そして今年度から国家医師のロナを国の代表視察員兼養護教諭として定期的に派遣することが決定した。学園内で見かけることがあっても不審がらないで欲しい。そして何かあった場合はすぐに報告するように」
「ただいま説明にありましたロナ・ロイルと申します。国家医師ではありますが、この学園では一教員として接していただければと思いますのでよろしくお願いいたします」
ロナはそう言うと綺麗なお辞儀をした。
なるほど、じゃあ私もロナと気軽に話すことは控えた方が良いようだ。
2人が壇上の席に戻ると再び司会の人が進行を進めた。
「では、次に理事長からのお言葉です」
その言葉と同時に壇上に上がったのは高身長の女性だった。
整えられた腰まである髪は毛先が緩くウェーブがかかっており、垂れ目がちの瞳の色はグレーだった。
彼女はスカートの端を持ち上げながら軽い挨拶をすると、柔らかく微笑んで口を開いた。
「理事長のソフィア・ダトノです。皆さま、ようこそベレキルンダ学園へ。これから学生生活の中で何かありましたらすぐに私に相談してくださいね」
彼女の声はまるで子守唄のように優しく響くためか、全体的に皆の肩の力が抜けた様に感じる。
心なしか会場全体の空気が暖かいものに変わった様に感じた。
「学生の本分は勉強ですが、それと同じくらい大切なことは友達を作ることです。皆さまの周りにいる人と仲良くしましょうね」
理事長は柔らかい笑みを浮かべながらそう話すと、会場が拍手で包まれた。
その様子をにこにこしながら見ていた理事長は再び口を開いた。
「皆様の今後の成長を楽しみにしております。どうか、皆様が世界の光となりますように」
0
お気に入りに追加
4
あなたにおすすめの小説
超実力至上主義序列第一位
山椒
ファンタジー
その学園は貴族や優秀な人材が集まる超実力至上主義の学園。
魔法や武の実力が高ければ上に行け、負ければ自身の権利、所有物、尊厳でさえも奪われる学園。たとえ相手が貴族であろうとも決闘で決まったことは一切の例外はない。
序列第一位は生徒会長になりその学園のルールを定め、好き放題できる権利を持つ最強。
その学園に入学してきた貧乏な男爵家の跡取りがいた。
その男子生徒は無駄を嫌い、できることならまったりとしたいという理由で学園に入り生徒会長になっていた。
なお男子生徒は多忙を極める。
男女比世界は大変らしい。(ただしイケメンに限る)
@aozora
ファンタジー
ひろし君は狂喜した。「俺ってこの世界の主役じゃね?」
このお話は、男女比が狂った世界で女性に優しくハーレムを目指して邁進する男の物語…ではなく、そんな彼を端から見ながら「頑張れ~」と気のない声援を送る男の物語である。
「第一章 男女比世界へようこそ」完結しました。
男女比世界での脇役少年の日常が描かれています。
「第二章 中二病には罹りませんー中学校編ー」完結しました。
青年になって行く佐々木君、いろんな人との交流が彼を成長させていきます。
ここから何故かあやかし現代ファンタジーに・・・。どうしてこうなった。
「カクヨム」さんが先行投稿になります。
俺、貞操逆転世界へイケメン転生
やまいし
ファンタジー
俺はモテなかった…。
勉強や運動は人並み以上に出来るのに…。じゃあ何故かって?――――顔が悪かったからだ。
――そんなのどうしようも無いだろう。そう思ってた。
――しかし俺は、男女比1:30の貞操が逆転した世界にイケメンとなって転生した。
これは、そんな俺が今度こそモテるために頑張る。そんな話。
########
この作品は「小説家になろう様 カクヨム様」にも掲載しています。
ゲームのモブに転生したと思ったら、チートスキルガン積みのバグキャラに!? 最強の勇者? 最凶の魔王? こっちは最驚の裸族だ、道を開けろ
阿弥陀乃トンマージ
ファンタジー
どこにでもいる平凡なサラリーマン「俺」は、長年勤めていたブラック企業をある日突然辞めた。
心は晴れやかだ。なんといってもその日は、昔から遊んでいる本格的ファンタジーRPGシリーズの新作、『レジェンドオブインフィニティ』の発売日であるからだ。
「俺」はゲームをプレイしようとするが、急に頭がふらついてゲーミングチェアから転げ落ちてしまう。目覚めた「俺」は驚く。自室の床ではなく、ゲームの世界の砂浜に倒れ込んでいたからである、全裸で。
「俺」のゲームの世界での快進撃が始まる……のだろうか⁉
道具屋のおっさんが勇者パーティーにリンチされた結果、一日を繰り返すようになった件。
名無し
ファンタジー
道具屋の店主モルネトは、ある日訪れてきた勇者パーティーから一方的に因縁をつけられた挙句、理不尽なリンチを受ける。さらに道具屋を燃やされ、何もかも失ったモルネトだったが、神様から同じ一日を無限に繰り返すカードを授かったことで開き直り、善人から悪人へと変貌を遂げる。最早怖い者知らずとなったモルネトは、どうしようもない人生を最高にハッピーなものに変えていく。綺麗事一切なしの底辺道具屋成り上がり物語。
異世界楽々通販サバイバル
shinko
ファンタジー
最近ハマりだしたソロキャンプ。
近くの山にあるキャンプ場で泊っていたはずの伊田和司 51歳はテントから出た瞬間にとてつもない違和感を感じた。
そう、見上げた空には大きく輝く2つの月。
そして山に居たはずの自分の前に広がっているのはなぜか海。
しばらくボーゼンとしていた和司だったが、軽くストレッチした後にこうつぶやいた。
「ついに俺の番が来たか、ステータスオープン!」
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる