112 / 142
112.誘ったのに……何その反応?
しおりを挟む「レイドも、照れることあるんだな~?」
レイドが走り去った後。俺は、暫くの間は呆気に取られていたが……。
あれは、照れていたのだと思い至った。
レイドには、ヤツィルダの記憶を取り戻したとは言ったけど。禁術機の術により、心の中までもを見たのだとは、しっかりと伝えていなかった。
だから、レイドはそれに気が付き。恥ずかしさと照れによって、逃げてしまったのだろう。
うん、凄い分かる。俺なんて、自分の気持ちに気が付いただけで逃げたし。心の中を覗かれたなら、キレて当たっちゃうかも。……あれ、レイドのが優しくない?
――ふわりふわりと光粒の種が、目の前を飛んでいる。
何気なく、それを手の中に捕らえた。
――ピロン。
--------
高∶流れる光粒を捕まえよ。【1╱1】
-達成-
【勇名レベルが390になりました】
--------
「あ、ああっ!! すっかり、これの存在忘れてた!」
そうか、そうだったな~!! レベルが390かぁ……。
「うん~? あれ? じゃあ、これって……。やっぱ、500にはならな――」
――ピロン。
【全ての勇名を達成した為、シークレットが解放されました。】
--------
至高∶己の愛する者を見つけよ。【1╱1】
-達成-
【勇名レベルが500になりました】
--------
【シークレットの達成により、封印されていた核の妊娠機能を解除致します】
「へ? は、はぁ~……。あ~、成る程な……。うん、そうだったんか~……」
いや、おかしいと思ったんだよな~?
レイドに、核は性別がないみたいなことを言われたのにさ……。俺、あんなレイドにヤられても、一向に子供が出来なかったからな。
まぁ、色々と禁術機との問題が山積みだったから……妊娠機能が封印されてて助かった。
じゃなきゃ。子供妊娠しながら、あっち行ったり、こっち行ったりなんて、そんなのかなりキツいだろ……。
もしかして、これも、白がつけてくれたのかな……?
だとしたら、本当に凄いな~! まるで、こうなるのを分かって、計算してたみたいだ。
俺が、レイドへの気持ちに気が付く。その瞬間までもを……全て――――。
手を開くと、光粒の種は宙をふわりふわりと飛び。俺の居るところから離れて行った。
ダンジョンの外へと飛んで行きそうな、光粒の種を目で追っていたら。いつの間にか、そこに居たらしいレイドと、パチッと目が合う。
「おっ! レイド、おかえり~!!」
「あ、ああ……。ただいま……っ、ヤ、ヤツ……」
レイドは、また少し頬を染め。俺を『ヤツ』と呼んでくれた。
く、くぅ~! なんだか、可愛いなぁ~!!
「なぁ……。レイド、こっち来て」
「……?」
俺が、自分の隣をポンポンと叩くと。レイドは、不思議そうにしながらも、俺の隣へと座った。
「レイド、あのさ~!」
「ん? なんだ……?」
俺は、レイドをじっと見詰めて――。
「俺とセックスしよーぜ! それで、レイドの子供、孕ませて?」
「――ぶはっ!?」
レイドは、咳き込み。信じられない、というような顔を、俺に向けてきた。
ん? あれ~? 喜んで飛び付いてくると、思ったんだけど……?
「え? レイド、どうした……? ほら、俺の身体、レイドの好きにしていいからさ……。全部、レイドにあげるよ?」
とりあえず、脚を大きく広げて――へい、カモン~!! ってポーズをしてみる。
痴女の真似をするのは、どうかと思ったけど……。誘い方がいまいち分かんないから、これしか考え付かなかったんだ。
……そういや今、ヤマダの時には絶対に嫌だって思ってた、告白の言動しちゃってんな。
ま、元はこの世界の人間でもあるから、いっか!
「ん……? え? ちょっ、ちょっと……?」
――レイドの顔が、またジワジワと赤くなっていき。後退りするかのように、後ろへと下がって行った。
はぁ~? おい、おい!! なんで、そんなチェリーボーイみたいな反応するんだ?
え……。しかも、なんか……。レイド、目をウルウルさせてない?
俺が、いたいけな少年に強要してる、みたいな図になってんじゃん!?
俺に、あんなズッコンバッコンしてたくせによ~! ふざけんなー!!
「そうか、そうか。分かった……――じゃあ、俺がレイドをその気にさせてやるからな……?」
目を見開いているレイドに向かって、俺はそう言い。ニッコリと微笑む。
0
お気に入りに追加
124
あなたにおすすめの小説
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
女性が全く生まれない世界とか嘘ですよね?
青海 兎稀
恋愛
ただの一般人である主人公・ユヅキは、知らぬうちに全く知らない街の中にいた。ここがどこだかも分からず、ただ当てもなく歩いていた時、誰かにぶつかってしまい、そのまま意識を失う。
そして、意識を取り戻し、助けてくれたイケメンにこの世界には全く女性がいないことを知らされる。
そんなユヅキの逆ハーレムのお話。
身体検査
RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、
選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。
愛がなければ生きていけない
ニノ
BL
巻き込まれて異世界に召喚された僕には、この世界のどこにも居場所がなかった。
唯一手を差しのべてくれた優しい人にすら今では他に愛する人がいる。
何故、元の世界に帰るチャンスをふいにしてしまったんだろう……今ではそのことをとても後悔している。
※ムーンライトさんでも投稿しています。
俺の義兄弟が凄いんだが
kogyoku
BL
母親の再婚で俺に兄弟ができたんだがそれがどいつもこいつもハイスペックで、その上転校することになって俺の平凡な日常はいったいどこへ・・・
初投稿です。感想などお待ちしています。
黄色い水仙を君に贈る
えんがわ
BL
──────────
「ねぇ、別れよっか……俺たち……。」
「ああ、そうだな」
「っ……ばいばい……」
俺は……ただっ……
「うわああああああああ!」
君に愛して欲しかっただけなのに……
目覚めたそこはBLゲームの中だった。
慎
BL
ーーパッパー!!
キキーッ! …ドンッ!!
鳴り響くトラックのクラクションと闇夜を一点だけ照らすヘッドライト‥
身体が曲線を描いて宙に浮く…
全ての景色がスローモーションで… 全身を襲う痛みと共に訪れた闇は変に心地よくて、目を開けたらそこは――‥
『ぇ゙ッ・・・ ここ、どこ!?』
異世界だった。
否、
腐女子だった姉ちゃんが愛用していた『ファンタジア王国と精霊の愛し子』とかいう… なんとも最悪なことに乙女ゲームは乙女ゲームでも… BLゲームの世界だった。
主人公の兄になったなんて知らない
さつき
BL
レインは知らない弟があるゲームの主人公だったという事を
レインは知らないゲームでは自分が登場しなかった事を
レインは知らない自分が神に愛されている事を
表紙イラストは マサキさんの「キミの世界メーカー」で作成してお借りしています⬇ https://picrew.me/image_maker/54346
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる