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33.嬉しくない、再会

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「そういえば、直ぐにギルドに向かってたから、その時にちゃんと聞けなかったけど……。レイドに情報をくれた人って、どうやって禁術機の場所とかを特定したんだ?」

 俺達は、ダンジョン許可証を得て。そこに向かっていた。
 聞くと、意外とここの近くにあるらしい。

「それは、前に話しただろう? 禁術機には磁気が発生していると……。それを特殊な機械で読み取っている。流石に、遠すぎると捉えることは出来ないが。ある程度の距離ならば、その場所を特定することも可能だ」

 おお~成る程な! ……ってかさ、なんか変なところで近未来なところがあるよな、この世界。



 △▼△▼△▼△▼


 ――1時間後。

 おい、近いんじゃね~のかよ!


「お前さ、前に空間魔法使ってなかった? それで、パパッと飛べたりしないの?」

 俺が、輝石の時にだけど。レイドは何度か、それで場所を移動していた。

「あれは、魔力を大量に消費する。だから、本当に急を要する時に使っていた。今回は、禁術機との戦闘になる可能性が極めて高いから、力は温存しておいた方が賢明だろう」

 まあ、確かに高度な術だもんな。

 多分、レイドしか使えないよな?
 俺も含め、それを使える魔術師を見たことないし……。


「あ、もしかして……あれか?」
「そうみたいだな」


 漸く、件のダンジョンへと到着した。


「ん~。中は、俺のとあまり変わらないんだな?」


 何か、ダンジョンそれぞれの個性でもあるのかと思っていたが。俺のと同じ、普通の洞窟内だった。


「――何故、この場所にいる?」


 隣に歩いていたレイドが。ピタリとその歩みを止め、抑揚のない声を発していた。

 レイドは、どこか一点を睨み付けているようだった。


「え? レイド、どうした?」


 その鋭い視線を辿っていくと――。


「はあ? 何で、痴女がいるんだ……?」


 ナース服女、改め。痴女が、こちらに熱い視線を向けていたのだ。


「ち、痴女なんて……ひどいです~」

 いや、痴女だろ? 色々と。

「てか、お前。なんで此処……うわぁっ!?」

 痴女の方から、ビリビリッ! と音が鳴ったと思ったら。電撃のようなものがこっちに襲ってきた。

 俺は直ぐに、高く飛び。それを避ける。

 電撃のようなもの――前に、レイドに当ててたものに似ているから……。まさか、禁術機か?

 その時は、まだ俺は輝石だったけど。それでも意識を落としてしまったから、当たるのは危ないかもしれない。


 あっ!! そういや、レイドは大丈夫か?

 俺は、周りを見渡す――――。


「ヤマダ、無事か!?」

 レイドが、スタッ! と俺の近くに下り立つ。

「おう、見ての通り」

 良かった。レイドも避けれたようだ。

「避けないで下さい~! 次は、私とハートシア様がラブラブするんです! 貴方から奪っちゃいますからっ! はぁ、はぁ……」

 え……? な、なに? キモっ!

 既に、めっちゃくちゃ気持ち良さそうな顔してんだけど?

 やっぱ、すげーヤバい痴女じゃん。

「本当は、もっと早くに、ハートシア様と私は結ばれるはずだったんですよ? あのバカ勇者を誘導して貴方を消させるように仕向けたのに、上手くそれが出来なかったせいで……。だから、ハートシア様の目も覚めないんですよね? でも、大丈夫です! 私がこれで救ってあげますからっ! 外に出れる変わった核だから、気になっちゃってるだけですよね? ちゃんと分かってますよ!」


 やっぱり、お前が原因かっ!!


 あの時は時間もなかったから、事実確認が出来なかったからな。

 ってか、普通にこいつも、バカ勇者とか言ってるんだけど……。しかも、気になってる理由とかも勝手に決めつけてるしさ~。


 はぁ、取り敢えず今は――禁術機を、あの女から奪い取らないとだよな……。

 はぁあ~! 本当、クソ面倒くさいなっ! 一体、なんであいつが持ってんだよ!?

 電撃みたいのを避けながら行けるか?

 まぁ、あいつ自体はたいしたことないし。素早く近づけば、あいつが気付かないうちに間合いに入れるかな……?


 俺は、その痴女に向かう為。足を踏み込んだ。


 ――ゾワワワッ!!


 けれど、凄い寒気を近くで感じ。俺は動きを止めてしまう。


「貴様が、原因だったのか……」


 低い声を出したレイドに驚き、隣を見ると――。


「えっ? ――ッ!? ちょっと待てっ!!」


 レイドは、極級魔法を辺り一面に展開し。それを全て、痴女へと向けていた。


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