ダンジョンの核に転生したんだけど、この世界の人間性ってどうなってんの?

未知 道

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25.強制解術だって? ※

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「はあっ、はあっ……んん! い、いつ? いつ、なんだよ、ま、まだ……?」


 俺が行為を初めた時には明るかった窓の外が、暗くなる程。長い時間が経過していた。


 お腹が、苦しい。こ、これ、大丈夫だよな?

 こいつの出したもので、俺の腹がポッコリ膨れ上がっちゃってるんだけど……。
 なんで、こんなになってんのに、妊娠出来ないんだ?

 もしかして、こいつ種ないんじゃね?
 それか、俺がやっぱり妊娠出来ないとか……?

 え? じゃあ、ずっとこのまま……――?


 俺は、もしそうだったらと怖くなり。縋るように、変態を見てしまった。


「ヤ、ヤマダ……っ! そんな、エロい顔をっ! はぁっ、ま、た……! ――――くっ、んん!」

 まるで、叩き付けるかのような熱がナカに注がれ。あまりの力強さに、びくりと身体が跳ねた。

「んん……っ!? お、俺っ! ま、まだ、何も、してな、い……っ、ぅう……」


 今までの中で、一番長く射精をしている――――。


「はぁっ……! やっと、収まったぁ……」


 羨ましいくらいに引き締まった胸へと、ばふんとダイブする。

 おお~。これ、意外と寝心地よさそう……。


「ちょ、ちょっとだけ、休憩させてく――」


 ――【パリンッ!】


「……ん?」


 何かが、割れたような音が耳に入った。


 ――ガガ……。

【エラーを感知、解析を始めます――――ジジジ……。――――赤の禁術機きんじゅつき〖愛の掌握しょうあく〗の術にかかった対象者が強制解術されました】

 ――ガガ……。

【赤の禁術機〖愛の掌握〗の機能停止を確認】

 ――ガガ……。

【それにより、連結が外れます】

 ――ガガ……。

【全ての禁術機が、制御不可能となりました】



「え? なに……?」

 身を起こそうとしたら、その前にグイと身体が起こされる。見ると、俺は変態に抱き抱えられていた。

「あっ! 良かった、動けるようになったんだな」
「ああ、ヤマダありがとう。お陰で、術が解けたようだ」
「じゃあ、子供が出来たってことか……?」
「いや、恐らくは……。強制解術されたことで、禁術機が壊れたからだろう」

 禁術機……? さっき、システムの声みたいなのが、そんなこと言ってたな。

「その禁術機って、なんだ?」
「……禁術機は、知らぬ間にどこからか現れた、非常に危険な力を持つものだ。それにより、魔術塔で厳重に保管されていた筈なんだが……――これは一体、どういうことなのかを聞かねばならない」

 変態が、冷たく睨みつけているところに俺も視線を向けると――。

 ナース服女が顔を赤らめて、こちらを見ながらオナっていた。


「な、なんだ、あいつ……? ヤバ過ぎだろ」
「ヤマダ、今は満足させてあげられなくてすまない。また、今度二人きりで。こんなものより、もっと、もっと、たくさん気持ち良くしてあげるから……許してくれ」
「…………お前は、馬鹿か?」


 どいつもこいつも、すげーヤバ過ぎだろ。



 △▼△▼△▼△▼


 あの後、ナース服女から聞き出すと。

 実は、馬鹿は魔術塔の最高責任者――塔主の隠し子だったらしい。

 その塔主は、妻がちゃんといるのに隠れて愛人を作り、更には馬鹿という子まで産ませてしまった。

 そんな事は勿論、大っぴらには出来ないようなものである。

 だから、周囲に厳重に口止めをしていたらしいが。それを分かっていた馬鹿は、調子に乗り。自分の父を脅し、その禁術機を自由に持ち出したり普通に使ったりもしていたという。

 そして、このナース服女に頼まれ。気前良く貸していたというのが、今回の事を引き起こしたということだった。

 あと、ナース服女が馬鹿の居場所が分かると言ったのは嘘だったようで……。俺が最低だなって言っても、反応が薄く。何故か、ずっと顔を赤らめて俺達をじ~っと見ていた。

 それから、ナース服女は。変態がいつの間にか呼んでいたらしい、警備の者に連れて行かれた。

 連れて行かれている間も、こちらを見て恍惚な表情を浮かべ息を荒げていて……マジで意味が分からなくて本当にキモかった。


 ――ナース服女が部屋から去って、直ぐ。俺は禁術機はどういうものかを変態から聞いた。

 禁術機は変態が発見し、それを制御した後。それを欲していた魔術塔へと、そのまま管理を頼んだという。

 魔術塔の研究者が解明していくと。禁術機は、魔力さえ流せばどんな人でも使う事が出来るという事が分かり。

 極級魔術師でさえも抑え込む程の、強力な術が発動することから。あまりにも危険だということで、禁術とされたようだ。

 変態も全ての禁術機に、どのような特性が備わっているかは知っていたが。解術に関しては知らない――というよりは、あえて魔術塔がそれに関する情報を変態に隠していたようであった。

 恐らく魔術塔は、古代魔術師の力を脅威と見なしている。

 だから、もし何かあれば禁術機を使おうとしていた為。変態に解術方法を知られては、その対処をされてしまうと思い、隠していたのだろう。


 変態は、その事には気が付いていたが、そのまま黙認していたみたいだ。

 何故なら、禁術機に関しては対処をすること事態が出来ないようであり。知っても知らなくても変わらないからと、わざわざそれを聞き出すことをしなかったということだった――――。


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