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14.謎すぎる深い愛も、たまには使える
しおりを挟む「よし! ダンジョン来る奴らに積極的に攻撃をしているから、その勇名は上がって来てるな。けど、結局は一番上しか出来なくないか? これ……」
防御と回避は……。中二病達の攻撃が俺に向けられた瞬間、幸運スキルで勝手に弾いちゃうから無理なんだよな~。
それで、やっぱり拘束魔法は勇名に加算されないようだった。だから勿論、回避の勇名は上がらないだろう。変態は拘束魔法しか撃たないからだ。
という事は、例えその拘束を弾くことが出来るようになっても、防御の勇名だって上がらないだろう。
ただ、それを抜きにしても。早く拘束魔法を無効化したいんだよな~本当に怖いんだよ。あいつ……。
「はあ~。変態以外では、俺に攻撃すら出来る奴いねぇ~からな。――ん? まてよ」
ある! あるじゃん!! 一つだけ可能性があるじゃんかっ!!
△▼△▼△▼△▼
――ゾワワワッ!!
「よし、来たな!」
俺は、飛んできたものを避けた。
「ヤマダ。早く、俺の想いを受け取ってくれ……」
よし、通常運転でもあるな。
「俺を愛してるならさ――……頑張ってくれよっ、と!!」
「え……? ま、待てっ!!」
俺は、自分に向かって極級攻撃魔法を撃ちまくる。
「ヤマダっ!! やっ、止めろっ!! ……くっ!」
直ぐ、変態がそれらに向けて攻撃魔法を放った。
「ふっ! はい、はい、ほいっさ~!」
俺は、その変態の攻撃に敢えて向かい。避けたり、逆に防御しながら当たったりした。
普通、防御していたとしても、極級魔法など食らったら一瞬であの世行きだが。俺の魔法防御力は、半端じゃなく高いからチョイと痺れるくらいで済んだ。(実は、以前に自分自身で試してみた)
だから、変態が必死なのがアホみたいに感じるんだよな~。俺への謎すぎる愛が深すぎて、恐ろしいわ。
「ヤ、ヤマダ……? 一体、何をして?」
「口を動かす暇があったら、お前はさっさと魔法を撃ちやがれ!」
変態の攻撃が、全て消えてしまったので。俺は、自分に向かって再び魔法を撃つ。
「ヤマダ!! 何故!? や、止めてくれっ!!」
「はははははーーーっ!! 何が~?? おーっと、お前も身体の方が暇そうだな~? そっちにも、ちょびっと流してやるよ~!」
ついでに、攻撃の勇名も上げておこうと、弱体化させた攻撃を、驚いた顔をしてる奴の方に流した。
俺の、その行動が奇怪に映ったのか、変態の顔がめちゃくちゃ引きつっている。
いやいやいや! いつも奇怪な行動してるような、お前にそんな顔されたくないんだけど!?
――それから、いつもより3倍くらい長い時間。変態と戯れ。たった1日だけで、攻撃と回避と防御の勇名が達成出来た。
いつもの3倍くらいの時間を耐えられたってことは……。拘束魔法って、めちゃくちゃ魔力消費するんだな?
魔力切れを起こし、グッタリとしている変態を。俺は、今日だけは特別に感謝を込めて――ポーーーイっとダンジョンの外へと放り出した。
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