混じり合い淘汰されるモノ

未知 道

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嘘愛

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 ――くちゅくちゅと舌と舌を絡ませる。
 ジュルルと中にある唾液を啜ってから、口を離す。

「鈴鹿、こっちも」

 スイは、濡れた自分の唇を舐めながら。銀色の液が絡まっている、そそり立つ肉棒を指さした。

「……っ、う、うん」

 手を震わせながら、大きなソレに触れ……ツーとゆっくり舌を這わせる。ヤバい味がすると思ってたけど、果実のように甘味のある味で、ホッとする。
 思いきってパクリと口の中に入れて、ジュブジュブと激しく頭を動かす。

「ははは……! 必死だな」
「ふっ、んんぅ……ジュルッ、んくっ!」

 クプンと膣口に指入れられ、身体が震える。
 忌避感が湧き上がるが、抵抗せずに。指を入れやすいよう、腰を上げた。
 クチュクチュと音が鳴る下腹部に、意識を向けないよう。口の中にあるモノを啜りながら、一層激しく動いた。

 暫くして、精を吐き出したいというように、ソレがピクピクと動いた時。頭を、強く押さえ付けられた。
 喉に届くほど質量のあるモノを全て、私の口に押し込まれ。目には、スイの鍛え上げられたような割れた腹筋しか映らない。

「――全部飲め」

 ビューと叩きつけるような勢いで、精を喉の奥に出される。喉を流れ落ちてくる、生々しい感覚がし。苦しくて、気持ち悪い。
 私がそのように、苦しさにウグッウグッと籠った声を漏らしながら大量な精を飲み込んでいるのに。スイは気持ち良さそうに、はぁ……と熱い息を吐いていて。この相反する立場に、胸にも押し潰されるような苦しさを感じた。

 暫くして、えずきながらも。吐き出さずに全て飲み干すことが出来た。


「……はっ、はぁ……はぁ……!」
「ちゃんと飲んだ? 口、見せて」

 このまま見ただけでも分かるだろうと、顔をしかめそうになるのをグッと堪え。口を開く。

「鈴鹿、可愛いな~。こんなことをするくらい……あの2人が大事なんだ?」
「……ふぅっ!」

 スイの指が、私の舌を挟み。外に引っ張り出すようにされ。苦しくて、呻く。
 指で数回舌をすくようにされてから、スイの口にパクリとしゃぶるようにされて、ぢゅぅ……と痛いくらいに吸われる。
 しかも、スイは咀嚼するかのようにモグモグと口を動かしているから。その鋭い歯が、私の舌に当たっていて……。本当に舌を食べられてしまうのではと、恐怖に身体が冷えた。

 ――けど、チュポッと可愛い音を立たせて、私の舌が解放される。

 舌に与えられた刺激のせいで、ケホケホと咳き込んでいると。スイに、甘い声で「鈴鹿」と呼ばれ。嫌な予感がした。

「『スイのこと、愛してる。赤ちゃん孕ませて』って言って、股を広げて」
「……っ、…………」

 その最悪な命令に、キッと睨み付けてしまった――。

「あ、嫌? じゃあ、仕方ないか~」
「……っ! まって……!」

 離れようとする、スイの腕を掴む。

「愛してる、孕ませて……」

 声を震わせて言い、脚を広げる。

「名前と、赤ちゃんが抜けてるし。もっと、うっとりした顔で言えよ」

 罵声が出そうになる口を、一度ギュッと噤む。

「スイを愛してる。赤ちゃん、孕ませて」

 笑顔を作り、誘うように脚を大きく広げた。

「……ああ、すげぇいい」

 脚を強く掴まれて。膣内に、硬いモノがズプププと入り込んでくる。



 ♢◆♢


「あっ……はぁ……お腹、くるし……!」

 気絶して、目を覚まして、また気絶してを繰り返しているから。これを何時間やっているのか、分からない。
 ただ、お腹がプクッと膨らんでいるから……凄いナカに出されたということは分かる。

「はははっ! 鈴鹿、もう孕んだみたいな腹だな?」

 お腹をグッと押されて、苦しさに呻く。

「身体、辛いの……。お願い、もう……」

 スイは、私を見下ろし。驚いたような顔になった。

「……あ~、エスエと同調してないと。こんなに、体力ないのか」

 それで、ため息をついた後。「しょうがない……」と言ってから、バチュバチュバチュと強く腰を打ち付けてくる。
 結局、止めてくれないのかと思い。目に、ジワリと涙の膜が張る。

(辛くて、苦しくて、嫌、なのに……。なのに、どうして……私の身体は快楽を感じているの――?)

 スイに乱暴に抱かれているというのに。何度、達したか分からないほどだった。

 今まさに、私の膣は気持ち良さを甘受し。ビクビクと震え、波打っている。
 自分の身体に嫌悪感が湧く。こんなのは私じゃない、と……。
 こんな苦行や精神的苦痛が、まだ長い間続くなんて。先の見えない終わりに、頭がおかしくなりそうだった。

 ――けど、思いの外。すぐに熱を吐き出され、動きが止まった。

 その熱を注がれている間も。身体が快楽に襲われて、数回達してしまう。

 程なくして、精を全て吐き終えたスイは。私に抱き付くように身を寄せていたのを、少し離した。
 それで、圧迫感が緩和し。ほぅと息をつく。

「ふぅ~。とりあえず、今は止める。よく頑張ったな」

 ご褒美のつもりか、スイは私の首筋にチュッチュッとキスをしている。

 まだ硬いモノが膣内に深く入ったままだから、少し身構えていた。でも、言うように、本当に動き出すつもりはないように見える。
 それで、やっと終わった……と力が抜いた。

 けれど、その時。気付いてしまった――。

 私は、スイの背に腕を回し。更には、その腰に脚を固く絡めていて――まるで、この行為を自分からもっともっとと望み、ねだっているようだった。
 サーと血の気が引き。自分の腕と脚を、シーツに投げ出すように下ろす。

(違う……こんなの、望んでない。こんなことなんて、本当はしたくない……!)

 ポロリと、涙が頬を伝う――。


「はぁ……。俺は、少し物足りないけど――あれ? 鈴鹿、泣いてる?」
「……っ……!」

 横を向き、顔を隠そうとしたが。スイの手で顔を正面に戻されて、じろじろと見られる。

「……へぇ。泣き顔、凄く可愛いな。茜の記憶内でも、泣いたの見たことないから……知らなかった」
「……ぅっ、ぅう」


 ――『茜』と言われて、この現実を突き付けられて……涙が止まらなくなる。

 茜は、私の妹は……――もう、いない。

 だって、元は『茜』だったはずのその身体は……。
 6年見ない間に。背が高く、筋肉質な【男性】のようなものとなっている。


 元の茜は、可愛い女の子だった。
 細身で、背が低く。髪の地毛や瞳が薄茶色をしていて……。しかも、髪がふわふわとした質だから。まるでお人形さんのようだった。
 それに加えて、顔も整っていてる。だから皆には、美少女だと口を揃えて言われていた。
 だから、都会を歩けばいつもスカウトされてもいた。

 しかし、今は……その面影があるだけなのだ。

 以前と同じく、端正な顔立ちではあるが。女性と男性では、とても変わる。
 ふわふわとしていた髪の毛は、色はそのままでも、コシのある波打つような艶やかなものとなっている。
 顔かたちも、薄茶の瞳や髪色も相まって、外国の男性俳優のような美丈夫だった。

 この姿を、茜の知り合いが見ても。これが、茜だと分かる人は少数だろう。
 長い睫毛が、目尻にかけて更に長くなっているのや、少し上がっている口元など……ずっと一緒にいたからこそ分かるような、そんな小さな面影しかないからだ――。

 きっと、お父さんも、お母さんも……殺されてしまっただろう。

 私は、酷い娘だ。ある程度の力を得てからも、自分の子供がいるからと、両親を探すことをしなかった。
 もう、間に合わない……と諦めたのだ。

 その自分の不甲斐なさも、思い出してしまい。悲しくて、悲しくて――ヒックヒックと、泣きじゃくる。


「鈴鹿? おい、そんなに泣くなよ」

 スイは、性行為のせいで私が泣いていると思ったのか。慌てたように、己のモノを抜き取った。

 そんな刺激にも感じてしまい。達するのを何とか耐えていると、膣口からゴププと勢い良く子種が出てきて、臀部を濡らす。
 結局は、精が溢れ出てくるその刺激で。ビクビクと身体を震わせ、絶頂してしまった。

 しかし、心からは……『なんでこんなことに』といった悲痛な気持ちが、次々と溢れ出す。

「もぅ、いや……いや……」
「分かった、分かった。今は、しないから……」

 ふわりと抱き締められ。酷く優しい手つきで、背中を撫でられる――。
 スイから感じる甘い匂いだけは、茜とまったく同じだった。
 だから、次第に身体の力が抜けていき。ゆらりゆらりと意識が落ちていった。


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