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相性
しおりを挟む「裏切り者とか、関係なく。変異体は、殺処分だってさ……。聞いてただろ?」
茜は、狼のような特徴があった。だから、匂いを辿ってピンポイントに追ってこれた……ということか。
なら、何処に逃げようが、すぐに追ってこられてしまう。
結局、最初から詰みだったのかと……。無力感を抱いた――。
「はぁ……。まったく、早くしちまえば良かったな。けど……今からでも間に合う」
「な、なにっ……――ッ!?」
茜――いや、スイに口付けられる。
ぐちゃぐちゃとかき混ぜるようにされているが、何が起こっているのか分からず。ただ、身を固めていた。
スルリとスカートの中に手を入れられて……。それでハッとし、がむしゃらに暴れた。
「チッ! 暴れるなよな……」
グッと壁に押し付けられる。スイに抱え込むようにされて、後ろから感じる固いモノに……酷く混乱する。
「は……っ、え? な、なんで……ソレ……なに?」
――後ろから感じるソレは、まるで男性器のようだった。
「ん……? あぁ、ツインじゃ常識だが人間は知らねぇもんな。俺達は寄生するとな、体質変化を起こせるんだよ。まぁ、分かりやすく言うと……両性にもなれる。だから、こんな感じに身体の形を変化させることも可能だってこと――って言っても、これはその個体の変化しやすい形になるみたいだが」
スイは、生えた尻尾をフリフリと振っているのか。私の脚に、柔らかなものがパタパタと当たっている。
「で、でも……! 意味が、意味が分からないっ! だって、茜は私の妹で……こんな状況で……こ、こんな……っ!」
「妹? あ~……。人間では禁忌だったな? はははっ! 大丈夫だよ。変化をさせてるから、遺伝子的には問題ないし……。何より、この身体にいた『茜』だって本望だろうよ」
「は……なに?」
スイが、私の耳元に口を寄せ――「だって、茜の【理想の人間】は……お姉ちゃんだったんだからな」と言って、笑った。
「馬鹿言わないで!! イケメンで、イケボだって……優しいって言っていた! 私な訳ないじゃないっ!!」
「はは、イケメンでイケボは……そうじゃないか? 鈴鹿は女だが。背が高く、まるで美男子のようだし……声も良いからな。まぁ、優しいの部分は……確かに違うかもだが……」
私が優しい人間ではないと、自分で分かってはいても。そんなことを面と向かって言われたなら、普段ならば失礼な奴だと言い返していた。けど、頭が混乱していてそんな余裕など無い。
そうしている内に、再びスカートの中に手を入れられ。すぐに、ショーツの横から指をさしこまれた。
「や……やめっ、やめて!!」
「お前、死にたくはないだろ? なら、言うことを聞いた方がいい。俺とまぐわって孕めば、少なくとも子を産むまでは殺されることはないし。もし、優秀な子供が産まれれば、次の子供を作らせる為に殺されることだって無くなるはずだ。見たところ、人間の生体としてもツイン同士としても……俺達の相性は良いから大丈夫だ――なあ? エスエ」
(エスエ……そうだ。なんとか、エスエに――)
スカートのポケットから、なんとかツインを取り出す。しかし、エスエは下を向き、震えていた。
「エ、エスエ……! エスエ……っ!」
「無駄だ。寄生してなくてもシンクロした対象と、繋がってるみたいだったからな。さっきの体液交換で、エスエの細胞を無理やり貰った。だから、意識朦朧としてんじゃないか? 無理に奪うと、だいぶ辛いようだし」
スイはそう言い終わると、私の後頭部にチュッとキスをして「痛いのが嫌なら、暴れるなよ」とショーツを下げ。膣口をスリスリと撫でるようにしてから、指を少しずつ埋め込んでくる。その気持ち悪さに、顔をしかめてしまう。
「やめて! い、嫌っ! 離してって!」
「おい、痛くしていいのか?」
肘で、スイのお腹を強打しようとしたけど。素早くガッと掴まれ、ため息を吐かれた。
「じゃあ、もう解さねぇから。どうせ、後からよくなるだろうしな……」
「ひっ、いっ……ぁあ、う"う"……!」
――ズブブブ……と、胎内を掻き分けるようにして入り込んでくる異物。その圧迫感と……内側が傷付いてしまったのか、ピリピリとした痛みも感じる。
「い、痛っ! く、苦し……ぅんんっ!」
顔を上に向けさせられて、口を塞がれる。私の舌に、スイの舌がくちゅくちゅと絡まってきて。息が上手く出来ない。
「はぁ……! 鈴鹿のナカ、スゲーいい。相性によって、こんなに変わるのか……」
ヌルリと舌が出ていき。顔を紅潮させたスイが、息を吐くように言葉を発する。
スイは動きを早め、パンパンパンと音が鳴るほどに腰を打ち付け。ぐちゅぐちゅとした音が辺りに響く。
何故か――下腹部に、じわじわとした熱がこみ上がってくる。
「はっ、はぁ……! な、なに……ふぁああっ!?」
「鈴鹿、気持ちいいだろ? ん? ここ?」
キュンとする場所を、何度も強く突かれてしまい。高い声が出て、幾度も達してしまう。
「ぁあっ……んんっ、はぁん!」
「はい、5回目……。ははっ! 鈴鹿は、結構感じやすいんだな?」
(なんで、どうして……。私、初めてなのに、気持ちいいなんて……)
ガクガクと身体を揺すぶられ、膝に力が入らなくなる。それで、スイに抱え上げるようにされたせいで。ナカに入っていたモノが、グプンと深くまで埋まる。
ビリビリとした快感が、背筋を駆け巡る。
「ひゃぁああっ! んっ、はぁあ、ううあ……!」
胎内にあるモノを、ぎゅっぎゅっと締め付ける。スイの息を詰めた音が、耳の後ろで聞こえ――。
「はっ、……俺も、そろそろイきそ……」
最奥を中心に、ドチュドチュドチュと突き上げられる。その行動が――『子供を孕ませる』といった意図を持っていると、嫌でも気付く。
(やだ、やだ、やだ……。こんな、よく分からない生き物の種を、中に出されたくない。それに、その身体は……茜の――)
「鈴鹿……!」
「ひっ、ん……っ!」
熱い息を吐くスイに、ぐぐッと腰を強く押し付けられた――。
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