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清水 あかり ⑪
しおりを挟む『お、捕まえたか! 流石はエダイだ。ストーラとは大違いだな』
『何てコト言うンデス! アレを消滅さセタノ、わたクシでスヨ!?』
『は? 馬鹿か!? お前が熱くなって【破壊の特性】を発現しちまったから、ちょうど来たミンに、バブルを慌てて転送してもらったんだろうが! じゃねぇと、此処がバラバラにぶっ壊れちまうだろ! それに、こうなる前に、お前なら捕まえることくらい出来たはずだ。あの女は、俺との相性が悪い』
『ソレ。タダ出来ないノヲ、言い訳してルだけデスネ~☆』
『ぁ"あ"? 本当、クソ苛つく野郎だな!』
『ちょっと、貴方達。喧嘩は全て終わってからにしてくれない? 今は、目の前のことに集中しましょう』
『お、おう……』
『ァ、はイ……』
トクと白タイツが、言い合いながらやって来て。新たに、金髪金眼の美しい女性が一緒にいる。
(ああ、もう無理だ……)
話からすると、白タイツ――ストーラという者が、私の式神を消滅させたのだろう。
金髪金眼の美女……バブルという者は、ストーラが有り余る力でこの世界を壊さないよう、補助しに来たということだろうか……?
――ということは、そんな強力な存在達が集まってしまった今の状況で、私が逃げる術は無いのだ。
『ん~、あら? ミンちゃん。ガァッピちゃんと、クネチちゃんは? バブルちゃんと同じように強制的に転送しなかったの?』
【ガァッピは、白くなっていたから、当分は笑ってるだけで使えないし。クネチは、自分の割り振られた仕事は終わったから、これ以上は時間外労働だってさ】
『うふふっ! ガァッピちゃんはともかく、クネチちゃんは変なところで真面目よねぇ』
【真面目ってか、融通が利かないのよ】
『それは……私達も、そうよ? 絶対に、妥協できない部分がある』
【まぁ、そうね……】
私の頭上で会話をしている――エダイと、ミンという者。
今の話の中でも。ここにいる者を合わせて、7人もの神に近しい者達がこの世界を作り出し……。私達に、復讐をしているということだ。
ペチャクチャと、私を無視し、会話をしている――このような光景を、よく知っている。
私達が、未来によくしていたことだった。
一生懸命に『やめて』と訴えていた未来の存在を、無視し。見えていない、聞こえていないかのように振る舞っていた。
私は、そのような扱いを受けている未来を分かっていて、それを早くなんとかしないといけないと……――目の前で辛い目に逢っている未来を横目に、学校を後にしていた。……つまり、私も見えていない、聞こえていないことに十分に加担していたのだ。
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