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賀川 剛 ②
しおりを挟む――俺は、未来と3年間、同じクラスだった。
未来は、何をしてもトロい白川 尊をフォローしていた。
白川 尊も、未来と3年間同じクラスだったからだろう。未来は、ちょこちょこといつも忙しそうにしていて。そんな姿も、可愛いなとずっと見ていた。
最初の1年生の時は、同じ中学だったらしい清水 あかりと一緒にいたが、気付いたら違うグループに行ったようだ。未来が、白川に掛かり切りになっているから、当然といえば当然だが。
しかし、高校最後の3年に――竹内 凜々花が、初めて白川と未来と同じクラスになり。トロい白川が苛つくのか、次第にいじめのような行為をし始めた。
自然と俺は、兼次や孝、あかりや凜々花と同じグループになっていたので、それを近くで見ることになる。
すると、そんな白川を守るため。未来は、俺の側にも来ることになるのだ。
小さな身体で、一生懸命に誰かを守ろうとする未来が、可愛いくて、可愛いくて。だから……――俺も、凜々花のするいじめに加わった。
最初は、罪悪感のようなものを感じたが。未来が懸命に俺を見上げ、訴えてくる姿を見るためだけに、白川をいじめる――。
それが、未来へのいじめに代わった時。俺は、歓喜した。
その時には既に、いじめをすることが当たり前になっていた。だから、定規などで身体を叩く行為などは進んでやった。目と鼻の先に、自分の好いた女の子がいるからという浅ましい理由でだ。
何週間かしてから。凜々花が、未来の裸の写真を撮ったようだ、と兼次から聞き――それを見て以降は、自分の欲を満たすためにしか動いていない。
今さら、優しく接し『俺が、何とかしてやるよ』と未来に言い。学校で、いつも一緒にいるようにした。
未来は、沈んだ顔をしているのに。俺は、とても満ち足りた気分だった。
いつか、未来を俺のモノにすると。それだけ考えていた。あの写真を見てしまってから、ここから先はしてはいけない……という歯止めすらも利かなくなったのだ。
しかし、数日経った放課後に。未来は不快感を隠さず、俺に言った。
『貴方がしてたこと、ずっとずっと許すわけない。本当に申し訳ないというなら、竹内さんに今すぐにあの写真を消去させて、二度と私に関わらないで。助けるふりだけをする貴方を見てると――心底、気持ち悪い』
それを聞いた途端、目の前が真っ赤に染まり……――気付いたら、未来の身体を貫いていた。
近くに孝もいて、面白そうに笑っていた。
『そういえば、孝と一緒に帰る約束をしていたな。迎えにきたのか……』と思いながらも。自分が満足するまで、未来の身体を強く揺さぶっていた。
俺と深く繋がって、白濁した液を溢れさせているところの写真も撮り、それで脅して言うことを聞かせることにした。
これで、やっと――未来を俺のモノに出来たと満足した。
学校がある日は、前と同じように未来をいじめることにした。でないと、俺のファンクラブの奴らが、未来に目を付けてしまっていたからだ。
俺が特定の誰かに優しくしただけで、何かをしようだなんて……。未来以外の女はそら恐ろしいと、寒気がした。
休日は、未来を俺の彼女として隣に置き。デートなどをたくさんした。お互いに、名前で呼び合うよう強制させて。甘いひとときを過ごす。
まだ、お互いに学生であるので、子供は早い。
それで、未来にお金を渡し。病院で避妊薬を買わせていた。ゴムは、未来に俺の痕跡を残したいからと着けようと考えもしなかった。
けど、だんだん金が足りなくなってくる。
俺は、部活をしているし。なかなかバイトをする時間はない。
だから、当然のこと。親からの小遣いでは、到底足りないのだ。
――その時、孝から……未来を使ってする金儲けを提案された。
そんなの、反対だ。絶対に許せない――……そう思っていた。
俺は、孝が金の何割かは皆にも配ると言ったことで。非常に、悩むことになった。
金さえあれば――未来と俺で、もっと色々な場所に行ける。将来の為に貯金すれば、未来と俺が結婚する時にも役立てるだろう。
だから、客にゴムをさせ、口なども使わせなければ……。まぁ、いいだろ……とそう思い。了解してしまったのだ。
しかし、あかりは最後まで了承しなかった。
それで、あかりにはこのことは内緒だと言って、皆で上手く口裏を合わせることにした。
――けど、その金儲けが始まってから、客が未来に触るのに苛々してしまう。
客が帰った後、酷く未来を責めるように抱いた。
兼次が参戦したいと言うのも。客を取った後ならば、大抵オッケーを出していた。
それは――未来は、多数の人から同時に抱かれるのを嫌がるからだ。
勿論。兼次にはゴムをさせたし、口も使わせなかったが……俺は別だ。
兼次に膣を激しく突かれ、荒い息を上げている未来の口を使い。喉を突いて、責めに責めた。
客を取らせているのは、俺達であるのに――。
まるで、未来が望んでそれをしているかのように感じて……。だから、いつも酷く責め立てていたのだ。
そして――あの日。俺は、絶対にしてはいけないことをした。
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