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石田 孝 ④
しおりを挟む『第2問メ――1本ノ鉛筆で書ケル距離ハ、10kmカ?』
――【イイエ】。書ける距離は、50kmだ。
『第3問メ――ケチャップは当初、薬とシテ販売サレてイタカ?』
――【ハイ】。1830年頃は、そのように販売されていた。
『第4問メ――ダチョウの卵ヲ茹で終ワル時間ハ、約1時間カ?』
――【イイエ】。約4時間はかかる。
『第5問メ――蛇にハ、耳が無イカ?』
――【ハイ】。蛇は耳がない代わりに、舌で音を聞く。
『第6問メ――足ノ裏を拭クト、蚊に刺サレづらくナルカ?』
――【ハイ】。足にいる常在菌の数が減ることで、蚊にさされにくくなる。
『第7問メ――蝶ノ、正シイ数えカタハ、1羽2羽カ?』
――【イイエ】。1頭、2頭だ。様々な諸説はあるが、最も有力だとされているものが、西洋の動物園での数え方が定着したからというものだ。
『第8問メ――緑茶ハ、葉っぱカラ。紅茶、烏龍茶ハ、花カラ。黒茶ハ、豆を乾燥サセテ出来るモノカ?』
――【イイエ】。緑茶、紅茶、烏龍茶、黒茶の全てが、「カメリアシネンシス」というツバキ科の茶の樹から出来ている。
この樹の生葉を乾燥・発酵させて作っており、その発酵度合いによって、緑茶、ウーロン茶、紅茶へと変化する。黒茶を作る時にだけは、菌(微生物)を介在させ発酵を行う。
『第9問メ――月が消エテ無クナったとシテモ、地球二、特に何ノ変化モ起こらナイカ?』
――【イイエ】。潮の満ち引きは、月の引力によって引き起こされている。そのような月による引力の無くなった地球は、自転速度が速くなり、1日の長さは1/3の8時間となる。 それによって、強風が絶えず吹き荒れ、生命の進化も遅くなるのだ。
地軸も、不安定になってしまうことによって。北極や南極では、1年が長い昼間と、長い夜に分けられることになるため、北極や南極付近は灼熱と極寒の世界になる。
そして、巨大隕石が地球に衝突する確率が飛躍的に上がってしまう。それの証明は、月の表面に無数にあるクレーターだ。
あれは、隕石が月に衝突した時に出来たものであり、もし月がなかったら、あのクレーターは地球に出来ていたという。
もし、あのような大きなクレーターが地球にできたら、かなりの生物が死に絶えることだろう。
だから、月は、隕石から地球を守ってくれる大切な「盾」にもなっているのだ。
(――よし、後1問だ。これは、俺が勝ったも同然だな)
このクイズが始まってから、ジェットコースターのスピードは緩やかなものとなっている。
チラリと、剛を視界に入れると――顔を伏せて、微動だにしていない。
剛の席は、今にも落ちてしまいそうな程に傾いていた。
剛は、何故か全て無回答であり。だから、全問不正解となっていて、俺は全問正解だった。
『ふム……。これデハ、ツマラないデース……。フザケるなデース。ヨッテ、第10問は――強制回答と致死マース! 己ノ意思に関わラズ、身体ヲ強制的二、動か死テやりマスヨ~! シかも、シかも! コレを正解すレバ、勝者と致死まショー!!』
白タイツは今までの問題を全て無かったことにするという、あり得ないことを言い放った――。
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