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先輩とのコラボもありだね
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その後も歌ってみた動画は伸び続け、既に1万再生を超えている。評価も高く、コメントも多いので良い流れだ。この調子でいけばおすすめ欄に表示されて更なる評判を呼ぶことも可能だろう。
さて、次の曲についてだがどうするか。俺は自室で色々な動画を眺めながら考える。曲の人気度でいうと「可愛くてごめん」が圧倒的なのでそこに乗っかるのがいいのか……? しかしVtuberの歌ってみた動画を見ていて、俺はあるコメントが目に止まった。
:曲がXXちゃんにピッタリ!
:XXちゃんらしい雰囲気出てて可愛い!
そうか、「その曲が合っているか」という観点も必要だな。その観点で見ると…… 「可愛くてごめん」は色々言われても気にしない自分のことが大好きな女の子、「ファンサ」は、アイドルとして一生懸命努力する女の子、「男の子の目的は何?」は男の子が好きになったけど自己主張を譲る気はない女の子、という感じか。
水咲ネネに合っているのはどれだろうか? その目線で見ると「ファンサ」はまず除外だな。Vキャストは良くも悪くも正統派アイドル路線を追求する箱ではない。後は男の子要素を出すかどうかだが、ここは出しておいた方が良いだろうな。なぜなら、あまりにも男の色が薄すぎると活動の幅が狭まるリスクが高まるからだ。変に色恋路線で行ってしまうと、男性コラボNGや、絡むだけで批判が届くようなキャラクターになりかねない。GURU UPのような男女が存在する箱は、男女の様々なコラボが可能なので活動の幅が広いと感じている。その可能性はあった方がいいだろう。
『決めたぞ! 今回は男の子の目的は何? だ!』
俺はグループで皆に意図と合わせて曲に関して連絡を送る。
『プロデューサー目線だね~ オッケー』
『わかりました! 動画考え始めますね!』
『歌練習しとくね。方針はわかったけど、私男子と話すと挙動不審になるんだよね……?』
そうだった。高木が男と話せるかはまた別の話だった。
『そこは練習方法を考えとくよ。まずは渋谷で逆ナン成功するまで帰れません! あたりだな』
『上くん、それは鬼すぎるよ』
それから数日後。今日は鬼丸とのコラボだ。鬼丸は長くVキャストに在籍しており、チャンネル登録者数も数万人いる。いくつか配信を聞いてみたが穏やかな声でまったりとした感じでトークをすることが多いので水咲ネネとの相性も良いだろうという期待でコラボを設定している。
夜からのコラボ配信に向け、放課後にカラオケ屋で高木と打ち合わせを行う。事前に話していたように、内容はトークテーマとゲームについてだ。
「まずトークだね。3つくらいのテーマで、各10分くらいかな、って考えている。まずはVキャストってどんな箱ですか? 次に、Vtuberとしての心得は? 最後に今後Vキャストの皆でやっていきたいことは? という感じでどうかな?」
「なるほどな。後半2つは良さそうだ。ただ一つ目のVキャストってどんな箱ですか? だが、これは変えた方が良いかもしれない。話が広がるイメージが湧かないな。結局、所属するVtuberの紹介で終わってしまいそうな気がする。高木の中でイメージがあるなら良いが」
「う、確かにそうだね……」
「最初は定番の質問でいこう! ここはお互いの第一印象と今の印象は? だな!トークテーマの定番だ。で、鬼丸さんを少しいじりながら褒めて締めるとスタートとしてはいい感じになると思うぞ」
「なるほどね。それで行こうかな! じゃあ後はゲームだね。ゲームはオセロにしようと思う。簡単なゲームだし、視聴者も参加しやすいかなって」
「そうだな、いいと思う。じゃあその内容で鬼丸さんに、こういう配信を考えてますー、って送っておこうか。向こうも初コラボで身構えていると思うからな。事前にある程度すり合わせしておいた方が良いだろう」
「うん、送っておく!」
「こんばんは。Vキャスト新人Vtuberの水咲ネネです。今日は先輩の鬼丸さんにきて貰っています!」
「こんばんはー、鬼丸ですー」
「じゃあまずお互いの第一印象と今の印象について話しましょうか!」
「そうだねー、ネネちゃんはねー。最初はほわほわした可愛らしい女の子と思ったけど、今はしっかり者やさんっていうイメージかな。今日もコラボで何話すかとか何するかみたいなのを事前にちゃんと送ってきて「鬼丸さんの意見も聞きたいです!」って。もう歌ってみた動画を作ったりもしてるから、すごいよね。良く出来た後輩だよー」
「わあ、嬉しいです! 鬼丸さんは最初はちょっと厳しい感じの先輩かと思ったんですが、お話ししてみると優しい方で、色々相談したくなるような先輩ですね」
その後も穏やかに話が進んでいく。視聴者も多く、600名ほどだ。いつもの倍くらいの人が見てくれている。鬼丸のファンも見てくれているだろう。名前を売るにはいい機会だな。
オセロもお互いに同じくらいの実力だったので盛り上がり、いい流れで1時間の配信を終えることが出来た。予想通りいいコラボだったな。水咲ネネは少し可愛らしい雰囲気があるキャラクターなので、穏やかな先輩に懐く後輩という立ち位置が合うのかもしれない。Vキャストの先輩はキャラが濃すぎる人が多いので、1番一般人っぽい鬼丸とのコラボは最適だっただろう。SNSでの評価も良い感じだ。
『お疲れー。よかったよ! 鬼丸さんにちゃんとお礼しとくようになー』
『ありがとう、安心した! うん、ちゃんとお礼しとくよ!』
さて、次の曲についてだがどうするか。俺は自室で色々な動画を眺めながら考える。曲の人気度でいうと「可愛くてごめん」が圧倒的なのでそこに乗っかるのがいいのか……? しかしVtuberの歌ってみた動画を見ていて、俺はあるコメントが目に止まった。
:曲がXXちゃんにピッタリ!
:XXちゃんらしい雰囲気出てて可愛い!
そうか、「その曲が合っているか」という観点も必要だな。その観点で見ると…… 「可愛くてごめん」は色々言われても気にしない自分のことが大好きな女の子、「ファンサ」は、アイドルとして一生懸命努力する女の子、「男の子の目的は何?」は男の子が好きになったけど自己主張を譲る気はない女の子、という感じか。
水咲ネネに合っているのはどれだろうか? その目線で見ると「ファンサ」はまず除外だな。Vキャストは良くも悪くも正統派アイドル路線を追求する箱ではない。後は男の子要素を出すかどうかだが、ここは出しておいた方が良いだろうな。なぜなら、あまりにも男の色が薄すぎると活動の幅が狭まるリスクが高まるからだ。変に色恋路線で行ってしまうと、男性コラボNGや、絡むだけで批判が届くようなキャラクターになりかねない。GURU UPのような男女が存在する箱は、男女の様々なコラボが可能なので活動の幅が広いと感じている。その可能性はあった方がいいだろう。
『決めたぞ! 今回は男の子の目的は何? だ!』
俺はグループで皆に意図と合わせて曲に関して連絡を送る。
『プロデューサー目線だね~ オッケー』
『わかりました! 動画考え始めますね!』
『歌練習しとくね。方針はわかったけど、私男子と話すと挙動不審になるんだよね……?』
そうだった。高木が男と話せるかはまた別の話だった。
『そこは練習方法を考えとくよ。まずは渋谷で逆ナン成功するまで帰れません! あたりだな』
『上くん、それは鬼すぎるよ』
それから数日後。今日は鬼丸とのコラボだ。鬼丸は長くVキャストに在籍しており、チャンネル登録者数も数万人いる。いくつか配信を聞いてみたが穏やかな声でまったりとした感じでトークをすることが多いので水咲ネネとの相性も良いだろうという期待でコラボを設定している。
夜からのコラボ配信に向け、放課後にカラオケ屋で高木と打ち合わせを行う。事前に話していたように、内容はトークテーマとゲームについてだ。
「まずトークだね。3つくらいのテーマで、各10分くらいかな、って考えている。まずはVキャストってどんな箱ですか? 次に、Vtuberとしての心得は? 最後に今後Vキャストの皆でやっていきたいことは? という感じでどうかな?」
「なるほどな。後半2つは良さそうだ。ただ一つ目のVキャストってどんな箱ですか? だが、これは変えた方が良いかもしれない。話が広がるイメージが湧かないな。結局、所属するVtuberの紹介で終わってしまいそうな気がする。高木の中でイメージがあるなら良いが」
「う、確かにそうだね……」
「最初は定番の質問でいこう! ここはお互いの第一印象と今の印象は? だな!トークテーマの定番だ。で、鬼丸さんを少しいじりながら褒めて締めるとスタートとしてはいい感じになると思うぞ」
「なるほどね。それで行こうかな! じゃあ後はゲームだね。ゲームはオセロにしようと思う。簡単なゲームだし、視聴者も参加しやすいかなって」
「そうだな、いいと思う。じゃあその内容で鬼丸さんに、こういう配信を考えてますー、って送っておこうか。向こうも初コラボで身構えていると思うからな。事前にある程度すり合わせしておいた方が良いだろう」
「うん、送っておく!」
「こんばんは。Vキャスト新人Vtuberの水咲ネネです。今日は先輩の鬼丸さんにきて貰っています!」
「こんばんはー、鬼丸ですー」
「じゃあまずお互いの第一印象と今の印象について話しましょうか!」
「そうだねー、ネネちゃんはねー。最初はほわほわした可愛らしい女の子と思ったけど、今はしっかり者やさんっていうイメージかな。今日もコラボで何話すかとか何するかみたいなのを事前にちゃんと送ってきて「鬼丸さんの意見も聞きたいです!」って。もう歌ってみた動画を作ったりもしてるから、すごいよね。良く出来た後輩だよー」
「わあ、嬉しいです! 鬼丸さんは最初はちょっと厳しい感じの先輩かと思ったんですが、お話ししてみると優しい方で、色々相談したくなるような先輩ですね」
その後も穏やかに話が進んでいく。視聴者も多く、600名ほどだ。いつもの倍くらいの人が見てくれている。鬼丸のファンも見てくれているだろう。名前を売るにはいい機会だな。
オセロもお互いに同じくらいの実力だったので盛り上がり、いい流れで1時間の配信を終えることが出来た。予想通りいいコラボだったな。水咲ネネは少し可愛らしい雰囲気があるキャラクターなので、穏やかな先輩に懐く後輩という立ち位置が合うのかもしれない。Vキャストの先輩はキャラが濃すぎる人が多いので、1番一般人っぽい鬼丸とのコラボは最適だっただろう。SNSでの評価も良い感じだ。
『お疲れー。よかったよ! 鬼丸さんにちゃんとお礼しとくようになー』
『ありがとう、安心した! うん、ちゃんとお礼しとくよ!』
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