41 / 57
魔物襲撃
しおりを挟む
キエからサクラへの移動初日。俺達は馬車に乗りながらのんびり過ごしていた。カミトとエッジは姫の馬車に乗り込み、お喋りをしながら警備を行う。突然の攻撃に対応するため
「いやー、この馬車は揺れなくていいですね。俺たちここに来るまで魔物での移動でしたが大変でしたよ」
揺れない馬車に快適そうなエッジ。この馬車は確かにすごい。滑らかな動きをしている。
「ええ、この馬車は王族移動用の馬車なんですが、素晴らしいです。もう普通の馬車は乗れないかもしれないですね」
カミラ姫はそういって笑う。
「皆様は普段はどうやって移動するのですか?」
「私達は徒歩や走っての移動が多いですね。森の中を移動することが多いので、馬車や魔物だとどうしても動きずらいこともあります」
「なるほど」
「皆様、そろそろ昼食の時間にしたいと思います」
ブロットが声をかけてくれる。馬車から降りると、騎士やメイドが食事の準備をしている。
昼ごはんを外で食べる。流石王族、移動中でも美味しいご飯を食べることができる。保存食ではありながらも美味しい料理を食べる。
「美味しいですね。これはどのように作っているのですか?」
アリエッサがメイドに確認している。
「申し訳ございません。料理長秘伝のレシピのようで…… 私達には教えてくれないのです」取り入れることができたら最高だと思ったが、そこまで甘くはない。
「お皿とゴミは回収させていただきますね」
食べ終わったら皿はメイドが片付けてくれた。いたせりつくせりだ。
移動を再開すること1時間。騎士達の慌ただしい声が聞こえてきた。
「前方300mに、大量の魔物を確認しました!」
俺とエッジは窓から前を確認する。開けた高原の向こうに、大量の魔物が確認できた。おそらく100匹は居そうだ。
そして、魔物はどう見ても錯乱状態にある。魔物同士で戦っている姿や暴れている姿もある。
「人為的な動きを感じますね。何らかの魔道具を使っておびき寄せられたのでしょうか」
エッジの発言通り、きな臭い動きだ。とはいえ、そのようなことを考えていても仕方がない。まずは殲滅する必要がある。アリエッサに大規模魔法を連発してもらうか……
俺がそんなことを考えていた時に姫から声をかけられる。
「カミト様、是非ここはカミト様の実力を見せていただけないでしょうか? 龍を倒したというそのお力、一度拝見したく」
「…… わかりました。ただ、おそらく撃ち漏らしが発生するので残党の片付けはメンバーに頼みます」
「ええ、それで構いません。ありがとうございます」
「アリエッサ!エリス! 俺が一撃ぶつけるから後は頼む!エッジは魔物を調査してくれ。何か動きが怪しい! アンは姫様の警護だ!急襲が来る可能性がある!」
「承知しました!」
俺は前方に単身移動する。魔物までの距離は150mほどだ。さて…… 一撃かますとしよう。
「くらえ、絶剣」
魔法を発動すると、俺を中心として大量の剣が上空に浮かび上がる。その数は100本以上だ。全ての剣が魔物の方向を向いている。大量の剣が空に浮かび上がり、キラキラと輝く光景は絶景だ。俺は一本の剣をつかみ、地面に突き刺す。突き刺した剣はまるで穴に落ちたかのように綺麗に沈んでいった。久しぶりに全力を出したが問題なさそうだな。
「何匹殺せるか…… とりあえず試してみるか」
俺は手を振り下ろす。全ての剣が前方に飛んでいった。弾丸のような速度で到来した剣たちが魔物を貫通していく。
頭部や腹部に剣が貫通し、次々と絶命する魔物達。ただ、剣が飛んでいくだけなので手や足を貫通するだけで、致命傷にならない魔物もいる。完全に撃破できたのは半数程度だろうか。
絶剣という魔法は如何なるものも切り裂くことができる剣を生み出す魔法である。ただ、生み出すことができる剣は一つに限定されているわけではない。自由自在に体の周りに剣を生み出すことができるのである。そしてその剣をまとめて自由に操ることもできる。
何でも切り裂く剣を大量に生み出し、全方位攻撃を仕掛ける。これがカミトの必殺技の一つである。
「よし、後は任せた!」もう一撃攻撃を加えることもできるが、残りはメンバーに任せて良いだろう。カミラ姫のリクエスト通り、俺の実力は見せることができたはずだ。
アリエッサは上空から空爆、エリスは個別に剣戟で魔物を撃破していく。エッジは転がっている魔物の死体を確認している。何かわかるといいのだが。
「ブロット、見た? カミト様の魔法は凄まじいね」
「ええ、あれだけの剣が向かってきたら…… 勝ち目はないかもしれません」
「平凡な軍隊なら壊滅させることもできそうね。しかもあれ以外にも魔法はあるのでしょ?」
「そのようです。詳しくは不明ですが」
「楽しみねえ。色々話聞いてみないとね」
「敵と思われる魔物は全て消滅しました。周辺に危険な気配はありません」
アリエッサがカミトに告げる。
「ありがとう。わかった。姫様に伝えないとな」
「いやー、この馬車は揺れなくていいですね。俺たちここに来るまで魔物での移動でしたが大変でしたよ」
揺れない馬車に快適そうなエッジ。この馬車は確かにすごい。滑らかな動きをしている。
「ええ、この馬車は王族移動用の馬車なんですが、素晴らしいです。もう普通の馬車は乗れないかもしれないですね」
カミラ姫はそういって笑う。
「皆様は普段はどうやって移動するのですか?」
「私達は徒歩や走っての移動が多いですね。森の中を移動することが多いので、馬車や魔物だとどうしても動きずらいこともあります」
「なるほど」
「皆様、そろそろ昼食の時間にしたいと思います」
ブロットが声をかけてくれる。馬車から降りると、騎士やメイドが食事の準備をしている。
昼ごはんを外で食べる。流石王族、移動中でも美味しいご飯を食べることができる。保存食ではありながらも美味しい料理を食べる。
「美味しいですね。これはどのように作っているのですか?」
アリエッサがメイドに確認している。
「申し訳ございません。料理長秘伝のレシピのようで…… 私達には教えてくれないのです」取り入れることができたら最高だと思ったが、そこまで甘くはない。
「お皿とゴミは回収させていただきますね」
食べ終わったら皿はメイドが片付けてくれた。いたせりつくせりだ。
移動を再開すること1時間。騎士達の慌ただしい声が聞こえてきた。
「前方300mに、大量の魔物を確認しました!」
俺とエッジは窓から前を確認する。開けた高原の向こうに、大量の魔物が確認できた。おそらく100匹は居そうだ。
そして、魔物はどう見ても錯乱状態にある。魔物同士で戦っている姿や暴れている姿もある。
「人為的な動きを感じますね。何らかの魔道具を使っておびき寄せられたのでしょうか」
エッジの発言通り、きな臭い動きだ。とはいえ、そのようなことを考えていても仕方がない。まずは殲滅する必要がある。アリエッサに大規模魔法を連発してもらうか……
俺がそんなことを考えていた時に姫から声をかけられる。
「カミト様、是非ここはカミト様の実力を見せていただけないでしょうか? 龍を倒したというそのお力、一度拝見したく」
「…… わかりました。ただ、おそらく撃ち漏らしが発生するので残党の片付けはメンバーに頼みます」
「ええ、それで構いません。ありがとうございます」
「アリエッサ!エリス! 俺が一撃ぶつけるから後は頼む!エッジは魔物を調査してくれ。何か動きが怪しい! アンは姫様の警護だ!急襲が来る可能性がある!」
「承知しました!」
俺は前方に単身移動する。魔物までの距離は150mほどだ。さて…… 一撃かますとしよう。
「くらえ、絶剣」
魔法を発動すると、俺を中心として大量の剣が上空に浮かび上がる。その数は100本以上だ。全ての剣が魔物の方向を向いている。大量の剣が空に浮かび上がり、キラキラと輝く光景は絶景だ。俺は一本の剣をつかみ、地面に突き刺す。突き刺した剣はまるで穴に落ちたかのように綺麗に沈んでいった。久しぶりに全力を出したが問題なさそうだな。
「何匹殺せるか…… とりあえず試してみるか」
俺は手を振り下ろす。全ての剣が前方に飛んでいった。弾丸のような速度で到来した剣たちが魔物を貫通していく。
頭部や腹部に剣が貫通し、次々と絶命する魔物達。ただ、剣が飛んでいくだけなので手や足を貫通するだけで、致命傷にならない魔物もいる。完全に撃破できたのは半数程度だろうか。
絶剣という魔法は如何なるものも切り裂くことができる剣を生み出す魔法である。ただ、生み出すことができる剣は一つに限定されているわけではない。自由自在に体の周りに剣を生み出すことができるのである。そしてその剣をまとめて自由に操ることもできる。
何でも切り裂く剣を大量に生み出し、全方位攻撃を仕掛ける。これがカミトの必殺技の一つである。
「よし、後は任せた!」もう一撃攻撃を加えることもできるが、残りはメンバーに任せて良いだろう。カミラ姫のリクエスト通り、俺の実力は見せることができたはずだ。
アリエッサは上空から空爆、エリスは個別に剣戟で魔物を撃破していく。エッジは転がっている魔物の死体を確認している。何かわかるといいのだが。
「ブロット、見た? カミト様の魔法は凄まじいね」
「ええ、あれだけの剣が向かってきたら…… 勝ち目はないかもしれません」
「平凡な軍隊なら壊滅させることもできそうね。しかもあれ以外にも魔法はあるのでしょ?」
「そのようです。詳しくは不明ですが」
「楽しみねえ。色々話聞いてみないとね」
「敵と思われる魔物は全て消滅しました。周辺に危険な気配はありません」
アリエッサがカミトに告げる。
「ありがとう。わかった。姫様に伝えないとな」
0
お気に入りに追加
169
あなたにおすすめの小説
大切”だった”仲間に裏切られたので、皆殺しにしようと思います
騙道みりあ
ファンタジー
魔王を討伐し、世界に平和をもたらした”勇者パーティー”。
その一員であり、”人類最強”と呼ばれる少年ユウキは、何故か仲間たちに裏切られてしまう。
仲間への信頼、恋人への愛。それら全てが作られたものだと知り、ユウキは怒りを覚えた。
なので、全員殺すことにした。
1話完結ですが、続編も考えています。
「クズスキルの偽者は必要無い!」と公爵家を追放されたので、かけがえのない仲間と共に最高の国を作ります
古河夜空
ファンタジー
「お前をルートベルク公爵家から追放する――」それはあまりにも突然の出来事だった。
一五歳の誕生日を明日に控えたレオンは、公爵家を追放されてしまう。魔を制する者“神託の御子”と期待されていた、ルートベルク公爵の息子レオンだったが、『継承』という役立たずのスキルしか得ることができず、神託の御子としての片鱗を示すことが出来なかったため追放されてしまう。
一人、逃げる様に王都を出て行くレオンだが、公爵家の汚点たる彼を亡き者にしようとする、ルートベルク公爵の魔の手が迫っていた。「絶対に生き延びてやる……ッ!」レオンは己の力を全て使い、知恵を絞り、公爵の魔の手から逃れんがために走る。生き延びるため、公爵達を見返すため、自分を信じてくれる者のため。
どれだけ窮地に立たされようとも、秘めた想いを曲げない少年の周りには、人、エルフ、ドワーフ、そして魔族、種族の垣根を越えたかけがえの無い仲間達が集い―― これは、追放された少年が最高の国を作りあげる物語。
※他サイト様でも掲載しております。
【完結24万pt感謝】子息の廃嫡? そんなことは家でやれ! 国には関係ないぞ!
宇水涼麻
ファンタジー
貴族達が会する場で、四人の青年が高らかに婚約解消を宣った。
そこに国王陛下が登場し、有無を言わさずそれを認めた。
慌てて否定した青年たちの親に、国王陛下は騒ぎを起こした責任として罰金を課した。その金額があまりに高額で、親たちは青年たちの廃嫡することで免れようとする。
貴族家として、これまで後継者として育ててきた者を廃嫡するのは大変な決断である。
しかし、国王陛下はそれを意味なしと袖にした。それは今回の集会に理由がある。
〰️ 〰️ 〰️
中世ヨーロッパ風の婚約破棄物語です。
完結しました。いつもありがとうございます!
【完結】【勇者】の称号が無かった美少年は王宮を追放されたのでのんびり異世界を謳歌する
雪雪ノ雪
ファンタジー
ある日、突然学校にいた人全員が【勇者】として召喚された。
その召喚に巻き込まれた少年柊茜は、1人だけ【勇者】の称号がなかった。
代わりにあったのは【ラグナロク】という【固有exスキル】。
それを見た柊茜は
「あー....このスキルのせいで【勇者】の称号がなかったのかー。まぁ、ス・ラ・イ・厶・に【勇者】って称号とか合わないからなぁ…」
【勇者】の称号が無かった柊茜は、王宮を追放されてしまう。
追放されてしまった柊茜は、特に慌てる事もなくのんびり異世界を謳歌する..........たぶん…....
主人公は男の娘です 基本主人公が自分を表す時は「私」と表現します
【完結】彼女以外、みんな思い出す。
❄️冬は つとめて
ファンタジー
R15をつける事にしました。
幼い頃からの婚約者、この国の第二王子に婚約破棄を告げられ。あらぬ冤罪を突きつけられたリフィル。この場所に誰も助けてくれるものはいない。
女神に同情されて異世界へと飛ばされたアラフォーおっさん、特S級モンスター相手に無双した結果、実力がバレて世界に見つかってしまう
サイダーボウイ
ファンタジー
「ちょっと冬馬君。このプレゼン資料ぜんぜんダメ。一から作り直してくれない?」
万年ヒラ社員の冬馬弦人(39歳)は、今日も上司にこき使われていた。
地方の中堅大学を卒業後、都内の中小家電メーカーに就職。
これまで文句も言わず、コツコツと地道に勤め上げてきた。
彼女なしの独身に平凡な年収。
これといって自慢できるものはなにひとつないが、当の本人はあまり気にしていない。
2匹の猫と穏やかに暮らし、仕事終わりに缶ビールが1本飲めれば、それだけで幸せだったのだが・・・。
「おめでとう♪ たった今、あなたには異世界へ旅立つ権利が生まれたわ」
誕生日を迎えた夜。
突如、目の前に現れた女神によって、弦人の人生は大きく変わることになる。
「40歳まで童貞だったなんて・・・これまで惨めで辛かったでしょ? でももう大丈夫! これからは異世界で楽しく遊んで暮らせるんだから♪」
女神に同情される形で異世界へと旅立つことになった弦人。
しかし、降り立って彼はすぐに気づく。
女神のとんでもないしくじりによって、ハードモードから異世界生活をスタートさせなければならないという現実に。
これは、これまで日の目を見なかったアラフォーおっさんが、異世界で無双しながら成り上がり、その実力がバレて世界に見つかってしまうという人生逆転の物語である。
飯屋の娘は魔法を使いたくない?
秋野 木星
ファンタジー
3歳の時に川で溺れた時に前世の記憶人格がよみがえったセリカ。
魔法が使えることをひた隠しにしてきたが、ある日馬車に轢かれそうになった男の子を助けるために思わず魔法を使ってしまう。
それを見ていた貴族の青年が…。
異世界転生の話です。
のんびりとしたセリカの日常を追っていきます。
※ 表紙は星影さんの作品です。
※ 「小説家になろう」から改稿転記しています。
あなたを、守りたかった
かぜかおる
ファンタジー
アンジェリカは公爵家の娘、隣国の第二王子ローランドと結婚して、この国の王妃になる予定である。
今、公爵家では結婚直前の披露パーティーが行われていた。
しかし、婚約者のローランドが迎えにこない!
ひとまずパーティー会場に一人で向かうもののそこにいたのは・・・
スカッとザマァではない
4話目の最後らへんで微グロ注意。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる