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ミオとのデート
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翌日は、ミオとのデートの予定だ。俺は集合時間より前に、服屋に行っていくつかオシャレな服を購入しておいた。変身で少しサイズが変わったことから服は新しく買う必要があるのだが、依頼用の動きやすい服装ばかりしか今まで買っていなかった。こういう事態は想定していなかったからな。とりあえず慌てて店員にいくつか見繕ってもらったわけである。
さて、時間になった。俺は待ち合わせ場所に向かうと、ミオらしい人を発見する。キャップを被り、パンツルックのボーイッシュな格好だ。普段はメイドのような喫茶店スタイルなのでこういう格好は初めてみたがよく似合っているな。
「すまない、待ったか?」
「いえ、大丈夫です。無事に合流できてよかったです」
「そうだな、とりあえず向かおうか」
俺達は劇場に向かって歩き始める。劇場やテーマパークのような大型アミューズメントパークはサクラの中でも中心地から離れた場所に存在する傾向にある。やはり中心部だと土地がなかったり家賃が高かったりするからだろうか。
「そういえば、今日の格好、普段と雰囲気が違うけど似合ってるな」
「ありがとうございます。普段はガーリーな格好をすることが多いのですがこういう格好も好きなんですよ。似合っていると言ってもらえて嬉しいです。カミトさんもいつもよりピシッとしていてかっこいいですよ」
嬉しそうなミオ。とりあえず俺の服装も外したわけではなさそうで良かった。
「今日の劇だけど、恋愛系と言ってたけどどんな内容なんだ?」
「昔の恋愛悲劇をテーマに現代版に再構築した作品のようですよ。最近始まったばかりなのですがなかなか評判も良いようで楽しみです」
「おお、評判いいんだ。それは期待だね」
俺達は雑談をしながら歩いていく。今日は前と違ってミオは普通に話してくれる。前のミオはなんだったんだろうか?
歩いていると、ミオは顔が広いため色々な人に話しかけられる。
「おお、ミオちゃん。今日はデートかい?」
「違いますよ」
顔を少し赤くしている。そんなやり取りが3回ほど続いた。
「すいません、お店の常連さん達です。普段店でしかお会いしないのでこういう所で会うと恥ずかしいです。しかも私は普段男の人といることは滅多にないので…… 珍しいんでしょうね」
男性と二人で出かけることは滅多にないため、慣れていないらしい。俺もそんなにないが男としてエスコートしないとな。
引き続き歩いていると、若い女の子で賑わっている店を通り過ぎる。
「あ、すいません。少し買い物してもいいですか?」
「うん、時間も余裕あるし、大丈夫だよ」
「ありがとうございます」
お店に入り、品物を見るミオを眺める。アクセサリー屋さんのようだ。真剣にアクセサリーを眺める姿はアリエッサやエリス、アンでは見たことがない光景である。ちょっと緊張するな。後、単純に客が女性ばかりなので男はいずらい。外で待つことにしよう。
ミオが店から出てきた。
「欲しいものは買えたか?」
「はい、ありがとうございます。姉がもうすぐ誕生日なのでプレゼントを買っていました」
「ああ、レナさん? 何を買ったの?」
「そうです。可愛らしいネックレスを一つ買いました。本当はピアスも良いのがあったのですが騎士はピアスを付けることが出来ないらしいので、残念です」
確かに日常的に移動や警備をしている騎士は、ピアスのような邪魔になりかねないアクセサリーは付けるのが難しいだろう。しかしアクセサリーか。アリエッサもたくさんつけているが…… 全部魔道具だもんなあ。今度普通のアクセサリーをプレゼントしてみるか。
そうして劇場に到着した。劇場は非常に大きい。既に入り口には多くの者が並んでいるようだ。俺達は列の最後尾に並び、受付を済ます。
演劇鑑賞が終了した。結論からいうと非常に面白かった。主役の男女の演技力が素晴らしく、また歌も上手く引き込まれた。眠くなるかと思っていたがそんなことはなかった。ミオも楽しそうに見ていたし、良かった。
しかし失敗したのは結構フォーマルな格好をしている人も多かったことだ。普通の格好の人もいたが、正式にはこういう劇場にはタキシードで来るべきだったか?
また、舞台装置もすごかった。仕組みはよくわからないが大きなシャンデリアが落ちてきたり。音もすごくてびっくりした。なんかの魔道具何だろうか?魔道具マニアのヴェラを思い出す。今度会ったら聞いてみよう。
「面白かったですね! 感動しました」
「な。思った以上に引き込まれたよ。歌も凄かったしね。また見に行きたいな」
「そうですね! また店長からチケット貰ったらお誘いしますね」
「ああ、よろしく頼む。こんだけ面白いとなると、チケットを入手するのが大変そうだ」
帰り道は劇の感想で盛り上がる俺達だった。
さて、時間になった。俺は待ち合わせ場所に向かうと、ミオらしい人を発見する。キャップを被り、パンツルックのボーイッシュな格好だ。普段はメイドのような喫茶店スタイルなのでこういう格好は初めてみたがよく似合っているな。
「すまない、待ったか?」
「いえ、大丈夫です。無事に合流できてよかったです」
「そうだな、とりあえず向かおうか」
俺達は劇場に向かって歩き始める。劇場やテーマパークのような大型アミューズメントパークはサクラの中でも中心地から離れた場所に存在する傾向にある。やはり中心部だと土地がなかったり家賃が高かったりするからだろうか。
「そういえば、今日の格好、普段と雰囲気が違うけど似合ってるな」
「ありがとうございます。普段はガーリーな格好をすることが多いのですがこういう格好も好きなんですよ。似合っていると言ってもらえて嬉しいです。カミトさんもいつもよりピシッとしていてかっこいいですよ」
嬉しそうなミオ。とりあえず俺の服装も外したわけではなさそうで良かった。
「今日の劇だけど、恋愛系と言ってたけどどんな内容なんだ?」
「昔の恋愛悲劇をテーマに現代版に再構築した作品のようですよ。最近始まったばかりなのですがなかなか評判も良いようで楽しみです」
「おお、評判いいんだ。それは期待だね」
俺達は雑談をしながら歩いていく。今日は前と違ってミオは普通に話してくれる。前のミオはなんだったんだろうか?
歩いていると、ミオは顔が広いため色々な人に話しかけられる。
「おお、ミオちゃん。今日はデートかい?」
「違いますよ」
顔を少し赤くしている。そんなやり取りが3回ほど続いた。
「すいません、お店の常連さん達です。普段店でしかお会いしないのでこういう所で会うと恥ずかしいです。しかも私は普段男の人といることは滅多にないので…… 珍しいんでしょうね」
男性と二人で出かけることは滅多にないため、慣れていないらしい。俺もそんなにないが男としてエスコートしないとな。
引き続き歩いていると、若い女の子で賑わっている店を通り過ぎる。
「あ、すいません。少し買い物してもいいですか?」
「うん、時間も余裕あるし、大丈夫だよ」
「ありがとうございます」
お店に入り、品物を見るミオを眺める。アクセサリー屋さんのようだ。真剣にアクセサリーを眺める姿はアリエッサやエリス、アンでは見たことがない光景である。ちょっと緊張するな。後、単純に客が女性ばかりなので男はいずらい。外で待つことにしよう。
ミオが店から出てきた。
「欲しいものは買えたか?」
「はい、ありがとうございます。姉がもうすぐ誕生日なのでプレゼントを買っていました」
「ああ、レナさん? 何を買ったの?」
「そうです。可愛らしいネックレスを一つ買いました。本当はピアスも良いのがあったのですが騎士はピアスを付けることが出来ないらしいので、残念です」
確かに日常的に移動や警備をしている騎士は、ピアスのような邪魔になりかねないアクセサリーは付けるのが難しいだろう。しかしアクセサリーか。アリエッサもたくさんつけているが…… 全部魔道具だもんなあ。今度普通のアクセサリーをプレゼントしてみるか。
そうして劇場に到着した。劇場は非常に大きい。既に入り口には多くの者が並んでいるようだ。俺達は列の最後尾に並び、受付を済ます。
演劇鑑賞が終了した。結論からいうと非常に面白かった。主役の男女の演技力が素晴らしく、また歌も上手く引き込まれた。眠くなるかと思っていたがそんなことはなかった。ミオも楽しそうに見ていたし、良かった。
しかし失敗したのは結構フォーマルな格好をしている人も多かったことだ。普通の格好の人もいたが、正式にはこういう劇場にはタキシードで来るべきだったか?
また、舞台装置もすごかった。仕組みはよくわからないが大きなシャンデリアが落ちてきたり。音もすごくてびっくりした。なんかの魔道具何だろうか?魔道具マニアのヴェラを思い出す。今度会ったら聞いてみよう。
「面白かったですね! 感動しました」
「な。思った以上に引き込まれたよ。歌も凄かったしね。また見に行きたいな」
「そうですね! また店長からチケット貰ったらお誘いしますね」
「ああ、よろしく頼む。こんだけ面白いとなると、チケットを入手するのが大変そうだ」
帰り道は劇の感想で盛り上がる俺達だった。
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