265 / 281
最終章
265.最大の戦いへ②
しおりを挟む
「戦力…ですね。実はですね、前の全面戦争で対テロの戦闘ができる兵士を失いすぎて…。ここで訓練をしている人達が全戦力なんですよね…。」
そうスノが悲観したように言い出した。
その言葉が引っかかり、レイは飛び出すようにその全戦力を見だした…。そうすれば…。
「嘘…だろ?4番隊の半分…ぐらいだぞ?」
そこに居たのは、前にいた全ての精鋭兵士40000人の約40分の1。
つまりは1000人ぐらいしかいなかったのだ。
「タクシェンのことを話せば、ほとんどが兵士をやめていきました。…そりゃそうですよね。…ここにいる人達もいずれは辞めるでしょう。まだ責任と葛藤してるだけです。責任か命なら、殆どは命を取りますよ。」
「私が同じ状況ならやめているだろうな…。」
「ここに来ているのに?」
「…撤回するよ。」
しかし、このように話をしていたとしても、彼らの意見が変わる訳でも無く、一刻、刻一刻と命を捨てることへの恐怖が兵士達の精神を削る。
その前に、動かなければ。
「スノ、行くぞ。」
「どこにですか?」
「兵士達に、タクシェンと戦う覚悟を背負うかどうか、聞いてこようじゃないか。」
「はっ…はい。」
そう言ってレイとスノは、拠点の2階か兵士達が訓練をしている屋外へと姿を出した。
そして、1番目立つ教官が命令を出すところに彼は立ち、叫んで語りかけた。
「お前らァ!!…1つ、ここの元隊長として聞きたいことがある!!"タクシェンと殺り合う覚悟はあるか?」
そう聞くと、兵士達は様々な意見が飛び交っていた。
「えっ…それは」と答えるのを葛藤する者、「…嫌…です」と小声でつぶやくもの。
多種多様な答えであったが、誰一人として大きな声で同意を言う人はいなかった。
「…そうか。私は元隊長だ!!俺は何も言う権利は無い。…だが、どうか1つ!!彼女の話を聞いて欲しい!!」
そう、彼は元部下に頭を下げた。
そして、その場所をスノに譲り、声を上げる権限を渡した。
「ここにいる人は、国民を守り、正義に生きる兵士のみなさんでしょう。…だから!」
しかし、彼女の全力で張った声は、たった米粒ほどの小さな声によって聞こえなくなる。
「…別に、ただの職業なんですよね?」
「仕事だし…。命まではさすがに…」
「…"もうだめだろ"」
そんなことわかっている。分かった上で彼のように勇敢な兵士になりたくて、困っている人を助けたくて。
…昔と比べて、仕事に対する熱量が変わったことも、全部わかっている。
でも…昔の私なら必ず、もうダメだって思ってしまう…だから…。
「レイさん。作戦変更です、少数精鋭で叩きましょう。」
そうスノが悲観したように言い出した。
その言葉が引っかかり、レイは飛び出すようにその全戦力を見だした…。そうすれば…。
「嘘…だろ?4番隊の半分…ぐらいだぞ?」
そこに居たのは、前にいた全ての精鋭兵士40000人の約40分の1。
つまりは1000人ぐらいしかいなかったのだ。
「タクシェンのことを話せば、ほとんどが兵士をやめていきました。…そりゃそうですよね。…ここにいる人達もいずれは辞めるでしょう。まだ責任と葛藤してるだけです。責任か命なら、殆どは命を取りますよ。」
「私が同じ状況ならやめているだろうな…。」
「ここに来ているのに?」
「…撤回するよ。」
しかし、このように話をしていたとしても、彼らの意見が変わる訳でも無く、一刻、刻一刻と命を捨てることへの恐怖が兵士達の精神を削る。
その前に、動かなければ。
「スノ、行くぞ。」
「どこにですか?」
「兵士達に、タクシェンと戦う覚悟を背負うかどうか、聞いてこようじゃないか。」
「はっ…はい。」
そう言ってレイとスノは、拠点の2階か兵士達が訓練をしている屋外へと姿を出した。
そして、1番目立つ教官が命令を出すところに彼は立ち、叫んで語りかけた。
「お前らァ!!…1つ、ここの元隊長として聞きたいことがある!!"タクシェンと殺り合う覚悟はあるか?」
そう聞くと、兵士達は様々な意見が飛び交っていた。
「えっ…それは」と答えるのを葛藤する者、「…嫌…です」と小声でつぶやくもの。
多種多様な答えであったが、誰一人として大きな声で同意を言う人はいなかった。
「…そうか。私は元隊長だ!!俺は何も言う権利は無い。…だが、どうか1つ!!彼女の話を聞いて欲しい!!」
そう、彼は元部下に頭を下げた。
そして、その場所をスノに譲り、声を上げる権限を渡した。
「ここにいる人は、国民を守り、正義に生きる兵士のみなさんでしょう。…だから!」
しかし、彼女の全力で張った声は、たった米粒ほどの小さな声によって聞こえなくなる。
「…別に、ただの職業なんですよね?」
「仕事だし…。命まではさすがに…」
「…"もうだめだろ"」
そんなことわかっている。分かった上で彼のように勇敢な兵士になりたくて、困っている人を助けたくて。
…昔と比べて、仕事に対する熱量が変わったことも、全部わかっている。
でも…昔の私なら必ず、もうダメだって思ってしまう…だから…。
「レイさん。作戦変更です、少数精鋭で叩きましょう。」
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
隣の席の女の子がエッチだったのでおっぱい揉んでみたら発情されました
ねんごろ
恋愛
隣の女の子がエッチすぎて、思わず授業中に胸を揉んでしまったら……
という、とんでもないお話を書きました。
ぜひ読んでください。
チョロイン2人がオイルマッサージ店でNTR快楽堕ちするまで【完結】
白金犬
ファンタジー
幼馴染同士パーティーを組んで冒険者として生計を立てている2人、シルフィとアステリアは王都でのクエストに一区切りをつけたところだった。
故郷の村へ馬車が出るまで王都に滞在する彼女らは、今流行りのオイルマッサージ店の無料チケットを偶然手に入れる。
好奇心旺盛なシルフィは物珍しさから、故郷に恋人が待っているアステリアは彼のためにも綺麗になりたいという乙女心からそのマッサージ店へ向かうことに。
しかしそこで待っていたのは、真面目な冒険者2人を快楽を貪る雌へと変貌させる、甘くてドロドロとした淫猥な施術だった。
シルフィとアステリアは故郷に戻ることも忘れてーー
★登場人物紹介★
・シルフィ
ファイターとして前衛を支える元気っ子。
元気活発で天真爛漫なその性格で相棒のアステリアを引っ張っていく。
特定の相手がいたことはないが、人知れず恋に恋い焦がれている。
・アステリア(アスティ)
ヒーラーとして前衛で戦うシルフィを支える少女。
真面目で誠実。優しい性格で、誰に対しても物腰が柔らかい。
シルフィと他にもう1人いる幼馴染が恋人で、故郷の村で待っている。
・イケメン施術師
大人気オイルマッサージ店の受付兼施術師。
腕の良さとその甘いマスクから女性客のリピート必至である。
アステリアの最初の施術を担当。
・肥満施術師
大人気オイルマッサージ店の知らざれる裏の施術師。
見た目が醜悪で女性には生理的に受け付けられないような容姿のためか表に出てくることはないが、彼の施術を受けたことがある女性客のリピート指名率は90%を超えるという。
シルフィの最初の施術を担当。
・アルバード
シルフィ、アステリアの幼馴染。
アステリアの恋人で、故郷の村で彼女らを待っている。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる