263 / 281
最終章
263.お買い物
しおりを挟む
…8月の初旬。3日だったっけ?そういやもうすぐ、俺の誕生日か。
ナットが失踪したこともあったなぁ…。あれから2ヶ月か。
太陽はギンギラギンで、俺たちを照り焼きにするつもりらしい。
そんな中…。レイがどこかに行って、ここに少年少女しか残らなかった時。
「さて、アルス、コルよ。俺達は何をするべきか、もう分かっているよな。」
突然のナットの発言。彼がこのように意味のわからないことを話すのはよくあることだ。それももう慣れた。
「正解は―」
「まて、言うな。今日こそ当ててやるよ。やるぞ!コル!」
「うん!」
そして、それに乗っかるアルス。更にそのアルスに乗っかるコルというように、賑やかにここ2ヶ月を暮らしていた。
「買い物…かな?」
「正解!」
「しゃあ!」
という訳で、彼らは食材を足らないので買い物をしに行った。
玄関に出る時だ。ナットは言った。
「みんなで一緒にお買い物も飽きたろ?金を三等分するから、全員それぞれで買ったものを集めて料理しようぜ。」
「…お前、この3人で即興でまともに料理できるやつがいると思うのか?」
「そうだよ、最近ダークマター作っちゃったから…さ。やめよ?」
しかし、不安がる2人を前にして、奴は自信満々に言った。
「ボスに作らせる!」
「「…」」
引くわー、というような、びっくりして表情が固まったといいますか。コルとアルスは無言でナットから少し距離をとった。
「ボスに作らせるのは最終手段として、俺の料理センス舐めんなって!」
と、ナットは言った。
残りの二人は嘘つけだの、これはヤバいなどと心の中では思っていたが、何となく面白そうだったからナットの案に乗った。
…数時間後
「…」
「…」
「…」
「今日…なにか材料買って作っておいてとは言ったが…。なんで野菜だけなんだ?」
完璧にやらかした。全員が全員野菜買いおった。なんなら色取りが豊かなのが少し面白い。
ビートルートにタマネギを添え、ついでにぶつ切りにしたニンジンをそこにぶち込んで煮込む料理。
名ずけて、みっくすべじたぼー。
…なんて言ってる場合じゃない。
アルスは思った。「ナットは目立ちたがり屋だ、肉か果実買う。コルはリスクに備えてパン買ってくれんだろ。主食さえあればな。なら俺は野菜だな。」
コルは思った。「ナットは肉が好きだし、肉買うでしょ。アルスは……主食を買ってくれるはず。なら私は野菜だ」
ナットは言った。「俺は…今日、野菜の気分なんだよね。」
今この瞬間。なんも考えずに買ってきたゲームの発案者と、戦犯が分かった。そいつに向けてコルとアルスが白い目を向ける。
その後、全員はレイを見た。もはや呆れられていた。
そして次に言う言葉はもちろん。
「「「すみませんでしたァ!」」」
ナットが失踪したこともあったなぁ…。あれから2ヶ月か。
太陽はギンギラギンで、俺たちを照り焼きにするつもりらしい。
そんな中…。レイがどこかに行って、ここに少年少女しか残らなかった時。
「さて、アルス、コルよ。俺達は何をするべきか、もう分かっているよな。」
突然のナットの発言。彼がこのように意味のわからないことを話すのはよくあることだ。それももう慣れた。
「正解は―」
「まて、言うな。今日こそ当ててやるよ。やるぞ!コル!」
「うん!」
そして、それに乗っかるアルス。更にそのアルスに乗っかるコルというように、賑やかにここ2ヶ月を暮らしていた。
「買い物…かな?」
「正解!」
「しゃあ!」
という訳で、彼らは食材を足らないので買い物をしに行った。
玄関に出る時だ。ナットは言った。
「みんなで一緒にお買い物も飽きたろ?金を三等分するから、全員それぞれで買ったものを集めて料理しようぜ。」
「…お前、この3人で即興でまともに料理できるやつがいると思うのか?」
「そうだよ、最近ダークマター作っちゃったから…さ。やめよ?」
しかし、不安がる2人を前にして、奴は自信満々に言った。
「ボスに作らせる!」
「「…」」
引くわー、というような、びっくりして表情が固まったといいますか。コルとアルスは無言でナットから少し距離をとった。
「ボスに作らせるのは最終手段として、俺の料理センス舐めんなって!」
と、ナットは言った。
残りの二人は嘘つけだの、これはヤバいなどと心の中では思っていたが、何となく面白そうだったからナットの案に乗った。
…数時間後
「…」
「…」
「…」
「今日…なにか材料買って作っておいてとは言ったが…。なんで野菜だけなんだ?」
完璧にやらかした。全員が全員野菜買いおった。なんなら色取りが豊かなのが少し面白い。
ビートルートにタマネギを添え、ついでにぶつ切りにしたニンジンをそこにぶち込んで煮込む料理。
名ずけて、みっくすべじたぼー。
…なんて言ってる場合じゃない。
アルスは思った。「ナットは目立ちたがり屋だ、肉か果実買う。コルはリスクに備えてパン買ってくれんだろ。主食さえあればな。なら俺は野菜だな。」
コルは思った。「ナットは肉が好きだし、肉買うでしょ。アルスは……主食を買ってくれるはず。なら私は野菜だ」
ナットは言った。「俺は…今日、野菜の気分なんだよね。」
今この瞬間。なんも考えずに買ってきたゲームの発案者と、戦犯が分かった。そいつに向けてコルとアルスが白い目を向ける。
その後、全員はレイを見た。もはや呆れられていた。
そして次に言う言葉はもちろん。
「「「すみませんでしたァ!」」」
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説

二人分働いてたのに、「聖女はもう時代遅れ。これからはヒーラーの時代」と言われてクビにされました。でも、ヒーラーは防御魔法を使えませんよ?
小平ニコ
ファンタジー
「ディーナ。お前には今日で、俺たちのパーティーを抜けてもらう。異論は受け付けない」
勇者ラジアスはそう言い、私をパーティーから追放した。……異論がないわけではなかったが、もうずっと前に僧侶と戦士がパーティーを離脱し、必死になって彼らの抜けた穴を埋めていた私としては、自分から頭を下げてまでパーティーに残りたいとは思わなかった。
ほとんど喧嘩別れのような形で勇者パーティーを脱退した私は、故郷には帰らず、戦闘もこなせる武闘派聖女としての力を活かし、賞金首狩りをして生活費を稼いでいた。
そんなある日のこと。
何気なく見た新聞の一面に、驚くべき記事が載っていた。
『勇者パーティー、またも敗走! 魔王軍四天王の前に、なすすべなし!』
どうやら、私がいなくなった後の勇者パーティーは、うまく機能していないらしい。最新の回復職である『ヒーラー』を仲間に加えるって言ってたから、心配ないと思ってたのに。
……あれ、もしかして『ヒーラー』って、完全に回復に特化した職業で、聖女みたいに、防御の結界を張ることはできないのかしら?
私がその可能性に思い至った頃。
勇者ラジアスもまた、自分の判断が間違っていたことに気がついた。
そして勇者ラジアスは、再び私の前に姿を現したのだった……
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
異世界へ誤召喚されちゃいました~女神の加護でほのぼのスローライフ送ります~
モーリー
ファンタジー
⭐︎第4回次世代ファンタジーカップ16位⭐︎
飛行機事故で両親が他界してしまい、社会人の長男、高校生の長女、幼稚園児の次女で生きることになった御剣家。
保険金目当てで寄ってくる奴らに嫌気がさしながらも、3人で支え合いながら生活を送る日々。
そんな矢先に、3人揃って異世界に召喚されてしまった。
召喚特典として女神たちが加護やチート能力を与え、異世界でも生き抜けるようにしてくれた。
強制的に放り込まれた異世界。
知らない土地、知らない人、知らない世界。
不安をはねのけながら、時に怖い目に遭いながら、3人で異世界を生き抜き、平穏なスローライフを送る。
そんなほのぼのとした物語。

テンプレな異世界を楽しんでね♪~元おっさんの異世界生活~【加筆修正版】
永倉伊織
ファンタジー
神の力によって異世界に転生した長倉真八(39歳)、転生した世界は彼のよく知る「異世界小説」のような世界だった。
転生した彼の身体は20歳の若者になったが、精神は何故か39歳のおっさんのままだった。
こうして元おっさんとして第2の人生を歩む事になった彼は異世界小説でよくある展開、いわゆるテンプレな出来事に巻き込まれながらも、出逢いや別れ、時には仲間とゆる~い冒険の旅に出たり
授かった能力を使いつつも普通に生きていこうとする、おっさんの物語である。
◇ ◇ ◇
本作は主人公が異世界で「生活」していく事がメインのお話しなので、派手な出来事は起こりません。
序盤は1話あたりの文字数が少なめですが
全体的には1話2000文字前後でサクッと読める内容を目指してます。

異世界に転生したのでとりあえず好き勝手生きる事にしました
おすし
ファンタジー
買い物の帰り道、神の争いに巻き込まれ命を落とした高校生・桐生 蓮。お詫びとして、神の加護を受け異世界の貴族の次男として転生するが、転生した身はとんでもない加護を受けていて?!転生前のアニメの知識を使い、2度目の人生を好きに生きる少年の王道物語。
※バトル・ほのぼの・街づくり・アホ・ハッピー・シリアス等色々ありです。頭空っぽにして読めるかもです。
※作者は初心者で初投稿なので、優しい目で見てやってください(´・ω・)
更新はめっちゃ不定期です。
※他の作品出すのいや!というかたは、回れ右の方がいいかもです。

アポカリプスな時代はマイペースな俺に合っていたらしい
黒城白爵
ファンタジー
ーーある日、平穏な世界は終わった。
そうとしか表現できないほどに世界にモンスターという異物が溢れ返り、平穏かつ醜い世界は崩壊した。
そんな世界を自称凡人な男がマイペースに生きる、これはそんな話である。

悪役令嬢の品格 ~悪役令嬢を演じてきましたが、今回は少し違うようです~
幸路ことは
恋愛
多くの乙女ゲームで悪役令嬢を演じたプロの悪役令嬢は、エリーナとして新しいゲームの世界で目覚める。しかし、今回は悪役令嬢に必須のつり目も縦巻きロールもなく、シナリオも分からない。それでも立派な悪役令嬢を演じるべく突き進んだ。
そして、学園に入学しヒロインを探すが、なぜか攻略対象と思われるキャラが集まってくる。さらに、前世の記憶がある少女にエリーナがヒロインだと告げられ、隠しキャラを出して欲しいとお願いされた……。
これは、ロマンス小説とプリンが大好きなエリーナが、悪役令嬢のプライドを胸に、少しずつ自分の気持ちを知り恋をしていく物語。なろう完結済み Copyright(C)2019 幸路ことは

愛無き子供は最強の神に愛される
神月るあ
ファンタジー
この街には、『鬽渦者(みかみもの)』という子供が存在する。この子供は生まれつき悪魔と契約している子供とされ、捨てられていた。13歳になった時の儀式で鬽渦者とされると、その子供を捨てる事で世界が救われる、としていたらしい。
捨てられた子供がどうなったかは誰も知らない。
そして、存在が生まれるのはランダムで、いつ生まれるかは全くもって不明らしい。
さて、捨てられた子供はどんな風に暮らしているのだろうか。
※四章からは百合要素、R13ぐらいの要素を含む話が多くなってきます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる