マインドファイターズ

2キセイセ

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最終章

263.お買い物

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…8月の初旬。3日だったっけ?そういやもうすぐ、俺の誕生日か。
ナットが失踪したこともあったなぁ…。あれから2ヶ月か。
太陽はギンギラギンで、俺たちを照り焼きにするつもりらしい。

そんな中…。レイがどこかに行って、ここに少年少女しか残らなかった時。

「さて、アルス、コルよ。俺達は何をするべきか、もう分かっているよな。」

突然のナットの発言。彼がこのように意味のわからないことを話すのはよくあることだ。それももう慣れた。

「正解は―」

「まて、言うな。今日こそ当ててやるよ。やるぞ!コル!」
「うん!」

そして、それに乗っかるアルス。更にそのアルスに乗っかるコルというように、賑やかにここ2ヶ月を暮らしていた。

「買い物…かな?」

「正解!」

「しゃあ!」

という訳で、彼らは食材を足らないので買い物をしに行った。
玄関に出る時だ。ナットは言った。

「みんなで一緒にお買い物も飽きたろ?金を三等分するから、全員それぞれで買ったものを集めて料理しようぜ。」

「…お前、この3人で即興でまともに料理できるやつがいると思うのか?」

「そうだよ、最近ダークマター作っちゃったから…さ。やめよ?」

しかし、不安がる2人を前にして、奴は自信満々に言った。

「ボスに作らせる!」

「「…」」

引くわー、というような、びっくりして表情が固まったといいますか。コルとアルスは無言でナットから少し距離をとった。

「ボスに作らせるのは最終手段として、俺の料理センス舐めんなって!」

と、ナットは言った。
残りの二人は嘘つけだの、これはヤバいなどと心の中では思っていたが、何となく面白そうだったからナットの案に乗った。

…数時間後

「…」
「…」
「…」

「今日…なにか材料買って作っておいてとは言ったが…。なんで野菜だけなんだ?」

完璧にやらかした。全員が全員野菜買いおった。なんなら色取りが豊かなのが少し面白い。
ビートルートにタマネギを添え、ついでにぶつ切りにしたニンジンをそこにぶち込んで煮込む料理。

名ずけて、みっくすべじたぼー。
…なんて言ってる場合じゃない。


アルスは思った。「ナットは目立ちたがり屋だ、肉か果実買う。コルはリスクに備えてパン買ってくれんだろ。主食さえあればな。なら俺は野菜だな。」

コルは思った。「ナットは肉が好きだし、肉買うでしょ。アルスは……主食を買ってくれるはず。なら私は野菜だ」

ナットは言った。「俺は…今日、野菜の気分なんだよね。」

今この瞬間。なんも考えずに買ってきたゲームの発案者と、戦犯が分かった。そいつに向けてコルとアルスが白い目を向ける。

その後、全員はレイを見た。もはや呆れられていた。
そして次に言う言葉はもちろん。

「「「すみませんでしたァ!」」」



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