マインドファイターズ

2キセイセ

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全面戦争 急(五章)

238.愛の反転⑥

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アルスが消えた日から、何ヶ月かがたった。
今でも俺はずっとアルスを探し続けていた、人に聞き回った、周辺を歩き続けた。それでも見つからなかった。

あの店で働いてる、それだけの悪名で苦戦した。
今日も人に聞く…深夜帯、俺は1人の人を見つけた。

「……。」

"母親だ"、憎き人だ。いてもたってもいられなかった。体はビクビクと…恐怖が心の中から指先に出た、それと同時に殺意が滲み出ていた。…もう抑えるのはやめよう。

「なぁ…」気がついたら俺は母親に声をかけていた。

母親がこちらを向いた途端…。

ドンッ!!
あいつの顔面を思いっきり殴ってやった。赤を飛ばしながら吹っ飛ぶ歯は醜くも俺が求めてた光景だ。

「…っ!」

無様にしりを地面に着けながら、俺に目線を向けてきた。
なんだろうな、俺の顔を見た途端、声も出なくなっていたぁ。

ドンッ!そして、頭という球体を思いっきり飛ばすつもりで蹴った。気分がいい。
倒れ込む親に俺は顔を近づけ、少し話をしてやろうと考えた。

「お前さ、こうなった原因分かってる?」

「え…は?」

「一瞬の快楽に負けたからだろ?俺の…幸せを奪ってやった性行為は気持ちよかったのかよ?」

「……」

「何も言えねぇよなぁ!!お前が親で俺が幸せだったと思うか?自分の胸に問いかけてみろよ!」

「…そんなの…。」

「ヒントやるよ。俺は産まれたかったなんて望んでない。…ハハッ!分かったかぁ!!じゃあ殺されて当然だよなぁ!!死ねよ!」

ゴキッ!グチャ!!ミシッ…ミシッ…ベチャ…。
かんっぜんに吹っ切れた!
今は…この自由な世界が…自分を苦しめた存在を本気で踏みつけて、骨をボキボキと壊すのが…ただっただ楽しい!
これだ!俺はずっとこれを求めてたんだ!もう…後戻りはしない!



後日のことだ。凄惨な撲殺事件としてこれは処理された。
そして俺は指名手配された。でもいい…どこかで苦しんでるアルスに会えて、協力できたら…。

そして、今日は兵士から逃げるために、ダンダス村まで来ている。そしてその村に来た旅人を装おう。

「…あの、少しいいですか?」

俺は1番大きい家に訪問した。
ノックを3回、そうしたら藍色の髪の長い女の人がいた。
そして…その奥に…。

「アルス?」

無邪気に楽しそうに高級な飯を食ってるアルスがいた。
……良かった…あいつは幸せそうで。

「アルス!!来ちゃダメ!!この人は指名手配されてるから!!」

「えっ…でも!」

「どんな関係かは知らない!でも犯罪者なんだから!!」

女の人はこちらに来ようとしたアルスを注意しておっぱらい、フロスを突き出してドアを閉めて鍵をかけた。

…なんで?
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