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全面戦争 破(五章)
229.完全武装②
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「ナット…!大丈夫か?」
「ああ…だが、兵士は全滅…"生き残りは俺とアルス"、2人だけだ。」
一瞬で違和感に気が付き、咄嗟に動ければよかった。
俺がもう少し、信頼されていたら。もう少し声をかけるのが早かったら…こんなに兵士の犠牲は出なかったのに…。
「今の一撃で全員消し飛ばす予定だったんだがな。」
膝まづいたまま、近くにいた兵士を全滅させたガルナは呆然とするアルス達を見ながら立ち上がった。独り言のように、彼らに語り掛けた。
「緑髪、貴様から切り刻んでやる。」
ダッ!
ナットを指さしてそう言った直後、強靭な足腰から繰り広げられる踏み込みでナットを殴ろうとする。
「そうかよっ!!」
ブンッと《遅れる衝撃》を近づくガルナに向かって振りかぶった。しかし…シャキンッ!
「!?」
ガルナの拳から刀身が突き出された。鉤爪のように伸びた剣はナットを突き刺そうとした!
しかし、瞬時にそれに気が付き、振りかぶったハンマーを勢いよく引き、反動でそれを右に回避した。
「…。」
無理やり避けたせいで、ナットは体制を崩してしまった。
そこをガルナが見逃すわけがなく…シュ!
伸びきった腕の二の腕から伸びる槍は、ナットに襲いかかった!
次の瞬間、ドン!
《避役の長棒》を人の全身程の大きさの車輪のようなものに変化させており、それを転がしてガルナにぶつけた。
「あっぶねぇ…ありがとうアルス!」
「…いい、あいつの心物について分かったことは?」
アルスはガルナをじっと見ながら、しりをついていたナットに聞くべきことを聞いた。ナットは起き上がりながら、簡潔に説明した。
「心物の鎧から、銃身、刀身、槍が生えてきた。《避役の長棒》みたいなもんかもしれねぇ…なら相当厄介だ」
「《避役の長棒》でも、手銃を使うには火薬と弾丸を込めなきゃいけない。つまり似て非なるもの…。」
と、2人が相手の能力を探っているその時!
ガルナは立ち上がると同時にナイフをアルスの足元に向かって投げた。
「…!」
スッ…トン…。
それが落ちる音と共に、アルスはナイフを投げられていることに気がついた。
「当たれば御の字程度…どうせ結果は変わらん。」
ガルナはそう言いながら、ゆっくりとアルスの方に歩き出した。ビシッ…。それを見て、アルスは《避役の長棒》を構える。
「フロス様の弟様か、優先的に殺害せよと言われたんでな。」
ガチャ!
そう言った直後、ガルナはアルスに突き出した右腕から、頭を狙う銃身が生えてきた。しかし、それを見越してかナットはガルナに対して《遅れる衝撃》で殴りかかった。
「来るか、愚か者よ。」
ガルナが言ったことの言い方、ナットを小馬鹿にするようであった。それもそのはず、ガルナはナットを来させる為にアルスをゆっくりと狙った。シャキン!
「ああ…だが、兵士は全滅…"生き残りは俺とアルス"、2人だけだ。」
一瞬で違和感に気が付き、咄嗟に動ければよかった。
俺がもう少し、信頼されていたら。もう少し声をかけるのが早かったら…こんなに兵士の犠牲は出なかったのに…。
「今の一撃で全員消し飛ばす予定だったんだがな。」
膝まづいたまま、近くにいた兵士を全滅させたガルナは呆然とするアルス達を見ながら立ち上がった。独り言のように、彼らに語り掛けた。
「緑髪、貴様から切り刻んでやる。」
ダッ!
ナットを指さしてそう言った直後、強靭な足腰から繰り広げられる踏み込みでナットを殴ろうとする。
「そうかよっ!!」
ブンッと《遅れる衝撃》を近づくガルナに向かって振りかぶった。しかし…シャキンッ!
「!?」
ガルナの拳から刀身が突き出された。鉤爪のように伸びた剣はナットを突き刺そうとした!
しかし、瞬時にそれに気が付き、振りかぶったハンマーを勢いよく引き、反動でそれを右に回避した。
「…。」
無理やり避けたせいで、ナットは体制を崩してしまった。
そこをガルナが見逃すわけがなく…シュ!
伸びきった腕の二の腕から伸びる槍は、ナットに襲いかかった!
次の瞬間、ドン!
《避役の長棒》を人の全身程の大きさの車輪のようなものに変化させており、それを転がしてガルナにぶつけた。
「あっぶねぇ…ありがとうアルス!」
「…いい、あいつの心物について分かったことは?」
アルスはガルナをじっと見ながら、しりをついていたナットに聞くべきことを聞いた。ナットは起き上がりながら、簡潔に説明した。
「心物の鎧から、銃身、刀身、槍が生えてきた。《避役の長棒》みたいなもんかもしれねぇ…なら相当厄介だ」
「《避役の長棒》でも、手銃を使うには火薬と弾丸を込めなきゃいけない。つまり似て非なるもの…。」
と、2人が相手の能力を探っているその時!
ガルナは立ち上がると同時にナイフをアルスの足元に向かって投げた。
「…!」
スッ…トン…。
それが落ちる音と共に、アルスはナイフを投げられていることに気がついた。
「当たれば御の字程度…どうせ結果は変わらん。」
ガルナはそう言いながら、ゆっくりとアルスの方に歩き出した。ビシッ…。それを見て、アルスは《避役の長棒》を構える。
「フロス様の弟様か、優先的に殺害せよと言われたんでな。」
ガチャ!
そう言った直後、ガルナはアルスに突き出した右腕から、頭を狙う銃身が生えてきた。しかし、それを見越してかナットはガルナに対して《遅れる衝撃》で殴りかかった。
「来るか、愚か者よ。」
ガルナが言ったことの言い方、ナットを小馬鹿にするようであった。それもそのはず、ガルナはナットを来させる為にアルスをゆっくりと狙った。シャキン!
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