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全面戦争 破(五章)
223.乾坤一擲の大勝負⑥
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気づけば涙を流していた。この美しい光景が今にも滅んでしまうからか…なら…守り抜かなきゃ。
世界を救う、それがマーベインの使命。
仲間や家族を守る、それが俺の使命。…勝手に諦めてちゃ、笑顔で「おかえり」なんて、言われないだろうな。
「う…うおおお!!」
たった二人、大草原の中で俺は雄叫びを上げた。
それが闇に響く時、《守護者の刃》は構えられていた。刃に反射する三日月は、これから血の赤で汚される。
そして、マーベインはタクシェンに対して無策の突進を始めた。涙は拭わず、ただ1つ、《守護者の刃》を振り回した。
勝負は一瞬で終わらせてやる。
ここで勝つために、命をかけてやる。
「―――――」
タクシェンは何かを言った。
そして、彼の手の上に青い炎が湧き出てきた、《新たな炎》で最後の攻撃というところか!
ボオオオ!!
迫り来る一直線の青い《新たな炎》。
極太のレーザーのようなその炎を、俺は《守護者の刃》で切り刻んで捌いていた。
この獣道を歩み続ければ、タクシェンに攻撃を当てれる。
俺の死に方はこいつと出会ってから決まっていた、死んでもこいつを、今!ここで殺してから死んでやる!!
青い火花のようなものが何十個も散って行く。
俺が…《守護者の刃》がこんなに捌いていることは初めてだ。
負けられないと分かっているから…全部守るって決めたからだ!
「こいつ!近ずいて来ているのか!?」
タクシェンが徐々に迫る青い火花を見て、驚きを隠せていない様子であった。
マーベインは信じていた、ここを通ることができればタクシェンにたどり着けると、やつに一矢報いれることができると!!
突き進め、止まるな。ここを超えれば奴に刃を突き刺す事ゆができる!突き進め、この命の灯火が尽きるまで!
しかし…青い火花は途中で数が減ってしまった。
「…っ!」
あともう少し、奴までの距離はもう少しなんだ!
だが至る所に炎がかすっていた。指先に炎がかすり、そこが焼け焦げて使い物にならなくなった。
《守護者の刃》が…もう…離してしまいそうだ…
限界…だ。
ジュゥゥ…。
彼がそう思ったその直後、火花はなくなり、彼の影が焼き尽くされた。
「マーベイン。貴様はよくやった、だが惜しくも届かなかったようだな。」
煙の中、そこにいるのはマーベインだったものなのか。
タクシェンは《守護者の刃》を奪うべく、その煙の中に入ろうとしたその瞬間!
バッ!ザシュッ…。
「グハァ…!!」
煙の中から、突然マーベインは剣を振りかざし、姿を現した。
左肩から右の腰までの深い袈裟斬りがタクシェンに命中した。
マーベインは《守護者の刃》を握り、最期の力を振り絞ってタクシェンに致命傷の一撃を与えた。
そしてそのまま、転げ落ちるように……。
世界を救う、それがマーベインの使命。
仲間や家族を守る、それが俺の使命。…勝手に諦めてちゃ、笑顔で「おかえり」なんて、言われないだろうな。
「う…うおおお!!」
たった二人、大草原の中で俺は雄叫びを上げた。
それが闇に響く時、《守護者の刃》は構えられていた。刃に反射する三日月は、これから血の赤で汚される。
そして、マーベインはタクシェンに対して無策の突進を始めた。涙は拭わず、ただ1つ、《守護者の刃》を振り回した。
勝負は一瞬で終わらせてやる。
ここで勝つために、命をかけてやる。
「―――――」
タクシェンは何かを言った。
そして、彼の手の上に青い炎が湧き出てきた、《新たな炎》で最後の攻撃というところか!
ボオオオ!!
迫り来る一直線の青い《新たな炎》。
極太のレーザーのようなその炎を、俺は《守護者の刃》で切り刻んで捌いていた。
この獣道を歩み続ければ、タクシェンに攻撃を当てれる。
俺の死に方はこいつと出会ってから決まっていた、死んでもこいつを、今!ここで殺してから死んでやる!!
青い火花のようなものが何十個も散って行く。
俺が…《守護者の刃》がこんなに捌いていることは初めてだ。
負けられないと分かっているから…全部守るって決めたからだ!
「こいつ!近ずいて来ているのか!?」
タクシェンが徐々に迫る青い火花を見て、驚きを隠せていない様子であった。
マーベインは信じていた、ここを通ることができればタクシェンにたどり着けると、やつに一矢報いれることができると!!
突き進め、止まるな。ここを超えれば奴に刃を突き刺す事ゆができる!突き進め、この命の灯火が尽きるまで!
しかし…青い火花は途中で数が減ってしまった。
「…っ!」
あともう少し、奴までの距離はもう少しなんだ!
だが至る所に炎がかすっていた。指先に炎がかすり、そこが焼け焦げて使い物にならなくなった。
《守護者の刃》が…もう…離してしまいそうだ…
限界…だ。
ジュゥゥ…。
彼がそう思ったその直後、火花はなくなり、彼の影が焼き尽くされた。
「マーベイン。貴様はよくやった、だが惜しくも届かなかったようだな。」
煙の中、そこにいるのはマーベインだったものなのか。
タクシェンは《守護者の刃》を奪うべく、その煙の中に入ろうとしたその瞬間!
バッ!ザシュッ…。
「グハァ…!!」
煙の中から、突然マーベインは剣を振りかざし、姿を現した。
左肩から右の腰までの深い袈裟斬りがタクシェンに命中した。
マーベインは《守護者の刃》を握り、最期の力を振り絞ってタクシェンに致命傷の一撃を与えた。
そしてそのまま、転げ落ちるように……。
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