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全面戦争 序(五章)

214.王都決戦⑥

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二人の兵士は屈んだ。
見えていない何かを避けるために、しかし、そこには間違えなく危機はあった。なぜなら…ミシェルは奇襲に対する奇襲を考えていたからだ。

「死ねよ。正義の妨害が。」

そう言って、彼は自身のフラスコの中にあった特性の溶解液を二人にかけた。2人は別々の方向にそれを避けたのである。
後ろにあった岩はドロドロに溶け、それの脅威を表していた。

「悪人は嫌いなのに…国は相手取るのか?ミシェル?」

「お前が言える立場かよ、レイ。」

「そうかよ…ミシェル、1度話してみよう。」

レイがそう語りかけると、ミシェルは一度止まりこう言った。

「話は聞いてやる。」

「ありがとう、ミシェル。俺が国と相対した理由は、王を変えなければこの国が終わると考えたからだ。お前はなぜレジサイドに入った?それから聞きたい。」

レイが聞けば、ミシェルはマスク越しで嫌そうな表情をしていた。そして、貧乏ゆすりをしてこう言った。

「タクシェンさんに憧れたからだ。彼の作る世界が私の理想の世界なんだ、そのためならなんでもやる。」

「…そうか、なら話し合いは不要だな。3秒数えろ、戦いを再会しよう。」

「待ち時間をくれるのか、ありがたい。」

そう言って、3人は三者三様互いに距離を取りながら武器を構えた。

まず、レイが槍を持って突っ込んだ。
それに対してミシェルが特性の溶解液をもう一つ作っていた。

レイは槍を突き刺すことを諦めた。彼は槍の端を片手でつかみそれを全力で伸ばしてリーチを何十cmか伸ばした。

ダッ…反射でミシェルは少し後ろに飛んだ、しかしリーチが長すぎた…。ミシェルは腹に切り傷を負った。

それと同時にミシェルはレイに向かって溶解液をかけており、それが少しだけ右の二の腕に当たっていたのだ。

「槍か…だがもう俺を攻撃してしまったな。」

ミシェルはそう言いながら、自分のフラスコを手に持ち、その中にコートの裏に隠していた試験管をいれ、そして自分の血を入れた。それによって赤く染ったすり潰した豚肉は、ミシェルの肉となった。

「回復だ。」

ミシェルはフラスコから作り出した液体を操り、自分の腹に当てながら言った。そうすれば、切り傷がどんどんと回復し、出血や傷の跡もなくなって治った。

「そして…」

彼は続けてそう言った。レイの槍についたミシェルの血が、レイの槍ごと彼の持つフラスコに吸い寄せられていた。
そして、返り血が着いたレイもフラスコに引き寄せられた。

「お返しだ」

レイの槍を奪い、ミシェルはそれを使って吸い寄せられたレイに斬りかかった。
ジャキン。しかし、レイはそれを両手でガードし、ダメージを最小限に抑えた。
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