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全面戦争 序(五章)
206.《???》②
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タクシェンが手袋をつけた左手を握り、ユーグワに突き出した。
…さて、奴の心物は恐らく風に関する心物であろう。炎を消した時、一瞬風が吹くのを感じた。ラバス様の伝記にあった能力の1つなのであれば、…あの風は手を握った時間で爆風の強さを、手を握った強さで爆風の発生場所を操れる!
「ほう。見立てを立てているのか。」
ならば…。
ユーグワが少しの時間考えたあと、その心物の弱点を見抜いていた。
「受けきれよ…自称神様?」
《新たな炎》の中に、ユーグワが小さい鉄を入れた。
炎は灰色に鈍く輝き、空気を切り裂いていた。
彼はその炎をタクシェンの真上に飛ばし、その後タクシェン本体にも飛ばした。
「複数方向からの攻撃か、考えたな。」
真上に飛ばされた炎が協会の天井を焼き、瓦礫となってタクシェンに襲いかかる。同時にユーグワが出した炎も接近してくる。
スゥゥ…。しかしタクシェンは左手を上にして、落ちてきた瓦礫を小さくした。その後左手を正面に向け、少し握って灰色の炎の中心に爆風を起こし…ボンッ!炎をかき消した。
それを見たユーグワは絶望の表情を浮かべる…と、タクシェンは予想をした。しかし結果は真逆となった。
「2つの心物だとォォ!?てめぇ一体ラバス様に何をしたァ!?」
「さぁな?だが1つ言えるのは…心物が私を選んだのではなく、私が心物を選んだという事だな。」
タクシェンが少し左の口角を上げ、相手を煽るように謎めいたことを喋った瞬間!
それを遮るかのようにユーグワが叫び散らかした!
「何かしたってことじゃねぇかァァ!!ラァバス様ァ!見ててください!!今ィからこの不届き者をぶち殺しまァす!!」
「いいだろう。ならば己の出せる最高の攻撃でこい。力比べといこうか。」
ユーグワが叫ぶと同時に、一直線に灰色の炎を出した。
その炎は火球なんて呼ぶには甘ったるいほどの大きさであり、隕石のような火球であった。
周りを巻き込み、協会全てを丸呑みにするようなほどの大きさの火球は、タクシェンに向かって一直線へと進む。
「途方と無い程の大きな感情は、時に心物を強くさせる。貴様の"全力"を打ち破ってやる。」
そう言うとタクシェンは不敵に笑った、そして手袋をつけた左手で五本の指を全て開き、奴は心物を使った。
「俺の《新たな炎》が奥に移動しようとしている…そうか!磁気かっ…3つ目を使ったなァ!!」
ユーグワは周りの様子と、進まない火球を見てそう判断をした。ならと言わんばかりに彼は大きな灰色の炎にさらに同じ炎を足した。
…さて、奴の心物は恐らく風に関する心物であろう。炎を消した時、一瞬風が吹くのを感じた。ラバス様の伝記にあった能力の1つなのであれば、…あの風は手を握った時間で爆風の強さを、手を握った強さで爆風の発生場所を操れる!
「ほう。見立てを立てているのか。」
ならば…。
ユーグワが少しの時間考えたあと、その心物の弱点を見抜いていた。
「受けきれよ…自称神様?」
《新たな炎》の中に、ユーグワが小さい鉄を入れた。
炎は灰色に鈍く輝き、空気を切り裂いていた。
彼はその炎をタクシェンの真上に飛ばし、その後タクシェン本体にも飛ばした。
「複数方向からの攻撃か、考えたな。」
真上に飛ばされた炎が協会の天井を焼き、瓦礫となってタクシェンに襲いかかる。同時にユーグワが出した炎も接近してくる。
スゥゥ…。しかしタクシェンは左手を上にして、落ちてきた瓦礫を小さくした。その後左手を正面に向け、少し握って灰色の炎の中心に爆風を起こし…ボンッ!炎をかき消した。
それを見たユーグワは絶望の表情を浮かべる…と、タクシェンは予想をした。しかし結果は真逆となった。
「2つの心物だとォォ!?てめぇ一体ラバス様に何をしたァ!?」
「さぁな?だが1つ言えるのは…心物が私を選んだのではなく、私が心物を選んだという事だな。」
タクシェンが少し左の口角を上げ、相手を煽るように謎めいたことを喋った瞬間!
それを遮るかのようにユーグワが叫び散らかした!
「何かしたってことじゃねぇかァァ!!ラァバス様ァ!見ててください!!今ィからこの不届き者をぶち殺しまァす!!」
「いいだろう。ならば己の出せる最高の攻撃でこい。力比べといこうか。」
ユーグワが叫ぶと同時に、一直線に灰色の炎を出した。
その炎は火球なんて呼ぶには甘ったるいほどの大きさであり、隕石のような火球であった。
周りを巻き込み、協会全てを丸呑みにするようなほどの大きさの火球は、タクシェンに向かって一直線へと進む。
「途方と無い程の大きな感情は、時に心物を強くさせる。貴様の"全力"を打ち破ってやる。」
そう言うとタクシェンは不敵に笑った、そして手袋をつけた左手で五本の指を全て開き、奴は心物を使った。
「俺の《新たな炎》が奥に移動しようとしている…そうか!磁気かっ…3つ目を使ったなァ!!」
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