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全面戦争 前夜(五章)
204.全面戦争 前夜④
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「お前強すぎだろ…なんでそんなチェス上手いんだよ」
「昔めっちゃハマってたからね…!」
コルとナット、彼ら二人はさっき買ってきたチェスの駒で遊んでいた。ちなみにチェスの台はアルスが《避役の長棒》で作ったものである。今はコルが有利な状況、ナットが苦言をこぼしている。
ラーラとアルスを入れた4人でチェスのトーナメントをしており、現在は決勝戦である。
「コル!俺の仇を打ってくれ!」
「あたしに勝ったんだから、負けないでよね!コル! 」
1回戦で敗れてしまった2人による、コルに対する声援に彼女が応えるように有利な状況にさらに磨きをかけている。
「俺の声援も1つぐらいあっていいよなぁ!?」
と、外野にちょっとしたガヤを飛ばすナットであった。
しかし、圧倒的なひらめき力と実力により、ナットは形成逆転に成功した。
「これって…」
「ああ、ナットの勝ちだ。」
とうとう決着が着いた。結果はコルの勝利、どうやらあれから三手で形成を逆転されたらしい。
「ただいまー…何してんだお前ら?」
「「遊んでる!」」
「楽しそうでなによりだよ。」
何分もの時間、遊びを転々として時間を潰しているとレイが、王国軍との話合いから帰ってきた。
「大事な話がある、少し聞いてもらってもいいか?」
「うん。」
と、彼女が返事すると周りもすぐに返事をして、皆がレイに集中した。
「……全面戦争、参加するか?」
ひと息もふた息をついて、彼はそう詰まった言葉を無理やり流すように吐き出した。この言葉の責任がどれだけの重さか、計り知れないが間違えなく…あまりにも大きいのだから。
「俺は行く。できれば前線に配置してくれ。フロスに話があるからな。」
「理由は?」
「少し記憶が戻った…。そんでフロスは俺の兄貴だ。」
即答でアルスはそう返事をした。
凛とした目の中には、絶対に打ち破れない決意とそれ相応の覚悟があった。
「…私は……安全圏で《次元の眼》を飛ばすで…いいかな?」
「もちろんだ。お前は前線に行くより後衛で生き残って情報共有を頼む。」
「うん!」
少し考えたあと、コルはそう返事をした。
「あと、ナットとラーラだが…2人にはやって欲しい役割がある。もちろん安全な役割になるつもりだ。」
指名された2名は自信満々にこう答えた。
「任せろって、俺が任務しくじったことあったかぁー?ねぇーよな?」
「あたしの行動一つで誰かを救えるなら、やるわ。」
そう全員の返事を聞き終わったあと、レイが1呼吸おいて「わかった」と言った。そしてその後、また王国軍の元に行った。
その後、ラーラが1つ遠くを眺めるような様子でこう言った。
「全面戦争が終わって……平和が来ればあたし達の苦労が報われる…みんなでお祝いでもしたくない?」
「…だなっ!」
アルスは元気よくそう答えた。
「昔めっちゃハマってたからね…!」
コルとナット、彼ら二人はさっき買ってきたチェスの駒で遊んでいた。ちなみにチェスの台はアルスが《避役の長棒》で作ったものである。今はコルが有利な状況、ナットが苦言をこぼしている。
ラーラとアルスを入れた4人でチェスのトーナメントをしており、現在は決勝戦である。
「コル!俺の仇を打ってくれ!」
「あたしに勝ったんだから、負けないでよね!コル! 」
1回戦で敗れてしまった2人による、コルに対する声援に彼女が応えるように有利な状況にさらに磨きをかけている。
「俺の声援も1つぐらいあっていいよなぁ!?」
と、外野にちょっとしたガヤを飛ばすナットであった。
しかし、圧倒的なひらめき力と実力により、ナットは形成逆転に成功した。
「これって…」
「ああ、ナットの勝ちだ。」
とうとう決着が着いた。結果はコルの勝利、どうやらあれから三手で形成を逆転されたらしい。
「ただいまー…何してんだお前ら?」
「「遊んでる!」」
「楽しそうでなによりだよ。」
何分もの時間、遊びを転々として時間を潰しているとレイが、王国軍との話合いから帰ってきた。
「大事な話がある、少し聞いてもらってもいいか?」
「うん。」
と、彼女が返事すると周りもすぐに返事をして、皆がレイに集中した。
「……全面戦争、参加するか?」
ひと息もふた息をついて、彼はそう詰まった言葉を無理やり流すように吐き出した。この言葉の責任がどれだけの重さか、計り知れないが間違えなく…あまりにも大きいのだから。
「俺は行く。できれば前線に配置してくれ。フロスに話があるからな。」
「理由は?」
「少し記憶が戻った…。そんでフロスは俺の兄貴だ。」
即答でアルスはそう返事をした。
凛とした目の中には、絶対に打ち破れない決意とそれ相応の覚悟があった。
「…私は……安全圏で《次元の眼》を飛ばすで…いいかな?」
「もちろんだ。お前は前線に行くより後衛で生き残って情報共有を頼む。」
「うん!」
少し考えたあと、コルはそう返事をした。
「あと、ナットとラーラだが…2人にはやって欲しい役割がある。もちろん安全な役割になるつもりだ。」
指名された2名は自信満々にこう答えた。
「任せろって、俺が任務しくじったことあったかぁー?ねぇーよな?」
「あたしの行動一つで誰かを救えるなら、やるわ。」
そう全員の返事を聞き終わったあと、レイが1呼吸おいて「わかった」と言った。そしてその後、また王国軍の元に行った。
その後、ラーラが1つ遠くを眺めるような様子でこう言った。
「全面戦争が終わって……平和が来ればあたし達の苦労が報われる…みんなでお祝いでもしたくない?」
「…だなっ!」
アルスは元気よくそう答えた。
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