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全面戦争 前夜(五章)
200.護るべきモノ
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私は地獄と化した村から逃げた。
悲しさはない…いやある。だけどそれ以上のものがあった。
そして私は…最悪な形で夢を叶えた。
街中につき、私は働き口を探しまくった。
どこでもいい…生きていけるならどこでもいい。
それで村のみんなを逃がすんだ、その為ならどんなことであってもできる。
その後…何ヶ月か職を転々とした。
結局、自分が生きていくのに必死だった。失敗を繰り返し、失業を繰り返し…半年後にやっと安定した所を見つけた。
しかし…残酷なものだ、半年という時間がたてば…"村はもう無くなっていたんだから"。
「あの…働かせてください…。」
今日で何件か働き口を周りまくって見つけた万事屋だ。
私はドアを開き、そう言って入っていった。
「とっ、とりあえず、休んでく?」
ドアを開けた直後、急いで降りてきた女性は私の顔色を見るなり、そう言ってくれた。
「は、はい…。」
「ボスー!とうとう新入社員が来たかもよー!!」
その女性はそう言って、この職場のトップの人を呼んだ。
ボスと呼ばれた人は「本当か!?」と、とっても嬉しそうに階段を下った。
今まで見てきた中でも、雰囲気がゆるかった。少し非日常感があって…案外居心地の良い場所であった。
「はい採用!」
…と、ボスが降りてきた。彼は私の顔を見てそう言った。
あっさりと次の職場が決まった。
ラーラさん、レイさんとやる仕事は楽しかった。
この時だけは…夢が叶ったことに感謝できた…。ここに出会えてよかったって。それでも…たまに悪夢は見る、人は怖い、上手く話せない。
これから立ち直っていこうって…考えていた。
現在。
ディラノス王政の崩壊から1ヶ月。あの1ヶ月前に回収した資料に書かれてあった通り今日、全てが決まる。奴らから手紙が届いた。戦争の詳細が書かれた予告状のようなものであった。
6月7日、レジサイドとの、全面戦争が始まってしまう。
1番隊から3番隊までの兵士達が、戦争場所の王都の市民を全員逃がし準備を整えた。
王城には無数の兵士が列に並び弓を構えている。
1番隊から2番隊を主に、兵士が城を取り囲むように腎を整えて守っている。
そして、4番隊は…
「お前達は幹部狩りだ…タクシェン、ミシェル、フロス。奴らを見かけたら"殺せ"。生け捕りなんて考えるな。」
マーベインから司令を出された通り、王城から離れたところで少数となり潜伏していた。その中には、レイとスノがいた。
「レイさん…今更ですけど、兵士じゃないのになんで…?」
「兵士じゃなくても、兵士の志は忘れてなかっただけだ。」
「ふふっ…昔の隊長が戻ってきましたね。」
と、最後になるかもしれない雑談を程よく交わし、2人は前を向いて周りを警戒していた。
…そして、マーベインは王城の中心で魂を震わせていた。
「平和の守護者となるために…俺は刃を振るおう。」
悲しさはない…いやある。だけどそれ以上のものがあった。
そして私は…最悪な形で夢を叶えた。
街中につき、私は働き口を探しまくった。
どこでもいい…生きていけるならどこでもいい。
それで村のみんなを逃がすんだ、その為ならどんなことであってもできる。
その後…何ヶ月か職を転々とした。
結局、自分が生きていくのに必死だった。失敗を繰り返し、失業を繰り返し…半年後にやっと安定した所を見つけた。
しかし…残酷なものだ、半年という時間がたてば…"村はもう無くなっていたんだから"。
「あの…働かせてください…。」
今日で何件か働き口を周りまくって見つけた万事屋だ。
私はドアを開き、そう言って入っていった。
「とっ、とりあえず、休んでく?」
ドアを開けた直後、急いで降りてきた女性は私の顔色を見るなり、そう言ってくれた。
「は、はい…。」
「ボスー!とうとう新入社員が来たかもよー!!」
その女性はそう言って、この職場のトップの人を呼んだ。
ボスと呼ばれた人は「本当か!?」と、とっても嬉しそうに階段を下った。
今まで見てきた中でも、雰囲気がゆるかった。少し非日常感があって…案外居心地の良い場所であった。
「はい採用!」
…と、ボスが降りてきた。彼は私の顔を見てそう言った。
あっさりと次の職場が決まった。
ラーラさん、レイさんとやる仕事は楽しかった。
この時だけは…夢が叶ったことに感謝できた…。ここに出会えてよかったって。それでも…たまに悪夢は見る、人は怖い、上手く話せない。
これから立ち直っていこうって…考えていた。
現在。
ディラノス王政の崩壊から1ヶ月。あの1ヶ月前に回収した資料に書かれてあった通り今日、全てが決まる。奴らから手紙が届いた。戦争の詳細が書かれた予告状のようなものであった。
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王城には無数の兵士が列に並び弓を構えている。
1番隊から2番隊を主に、兵士が城を取り囲むように腎を整えて守っている。
そして、4番隊は…
「お前達は幹部狩りだ…タクシェン、ミシェル、フロス。奴らを見かけたら"殺せ"。生け捕りなんて考えるな。」
マーベインから司令を出された通り、王城から離れたところで少数となり潜伏していた。その中には、レイとスノがいた。
「レイさん…今更ですけど、兵士じゃないのになんで…?」
「兵士じゃなくても、兵士の志は忘れてなかっただけだ。」
「ふふっ…昔の隊長が戻ってきましたね。」
と、最後になるかもしれない雑談を程よく交わし、2人は前を向いて周りを警戒していた。
…そして、マーベインは王城の中心で魂を震わせていた。
「平和の守護者となるために…俺は刃を振るおう。」
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