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2キセイセ

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探索編(四章)

185.紡ぐ彼の意志⑤

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「加速を終わらせるぅ…?なにかの冗談かーー」

そう言って、メイソンがレイの発言に気にも取られていない様子であったが、レイの行動を見て目をかっぴらいた。

レイは奴の砂時計を、思いっきり下に向けて投げたのだった!

ビュン!!

その瞬間、メイソンはそれを自分を心物で何十倍速にも加速さて、その砂時計を回収した。
そして、次の瞬間には槍を構えていたレイから去っていた。

「…知恵比べに負けたなメイソン、心物は壊れないぞ?」

「じゃーなんでこんなことを…!?」

メイソンは砂時計の砂がほとんど『増』と書かれた方に移動していたことに気がついた。
そう、あの急加速で加速の時間は終了したのだ。

「この情報をお前が知らないと思ってな…"砂時計を盾にした時、お前攻撃できなかったろ?"」

「!?」

このレイの策に引っかかり、メイソンは後退りをして逃げようとしていた。

「もういい、今からお前をぶっ刺す。」

「……命乞いは通用しなさそうだなぁ…ハハッ。」

と、歩きながらメイソンに槍を構えてレイが進んでいると……

「ふぅぅ……ぅがぁぁぁあああ!!!」

メイソンは突如叫んだ!
なんの前触れもなく、何かをした訳でも無く突如だ。

奴は何かがある、奴にも何か覚悟の上の策がある。
と、レイが考えてしまった。レイに訪れるほんの1秒の混乱でメイソンは希望を掴んでいた。

「一瞬混乱したろ?…その間に限界まで減速させた。ほんの1秒されど1秒。もう減速は終了だぁ。」

「……そうか。」

そうレイは下を向いて言って、その後にメイソンを凛とした目で見てこう言い放った。

「もう手札は出し切ったろ?この増減でケリを付けようぜ?」

「もっちろんそのつもりだァ…!!!」

メイソンとレイは互いが互いに向かって走り出した。
ブンっ!そして、レイが槍でメイソンを薙ぎ払った瞬間、メイソンは突如、消えた。

どうせ後ろだろう。そうレイが考え、そのまま右回りに回転した。案の定メイソンはいて、その槍を回避できないと思っていたが、それも仰け反って回避して、目の前に殴りにかかった瞬間!

バンっ!!




「かった!?」

その瞬間、レイの持っていた《避役の長棒》が短い槍から盾に変化したのだ。

「俺も…やります!」

アルスがそう言って、メイソンの殴りを防ぐと、メイソンの手がパンパンに腫れ、痛みでのけぞっていた。

そして、その仰け反りを強くするように、レイは追い討ちをかけた。

「さあ。正義の鉄槌だ。」

大きく振りかぶり、メイソンの顔面を陥没させる勢いで、レイは正義の鉄槌を振りかぶった。
そしてそれが致命的なダメージとなり、メイソンを気絶させることができた。

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