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探索編(四章)

180.千載一遇の捜索

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一方でその頃、誰もいなくなった王城をレイ達が走り回って探索していた。

「ここ!鍵!」

「はい!」

《避役の長棒》でいつものように合鍵を作り、そのドアを開けた。基本、誰かの部屋だということが多い。
今回も部屋だったようだ。

「ああっ…ハズレだ。」

「資料部屋……見つかりませんね」

落胆するレイとアルスはここの部屋を去り、ササッと別の部屋に行き鍵を開けて入って、次の部屋を開けて入ってを繰り返していた。
しかし、一向に、なにかの資料が見つかる気配がない。

「クソッ…王の部屋に行くぞ!」

「はい!」

最後に残されたのは、絶対に侵入などできないであろう王の部屋。それが分かっていたから後回しにしていたが、最も可能性があるのは王の懐であると考えれば行くべきだと思った。

タッタッタッ!
勢いよく足音を弾ませて、階段をのぼり、高級なカーテンを横切っていざ王室へとたどり着いた。

「ハァ…。ここだ、ドアを勢いよく開けろ、私が槍で突っ込む。」

「はい!」

アルスは両王室へと重厚なドアに、両手をかけ吹き飛ばすようにドアを押した…。

「このドア引きだ!」

「何やってんだお前!?」

再度、気を取り直しアルスは両手で、王室の重厚なドアを掴んだ。そして、抜くつもりでドアを引いた。
バァン!
壁に叩きつけられたドアと共に、レイは前方に突っ込んだ。
空気を刺した槍をしまい、周囲を見渡してレイは言った。

「…いや、誰もいないようだな。」
 
アルスはほっと一安心して、鍵があるドアを見渡し始めた。
それがあったのは王座の後ろにあったドア、一つだけであった。

「よし、あの部屋を開けろ!」

「はい!」

アルスは言われるがままに、そのドアの合鍵を作り、開けた。
中を覗いて見ると、衝撃的な光景が広がっていた。

「うえっ……臭い部屋っすね。」

「酷い…死臭がする。」

原因は…あの特殊な液体の中に入れられている…。
人の、目だろうか?これが何を意味するかは彼らにはもちろん分からなかったが、この不快な空間の中で探索を始めた。

しかし…何かが見つかる訳では無かった。

「目…王の趣味なのか…?」

「やっぱり、あの王は想像以上に人を殺してきたって事ですよね。」

「そうだな」

その部屋を後にして、一番にドアを閉めた。
そして…またどこかに部屋がないかを探し始めた。だが、部屋の気配すらなく、ただただ時間だけが過ぎていった。

「なぁ…アルス。お前が王なら重要な資料をどこに隠す?」

「改築していいなら、王座の下とかいいかもしれませんね。」

「決まりだな。」

そう言うと、レイはいきなり王座を蹴っ飛ばした。
しかし、部屋1面の赤いカーペットが敷かれていただけで何も無かった。

「…何も無さそうですね…。」

その次に、レイは床を叩き始めた。
王座の下と、それ以外の場所を。叩いたあと、レイはこうアルスに言った。

「…いや、ある。」



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