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探索編(四章)
172.城内の探索②
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「王の…寝室?」
アルスは戸惑いながらもそう聞いた。
理解が追いついていないような表情で、固まっていた。
「聞き耳を立てろ。なにか聞こえるぞ」
マーベインはそう耳打ちをして、壁に耳を添えた。
そうすれば、漏れてきた声が何となく聞こえてきた。
「来たか…」
「来ちゃった。王様の困り事あれば言って欲しいなー。」
「貴様らはそう言っておいて、我を利用したいだけであろう?」
「そーだね。王様の困り事は俺達の問題にもなるんだから」
会話しているのはディラノス王と…誰か1人。その誰かの声は聞いたことが気がするが、特定はできなかった。
アルスはそう考えさらに聞き耳を立てることにした。
「さぁ、開いてくれ」
「あー、亜空間?今回は報告だけ、開くまでもないよ。」
「それはそうか。」
亜空間?などとアルス達には聞き覚えが無い言葉を耳にしたが、それの意味を考える暇もなく、次の話へと切り替わった。
「四番隊の服従…進んでるー?」
「進んでおらん。如何せん隊長に恐ろしいという感情がないのか、全く服従させらないのだ。」
「【帝王の証】(エンペラー・クラウン)。その心物があればもう少しレジサイドの部下を使いやすくなるのにー…。」
レジサイド!?
やはり…王はあの犯罪組織と関わりがあった!
「1度でも我を恐れさせれば、どんなことがあろうと我に逆らうことができぬ。全く、我ながら恐ろしい心物だ。」
「四番隊の隊長みたいな、例外を除けば国家を統治するのにこれ以上適した能力はないね。」
それにしても…このディラノスと話している男の声、どこかで聞いたことがある。微かに聞いたなどでは無い…忘れた記憶の片隅にあるんだ。
「問題はその四番隊隊長だ。奴をどうすれば服従させれるのだ!?」
「そうカッカするなよー。それにいい方法がある、今日はその報告できたんだよ?」
「いい方法だと!?」
そのようにディラノスが飛び出すような声で、男に問いかけると、男は冷静に、ニヤァっと極めて悪人であることを象徴するかのような顔でこういった。
「マーベインは自分が兵士最強であると自覚している。だからやつに危害を加えようとしても、何人にも恐怖を覚えることは無いのであろう。」
そう、言って調子づいたかそのまま早口で続けた。
「でも…人は自分の大切なものが無くなると思うと、どうしようもなく怖くなる。あいつたしか"妹"いたよな?」
その発言が出た瞬間、マーベインは足音をドンとたて、ドアノブに手をかけた。それをレイが背中を引っ張り抑えた…しかしだ。
「誰か来たか?」
「いや、分からない。でもまぁ、今日はこれで報告完了。じゃーね」
「さらばだ。」
アルスは戸惑いながらもそう聞いた。
理解が追いついていないような表情で、固まっていた。
「聞き耳を立てろ。なにか聞こえるぞ」
マーベインはそう耳打ちをして、壁に耳を添えた。
そうすれば、漏れてきた声が何となく聞こえてきた。
「来たか…」
「来ちゃった。王様の困り事あれば言って欲しいなー。」
「貴様らはそう言っておいて、我を利用したいだけであろう?」
「そーだね。王様の困り事は俺達の問題にもなるんだから」
会話しているのはディラノス王と…誰か1人。その誰かの声は聞いたことが気がするが、特定はできなかった。
アルスはそう考えさらに聞き耳を立てることにした。
「さぁ、開いてくれ」
「あー、亜空間?今回は報告だけ、開くまでもないよ。」
「それはそうか。」
亜空間?などとアルス達には聞き覚えが無い言葉を耳にしたが、それの意味を考える暇もなく、次の話へと切り替わった。
「四番隊の服従…進んでるー?」
「進んでおらん。如何せん隊長に恐ろしいという感情がないのか、全く服従させらないのだ。」
「【帝王の証】(エンペラー・クラウン)。その心物があればもう少しレジサイドの部下を使いやすくなるのにー…。」
レジサイド!?
やはり…王はあの犯罪組織と関わりがあった!
「1度でも我を恐れさせれば、どんなことがあろうと我に逆らうことができぬ。全く、我ながら恐ろしい心物だ。」
「四番隊の隊長みたいな、例外を除けば国家を統治するのにこれ以上適した能力はないね。」
それにしても…このディラノスと話している男の声、どこかで聞いたことがある。微かに聞いたなどでは無い…忘れた記憶の片隅にあるんだ。
「問題はその四番隊隊長だ。奴をどうすれば服従させれるのだ!?」
「そうカッカするなよー。それにいい方法がある、今日はその報告できたんだよ?」
「いい方法だと!?」
そのようにディラノスが飛び出すような声で、男に問いかけると、男は冷静に、ニヤァっと極めて悪人であることを象徴するかのような顔でこういった。
「マーベインは自分が兵士最強であると自覚している。だからやつに危害を加えようとしても、何人にも恐怖を覚えることは無いのであろう。」
そう、言って調子づいたかそのまま早口で続けた。
「でも…人は自分の大切なものが無くなると思うと、どうしようもなく怖くなる。あいつたしか"妹"いたよな?」
その発言が出た瞬間、マーベインは足音をドンとたて、ドアノブに手をかけた。それをレイが背中を引っ張り抑えた…しかしだ。
「誰か来たか?」
「いや、分からない。でもまぁ、今日はこれで報告完了。じゃーね」
「さらばだ。」
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