マインドファイターズ

2キセイセ

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探索編(四章)

168.四番隊の拠点①

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アルス達がコルから届いた手紙を読んで衝撃を受けていた頃。
一方は訓練の苦労を舐めていた。

「はぁ…はぁ…。え、こんな訓練辛いの!?」

早々にバテて尻を地に着き、手を後ろに置いて息を上げていた男がいた。ナットだ。
そのあまりにも、自分と同じ兵士という括りにして欲しくないと思われる様子をスノは見た。

「はい、頑張ってください。」

「いやいや…てか!ラーラとかコルとかの方がヤベーだろ!あいつら俺より体力ねぇーんだから!俺でこれならあいつら死にかけてんだろ!」

「その点は安心してください。二人は事務なので。」

「ええ…俺も事務が良かった…今から変えれねぇか?」

「無理ですね、事務はこれ以上入れれないので。」

その言葉をナットが耳にすれば、彼からため息が出てしまうのは当然のことであった。ハァ…。といったため息はスノに当てられたものでは無い。昨日か一昨日か忘れたが…。

「俺…戦えますんでっ。」

と、髪をかきあげながら、ちらっと横目でスノを見ながら言って、イキって戦闘部隊に入ってしまった彼自身に向けられた、ため息だった。

ナットは疲労感で重くなった体をうんと起こし、まだまだ訓練を続けようとしていた。

「まじで…。こんなっ…大変だとは…。」

「まぁ…さっきまで一般人だった人にしては、耐えている方ですよ。さっ、もうすぐ訓練が終わりますので今日は最後までやり遂げましょう。」

「そのつもりだぁ!」

ナットはそう意気込んで、もうすぐ終わるであろう地獄を最後まで生き抜く覚悟をした。

時間が経ち、夕方になった頃。
とうとう今日の訓練は終わり、夕食の時間が来た。
夕食は非常に大きい食堂で行われることになっている。

「ナット。あちらの席でいいですか?」

「ああ、ご自由に。」

そう二人は配れた豪華な食事を机に運び、席に座った。
いただきますと二人が同時に言ったあと、スノが話し始めた。

「そういえば、タクシェンに背中刺されたそうですね。治りましたか?」

「ああ…そこまで深くなかったみたいだ…いや深いけどな。…つーかやばいのはそっちだろ。岩に激突したんだって?よくあんな動けるなお前…。」

そうナットが疑問を投げかけた時だ、スノは何故か少し嬉しそうにして、堂々と自分の隊服の下を見せつけてきた。

「チェーンメイルと衝撃吸収材が入ったジャケットです。ちなみにこの隊服は私が考えました。」

そう話し始め、スノはこの隊服のいい所を語り出した。
軽装で動きやすいことなどと様々な利点を言った。そして最後に…

「まあ、私のは特注で比較的軽めに作られているんですけどね。」

と付け加えた。そして、解説を半分ぐらいしか聞いていなかったナットはこう聞いた。

「まぁ…大丈夫ってこと?」

「はい。そうですね。」
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