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探索編(四章)
165.王の宮殿①
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「着いたぞ。」
ナット達は新入りとして四番隊へと潜入していた。
一方その頃、マーベインが率いる王宮の調査班はやっと目的地に到着したようだ。
「あっ…。見張りの兵士はアルスとレイが交代でやる事となっている。だからそれぞれの空いている時間に調査を頼む。俺の空き時間はほとんど無いだろうからな。」
マーベインは最終確認として、アルスに調査の具体的な方法を言った。アルスは「はいっ!」と威勢のいい返事をして、マーベインとは別れ、仕事場所に向かった。
配置場所は、測塔と呼ばれる城門から最も近い塔であり、そこから兵士の増援ができるという場所であった。
侵入者や、攻城戦などの第1次防衛ラインというべき場所なのであろう。
アルスは他の兵士と同様の重い甲冑を身にまとい、非常に動きずらそうにしていた。
この測塔には他にも兵士が何人かいる。それぞれが別の方向を向いて警戒をしているが…調査のために動けるような環境ではないと判断し、何もすることはなく、ただただ兵士として警備することを重点的に置いた。
一方でレイは、マーベインが持っていた地図と照らし合わせて、王宮を探索していた。構造自体はレイも把握していたのだが、鍵のかかった部屋を把握していなかったので、それを解消しようと調査に出かけた。
「…おい!そこの人!止まれ!」
うろちょろと城の中を歩いていると、突然、後ろにいた兵士に注意されてしまった。レイは慌てて後ろを振り返り、謝ってこの場を流そうとした…が。
「あれ!レイ先輩じゃないすか!戻ってきてくれたんですか!?」
と、一気に好青年のような口調に変わり、大声でそう言った。
レイは面倒くさそうにしていたがしっかり返事は返していた。
「少し…自分自身の目的の為にな。」
「分かりました!レイ先輩の正義を応援します!正義第一。四番隊の若き隊長はそう言っていましたから!」
と、言ってその兵士は何も咎めずにレイを見送った。
マーベインはしっかりと自分の正義を持っているのだなとレイは改めて感じた。…それはスノもそうなのだろう。
ザーダがそうだったように。
正義、と聞くと雑念がついつい多くなってしまう。
私だけだった…王に従って、それが正義だと勘違いしていた馬鹿野郎は。
ほら、また増えてしまった。
先程話した兵士の警備場所は王座前の扉。
ここを開ければ王が目の前にいるという状況であった。
「さて…少し見てみるか。」
王座を守るものは各隊の隊長や副隊長などと上の方の役でしか任せられていない。
ナット達は新入りとして四番隊へと潜入していた。
一方その頃、マーベインが率いる王宮の調査班はやっと目的地に到着したようだ。
「あっ…。見張りの兵士はアルスとレイが交代でやる事となっている。だからそれぞれの空いている時間に調査を頼む。俺の空き時間はほとんど無いだろうからな。」
マーベインは最終確認として、アルスに調査の具体的な方法を言った。アルスは「はいっ!」と威勢のいい返事をして、マーベインとは別れ、仕事場所に向かった。
配置場所は、測塔と呼ばれる城門から最も近い塔であり、そこから兵士の増援ができるという場所であった。
侵入者や、攻城戦などの第1次防衛ラインというべき場所なのであろう。
アルスは他の兵士と同様の重い甲冑を身にまとい、非常に動きずらそうにしていた。
この測塔には他にも兵士が何人かいる。それぞれが別の方向を向いて警戒をしているが…調査のために動けるような環境ではないと判断し、何もすることはなく、ただただ兵士として警備することを重点的に置いた。
一方でレイは、マーベインが持っていた地図と照らし合わせて、王宮を探索していた。構造自体はレイも把握していたのだが、鍵のかかった部屋を把握していなかったので、それを解消しようと調査に出かけた。
「…おい!そこの人!止まれ!」
うろちょろと城の中を歩いていると、突然、後ろにいた兵士に注意されてしまった。レイは慌てて後ろを振り返り、謝ってこの場を流そうとした…が。
「あれ!レイ先輩じゃないすか!戻ってきてくれたんですか!?」
と、一気に好青年のような口調に変わり、大声でそう言った。
レイは面倒くさそうにしていたがしっかり返事は返していた。
「少し…自分自身の目的の為にな。」
「分かりました!レイ先輩の正義を応援します!正義第一。四番隊の若き隊長はそう言っていましたから!」
と、言ってその兵士は何も咎めずにレイを見送った。
マーベインはしっかりと自分の正義を持っているのだなとレイは改めて感じた。…それはスノもそうなのだろう。
ザーダがそうだったように。
正義、と聞くと雑念がついつい多くなってしまう。
私だけだった…王に従って、それが正義だと勘違いしていた馬鹿野郎は。
ほら、また増えてしまった。
先程話した兵士の警備場所は王座前の扉。
ここを開ければ王が目の前にいるという状況であった。
「さて…少し見てみるか。」
王座を守るものは各隊の隊長や副隊長などと上の方の役でしか任せられていない。
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